モスノウ

登録日:2019/12/15 Sun 00:26:42
更新日:2025/03/23 Sun 21:48:21
所要時間:約 6 分で読めます






はねの温度はマイナス180度。冷気を込めたりんぷんを雪のようにふりまき野山を飛ぶ。

モスノウは『ポケットモンスター』シリーズに登場するポケモン。
初出は『ソード・シールド』から。


*データ


全国図鑑№:873
ガラル図鑑№:350
分類:こおりがポケモン
英語名:Frosmoth
高さ:1.3m
重さ:42.0㎏
タマゴグループ:むし
性別比率:♂50♀50

タイプ:こおりむし
特性:りんぷん(技の追加効果を受けない)
隠れ特性:こおりのりんぷん(特殊攻撃のダメージを半減させる)



HP:70
攻撃:65
防御:60
特攻:125
特防:90
素早さ:65

合計:475

努力値:特攻+2

ユキハミを十分懐かせ、夜か深夜にレベルアップでモスノウに進化。

×4:ほのおいわ
×2:ひこうはがね
×1/2:くさじめん、こおり

*概要


雪のように白い身体ののポケモン。
雪の結晶を思わせる模様があるその翅と触角は透き通っており、背景次第では色が変わっているようにも見える。
一見肢の類がないように見えるが、首回りを覆うマフラーのようなものがどうやらそれらしく
攻撃モーションでそれを広げる動作をする。この時掌(?)にはハート型の模様が見える。

その翅の温度はなんと驚異のマイナス180度。
これはユキメノコが操る冷気のマイナス50度や、現在地球で観測されている最低気温のマイナス約90度を軽く上回っており極寒なんて言葉すら生易しいだろう。
迂闊に触れたらトレーナーが凍死してしまいそうである。

普段は野山を飛び回っているようだが、住処を荒らするものがいれば容赦なくその超低温の翅をはばたかせ、吹雪を起こして撃退しようとする。


*ゲームでのモスノウ


進化前のユキハミが8番道路、10番道路に出現。
ワイルドエリアではげきりんの湖の天候が雪の時に出会える。
特に出現率が低いわけでもないので、簡単に捕まえられるだろう。
その一方でモスノウは野生出現しなかったが、冠の雪原の頂への雪道で登場するようになった。

シールドバージョンのみに登場するジムリーダーメロンはパーティの一員としてモスノウを所持している。

SVではプルピケ山道~ナッペ山といった山間部で出現するが、アカデミーにほど近いセルクルタウンにフラベベ(色不問)と交換でユキハミ(NN:こゆきち)をくれるNPCがいるため、序盤から入手できる。

*対戦でのモスノウ


高い特攻と特防を持つ反面、物理面の能力は低い。
おまけにタイプの組合せの所為で4倍弱点をほのおいわと2つも持ってしまっている。
素早さも65と平均以下で、上から殴れるような相手も少ない。

これではせっかく高い特攻を持っていても活かすことは難しい…と嘆くのはまだ早い。

モスノウの強みは隠れ特性の「こおりのりんぷん」にある。
これは特殊攻撃のダメージを半減するというもので、実質トリミアンがもつ「ファーコート」*1の特殊版である。
このため隠れ特性なら特防種族値は200相当(無振り時)ということになるし、
特殊技に限ってみるならはがねひこう技は弱点ですらなくなるし、
性格補正や努力値、持ち物次第ではサニゴーンパワージェムヒートロトムのオーバーヒートを1耐え出来たりする。
過去の世代のポケモンでいうならレジアイス級の特殊耐久を狙えるのだ。

これらの点から、対戦で活躍させるなら隠れ特性を育てることになるだろう。
隠れ特性持ちのモスノウはワイルドエリアの特定の場所の巣穴にてマックスレイドバトルで出現することがあるので、そこで狙おう。
ただし、このレイドのモスノウは「ちょうのまい」で火力を上げてくるうえに全体対象の「ふぶき」持ちと結構な強敵なので心して挑むべし。

欠点としては技のラインナップ、特にサブウェポンにイマイチ恵まれないところがあり、攻撃範囲が狭めな点。
メインウェポンは「れいとうビーム」「むしのさざめき」「ふぶき」があるのでまあ問題ないのだが、
サブウェポンとなると有用そうなのは「ギガドレイン」「ぼうふう」「マジカルシャイン」くらいしかない。
特にはがねタイプに打点が取れる技を一切覚えないのは辛いところ。
あと弱みとまではいかないだろうが、「ぜったいれいど」「フリーズドライ」を覚えないのもこおりポケモンとしては歯痒く感じるかもしれない。
フリドラはともかく、図鑑のテキスト的に前者は覚えてもよさそうなのだが…。

補助技はそこそこ充実しており、「ちょうのまい」で特殊面を更に強化しつつ素早さを補ったり、「フェザーダンス」を物理アタッカーへの交代読みで出したりできる。
「オーロラベール」「ワイドガード」といったダブル向けの技も習得可能。
また、タマゴ技に「ミラーコート」があるのでほのおポケモンと対面しつつ一矢報いることもできなくはない。

もちものは特殊耐久に更に磨きをかける「とつげきチョッキ」、
必要な時に交換して出すことを主眼に入れるなら「こだわりメガネ」「こだわりスカーフ」、
高威力の特殊が多い炎技を半減する「オッカのみ」などが候補に挙がる。
サイクル戦を意識するのであれば「あつぞこブーツ」と言う手も。何せステロもキョダイコウジンも喰らったら無茶苦茶痛いポケモンである。

ランクバトルシリーズ3でキョダイラプラスが大流行した頃、受けポケモンとして重宝された。「ちょうのまい」と「じゃくてんほけん」の欲張りセットで全抜きエースとして使う型、「ねむる」「カゴのみ」で粘って時間切れ判定で勝つ型など、その持ち味を活かした型が対戦で見かけられた。ただ、物理に弱いことや耐性が悪いことから、ダウンロードコンテンツ解禁前ですらも「使いこなせば強い」程度の立ち位置であったことに留意されたい。

冠の雪原で比較対象となるレジアイスが解禁されて以降も、「ちょうのまい」や特攻の優位を活かしてよりアグレッシブに立ち回れる点、特殊耐久指数の高さなどで差別化は可能。

ポケットモンスター スカーレット・バイオレットにも続投。
天候のあられが雪になり、防御が1.5倍となる仕様に変更。
特性のおかげで特殊耐久の高いモスノウは高い物理耐久も獲得するに至った。
オーロラベールなどで更に防御を固めるとちょっとやそっとでは落ちず、更にテラスタルで4倍弱点すら補うことが可能に。
とんでもない耐久を活用して積みエースとなることが可能となった。


さて、そろそろ追記修正を…おや?




  ∧∧∧
<(・⊃⊂・)> <ふんわ


…どうやらユキハミが迷い込んできたようなので、せっかくだしこちらについても。


*進化前・ユキハミについて



地面に積もった雪を食べる。たくさん食べれば食べるほど背中の棘は立派に育つ。

全国図鑑№:872
ガラル図鑑№:349
分類:いもむしポケモン
英語名:Snom
高さ:0.3m
重さ:3.8㎏

丸っこくて真っ白い身体のいもむしポケモン。その後ろ半分は氷でできた殻のようなもので覆われている。
地面に積もった雪を食べて成長し、そのたびに殻のトゲが立派になっていく。
口からは冷気を帯びた糸をはき、寝るときはこれで身体を固定し氷柱に擬態する。

この手の「虫の幼虫をモチーフとしたポケモン」は大抵序盤に出てくることが多いが、ユキハミは生息地に行くのが後半に入ってからと比較的遅め。
とはいえ種族値などは序盤の幼虫ポケモンと大差なく、技もレベルアップでは初期の「こなゆき」「むしのていこう」以外覚えない。
ただしわざマシン及びレコードは使える。


…だがそんなことはさして重要ではない。
このユキハミというポケモンは…


とても可愛らしい

のである。

その雪○だいふくの如き丸っこいフォルム黒い点で表現されたつぶらな瞳
柔らかそうな口をはみはみさせる仕草など、その愛らしさに確定1発で落とされたトレーナーが続出。
表情も意外と豊かで、嬉しい時には笑うし、攻撃時には怒った目をするし、戦闘不能時には目を回したりする。

あと、ユキハミとポケモンキャンプで遊んでいる時はぜひともボール遊びをしてあげてほしい。
そのゆっくりとした歩みで一生懸命ボールを取りにむかい、持ってきてくれる姿はたまらなく愛おしい。

…と、こんな感じで可愛らしさ抜群のユキハミ、たちまち人気者となり
ネット上ではイラストはもちろん、フェルトや粘土でユキハミを自作する人も現われたりしている。
そればかりか、2020年2月に開催された「ポケモン・オブ・ザ・イヤー」では総合順位30位
ガラル地方出身ポケモンに限れば御三家伝説のポケモンを差し置いてなんと4位にまで食い込んだ。
(ちなみに御三家であるゴリランダーエースバーンインテレオンはそれぞれ29位・6位・10位)

イラストでは見た目が似通っているナマコブシバチンウニと一緒に描かれることも多い。
これが公式に認知されたのか、最近では公式でもこの3匹が一緒に描かれたり、ぬいぐるみが一挙に発売されたりしている。

また、その見た目に反してカレーを作った場合大盛りになるなど、実はかなりの大食い。(というかユキハミに限らず幼虫のポケモンはだいたい大食い)
この辺のギャップも人気の理由の1つだろうか。


*余談


  • 名前の由来は「moth(蛾)」+「snow(雪)」だろうか。英語名も「frost(霜)」と蛾の合成になっている。ユキハミはそのまま「雪」+「食み」だろう。
  • 外見は、ユキハミはジュエルキャタピラー(イラガの仲間の幼虫)、モスノウはオオミズアオと蚕蛾がモチーフと思われる。
  • 先述の通りユキハミはカレーを大盛りで食べるが、モスノウになるとスプーン1杯分しか食べなくなる(もっともこれはバタフリーグソクムシャなど他の虫ポケモンにも見られる傾向ではある)。この辺りもオオミズアオがモチーフ説に拍車をかけているか(もうひとつのモチーフと思われる蚕蛾に至っては長年の品種改良による家畜化でそもそも口が無く物を食べることが出来ない)
  • くさタイプを持たないほのお4倍弱点、同世代のセキタンザンの「タールショット」の効果、くさタイプを追加する「もりののろい」からパラスを超える最大ダメージの被害者として名前が挙がる1匹である。くさ・むし・こおりで抜群3乗(パラスはくさを持つためもりののろいが効かない)、タールショットでさらにほのお2倍が入り、ここにタイプ一致や急所が加わるとダメージ36倍という理論値が出る。さらにとくせいをかんそうはだにしたり、天候を晴れにすればさらに被害が拡大する。今日もどこかで廃人トレーナーに燃やされる彼らがいるだろう・・・



  ∧∧∧
<(・⊃⊂・)> <あいすす(追記・修正お願いします)

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最終更新:2025年03月23日 21:48

*1 厳密にはあちらは「自身の防御を2倍」にしているので少し違うが。