百烈パンチ(技)

登録日:2020/05/31 Sun 13:06:09
更新日:2025/04/24 Thu 13:29:10
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百烈(ひゃくれつ)パンチとは、パンチ(技)の派生形の一種。

目次

概要


残像を生じさせるほどの超高速で放たれる無数のパンチの連打。
絵面が非常に派手で迫力があり、パワーとスピードの両方を印象付ける表現技法として多くの作品で採用されるに至っている。
しかし、その一方で、「パンチ使いの基本技」のように見られることも少なくなく、これより格上な技が登場する作品も割と多い。始祖技の宿命と言えば仕方ないのだが。

具体的にどの作品がこの手の表現の先祖なのか、と言われるとやや不明瞭だが、創作界隈で最もインパクトのある百烈パンチの創始者と言えば、『北斗の拳』のケンシロウが使う「北斗百裂拳」だろう。
ただし、この技は正確には「目にも止まらぬスピードで相手の秘孔を突き、破裂させる技」である(そのため技名も「百烈」ではなく「百裂(百に裂く)」である)。
一般的な百烈パンチのイメージには牙一族相手に使用した「北斗千手壊拳」の方が近い。
しかしインパクトがあったためか、後のゲスト出演作や霞拳志郎版などでは普通にパンチ技として描写されることも多い。

なお、ここでは「拳が分身して見えるほどのスピードでのパンチ」を使うキャラクターを紹介し、「現実のボクシングにおけるラッシュ」のような「単なる連続パンチ」使いについては紹介しない。
(例:「れんぞくパンチ」(ポケモンシリーズ)、「ばくれつけん」(ドラゴンクエストシリーズ))

百烈パンチ使いのキャラクター達



ケンシロウにすっかりお株を奪われている感もあるが、彼だって立派な百烈パンチ使いの一人だったりする。
「北斗千手殺」「北斗羅漢撃」というすさまじい速度で貫手を放ち相手を攻撃する技を持つ。ブオガガガという独特の擬音が印象的。
相手がケンシロウだったため、完全に決まっておらず、これらの技の正確な効果は不明。北斗と付いているが、媒体によってはジャギが自分で編み出したオリジナル技という設定なので、秘孔を突かず普通にパンチでダメージを与える技の可能性も高い。
実際、ゲーム版では秘孔系の技ではないように描写されている。
なお、実は羅漢撃は 原作ではどういう技かわかっておらず、後のメディア化で百烈パンチとして描写された という経緯を持っていたりする*1
そのため、「千手殺」と「羅漢撃」の違いも媒体によって様々である(一応「千手殺」は原作で空中から使われていたことから、空中専用技として使われるケースもある)。

スピンオフコミック「極悪の華」では北斗羅漢撃は心から憎しみや恨みといった負の感情を捨てた者のみ極められるとされる*2
由諸正しい奥義として紹介されており、ジャギがリュウケンから直に伝授された非常に彼の中でウェイトの大きな技であるとされていた。*3
なお、ジャギに限らず長兄ラオウは「北斗羅裂拳」*4、次兄トキは「天翔百裂拳」と、
北斗四兄弟は皆この形式の技を用いている。

読んで字のごとく天馬星座の聖闘士が使う技。超音速のパンチを秒間数百発のペースで連打する連撃系大技。大方のこの手の技は両手で繰り出すが、星矢は片手だけで放つのが特徴。
また、分散して放たれる流星拳を一か所に集中させると「ペガサス彗星拳」になる。
星矢のパワーアップとともにその速度は上がり、終盤では一発一発が光速に達した。
似たような技としては「セインティア翔」で子馬星座の聖闘少女が使うエクレウス流星拳がある。
星矢の師匠である鷲星座の魔鈴も流星拳という必殺技を持っており、直々に伝授されたか、
修行時代に見たか喰らった技を自身の必殺技として昇華したかのいずれかで習得したと思われる。
黄金聖闘士の獅子座のアイオリアはこれらをさらに上回る1秒間に1億発の拳を放つ「ライトニングプラズマ」を使い、
こちらは拳の速度が速すぎてもはや無数のレーザー光線がコマ内に張り巡らされているようにしか見えない。

歴代主人公のスタンドが得意とするラッシュ攻撃。凄まじい勢いで超高速の連撃を叩きつける。
基本は拳打だがまれに蹴りで繰り出すこともある。

初出は第3部『スターダストクルセイダース』の「星の白金(スタープラチナ)」から…と思われがちだが、実は第1部でジョナサンが原型と思われるパンチの連打を披露している。
しかし、波紋を帯びたパンチは性質上一発でも決まれば対吸血鬼等への一撃必殺となるので実は連発する必要性がない。そのためジョナサンが使用したのはたったの一度だけであり、2部のジョセフに至っては一度も使用していない。
主人公の必殺技としてラッシュが定着するのはスタンドが登場する3部からとなる。

「近距離パワー型」と称される、移動範囲が狭い代わりに超人的な身体能力を有するスタンドの代名詞であり、必殺技
物語のルール的に「これが直撃すればすわなち再起不能-リタイア-」であり、厄介な能力を持つ敵に知恵と機転を利かせて接近し、“射程距離”に入った相手をブチのめすカタルシスはたまらない。
……それだけに作中でも最高峰のスペックを持つスタープラチナ等が「ラッシュでも打開できない」状況になるとまた苦しい戦いを強いられることも。

オラオラと称されるのは空条承太郎や娘の空条徐倫の使うスタンド能力だけであり、主人公によっては「ドラララ」だったり、譲りの「無駄無駄」だったりする。
また、近距離パワー型のスタンド使いなら主人公以外にも用いたキャラクターが少数存在する。特に第5部『黄金の風』に顕著。

  • ゴムゴムの銃乱打(ガトリング)(ONE PIECE)
主人公モンキー・D・ルフィの得意技。すさまじい速度でパンチの乱打を食らわせる。
特徴的なのは、彼自身がゴムの体を持つゴム人間なので、射程がパンチとは思えないほど長いこと。
ゴムの伸縮による反動をつけて加速し、同時に破壊力を上げる(初期はコンパクトに初めて勢いをつける予備動作がああった)。
ちなみに、シャーロット・カタクリには「モチモチの実」の能力でパクられているが、彼の方は能力で手そのものを増やすというインチキ技である*5
その他、派生技についてはモンキー・D・ルフィの技一覧(ONE PIECE)を参照。

なお、DSのゲームJUMP ULTIMATE STARS』ではここまでに紹介したケンシロウ、星矢、承太郎、ルフィの4人を一つのデッキに入れた「オラオラオラ」というCPUデッキがデフォルトで用意されていたりする。

元々がパンチ系の技を得意とするボクサー型の機体だったが、ギアナ高地での修行を経て1瞬で10発のパンチを繰り出す「豪熱マシンガンパンチ」を習得。
しかし、ゴッドガンダムには「パンチが10発飛んでくるならこちらも10体のガンダムで受け止めればいい」という脳筋発想で分身されたことにより破られてしまった。

コロンにより伝授された女傑族の秘儀「火中天津甘栗拳」を使う。
これは焚火の熱が手に伝わるよりも前に火の中の栗を拾うというすさまじい修行で身に着ける技で、片手で数百発というすさまじい速度のパンチを可能とする。
この技の習得辺りから「スピードの乱馬」「パワーの良牙」と言った対比ができてきた構図もある。
原作では習得以降の使用回数はあまり多くないが、アニメ版やゲーム版では乱馬の必殺技として頻繁に使われている。

ちなみに「空想科学読本」で北斗百裂拳とどちらがすごいのか、という検証がされたことがある。

シリーズ途中からその名もずばり「百烈パンチ」という必殺技が搭載されている。
コマンドが難しい反面、百烈パンチ中に敵が接近すれば返り討ちにできるのは勿論、飛び道具を使ってきてもパンチで書き消す事ができる。

必殺技は「ひゃくれつ肉球(ゲームの対象年齢からひらがな表記)」。超高速で前足(手?)でパンチする。名前の通り殴打面は肉球。
ちなみに元々は自分の死因となった自動車に対抗するために編み出した技……なのだが、流石に自動車を破壊することはできない様子(ただし、トラックを数秒押しとどめて 人命を救った ことはある)。
なお、この技も空想科学読本で検証されており、 本家北斗百裂拳よりもスピードがすさまじい ことが明らかになっている。

すさまじい正拳のラッシュで摩擦熱により炎を巻き起こす「朝孔雀」という技を持つ。
名前の由来は飛び散る炎の残像が孔雀に見えることから。
爆発的な力を得る代わりに計り知れない負荷がかかる身体運用術・『八門遁甲』、その第六門『景門』まで開くことで使用可能になる絶技。
発火点となる拳はもちろん、炎を飛ばすほどの勢いから放たれる衝撃波も相当なものであり、見た目より攻撃範囲は広い。
何気に主人公勢以外でこの手の技を持つのは少し珍しい……かもしれない。

使用者がカブトムシ・クワガタムシなので、厳密にはパンチ*6ではなく角や大アゴを用いての突き。ただし英語版ではわざ名が「Machine gun punch」になっている。また、スローモーションにしてみればわかるが、実際は25回の突き。
テクニック20のダゲキ技で、相手を仰け反らせてから懐へ目にも留まらぬ連続突きを浴びせ、最後に必殺の突きでぶっ飛ばす。
相性の善し悪しはともかくどのムシにも覚えさせられるが、特に「オウゴンオニクワガタ」と「タランドゥスツヤクワガタ」がこれを超必殺わざとする*7
古代王者恐竜キングにも同様の動作の雷属性の超わざ「ガトリングスパーク」が登場する。ただしこちらはぶっ飛ばしはしない。

百烈「パンチ」ではなく百烈「張り手」だが、彼も残像ができるほどの拳打を行える。
春麗の「百烈キック」やジョーの「爆裂拳」とともに「攻撃ボタン連打=百烈(爆裂)コマンド」を確立させた立役者。

初代主人公三人組では唯一の連打系必殺技「爆裂拳」を持つ。
とにかくコマンド入力がし難い初代でも(というか格闘ゲーム全般でも)子供でも出せる技として重宝されていた時代も。
シリーズが進み、格闘ゲームとしてのバランスが取られるようになると追加コマンドによる多彩なフィニッシュが売りとなった。

斜め上へ連続パンチを放つ必殺技「バルカンパンチ」があり、ラルフのものはあまりの速さゆえか拳が見えず燃焼効果が付随している。ただしどちらも使い勝手はあまり良くなく、ボタン連打技なので暴発も怖い。
シリーズが進むにつれ投げキャラと化していくクラークには実装されなくなったが、ラルフは「バリバリバルカンパンチ」や「馬乗りバルカンパンチ」と超必殺技で派生が増え、
XIIIでは最強技に明らかにルフィのパロディの「JET・バルカンパンチ」が追加された。

極限流空手の大技「暫烈拳」がある。極限流高弟の1人ロバート・ガルシアはこれのキック版「幻影脚」を使用。
残像しか見えないほどのパンチの連打により「制空圏」を作り出し、敵の身体の一部でもこれに引っ掛かれば残りのパンチが集中していくという迎撃技
画面上では、踏み込んできた敵をパンチ連打で吸い込んでいくように見える。
漫画版では、人間の目では見切れない野獣の敏捷性を持つリー・パイロンをこれでつかまえた。
因みに、格闘ゲームでこのテの技が登場する時はボタン連打系に分類されがちな中で、暫烈拳はコマンド技扱いにすることで技の特徴を再現しているのだが、
リョウが隠しキャラとして登場した餓狼伝説スペシャルでは連打系となっていたが、強パンチ連打技の為に非常に出し難い反面、とんでもなく高威力となっていた。
後に彼等のパクリパロディネタキャラであるダンも新技「弾烈拳」として習得している。

意外とまともな攻撃技をいくつか保有している首領パッチだが、「しみったれブルース」という強烈なラッシュ技を何度か使用した事がある。
プルプー戦ではまさしく承太郎のパロディなのか「パチパチパチパチパチー!!」という掛け声と共に攻撃を見舞っていた。
この技は針千本と共に首領パッチの代名詞にもなっているようで、『JUMP ULTIMATE STARS』シリーズはもちろんのこと『Jビクトリーバーサス』でもストライカーとして使用する。
また「怒んパッチ」でハロンオニを仕留めた時ののラッシュは「おやびんラッシュ」という名前。ノロノロの海賊とは関係ない……と思う

図鑑説明で「2秒間に1000発ものパンチを放つことができる」とされているため実質的に百烈パンチの使い手。ただし「れんぞくパンチ」は習得できない。「バレットパンチ」も遺伝限定。
実際にゲームでも「インファイト」など百烈パンチっぽいエフェクトの技もあるのでそれを使うとよりそれらしい。
もっとも場合によっては「ばくれつパンチ」によるパワーファイターらしいイメージの方が強いかもしれない。
この項目的には「ポッ拳」ではバーストアタックからして「爆裂ラッシュ」を披露しており、上記を踏まえても設定止まりであまり活用されなかった四本腕によるラッシュを存分に使うことが出来る。

ファイターのコピー能力の持ち主であるナックルジョーは目にも留まらぬ速さでパンチの雨をお見舞いする「バルカンジャブ」を使用可能。
カービィもファイターのコピー能力を持っていれば同じ技を扱えるほか、大乱闘スマッシュブラザーズでは静止状態での通常攻撃に設定されており、ゲームシステム上コピー能力関係なしに使用可能。

0.7秒間に10発の右ストレートを放つF・P・M・P(フラッシュ・ピストン・マッハ・パンチ)を使う。
肉体への負担が激しく、かつてこの技を成功させたボクサーはその代償としてボクサー生命を絶たれてしまったという曰く付きの技。
しかしJは尋常ではない鍛錬によりこの負担を克服し、卍丸との戦いでF・P・M・Pを二度繰り出してからは必殺技の一つとして定着した。
天挑五輪大武會では16個の小石を粉砕できるほどにスピードアップしている。

烈海王との戦いで、関断無く無数のパンチを浴びせ続ける「永久連打ッッ」を使用。

作中では裏ボクシングによる連続パンチ、猛烈な勢いで敵を圧倒する翻子拳等が登場するが、
その翻子拳の達人・慧烈民にアパチャイが放ったのが「よい子には見せらんないパンチ」。
いよいよ本気を出した敵が雨あられと拳の弾幕とでも言うべき奔流を形成するも、それを上回る激烈な数をもって制した殺人拳より殺人的な技。
頭や胴体に留まらず四肢の至るところを滅多打ちにし、人智を超えた肉体を持つ達人に一切の抵抗を許さないまま地面に叩きつけ、
打撃で浮き上がった反動を利用してまた殴りつける暴力の塊のような光景を作り出す。
優しい正義漢のケンイチはもちろん、生まれや治安の関係上荒事には慣れてる連華すらドン引き。
果てには自身らも殺人技を行使し助けられている側の郭たちすら悲鳴を上げ恐怖、目を覆って見ないように隠すエゲツない技である。
……これでも一応活人拳なのがある意味恐ろしい。

  • ロッキー羽田(燃える!お兄さん)
1秒間に50発ものパンチを放つ「スーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルボンバー」を使用。連載初期は「スーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルブロー」という名前だったが改名された。
当たれば実際強力であるが、技を繰り出したら50発打ち切るまで止められないらしく、誤爆でもしようものなら腕に返ってくるダメージもパンチ50発分。
そのため憲一との戦いでは塀や鉄柱への誤爆の連続で自滅しかけていた。
ブルースというライバルキャラがおり、彼も「スーパーウルトラマッハカミソリジェットパンチ」という百烈パンチ技を使う。
速度はロッキーと互角らしいが、攻撃の効果が浅い斬撃なのでロッキーとの打ち合いではダメージレースで負けてしまった。

「マッハパンチのりき」の異名を持つ不良学生で、異名の通り「マッハパンチ」を必殺技として使う。
シリーズ第一作の「熱血硬派くにおくん」の時は相手の胸ぐらを掴んでからの顔面パンチだったが、「ダウンタウン熱血物語」以降は百烈パンチ技になった。
しかし「熱血硬派くにおくん外伝 River City Girls」においては何故か地面殴り技になってしまい、みさこのマッハパンチも踏み込みながらの三連パンチになっている。
続編では旧作のマッハパンチに近い技を習得できるようになった…のだが、パンチを放つのは本人ではなく召喚した分身もしかしてオラオラですかァーッ!?

ゲーム『スターオーシャン』シリーズに登場する必殺技。
その場で高速でパンチを連発する技で、『スターオーシャン3』のクリフ・フィッターが使用したのが初出。
それ以降も『5』のアンヌ、『6』のエレナと格闘の可能なキャラクターに使われている。
「チャリオット」という名前は上記の『ジョジョ』の「オラオラ」意識だろうか。
作品にもよるが30発近くの多大なヒット数が特徴で、他の技は多くても6~8ヒットぐらいなので驚異的。
威力が高く、当たれば敵をのけぞりで固めることにも使えるが、反面モーションが非常に長く、外したりのけぞりの短い敵に抜けられたりすると無防備になりやすい難点もある。

「普通のパンチ」を連発する「連続普通のパンチ」を使う。

追記・修正は手が分裂するぐらいの速度でお願いします。

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最終更新:2025年04月24日 13:29

*1 原作ではあくまで含み針を当てるためのフェイントとしてしか使っていないため。

*2 つまり復讐心を戦う原動力にしていた序盤のケンもまたこの奥義を完璧な形で用いることはできないということになる。

*3 一方で「千手殺」はジャギの考案したオリジナルでリュウケンから「有りもしない技」と酷評されている。

*4 ネーミングは連載後にゲーム作品等で公式に命名されたもの

*5 ただし、カタクリ本人は「この方が効率的だろう?」と挑発めいた発言をしており、また「ゴムゴム」と「モチモチ」は性質も似ているため、やろうと思えば素手でも可能と思われる。

*6 合虫ガッツ!では実際に肢で攻撃する。

*7 後者は後に「フォレストグリーン」で復活した際、大アゴで相手のムシを吹っ飛ばす「バッファロークラッシュ」に変更された