M-1チャンピオン/M-1ファイナリスト

登録日:2023/12/26 Tue 00:23:28
更新日:2025/04/23 Wed 20:43:26
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それでは、M-1グランプリ20XX
日本一の漫才師の称号を手にする王者は!?

それは…


今年も………



CMの後で~す!


ズッコケー>













「日本で一番面白い漫才師を決める」というコンセプトのお笑いコンテストであるM-1グランプリ
そこで頂点に立った者、あるいはその舞台で爪痕を残した者は、圧倒的な知名度と栄誉を得る事ができ一夜にして人生が変わると言っても過言ではない。
この項目ではそんな栄誉を掴み取ることのできた芸人たちを中心に紹介していく。

【歴代チャンピオン】

笑いのDNA 中川家(2001)


あぁ~駆け込み乗車はぁお止めください…
あぁ~駆け込み乗車…

日常光景から大物俳優の楽屋裏までありとあらゆる形態模写の名人で、今や笑いの殿堂の大看板を担う兄弟コンビ。
声帯模写が得意でちっちゃいのがお兄ちゃんの剛、京阪大好き鉄ヲタなのに最後までタモリ倶楽部に呼ばれなかったでおなじみの大きいのが弟の礼二。
トップバッター、ファーストラウンド1位通過、最終決戦1番手(先攻*1)、初代王者と、あらゆる「1」がこの兄弟から始まった。また、2023年に令和ロマンが優勝するまでは唯一トップバッターで優勝したコンビだった。
礼二は復活後審査員を担当。
コンビは優勝翌年『上方漫才大賞』の奨励賞に選ばれたのだが、「全国区のM-1を制覇したのに関西で(事実上の)2位というのは何事だ」と吉本側が激怒し受賞を辞退することに*2。ちなみにその年の大賞は2代目王者のますだおかだであった。
余談にはなるが、M-1グランプリ優勝時に貰ったトロフィーは実家で飾っていたが、「邪魔だから」という理由で両親に一週間で捨てられた。


実力主義 ますだおかだ(2002)


松竹芸能のますだおかだです!
まぁまぁそうですよ、そうですよ!

非常に歌が上手い短髪の増田英彦と、ヘキサゴンに脳ベルSHOWにふしぎ発見とクイズに縁深いオリックス芸人で娘の知名度も抜群なツッコミ担当岡田圭右のコンビ。松竹芸能所属。
2年目にして初となる吉本興業以外の王者で、M-1の知名度を大きく拡大するきっかけにもなった。
今でこそお互いのピンでの活動が目立つが、M-1と同時期に人気を博した「爆笑オンエアバトル」(NHK総合)に初期から出演し無類の強さを誇っており、後に同番組プロデューサーは「オンバト初期の立役者といえば、漫才のますだおかだとコントのラーメンズと言える」と称したほど。
優勝の際増田は「テレビに出てるだけが面白い芸人じゃありません。ライブにはいっぱいおもろい芸人がいます!テレビだけでなく、皆さんライブを見に来てください!」という熱い名言を残し、後にM-1興隆とともに漫才ライブの集客はうなぎ上りに増加した。
現在はそれぞれピンでの仕事が多く、特に増田は名古屋・大阪での仕事が集中しているためか、全国区での露出は少ない。


悲願 フットボールアワー(2003)


東京駅に行きたいとお言い!
言うてますやん!

ぶっさいくかつハゲとるやないかいながら高いファッションセンスを誇るハロヲタの岩尾望と、たとえツッコミの名手で、今や単独MCも見事にこなすジェッタシー後藤輝基のコンビ。
大会初となるコント漫才で優勝を勝ち取ったチャンピオンであり、4分間1つのテーマを深掘りして漫才にするという賞レースにおけるコント漫才の正攻法は実はフットボールアワーが形式化したものでもある。
両者共にNSC大阪校14期出身で、コンビを組む前から友人関係にありお互いがコンビを組みたいと考えたことから結成に至った。結成から若くして関西の主要な漫才賞レースを総ナメし、M-1も2001年・2002年大会共にストレートに進出。2003年大会にて大本命とされるプレッシャーの中見事「悲願」の優勝を成し遂げた。
唯一決勝会場がテレ朝本社になる前に非ラストイヤーで優勝したコンビである。また、結成4年目での優勝はコンビ結成から優勝までの最短記録である*3
2006年には王者経験者で初めて再出場し、最終決戦にまで進んだが、チュートリアルの分厚い壁に阻まれた。
前述のように現在はピンのイメージが強いが、関西では今なおコンビでの冠番組も多数持つ。


悲願の正面突破 アンタッチャブル(2004)


お願いしますお義父さん!
お願いしますお義父さん!
お願いしま——
頭下げろォ!

動物マニアでメガネのファンキー加藤とは無関係柴田英嗣と、ケツアゴでとにかくうるさいザキヤマこと山崎弘也のコンビ。人力舎所属で、M-1史上初の関東芸人王者となった。
2003年は敗者復活から最終決戦に残ったが、それまでのメディア露出があまり多くなかったことから完全なダークホース扱いだった(伊集院光のラジオやテレビ番組(GameWave)にはよく出ていたので伊集院ファンには注目されていた)。
2004年は当初から大本命扱いであり、そのプレッシャーの中見事に優勝し、多くの関東芸人がアンタッチャブルの偉業に希望をもらったという話をしてる。
何気に2019年のミルクボーイに更新されるまでは、M-1史上最高得点保持コンビ(673点)であった。
ザキヤマはのちにパロディ企画を主催することとなる。
2010年から諸事情で柴田が1年ほど芸能活動を休止したのち、コンビ活動も休止。
この影響かどうかは不明だが、2015年大会の審査員は歴代王者から一人ずつ選出された中唯一どちらも参加しなかった。
長らくその深い確執や諸事情もあって実質活動再開は不可能とされてきたが、2019年に柴田がゲスト出演した『全力!脱力タイムズ』に有田哲平(くりぃむしちゅー)の計らいによって山崎がサプライズで登場したことで再びコンビ活動を再開、その後同年の『THE MANZAI』では約10年ぶりに新ネタを披露した。
柴田は2023年大会で敗者復活戦の芸人審査員を務め、翌2024年大会では決勝戦の審査員に選出。これにより大会復活前の歴代王者全組のメンバー1人ずつが審査員経験者となった。


モテない男たちの逆襲 ブラックマヨネーズ(2005)


お前人間以外の動物の成長の速さ見くびんなよ!
何で怒られてんねん!

ヒーハー!でお馴染みの急激に太った薄毛の小杉竜一と、どうかしてるぜ!でお馴染みのブツブツの自身が優勝した2005年大会をいつまでも引きずる吉田敬による逆ビジュアル系コンビ。
吉田が小杉に相談を持ち掛けるも、ネガティブな吉田が飛躍しすぎた心配をし始めそれにハゲしくツッコむ小杉と言い争うしゃべくり漫才を披露。
島田紳助から「4分の使い方が絶妙」と評価され、当人たちも振り返りの際しばしばそのセリフを使っていた他、彼らの登場以後、4分間をいかに上手く使うかがM-1で勝つための重要ポイントになったとされる。
また、M-1フリークであり自らも決勝進出経験者であるゆにばーす・川瀬名人は彼らの偉大さについて「演者の人間性が乗っかった漫才を初めて『M-1』で披露した」と評し、ブラマヨの登場は「人類が『火』を手にしたくらいの革命」であると賛辞を送っている。
現在はコンビのほかピンでも活動するが、ピンの仕事は小杉が東京、吉田は大阪メインとなる。これは吉田が大阪に家を買い、家庭の時間を持ちたいという意向を反映したもの。
また、M-1王者にしては珍しい「時間差ブレイク」を起こした芸人としても知られる。これはM-1優勝以前から関西では複数の仕事を抱えていたこともあって東京進出が遅れ、結果として全国区ではM-1チャンピオンとしてでは無く、両者の秀逸なトーク力やその濃いキャラクター性等でブレイクに至った為である。


華麗なる妄想族 チュートリアル(2006)


どういうことや?
来い!来いよ!来い!
チリンチリン! チリンチリン!

税金面も含めて残念過ぎるイケメンの徳井義実と、バイクマニアで脂顔の福田充徳のコンビ。
2人は京都市修学院生まれで幼稚園から予備校まで同じ所に通っていた幼馴染コンビ。
初出場の第一回大会では普通の漫才を披露するも結果は振るわず。それ以降は漫才の途中で徳井のテンションが豹変し様々な妄想をエスカレートさせていく、「妄想漫才」というスタイルを確立。
3度目の決勝でファーストラウンドで全審査員から最高評点を得て1位通過、最終決戦で満票を獲得し、完全優勝を達成。この偉業を成し遂げたのは未だにチュートリアルが唯一。また、福田はNSC卒業生でない吉本興業所属芸人の中で優勝した初めての芸人となった。
前述したブラマヨとは同じ京都生まれで「せやねん!」*4レギュラー出身など共通点が多数あり、当初はライバル視していなかったがケンドーコバヤシに煽られる形で特に吉田が徳井を敵視するようになったという。
また、徳井は翌年と2012年のR-1ぐらんぷりにも出場し2冠を狙うも惜敗。特に2007年大会では準優勝している。


サンドウィッチマン(2007)


ちょっと早くしてくんねえかなぁ!
焼きたてのメロンパン売り切れんだろ!

すべての料理をゼロカロリーと言い張る伊達政宗の(分家の)子孫の伊達みきおと、ちょっと何言ってるか分からないでお馴染みの卒業写真が黒歴史な富澤たけしによるコンビ。共に宮城県出身。
2人の出会いは高校のラグビー部。このためガタイが良く、さらにコワモテ。しかしその見た目に反して人の良さとお笑いコンビ屈指の仲良しと称される外国人にゲイカップルと間違われる程のコンビ仲で、現在は最も好感度の高い超絶売れっ子芸人としても知られる。
優勝時はフラットファイヴ所属。後にマネージャーと共に多くの芸人を引き連れ事務所を円満退社し新事務所のグレープカンパニーを設立。その事務所は後に3組のファイナリストを輩出している。
今や東北の誇りとも称され、国民的人気を誇る漫才コンビはM-1史上初となる敗者復活戦からの王者
当人らも敗者復活から優勝決定戦まで勝ち上がるとは思っておらず、舞台裏では大急ぎで最終決戦で披露するネタの打ちあわせをしていた
それだけに審査員は「どうして彼らが準決勝で落ちたのか」と首をかしげ、準決勝審査員のブログが炎上する事態にも。
翌々年にはM-1チャンピオンとして初めてキングオブコント決勝に進出。ファーストステージでトップに立ち2冠に王手をかけるが、東京03に圧倒的高得点を叩き出され準優勝に終わった。


ストリート系漫才 NON STYLE(2008)


よぉー!
よぉーとかいらんねん!
漫才楽しい!
勝手なことすんなよ!

板前出身で白い舞台衣装が特徴的、笑えないほど貧しい家庭で育ちながら今では良きパパである某声優と同姓同名の石田明と、ナルシストでポジティブかつ嫌われ者な井上裕介によるコンビ。
中学高校の同級生同士で、ミュージシャン志望だった井上が石田を誘って、神戸の路上で音楽の合間に漫才を始めたのが結成のきっかけ。
このためNSCではなくオーディションで吉本に入っており、非NSC組では初の王者である。
ストリート系漫才とも形容されるハイテンポで兎に角多くのボケを挟む漫才が持ち味で、特にM-1ではよりボケを増やす為に「掛け合いの後に石田が自分自身の右太ももあたりをグーで殴るボケを挟む」という漫才スタイルに切り替えていた程。最終決戦では突如出てきたオードリーに勢いを持ってかれそうになったが何とか勝利した。
優勝直後は、ネタ披露後に上沼恵美子が言い放った「フリートークが苦手」発言が大きく尾を引き、翌年はオードリー(特に春日)が引っ張りだこになった一方、ノンスタは自身達の風邪も重なったりして若干不遇気味となり、『アメトーーク!』「今年が大事芸人2010」では「オードリーが「M-1の覇者」と書かれている記事があった」と自虐していた。
その為か、優勝した翌年も出場。準決勝で敗退となったが千鳥等が物凄い形相で睨みつける中、敗者復活を勝ち上がり最終決戦に進出するも3位となった。
井上が当て逃げ事故を起こして謹慎したりと色々あったものの、『水曜日のダウンタウン』企画では長年にわたり女子中高生中心に高い人気を誇っていることが明らかとなり、現在では若い世代から絶大な支持を受ける人気漫才師となった。また、2020年には吉本興業協力のもと制作されたアニメ「まえせつ!」にも本人役で出演している。
2023年には石田はNSCの講師に就任、500人もの受講生の台本を添削するなど精力的にその立場を務めあげており近年の若手芸人のレベルの底上げに一役買っている。


9年目の正直 パンクブーブー(2009)


僕は本気なんです!僕の目を見てください!
…口閉じろ口ッ!

長身でガンプラ好きの佐藤哲夫と、ローソンの店員みたいなジャケットの元暴走族・黒瀬純のコンビ。
ファーストラウンドでは2位通過だったが、最終決戦では笑い飯が大コケしたこともあり、チュートリアル以来の満票での優勝を果たした。
どちらも九州(佐藤が大分県、黒瀬が福岡県)出身で以前は福岡吉本に所属しており、福岡吉本出身者では初のM-1チャンピオン。
NON STYLEと同様に、彼らも優勝した次の年にも出場。こちらも敗者復活から勝ち上がり、2年連続で1位通過となったが最終決戦では票を得られず3位に沈んだ。
『爆笑オンエアバトル』ではオーバー500KB最多記録を誇り、賞レース時代の「THE MANZAI」でも王者になった唯一の存在。
ブレイク後も福岡を拠点にした活動をしており、特に黒瀬は松本人志とドライブする不定期番組を持っていたりもする。このためか、賞レース王者になりながら不祥事もない実力者なのに微妙に売れない悲劇の王者としても知られる。
佐藤はNON STYLE石田の推薦でNSCで講師をしている。
「パンクブーブー(故障した車)」という名前のコンビが優勝してしまったことにスポンサーのオートバックスが頭を抱えたという逸話もあるが、恒例の優勝者出演CMはしっかり放送された。


孤高のWボケ 笑い飯(2010)


かわれ!

大喜利がめちゃくちゃ強い“座王の鬼”西田幸治と、仏教と花火に詳しいインテリの哲夫によるコンビ。
ボケとツッコミが激しく入れ替わる「Wボケ」スタイルの確立者で、9年連続決勝進出という前人未到の記録を持つ「ミスターM-1グランプリ」。
「奈良県立歴史民俗博物館」「マリリン・モンロー」「鳥人」「サンタウロス」「チンポジ」といった彼らのネタは今なお伝説として語り継がれている。
そして敗退した際には西田が「一歩も動かんぞ!」「思てたんと違ーう!!!」とボケる悔しがる姿が放送されるのが恒例となっていた。
「M-1の申し子」とも称されたその凄まじい戦績に対して、スロースターターなネタの傾向、上述のチンポジなどのネタ選びのミスや制限時間4分なのに6分以上もネタをやってしまう大失態もあって、長らく戴冠を逃し続けてきたが、それでも開催及び芸歴両方の意味でのラストイヤーに悲願の王者となった*5


トレンディエンジェル(2015)


誰だと思ってんだオマエ
誰ぇ?
斎藤さんだぞ?

歌が上手くミュージカルのメインキャストも張れちゃうハゲ頭が眩しい斎藤さんこと斎藤司と、同じくハゲでドルヲタのたかしによる、コンビ揃ってM-1史上最高輝度を誇るコンビで前年の賞レース時代最後のTHE MANZAIでも準優勝している。
自慢のハゲネタをふんだんに盛り込んだ漫才で、サンドウィッチマン以来に敗者復活戦からピッカリと勝ち上がった。東京NSC出身者では初めての優勝コンビでもある。
Cygames提供の番組にも関わらず、たかしは優勝賞金をパズドラへの課金に使うと宣言していた。
最近はパンクブーブーや銀シャリと並んで毛のみならず存在感は控えめながら、斎藤はミュージカル俳優という誰もが想像しなかった道で活躍。また、漫才のイベントやネタ番組ではトップバッターに据えられることが多い(=観客をつかんで場を温める能力に定評がある)点では実力の高さは一流と言えよう。
斎藤は2024年大会の敗者復活戦の審査員を担当。


王道漫才 銀シャリ(2016)


バリ、バリ、バロリ、ブロリ、ブロコリー!ブロッコ…
そこはええねんお前!そこは興味ないねん、もう!

日本でも有数の珍苗字を持つ天然、(うなぎ)和弘と、眼鏡小太りで上手いこと言うコメントが得意技の橋本直によるコンビ。
昭和の漫才師を彷彿させる青いお揃いジャケットがトレードマーク。見た目も芸風もコテコテの漫才師だが、実はKOCでも決勝進出経験がある。
まさに王道のしゃべくり漫才スタイルで、なんばグランド花月で行われた本公演にてトリを務めるなど、その実力を高く評価される正統派。
しかし歴代M-1王者の中では地味な方で、『アメトーーク』の「悲しきチャンピオン芸人」にパンクブーブー共々呼ばれたことも。テレビの人気者というよりは漫才の求道者として見られることも多く、ネタ作りに没頭するために芸人としてはいち早くコンビでセカンドハウスを持ったことが話題にもなった。
余談だが、M-1王者はこの年から4年連続食品名の付くコンビが獲得することに。


ついにキターーー!! とろサーモン(2017)


もうええわ
続行ッ! あのね…
終われや!

ドキュメンタルシーズン9王者にしてラッパー・画家としても活躍する元祖クズ芸人の久保田かずのぶと、キャンプが趣味で芸人のみならずナレーターや俳優などマルチな才能を持つ村田秀亮によるコンビ。特に村田はM-1関連番組やCMのナレーションを村田が務めていることも多く、2023年大会からは敗者復活戦のコンビ名呼び込みを担当している。
共に宮崎県出身で、宮崎日本大学高校の同級生として知り合う。このためパンクブーブー以来の九州出身のM-1チャンピオン。優勝の際には記念として地元宮崎に等身大の銅像が設置されたことでも大きな話題を集めた。
「ミスター・敗者復活」と称され、なんと最多である10度の敗者復活戦の出場経験を持つ。毎年あと一歩の所で決勝の夢舞台を逃してきたが、「今年結果が出せなかったら芸人を辞める」と決めた上で挑んだラストイヤーにてストレートで悲願の決勝進出。15年間の集大成とも呼べる計算し尽くされた間合いの漫才を披露*6し、M-1グランプリ史上初となる3位通過からの優勝を果たすという大まくりを魅せた。
優勝以降はバラエティ番組で見せる久保田の不遜な態度などが原因でアンチが増加していたが、翌年放送されたスピンオフドキュメンタリー『芸人人生 泥に咲く花』で二人に密着した模様が放送されると、二人の挫折続きの半生や人間味あふれる生きざまに感動の声があがった。このドキュメンタリーは後に『M-1グランプリ アナザーストーリー』と改題され、チャンピオンの半生と優勝までの道のりを描く番組として例年放送されるに至った。
が、翌年の久保田による暴言騒ぎで悪い側面が再びクローズアップされてしまい、結果大炎上。その騒動もあってか、上記の銅像は本来の予定よりも早く炎上直後早々に撤去され「上半身と下半身が切断された状態で、市役所の地下3階に放置(久保田談)」というあんまりな仕打ちを受けるハメになったのだった。
ちなみに久保田は2024年大会の敗者復活戦の審査員を担当。奇しくも因縁の上沼と同じ席順である


縦横無尽 霜降り明星(2018)


7代目ひょうきん者ォ!

Zoomでやらかした小柄で小太りなせいやと、スプーンに映った小栗旬こと絶対音感持ちのボカロP、とてつもなくギャンブル狂いの粗品のコンビ。
高校時代からそのセンスで注目された粗品が、高校生年代の大会で粗品のコンビを倒すために参加していたというせいやを大学進学後*7に誘い結成。
せいやが舞台を広く使ってボケを繰り出し、粗品がセンターマイク側でツッコミを入れるスタイル。
ABCお笑いグランプリ、ytv漫才新人賞獲得を経て、結成6年目でM-1史上最年少(当時せいや26歳、粗品25歳)かつ初の平成生まれ王者に輝き、令和ロマンが優勝するまでは唯一のコンビだった。
それ以降、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで大ブレイク。M-1チャンピオンの中でもトップクラスの出世頭とも評されている。
ここからハナコのキングオブコント2018優勝も相まってせいやの何気ない言葉から「お笑い第7世代」という言葉が生まれ、そのリーダー格と目される一方、ほかの一部第7世代芸人の実力不足や、絡まれたりやっかまれたり便乗も多かったりしたので、本人達は不服だった様子。
翌年はものまねグランプリでも優勝を果たし、粗品はR-1ぐらんぷりも制覇している。
当時最も若手だった霜降り明星の優勝はお笑い界に多大な衝撃を与え、後述のミルクボーイを含めた若手達の希望となり、ベテランにとっても良い意味での刺激となり、翌年以降のエントリー総数が一気に跳ね上がった。
今や冠番組やレギュラー番組を多数抱え、ピンでの仕事も多くなり、若手のエースとしての地位を不動のものにしたと言えるだろう。
粗品は2025年にytv漫才新人賞の審査員を担当し、その的確な評論が話題を呼び本家の次期審査員候補とも称される。
なおコンビ揃ってガチのビビりで、アメトーークのビビり-1グランプリでは常連。


ナニワスパイラル ミルクボーイ(2019)


パフェとかのかさましに使われてるらしいんよ
コーンフレークやないか!

ちいかわ大好き角刈りぽっちゃりの内海崇と、地味に大喜利が強いマッチョマンの駒場孝によるコンビ。
大阪芸術大学のお笑いサークル(落研)でコンビを結成。二人の優勝以降、大学のお笑いサークル出身芸人が注目されることになった。
M-1がいったん終了したことで目標を失い完全に停滞期を送っていたものの、霜降り明星の優勝に強い刺激を受け、漫才に対する意識が再び高まり覚醒。
駒場は飲み会の誘いを全て断り、内海はギャンブル断ちをしネタを磨き続けた。
一つのことに関して否定と肯定を繰り返す「リターン漫才*8」が持ち味。コーンフレークや最中を題材とした漫才で、ファーストラウンドではM-1史上最高得点の681点を叩き出し*9、最終決戦では7票中6票を集めて優勝する快挙を成し遂げる。
確かな実力と人気とは裏腹に「大阪時代の恩返しをしたいから」という、本人達の意向もあり現在は敢えて東京進出をしていない。
それでも大阪を中心に仕事量は激増しており、特に決勝でコーンフレーク漫才・モナカ漫才を披露した後はそれぞれの売り上げが倍増するなどCM効果が絶大である事から、「うちの商品をネタにしてほしい」という企業からのオファーで引っ張りだこになるほどのブレイクを果たした。そのお陰か、漫才のネタも現在150種類を超えているとの事である。
M-1の関西勢王者は現状彼らが最後。


我流大暴れ マヂカルラブリー(2020)


どうもー! 村上です!
どうしても笑わせたい人がいる男です。

松本人志をあがめて彼に倣い筋肉をつけた東方大好きなニコ厨でゲームクリエイターとしても知られるマッチョ・野田クリスタルと、法政大学卒のエリートながらアニメと高円寺の居酒屋が大好きな本名は鈴木なのに芸名は村上飛車角抜きで斉藤によるコンビ。
野田は高校時代にテレビ番組『学校へ行こう!』主催の高校生お笑いコンクールで優勝したことで芸人を志し、かたや村上は大学時代お笑いサークル所属者向けの漫才賞レースを連覇した伝説の学生芸人。相方を探していた村上がライブ後の野田を出待ちして声をかけ結成という異色の経歴を持つ。
M-1史上最もえみちゃんこと上沼恵美子を愛する芸人にして上沼恵美子怒られ枠の筆頭。初進出の2017年では全審査員から80点台をつけられ、上沼に至ってはネタの批評すら拒絶したあげく「よう決勝残れたな」とストレートに酷評。さらにこれに加えてなんとか爪痕を残そうと錯乱した野田が突如漫才衣装を脱ぎ捨て上半身を露出して自分の肉体美を披露するというボケに走ったのが、「気が狂って全裸になり番組自体を終わらせようとしている」と勘違いされ会場が凍り付く事態を招くという放送事故まで起こしてしまう散々な結果に終わり、翌年出場したキングオブコント決勝にあたって寄せられた今田からのメッセージでは「漫才師としてのマヂカルラブリーは死にました。」と言われてしまった。
それでも腐ることなくその後も我流を極め続け、2020年に返り咲き。当の上沼からは「(当時のことを)覚えてない」と白状した上で酷評されたスタイルを貫き続けた事を賞賛され、大接戦の末に最下位経験者ながら優勝をもぎ取った。
しかし『しくじり先生』出演に際して、憧れた松本人志と因縁ある上沼恵美子の二人はおいでやすこがに投票していたことを残念がった。また、その舞台を所狭しと動き回るネタから優勝後に「マヂラブのネタは漫才といえるのか」という言説が発生。そこから「漫才とはなんぞや」という『漫才論争』が巻き起こり、本人達も2021年にはたびたび自虐する羽目に。翌年のM-1グランプリ決勝では心なしか動き回るコンビが増え、錦鯉はラストで寝転んだ。
彼らの優勝がきっかけで、これ以降地下ライブを中心に活動する「地下芸人」ひいては吉本興業内のアングラ志向芸人の連合体「大宮セブン」が注目されるようになる。
野田はR-1ぐらんぷり2020チャンピオンでもあり、2018年には一度KOCの決勝に行った事から、現在はKOC含めて3冠王を目指すと断言している。宣言通り、2021年のKOCで二度目の決勝進出を決めたものの、結果は9位であった。
野田は2023年大会から敗者復活戦の審査員を担当しているほか、コンビでは2023年より決勝進出者発表会見のMCを担当している。


50歳おバカの大冒険 錦鯉(2021)


こぉ~んにぃ~ちわぁ~!
……『こんばんは』だよ。

おバカでハゲでかつて歯を10本失っていた*10おじさん・長谷川雅紀と、AVとVTuberが大好きで深刻な痛風持ちの見た目中間管理職なドМおじさん・渡辺隆のコンビ。
ハリウッドザコシショウを師匠として慕っており、共にハリウッド軍団の一員である*11
2021年時点で長谷川が50歳・渡辺も43歳というコンビ揃ってM-1史上最年長ファイナリスト。2020年の決勝進出で一躍有名となり、翌年の2021年で史上初の五十路ファイナリストながら最年長王者となった、まさに中年の星。
長谷川は高校時代からの友人でもあった元相方を病気で亡くしたり、渡辺も芸人になる事を猛反対していた母親を2000年に交通事故で亡くした他、長年貧困生活を歩み苦労してきたものの、芸歴20年を超えてようやくM-1ドリームを掴んだ。
所属事務所のソニー・ミュージック・アーティスツ(SMA)は吉本以外では初のお笑い3レース制覇*12となり、漫才協会所属の芸人では史上初のM-1王者となった。
吉本以外の所属事務所の芸人の優勝も10大会ぶり、渡辺は東京NSC出身のため、東京NSC出身者でもトレンディエンジェル以来のM-1王者となった。
また、関東芸人のお笑い興行を担当するK-PROライブ出身者ではキングオブコント2018のハナコに次ぐもので、以降M-1は3年連続K-PRO出身芸人が王者となる。
優勝が決定した瞬間渡辺は勢いそのままに長谷川に抱きつき、長谷川に至っては歓喜のあまり号泣。この一幕には視聴者のみならず一部ファイナリストや審査員すらもその姿に涙した。
現在は漫才だけでなくコントやバラエティのトークなどでも芸歴に裏打ちされた才能を開花させ大活躍している。
渡辺は2023年大会から敗者復活戦の審査員を担当。


小市民怒涛の叫び ウエストランド(2022)


M-1にはあるけど、R-1にはない。
はい、えー、『夢』!!
そんなことない。

面長で小柄で愚痴の多いいぐちんランドこと井口浩之と、登山やキャンプ好きで芸人としての意識がものすごく低い現場監督こと河本太からなるコンビ。
2人は岡山県津山市出身の幼なじみで、コンビ名の由来も津山に存在する同名のショッピングセンターから。
爆笑問題が立ち上げた事務所であるタイタンの預かりだった頃、若手の登竜門だったオンバトで初挑戦初オンエアを果たしたのをきっかけに正式所属に。
キャッチコピーの通り、井口が世の中の不満を怒涛の勢いでぶちまけ、河本はほぼ何もしないというスタイルが特徴。
期待通りデビュー当初からネタ番組で結果を残し、『笑っていいとも!』末期のレギュラーを務めるなど活躍していたが、井口自ら「屈指の無名」と自虐するなどネクストブレイク止まりの苦しい時期を過ごしていた。
2020年に初めて決勝進出を果たすも結果は8位タイ。さらに大会後コンビ共々新型コロナを罹患してM-1バブルを逃し、翌2021年では準々決勝敗退に終わるなど不遇から脱しきれず。
しかし、2022年にノーシードから返り咲き。毒舌の矛先が芸能人のみならずR-1グランプリ、そしてM-1の派生番組である『アナザーストーリー』にまで及ぶスタイルが審査員から好評を博し、ファーストステージで1位だったさや香を抑えて逆転優勝を飾った。
タイタンからは初のお笑い賞レース王者であり、M-1決勝進出に際して爆笑問題・太田が放ったフレーズ「阿佐ヶ谷の歓喜」*13が実現することとなった。
井口は2024年大会の敗者復活戦の審査員を担当。


エキセントリックルーキー 令和ロマン(2023)


おもろかったらなんでもええやん!やんやん!ややんやんやんや〜ん!
…吉本にはこういう人が居ます…!

眼鏡をかけたりかけなかったり、外見がコロコロ変わることがかえってトレードマークと化しているなんJ民としての顔も持つ髙比良くるまと、父親が大和証券の重役で人気YouTubeチャンネル「僕らの別荘」メンバーとしての顔も持つ松井ケムリによるコンビ。 旧コンビ名は「魔人無骨」で、改元に合わせて現在のコンビ名に改名。
出会いは慶應義塾大学のお笑いサークルと共に高学歴だが、くるまは大学の先輩だったケムリの大学卒業・NSC入学に合わせて大学を中退した経歴を持つ。
大学時代からK-PROで活動しており、NSCでは同期・東京校23期生133組の中から首席で卒業。その後も芸歴1年目から大先輩である芸人に混じって「ヨシモト∞ホール」の看板芸人たるファーストメンバー入りを果たす等、若くしてその並外れた才能を遺憾無く発揮してきた。吉本入所後も度々K-PROライブにゲスト出演する異色の存在。
M-1では2018年はワイルドカード枠・2022年大会ではストレートで準決勝に進出し、2022年に初出場となった敗者復活戦では、当時人気投票の傾向が強かった中で2位へ躍り出る大健闘を見せる。
2023年にて念願の決勝進出を果たし、圧倒的に不利とされるトップバッターながら観客に語りかけるような斬新なしゃべくり漫才を披露しトップバッターの歴代最高点を記録。特に松本は、後続のコンビのことを考えて高すぎる点数をつけられないトップバッターでありながら、「この二人が80点台は有り得ない」と激賞。そのまま逃げ切り3位で最終決戦進出を決めると、最終決戦でもトップバッターを担当。盟友・ヤーレンズとの激戦を制し、2年連続3回目となる3位通過からの大逆転優勝を成し遂げ見事19代目チャンピオンに輝いた。1位通過のさや香の顛末は当人たちの項目を参照。
そのキャッチコピーが示す通り、弱冠5年9ヶ月での王者は芸歴として最年少記録を更新し、5年11ヶ月だった霜降り明星の芸歴を更新した。更に第1回大会の中川家以来実に22年ぶりの「トップバッターからの優勝を果たしたコンビ」となり、第18回大会の霜降り明星以来5年ぶりに平成生まれのコンビが優勝する等、番組史に残る様々な大記録を打ち立てた。この年にキングオブコントでトップバッターから準優勝を果たしたカゲヤマと共に「お笑い賞レースでトップバッターは不利」というジンクスを覆したともいえる。
またくるまの分析力も大会終了後には話題となり、決勝で演じるネタを4本用意していた事実や最終決戦の漫才を博多大吉のファーストラウンドでのコメントを受けてアドリブで早めに切り上げた点が大きな話題に。偶然の産物による優勝などではではなかった点も明らかになった。
加えて番組終了直前には来年以降のM-1出場を表明。その爆弾発言には多くの視聴者や番組関係者、来年以降もM-1に挑み続ける他M-1ファイナリストらを驚かせたのは言うまでも無いだろう。その前哨戦として2024年の「ABCお笑いグランプリ」に参加し、見事優勝を掻っ攫っており、その勢いのままに2024年のM-1ファイナリストに名を連ねる快挙を成し遂げた。*14
そして…


Champion 令和ロマン(2024)


終わらせよう...!
怖すぎるって。

大台突破の10330組がエントリーした2024年大会。
前年に続きトップバッターに選ばれるも、9人中5人の審査員から95点以上を獲得するという前代未聞のロケットスタートに成功。バッテリィズに次ぐ2位通過から、そのまま大会史上初となる2連覇を達成した*15
チャンピオンとして多忙に過ごしつつも「ラスボス」「害悪」と名乗ってイメージ戦略に腐心。
10月頃にどうにかこさえたネタと準決勝直前にこさえた120万円のスーツで、バッテリィズという予想外の伏兵に苦戦したものの、それ以外はほとんどとんとん拍子に近い形で優勝を掴んでしまった。
だが流石にスケジュール的にもプレッシャー的にも相当キツかった*16ようで、優勝後は「もう出たくないです(=三連覇は無い)」と翌年以降の不参加をキッパリと公言した。と、同時に「今度は審査員として参加したいです」とさり気なくM-1愛をアピールしていた。
ちなみに2023年は優勝すると思っていなかったケムリが「もし優勝したら全額あげる」と口約束したせいでくるまが総取りしていたので、今大会ではケムリが全額受け取ったとのこと。
2連覇を成し遂げたことでさらなる躍進は確実…のはずだったのだが、2025年2月にくるまが2019年頃に違法オンラインカジノに関与していた事がリーク、事情聴取に伴い各局や配信先で出演番組の差し替えが行われた。
その後くるまは関与を認め、活動休止を表明。既に時効を迎えていたため起訴はされなかったが、その一方でダンビラムーチョの大原とダイタクの大が起訴されるなど、直近のM-1ファイナリスト数名が巻きこまれる一大事と化した。これにより前述したくるまが希望していた審査員としての参加も当分お預けになるだろう(代わりにケムリが審査員として参加する可能性はまだあるが)。
結果、くるまの影に隠れがちだったケムリが脚光を浴びることとなり、YouTubeにも力を入れ、AGA(男性型脱毛症)治療も始めている。


【歴代ファイナリスト】

前述したとおり、M-1は決勝進出を果たしファイナリストの称号を得るだけでも若手芸人にとって大変なステータスとなり、その後のブレイク率も非常に高い。
当人たちによると、ファイナリストになる前と後ではギャラや楽屋の待遇が天と地ほども違うとされ、特に大会復活以降の効力に至っては「吉本所属ならば決勝に一回行ければお笑い一本で食えるようになる」と言われる程に栄誉ある称号なのである。
優勝を逃しても上手くアピールに成功し、時にはチャンピオンに匹敵、あるいは凌ぐ程のブレイクを果たしたコンビも大勢いる。
下線付きは2024年大会終了時点でラストイヤーを迎えていないコンビ。

2001年初決勝

  • 武闘派 ハリガネロック(2001・2002)

おばあちゃん誰が見たいの?誰が見たいの?ってそしたらうーん…「美空ひばり」
無理やわ!!

プロレスとロックが大好きな家電芸人・ユウキロックと、特撮好きで細身長身の大上邦博からなるコンビ。吉本興業大阪所属。
爆笑オンエアバトルの第4代チャンピオンであり、M-1の第1回大会では観客審査で高評価を得たこともあって準優勝となる。
中川家とは大阪で鎬を削った因縁のライバルであり、ユウキロックは第1回準優勝という結果を『中川家の背中に手が届いた最初で最後の瞬間だった』と述懐している。
本人たちも大衆受けの良さを自分たちの武器として自覚しており、第2回大会以降一般審査が廃されたことに苦言を呈したこともあった。*17
その後第2回大会でも決勝進出するも5位に終わり、その後決勝進出することができず結成10年を経過し出場資格を喪失。2013年のTHE MANZAIで決勝に進めなかったことで解散を表明。M-1ファイナリスト初の解散した芸人になってしまった。
解散後はユウキロックは芸人活動の傍ら講師として後進の育成に励み、大上はローカルタレントに転向している。


  • 3度目の正直 アメリカザリガニ(2001~2003)

えー普通のサイズ寸、尺、里となります
長ーい!!

ハイトーンのハイテンションなツッコミボイスが特徴の柳原哲也と、バリトンボイスのローテンションが特徴の平井善之によるコンビ。松竹芸能所属。
第1回大会から3年連続で決勝進出しており、2025年現在松竹芸能での最後の決勝進出コンビである。
第1回大会では平井が高熱を出しながら漫才を行い、3位と好成績を残すが当時は最終決戦は2組迄しか出られなかったため涙を呑む。
第2回大会では気合を入れて臨むも審査員の島田紳助からコメントを拒否される事態に陥ってしまい最下位。
第3回大会では紳助、松本から最低点を付けられるなど伸び悩み7位に終わった。
現在では二人のアニメゲーム好きを活かしVtuberとして活動するなど独自路線を築いている。声優としても活動しており、「新・テニスの王子様」では自身たちの名前由来のキャラクターを演じている。


  • 空腹のファンタジスタ 麒麟(2001・2003~2006)

全国ネットや!頑張れ俺たち!俺たち頑張れ!

『ホームレス中学生』の印税を使い切ったバスケ好きの田村裕と、ええ声で大喜利強者の朝の顔川島明からなるコンビ、麒麟です。
2001年の決勝で後に高等テクニックとして一般化する「伏線回収」を初めて本格的に導入、松本から高評価を得た。その時の決勝進出組で一番の無名だったことから、以降無名の決勝進出者は「麒麟枠」と呼ばれることもあった。
3年連続3位という偉業を成し遂げたものの、一時期はコンビ格差により関係がギクシャクしていたこともあって優勝することはできなかった。
それでもM-1がきっかけでブレイクした芸人の代表格として扱われるコンビであり、川島はそのMC力の高さから朝の顔となり、田村も大阪を本拠地に『探偵!ナイトスクープ』の探偵を長年勤めあげ、週8でバスケの仕事を入れるなどソロでも実力を発揮している。
また、2023年からはトークイベント「ふたりっきりん」を皮切りにコンビ活動も徐々に再開している。
川島は復活後のM-1で、決勝進出者発表会見のMCなどを務めている。

  • 無冠の帝王 DonDokoDon(2001)

お客様にィ〜迷子のお知らせを申し上げまァ〜すゥ
3歳から58歳くらい〜〜のォ
58歳!?

芸人のみならず俳優・ミュージシャンなどマルチに活躍するチョコボーイ山口ぐっさんこと山口智充と芸能界屈指のサッカー通で兎に角地味な静岡の大スター平畠啓史によるコンビ。
かの『ぐっさん』といえばあらゆる分野で非凡な才能を発揮するマルチタレントとしてのイメージが強いものの、かつてはM-1ファイナリスト経験も持つ立派な漫才師だったりする。
両者の出会いは会社員時代の同じ職場の同僚としてであり、それぞれが退社後に毎日放送の視聴者参加型の演芸番組『素人名人会』に参加し名人賞を受賞したことでコンビを結成した異例の経歴の持ち主。この時点で既に無冠ではない
また共に大阪出身で漫才も関西弁だが、デビュー当初から東京で活動していた。
その後も爆笑オンエアバトルの初代チャンピオンに輝き、ぐっさんがその強烈なスター性から全国区で大ブレイクを果たすなど人気絶頂の最中にM-1でも決勝進出を果たした。
決勝ではぐっさんお得意の声帯模写やモノマネを活かした漫才を披露するも、下記のおぎやはぎ同様東京勢だった故か会場投票の際の大阪の投票数が100人中18人のみと悲惨で結果9位に終わり、これには松本も「大阪の客頭おかしいんとちゃいますか?」と不満を露わにしていた。
以降は両者のテレビに対する熱量の違いなどからコンビ仲がどんどん悪化し、コンビとしてはM-1の出場はおろか共演すら2006年を最後に一切無くなり、現在は解散を発表していないだけ*18で、事実上の解散となっている。
その不仲っぷりは周囲の芸人から「喧嘩が絶えない」「仲良かった事ない」と言われ、平畠と長年共演しているトータルテンボスは「本当に触れられないやつ」とタブー視する程。
解散以降もぐっさんはその多才ぶりを活かしてマルチに幅広く活躍し、平畠もそのサッカー熱を活かしてスポーツ番組に多数出演する他、静岡の長寿番組くさデカの顔として活動を続けている。


  • 東京の星 おぎやはぎ(2001・2002)

...まあ俺はお前がやりたいと思っていることはなるべくやらせてやりてえと思ってるからな

かつてオリエンタルランドに就職しておりディズニーシーの幹部候補生でもあった小木博明と英語ができないのに英語ができると言って貿易会社に入社した矢作兼によるダブル眼鏡コンビ。プロダクション人力舎所属。
プライベートでも親密で、それまでの漫才師には見られなかった「仲の良いコンビ」という新しい価値観を作り出した。
2001年の会場投票の際、大阪会場で投票した数が100人中9人という最低記録を残してしまう。
当人たちにとってもこの投票結果はトラウマだったようで、現在も初期M-1の汚点・ないしは観客審査という方式の難しさの一例としてネタにされることが多い。
この影響からか会場投票制度が一回限りで廃止されることとなり、本人たちも「俺たちが大阪でスベリまくったせいで2年目からM-1のルールが変わった」とネタにしている。
一方漫才自体は高く評価され、2002年大会にはその仲の良さを生かした主にお互いを褒め合い、強いツッコミを入れない芸風が審査員を務めた立川談志からは「『リーガル千太・万吉*19』を彷彿とさせる」と賞賛されている。但し当人たちはその二人を知らないので困惑していた。
現在は漫才は殆ど行っていないが、毎年年末の「THE MANZAI」には必ず呼ばれ新作を披露、そしてその漫才は収録当日にネタを作って披露するというかなりぶっ飛んだスタンスである。
なおキングオブコント創設前の2000年代前半にはコントも精力的に行っており、ラーメンズバナナマンとのユニット「君の席」等としての活動で東京のライブシーンでは当時絶大な人気を誇った。


  • 逆襲のスーパールーキー キングコング(2001・2007・2008)

キングコングです!イェイイェイ!

実業家、絵本作家などとしても活躍するたまたま捕まってない人カリスマ「西野さん」こと西野亮廣と、妻子ともども運営しているYouTubeチャンネルが人気を博している「カジサック」こと梶原雄太のコンビ。今やすっかり漫才師どころかコンビらしい雰囲気は影を潜めている。*20
ヒップホップにも譬えられる手数を重視したハイテンポな漫才が特色。NSC在学中からプロを差し置いて賞レースを制するなどその名は瞬く間に轟き、出場した7回全てで準決勝に進出するなど優秀な戦績を誇る。第1回大会決勝には21歳の若さで進出を果たした。淀みない掛け合いで西川きよしから最高評点の95点を獲得した一方松本からは55点と辛口の評価を下され、良くも悪くも勢い任せな漫才に評価が分かれた結果となった。最終順位は6位。
その後2005年にはメインMCを務める「はねるのトびら」がゴールデン進出するなど活躍していくが、多忙ゆえに2005年・2006年大会は未出場。2007年大会で3年ぶりに出場し、前評判が高い中、ファーストラウンドで650点と高評価を獲得するが、突如敗者復活から現れたサンドウィッチマンに全てを搔っ攫われ第3位となる。M-1の煽りPVではこの結果に号泣する西野がよく取り上げられる。
三度目の正直と挑んだ2008年大会の決勝では「西野が梶原にスベらされる」という流れで発した「お口チャックマンか!」のフレーズで本当に大スベリするなど全くウケずに8位に終わる。同じくハイテンポな漫才が特長のNON STYLEの台頭のあおりを受けた*21ばかりか、この年最下位だったザ・パンチと合わせ「2008年のキングコングとザ・パンチ」が翌年以降に盛大に滑った漫才師の代名詞扱いされてしまう悲しい一面も。



2002年初決勝

  • テツandトモ(2002)

♪ なんでだろ~う、なんでだろ~う
♪ なんでだなんでだろ~!

顔芸が得意な赤ジャージのテツと、抜群の歌唱力を持つ青ジャージのトモによるコンビ。ニチエンプロダクション所属。
ギターをかき鳴らしながら舞台を縦横無尽に駆け回り日常の疑問を「なんでだろう~」と歌い上げるあるあるネタは「偉大なるマンネリ」として高く評価され、「年の大半は営業」というくらいに各地で引っ張りだこの『営業の帝王』として知られる。そして後年の漫才論争でよく引き合いに出される*22
審査員の立川談志から「お前らはここに出てくる奴じゃない」と評され会場の空気が凍りつく一幕もあったが、これは「芸の確立している二人はもはや賞レースに出るような芸人ではない」という談志流の称賛であり、「なんでだろう」が全盛期ほど受けなくなった時には「俺がいいと言ってるからいいんです、他に何が欲しいんですか?やり続ければいいんです」「やめたくなったら俺のところへ来い、全力で止めてやる」と熱いエールを送られている。


  • 正門突破 スピードワゴン(2002・2003)

誰が決めたんだよ?
やすきよだよ!

『家なき子』主演女優の元夫としても有名なハンバーグ師匠の知り合い・井戸田潤と、キザな言葉を口にしては井戸田にゲボ呼ばわりされているSEKAI NO 小沢一敬によるコンビ。
今ではすっかりタレントとしての活躍が顕著なコンビだが、もとは2002年大会にて初開催の敗者復活戦を勝ち抜き本戦へと進出したことで翌年から俄然オファーが舞い込むようになったのだとか。
翌2003年は準決勝からストレートで決勝進出。結果は6位と揮わなかったものの、このときのキャッチフレーズ「正門突破(正面突破)」は後に同様のルートを辿ったファイナリストを形容する言葉として多用されている。
その後多忙に伴ってM-1出場からは遠ざかってしまったが、未だに漫才への熱意は消えておらず、毎年1回はライブを開いている。そして20年後の2023年、初開催の「THE SECOND 〜漫才トーナメント〜」にエントリーし決勝進出。大会の中で長らく遠ざかっていた賞レースへの強い熱意を口にする小沢は高い注目を集めた。


  • ダイノジ(2002)

前脚じゃねえよ!手だよ手!
見て!おにぎり!いっぱい食べる手!

「日本エアギター選手権」で2連覇を成し遂げためちゃイケの三中降板騒動の元凶大地洋輔と、吉本坂46のメンバーであった若い頃凄まじくトガっていた大谷ノブ彦によるコンビ。元々地元大分の中学の同級生で知り合い、卒業後に 東京の銀座で偶然再会したことでコンビ結成に至った経歴の持ち主。
NHKオンエアバトルでは番組史上唯一となる年間合計キロバトルで2回1位を獲得、好成績を収めた芸人の称号であるゴールドバトラーにも認定されるなど頭角を表し、2002年にM-1グランプリ決勝に進出した。
決勝では8位に終わるも、それから19年後の2021年に放送された『しくじり先生 俺みたいになるな!!』に出演した際に、当時を振り返って審査員の顔ぶれに怖気付いて本番直前に“大会用の攻めたネタ”から“営業用のつかみネタ”に変えていた事を告白。ファンや芸人の間でも良く取り沙汰される「大会初期の尋常では無い殺伐とした雰囲気と審査員が放つ重圧」を直に感じ、そして押し潰され自滅した形となり、初期のM-1の雰囲気の重さを証明する好例と言える。
2010年にはフジ「めちゃ×2イケてるッ!」の新メンバーディションにて最終選考に残るがパン1で登場した大地が放送事故を起こし落選。
2023年からは大分県出身ということもあり福岡吉本に移籍して活動している。



2003年初決勝

  • ラストチャンス 2丁拳銃(2003)

お前——
東京行ってピクルス抜くんだってな

芸人きってのクズで知られるヘドロこと小堀裕之と放送作家・タレントとして活動する野々村友紀子を妻に持つ恐妻家 川谷修士によるコンビ。
結成から早くして関西の主要賞レースにて輝かしい実績を残し、今の大阪吉本の若手芸人の登竜門マンゲキの礎となったbaseよしもとにて今のルックスとキャラからは到底想像つかないがアイドル的な人気を誇っていた。
その後baseよしもとの卒業生第1号として東京進出を果たすもうまく迎合出来ず、不遇の時代を過ごすもラストイヤーとなる2003年のM-1グランプリにて決勝進出。*23
決勝では笑い飯の伝説的ネタ「奈良県立歴史民俗博物館」の直後の出番順ながらも小堀がネタ中に笑い飯のウケ量の凄まじさをボヤきつつ4位と健闘。
近年では家族への言い訳集が書籍化されたり相方の妻・野々村友紀子*24にボロクソ言われるほどの小堀のクズエピソードが注目されがちではあるものの、東京進出後に燻っていた時期も決して腐らずノンストップで100分間漫才を披露するライブ「百式」を開催し、結成から30年以上経過した現在も年1で開催するなど真摯に向き合っており、特に2022年には小堀が芸人志望の次男と共に「ヘドロ一家」として出場。小堀は本来の立ち位置ではなくツッコミを担当しながらも3回戦まで進出した。


  • 最年少 りあるキッズ(2003)

今年で18歳になったんですよ
まあチン毛も生えてきてね

未来の松本人志と謳われた安田善紀と未来の浜田雅功と謳われた長田融季による、そのコンビ名とキャッチコピーが示す通り結成当初はなんと弱冠11歳 M-1グランプリにも最年少かつ現時点でも唯一の10代という若さで決勝進出を果たした天才子供コンビ。
TBS系列『輝く日本の星!次代のダウンタウンをつくる』という番組にそれぞれが別々のコンビで出場しており、安田が未来の松本、長田が未来の浜田に選ばれたことでコンビを結成。
その後正式に吉本所属となると早々に関西の賞レースにて数多の賞を受賞し、NHKドラマにも出演するなど前評判に違わず目覚ましい活躍を見せ一躍時の人に。M-1にも現役高校生ながら2003年にファイナリストに選出され、5位と健闘。
審査員の島田洋七は「いとしこいしを超えた、めちゃくちゃおもしろい」と絶賛し、「未来のダウンタウン」の肩書きに恥じぬ天才少年漫才師の実力を知らしめた。
しかし以降はブームも落ち着き、人気に陰りが見え始めた2014年に一念発起し東京進出を表明するも、同年突如解散を発表。
コンビ解散の原因となったのは長田の総額1億円にのぼる借金によるもので、そのまま長田は芸能界を引退*25。安田はピンで芸人を続けるも2024年に「住みます芸人」として地元奈良へ活動拠点を移すことを発表し、かつての栄光から想像もつかないなんとも寂しい幕切れとなった。


  • オレ流漫才 千鳥(2003~2005・2007)

また一番や

酒とアメスピが大好きな坊主頭の大悟と、「クセがスゴい!」「○○じゃあ!」のツッコミでおなじみの妖怪ルッコラ喰い・ノブからなるコンビ。
二人とも岡山県の出身であり、岡山弁と関西弁を交えた漫才が特徴。
不利とされるトップバッターを2年連続で引いてしまう、ド下ネタをゴールデンタイムでかます、敗退コメントでイキリすぎて大いに滑るなど、悪材料が重なり結果こそ残せなかったものの、決勝進出を機に関西の劇場やテレビで頭角を現すようになり、賞レース時代の「THE MANZAI」では2年連続準優勝を成し遂げている。
上京後、当初は『アメトーーク!』にて「帰ろか...千鳥」なる企画が堂々とOAされるほどの大苦戦を強いられるも、8本撮りでおなじみのテレ玉冠番組『いろはに千鳥』や志村けんとの共演で本格的なブレイクを果たし、今や全局でレギュラーを持つ国民的人気芸人となる。
また、前述のウエストランドやハナコ秋山、空気階段・水川といった岡山出身の賞レース王者や、蛙亭中野や東京ホテイソン・たけるなどファイナリストが多数登場し、コンビのブレイクが岡山芸人ブームを巻き起こすきっかけになった。
また、特定の事象に激しい憎悪を持つ人を揶揄する「●●に親でも殺されたのか?」というネットスラングは、二人が漫才で使ってからポピュラーになったとされる。
復活後は大会終了直後に開催される「打ち上げ生配信」の進行を2023年まで担当。
王座獲りたてホヤホヤのチャンピオンとのトークを展開するだけでなく、残念ながらうまく結果を残せなかった芸人たちにも自身の苦い経験も踏まえて寄り添う良い兄貴分っぷりを見せている。



2004年初決勝

  • 漫才という名の赤い糸 南海キャンディーズ(2004・2005・2009)

どうもー! 南海キャンディーズでーす!
…バーン!
いや~セクシーすぎてごめんなさいね~。

某文化系プロレス団体の肛門爆破でお馴染み赤縁メガネの「山ちゃん」こと山里亮太と、スカーフが印象的な182cmの巨女「しずちゃん」こと山崎静代による男女コンビ。吉本興業大阪→東京所属。
山ちゃんがしずちゃんを誘う形で2003年結成。その翌年である2004年に決勝初進出で2位となった。
なお、しずちゃんは女性初の決勝進出者にして2024年現在女性唯一の最終決戦出場者となっている。
その後ブレイクを果たし、山ちゃんは独特な声色を活かしたナレーター業や司会業を、しずちゃんは女優業やアマチュアボクサーなどそれぞれマルチに大活躍している。
ちなみに2005年の記者発表会にて山里は「優勝したあかつきには、南海キャンディーズは結婚します!」という爆弾発言を残し一部をざわつかせたものの、結果は最下位に終わった。が、山里は14年後に女優・蒼井優との結婚という形で世間に爆弾を投下した。*26
2009年にも再び出場するも結果は8位。一時期は実質解散といわれるほどコンビ仲が冷え切っていたが、その後よりを戻し、2016・2017年(ラストイヤー)の大会に出場。両方とも結果は準決勝敗退となり4度目の決勝進出は果たせなかった。


  • 直球勝負 タカアンドトシ(2004)

おめえ分け目分かんねえじゃねえか
ねえよ分け目なんか!

チンパンジー顔のトシと、時期によって見た目の変化が激しいタカによる北海道出身コンビ。吉本興業東京所属。
札幌吉本出身で、東京に移籍したラストイヤーで決勝に進出。4位となり最終決戦進出はできなかったものの、後に「欧米か!」のフレーズでブレイクし、レギュラーを多数抱える東京吉本でも屈指の人気タレントに。
錦鯉・長谷川と同期かつ親友。トム・ブラウン布川は彼らに憧れ芸人の道を志した他、大泉洋とは長らくしのぎを削りあっていた関係という北海道が生んだスターの一人。
東京を拠点として20年近く経つ今なお北海道でのレギュラー番組を抱えており、それ以外の北海道関連の仕事を引き受けることも多い。
2009年に『勝手にM-1グランプリ』という単独ライブを開催。タカトシと自らが演じる9組でM-1を争うというもので、本家のナレーションや演出を再現し、さらに前年王者のNON STYLEがVTRで登場するなど非常に完成度の高いパロディとなった。


  • 屈辱からの脱出 POISON GIRL BAND(2004・2006・2007)

中日の選手の帽子から出てくるのは、おっさんの頭だけなの。
中日の選手の帽子取ったってねえ、おっさんの頭しか出てこないの。

ロン毛で無口で泣き上戸な阿部智則と、フジロックフェスティバルの大ファンの吉田大吾からなるコンビ。吉本興業東京所属。
2017年からはモチベーション低下を理由に阿部が活動休止していることを吉田が述べており、2024年現在は吉田一人での稼働が殆どとなっている。
ローテンションなしゃべくり漫才を得意としており、M-1グランプリにおいては1回戦から決勝戦まで毎回ネタを変えて挑む、通称「吉田ルール」という縛りを課して挑んでいた。*27
しかし決勝ではネタがうまくハマらず2006年、2007年と2年連続で最下位になってしまい、特にトップバッターとなった2006年はアマチュアである変ホ長調より下だったのもあり、M-1でスベった芸人の話題になると度々名前が挙がるなど不遇なイメージが強い。
ただし審査員の渡辺正行はのちに「順番が悪かった」、松本人志も「自分がネタ順を決められるならわざわざ彼らをトップに近い順番にしない」といった旨のフォローを入れており、近年は同業者やお笑いファンからも「吉田ルールでなければあるいは…」とコンビ活動休止を含めて惜しむ声も挙がっている。


  • ハンパねぇラストチャンス トータルテンボス(2004・2006・2007)

忍びねえな。
かまわんよ♪

悪戯好きで飄々とした大村朋宏と、アフロと口ひげがトレードマークの藤田憲右からなるコンビ。吉本興業東京所属。
M-1グランプリ初の東京NSC出身の決勝進出者であり、藤田の『ハンパねえ』をはじめとする若者言葉を多用した漫才は渋谷系漫才とも称されている。
ラストイヤーとなった2007年では全国ツアーでネタの厳選をするなど徹底的にM-1グランプリへの準備をして挑むも、敗者復活戦でサンドウィッチマンが上がってくるという想定外の事態が起き、優勝をかっさらわれてしまった。とはいえ実力は折り紙付きで、コンセプトが不明瞭で単発で終わってしまった優勝賞金1億円の賞レース「S-1バトル」で無双するなど、抜群の安定感を誇っている。


  • 逆襲の異端児 東京ダイナマイト(2004・2009)

あの…栗…秋になると栗拾い…
なんで喋りながら出てきちゃうの

大のゴルフ好きである松田大輔とプロレスファンで自身もレスラーとしてリングに上がった経験を持つハチミツ二郎によるコンビ。
1度目の決勝進出時はオフィス北野、2度目の際は吉本興行所属と事務所を移籍してから再び決勝に進出した稀有な経歴を持つコンビであり*28、特にオフィス北野はかのビートたけしの個人事務所ということもあって、最初のキャッチコピーが「“ビート”の遺伝子」だったほか、審査員のカウスはたけしから「あいつら(東京ダイナマイト)優勝させて賞金を俺とあんちゃんで分けようぜ」と持ちかけられたエピソードを語りネタにしていた。
決勝ではただでさえ当時のM-1が小道具の使用に厳しかったにも関わらずそれぞれが紅白の派手なスーツにハチミツが赤と銀、松田が白の黒と銀の羽付きマフラーというド派手な格好に松田が模造刀を持参し「刀持ってきたぞ〜〜!!」と叫ぶ強烈なつかみを披露。結果こそ振るわず8位に終わるもハチミツが敗退コメントにて「昨日の夜に『もしかしたら優勝できるかもしんない』みたいに思ってた自分を殺したいですね」とボヤいて爆笑を掻っ攫い、伝説を残した。
2009年大会出場時は両者黒スーツ姿に改めつつも、上述の「松田がハチミツに何かを喋りかけながらセンターマイクに向かい、それにハチミツがツッコむ」という、「せり上がりの時点で既にボケている」近年では割といるこれまた斬新なつかみを披露し、審査員から絶賛されるも結果は6位に終わった。
その後も活動を続けるも2020年ごろからハチミツの容態が悪化。何度も生死を彷徨いながらも杖を付いてまで舞台に立ち続けたものの、2024年の「THE SECOND」予選を最後に漫才師としての活動休止を発表した。



2005年初決勝

  • 不屈のお調子者 品川庄司(2005)

メス!

映画監督として活躍する一方で、素行の悪さから芸能界屈指の好感度の低さで知られる「おしゃべりクソ野郎」でお馴染み「品川さん」こと品川祐と、「ミキティー!」でお馴染み筋肉芸人界隈の大御所、庄司智春によるコンビ。吉本興業東京所属。
キャッチフレーズにある通り、陽気な3枚目キャラを演じる品川のボケに庄司がキレながらも的確にツッコミを入れる現在の芸風からはおおよそ想像付かない漫才スタイルが特徴。
M-1グランプリ開始時には既にキャリアが5年目を迎えていたことや、その当時からそれなりに売れていたこともあってM-1へは出場と不参加を繰り返していたものの、ラストイヤーとなる2005年にて決勝進出を果たす。
「若手漫才師の登竜門」の傾向が強いM-1グランプリにおいて、既にブレイクしていた人気芸人の決勝進出は異例だったものの結果は4位と健闘。
M-1出場後は庄司が筋肉芸人としてその地位を不動のものとする反面、品川はコメンテーターや映画監督など文化人路線に舵を切ったことや、品川の性悪さによる悪評・炎上騒動で一時期はメディア露出が減った時期も見られた。
また嘗ては収録中に大喧嘩したエピソードを多数持つほどにコンビ関係が悪いことで知られていたものの、現在はその関係も修復され、丸くなって若いスタッフや共演者からの評判が良くなったが当時のスタッフからは未だに殺意を抱かれていることもあり長きに渡り雛壇芸人として活躍している。


  • 器用なおデブさんは好きですか? タイムマシーン3号(2005・2015)

…「タニタ」
うああああ!体が!トクホのマークに…

1食で3合の白米を食べることがコンビ名の由来ともなっている秋元康似のおデブ・関太と、顔がback numberボーカル・清水依与吏に似すぎているツッコミの山本浩司によるコンビ。
ネタも関のデブキャラを推した内容が多く、2005年に決勝進出を果たすと、「デブニーランド」なる架空のテーマパークを演じてみせるコント漫才を披露。しかしこのときの審査の際、なぜか直前にネタを披露した品川庄司の得点が誤って表示されるというトラブルに見舞われる*29。結果は7位。
このときのショックもあり以降はデブネタを封印し、客ウケに特化した芸風へと路線変更。当時放送されていた『爆笑オンエアバトル』での成績は良かった一方で、同時期のM-1やTHE MANZAIでは予選敗退を繰り返すなど苦戦し、芸風が迷走する。この当時について、後に2人は「客に媚びてもいいことはない」「賛否が出ないとダメ」と振り返っている。
そんな中、転機となったのは2013年の太田プロへの移籍。移籍ちょうどのタイミングで同事務所所属の前田敦子が『タイムマシンなんていらない』という曲を発表したことで思わぬ注目を集め、入所早々に先輩である有吉弘行らにいじられキャラとして認知される。これを機に当初の芸風に回帰すると、2015年大会で6大会越し、10年ぶりの返り咲きを果たす。デブキャラを活かした漫才をラストイヤーの大舞台で披露し、順位は4位となった。
2020年代以降は『有吉の壁』において山本がパンサー尾形・とにかく明るい安村と並び必ず×を貰うオイシイポジションを獲得しテレビ出演が急増、以降ネタ以外でもロケスキルにも定評を見せ、有吉軍団の番頭として一気に知名度を上げた。
因みに彼らが出場した2015年大会から5年後に放送された『やりすぎ都市伝説』にて、ニューヨーク屋敷がM-1決勝にてスタンドマイクにカンニングペーパーを貼っていたファイナリストの存在を告発。ネット上では「タイムマシーン3号ではないか?」と話題となり*30、後に本人がその疑惑を事実だと認めている。


  • 肉と骨のハーモニー アジアン(2005)

ブスバス爆発!
バスや!!

よしもとべっぴんランキング殿堂入り肉の方ふくよかな馬場園梓と、よしもとぶちゃいくランキング殿堂入り骨の方 「スタイルはとても良いが顔が残念」隅田美保によるコンビ。
M-1グランプリ史上初となる女性コンビのファイナリストであり、決勝進出以降も多くの漫才賞レースで賞を受賞してきた実力派。
昔ながらのテンポを重視したレトロな雰囲気の漫才に、隅田のブサイクキャラを強調する芸風が持ち味。
M-1では2005年に決勝へ進出し8位となった。馬場園は本来椎間板ヘルニアで決勝直前に休養を取っていたものの、手術を延期してまで決勝戦に臨んでおり、そのことを事前に聞いていた審査員の中田カウスは得点発表後に「(ハンデとして)2点余分にあげておきました」と粋なコメントを残している。
以降は隅田の〝ブスキャラ〟がイジられネタとしてバラエティ番組でも需要を産むも、当の隅田は2015年から「婚活に集中するため」としてテレビ出演を控え、一時期は実質活動休止状態に。その後2年8か月ぶりのテレビ出演となった2017年に第1回女芸人No.1決定戦 THE Wにて3位入賞を果たすと、これを機にテレビ出演を再開。しかし2021年6月にコンビ解散を発表。隅田は自身の夢であった役者へ転身、馬場園はピン芸人として精力的に活動を続けている。
元より隅田は2015年の活動休止の際も、「ブスいじりが婚活に邪魔」と容姿いじりを否定するコメントを残しており、のちに隅田はインタビューにて「(容姿で笑いをとることについては) 否定しませんし、それはそれでおもしろい文化だと思いますが、時代が変わってきましたよね」とコメントしている。



2006年初決勝

  • 5人の漫才革命児 ザ・プラン9(2006)

ちょっとすいません…今何年ですか?
お前いらんがな!

R-1ぐらんぷり2004王者にして関西を中心に活動する浅越ゴエ、モノマネを得意とする小柄な鈴木つかさ、唯一のツッコミにしてR-1ファイナリスト経験もあるヤナギブソン、R-1ぐらんぷり2年連続優勝の偉業を成し遂げた友近の元カレなだぎ武、リーダーにして先輩芸人の漫才やひいてはテレビドラマ『ラーメン大好き小泉さん』の脚本家などとしても活躍するお~い!久馬の5人からなるお笑いグループ*31。吉本興業大阪所属。
ユニット名はエド・ウッド作のクソZ級映画『プラン9・フロム・アウタースペース』に由来する。
M-1において2023年時点で唯一のコンビ以外のファイナリスト。ネタも葛藤したときに現れる天使と悪魔をヤナギブソン以外の4人が変幻自在に演じるという唯一無二の内容だった。
現在は鈴木となだぎは脱退しており*32、2020年に行われたメンバー増員計画で新たにコヴァンサン、きょうくん、爆ノ介の3名*33が加入。現在は6人組として活動している。


  • 史上最強のアマチュア 変ホ長調(2006)

なんか私ら、もう負け犬世代らしいで…
知ってる。だから私、M-1の決勝よりも、
お嫁に行きたかったわ…

小田ひとみと彼方さとみからなる、2023年時点で唯一アマチュアから決勝進出したコンビ。数少ない女性コンビのファイナリストの一組*34でもある。決勝に進出した2006年当時結成2年目。
芸人としてはアマチュアだが、小田が劇団そとばこまち、彼方が立身出世劇場と両名関西劇団の元舞台女優という経歴を持っている。
井戸端会議を彷彿とさせる芸風故かネタの内容は芸能人の悪口が大半だった為、紳助は「これをどう評価すればいいかわからない」と若干怒りにも似た感想を述べていた。
決勝進出したのはこの2006年ただ一度だが、ラストイヤーであった2020年まで途切れることなく参加し続けた。またWebマガジン『読む余熱』にてコンビ揃ってM-1のコラムを執筆したり、2020年はプロに混じってM-1公式YouTubeチャンネルのインタビューを受けるという形でもM-1に関わっている。
久しく賞レース決勝とは無縁だったが、2023年にはなんと女芸人No.1決定戦 THE Wの決勝に進出。それまで錦鯉が持っていたお笑い賞レース決勝進出者最年長記録を塗り替え、審査員を務める麒麟・川島や笑い飯・哲夫とは大会と立場は違えど17年ぶりに「決勝」の舞台で共演することになった。川島曰く芸人版フリーレン



2007年初決勝

  • 恋する漫才師 ハリセンボン(2007・2009)

木村太郎じゃねーよ!

成人式の写真を一生擦られ続けるよしもとぶちゃいく女芸人殿堂入り近藤春菜とけん玉が異様に上手い『IPPON女子グランプリ』覇者箕輪はるかによるコンビ。吉本興業→ GATE所属。
本来の結成年は2003年だが、M-1では何故か一貫して「2004年」と扱われていた。
2007年に当時既に売れっ子ながら決勝へ進出すると、今なら大炎上不可避なキャッチコピー「(デブ+ヤセ)×ブサイク=爆笑」のもと春菜の代名詞「◯◯じゃねーよ!」と力強くツッコむ漫才で4位と健闘。なおこの4位という戦績はM-1決勝に進出した女性コンビの中で最も高い成績である。
審査員の中で最も高い点数を付けた上沼は賞賛を贈りつつ、自身の経験を踏まえて「女性コンビは恋をすると漫才が面白く無くなる」と釘を刺す形でアドバイスを送ったが、2度目の出場となった2009年にはなんとはるかの熱愛が発覚。それでも新しいキャッチコピーのもと自信を覗かせた両者だったものの結果は振るわず、上沼の提言通りに最下位に終わった*35
それでもM-1出場を契機に更なるブレイクを果たし、2012年にはコンビ揃ってテレビ番組の上半期番組出演TOP20入り(春菜は1位)を果たすなど躍進した。


  • 奇跡の顔面 ザブングル(2007)

悔しいです!!

運動神経がすこぶる悪い「ガチ王」こと松尾陽介と「悔しいです!」国外でもミーム化する程の凄まじい顔芸でお馴染み加藤歩によるコンビ。ワタナベエンターテインメント所属。コンビ名は加藤の父親が好きなアニメ『戦闘メカ ザブングル』に由来する。
M-1決勝進出以前から既にその顔面からある程度名は売れていたものの、M-1決勝進出を契機に飛躍的にブレイクを果たしたコンビの一つ。
加藤の特徴的な風貌を生かしたキレ芸に松尾もヒートアップしつつ的確なツッコミを入れる芸風が特徴であり、審査員からも「ツッコミ(松尾)が上手い」と評価を受けていた。
2010年代以降も両者のキャラを活かして活動を続けたものの、2019年には例の闇営業問題に巻き込まれ謹慎、復帰するも2021年には松尾が芸能活動を引退する形でコンビ解散を発表した。
加藤は引き続きコンビ名を冠しつつピン芸人を続け、芸能界を引退した松尾も「一般人」として『アメトーーク!』の年末恒例企画「運動神経悪い芸人」には唯一呼ばれ続けており、中でも2024年放送回には松尾のVTRに加藤がサプライズで登場。3年半ぶりに再会を果たし一夜限りの“復活”として話題を集めた。


  • お笑い月見草 ダイアン(2007・2008)

確かに君は体はさほど大きくない
しかし脚も早くない
ボディーバランスもあるわけではない
しかしなんと言ってもそのリーダーシップ統率力
それもそんなにはない
しかしなんと言ってもその目に輝き
目の輝きも特にはない
何もないやないか!アホお前!!

「ゴイゴイスーです!」でお馴染み本名は石村 *36名探偵津田篤宏と、「太秦役者・岸大介」のネタでお馴染み現在はユースケに改名したのに全然浸透してない ブクブク太った恐竜の赤ちゃん西澤裕介からなるコンビ。
西澤の飄々とした雰囲気のボケと、津田の勢いのあるキレキレのツッコミが持ち味で、2007年大会のネタなど主にコント漫才を得意とする。一方で2008年大会では芸風を一新し、「(サンタクロースなど)知っていて当然のものを西澤が知らず、津田がなんとかそれを教えようとする」という画期的なしゃべくり漫才スタイルを確立。優勝候補と噂される程の期待を受け2年連続の決勝進出を果たす。
しかし決勝ではトップバッターを引いてしまい、挙げ句ネタ中に「サンタクロースは居ない」と言ったことでお茶の間からクレームが殺到し炎上するというあんまりな結果に終わった。
その後は大阪でレギュラー7本を抱える売れっ子となったが、2018年に42歳で大阪レギュラーを保険で残して東京へ進出。今までに前例のない40過ぎでの上京ということで当初は苦戦を強いられたものの、漫才でも生きる津田の勢いあるキレ芸がバラエティ番組で評価され始めると、ドッキリのターゲットからMC業に至るまで今やすっかり売れっ子となった。ゴイゴイスー!


2008年初決勝



アレだな、風呂だけに客席をゆざ…湯冷め…
噛んでんじゃねえよ馬鹿野郎!何やってんだ馬鹿野郎お前!ふざけんじゃねえよ!
お前が何とかしろよ!
できねえよ!俺が何とかできたらもっと最初っから来れるだろ、決勝によぉ!

童顔で斜に構えた態度の社会人大学人見知り学部OB若林正恭と、東洋一のツッコミピンクベストに八二分けテクノカットのマッチョマン・春日俊彰のコンビ。ケイダッシュステージ所属。
若林の話に春日がズレたツッコミやギャグを繰り出して若林がそれにツッコむ「ズレ漫才」がそのスタイルで、その「ツッコミにツッコミ返す」という斬新なスタイルは大きな発明とも評されている。
中高時代の同級生で結成し、各種のライブのみならず新宿のモノマネショーパブ「そっくり館キサラ」でも舞台経験を積んでおり、M-1ファイナリストの中では唯一のショーパブ出身の芸人*37
しかし、そのキサラでもあまりウケておらず、さらには「初めて出たオンバトで玉が3つしか入らない」「阿佐ヶ谷にある春日の自宅で定員10人のトークライブをやるも空席が目立つ」など長く伸び悩み、解散危機なども何度となく経験。
しかし、春日のツッコミとしてのポンコツぶりを逆手にとった「ズレ漫才」と、春日の尊大さを中心とする独特のキャラを編み出すと覚醒し、オンバトで5年続いた7連敗から1年で4連勝。この他『ぐるぐるナインティナイン』のおもしろ荘の常連にもなるなど一躍注目株に。
そんな中2008年に敗者復活戦を勝ち抜くと1本目で場内を大きく沸かせ、前年のサンドウィッチマンに続きファーストラウンドを1位通過。
ネタの佳境で春日が噛むというとんでもないハプニングをも笑いに変えた様は大竹まことから「噛んで面白いってどういうことだ!?」と賞賛された。
優勝こそ逃したものの、春日の強烈なキャラクターから王者・NON STYLEを差し置いて『フレッシュプリキュア!』にまで出演するほどの大ブレイクを果たす。
キャラ芸依存故一発屋で終わる、若林がじゃない方になるという危惧や様々な騒動を起こしての炎上などもあったが、若林は普段の破天荒だが悩みっぽい性格、読書やヒップホップを趣味とする一面、さらにトークスキルの高さが広く知られ、春日に負けない人気を獲得して「脱じゃない方芸人」の例として挙げられるように。
一方の春日は忍耐力や磨き上げた肉体を生かしたロケ芸人・筋肉芸人に活路を見出す。ドッキリや挑戦企画のみならず自身が経験したことのない風習やスポーツ、果ては東大受験まで国内外問わず、「春日」を貫きながら何でもこなし続け、キャラを一過性のもので終わらせずある種の定番として定着させた。トゥース!
コンビとしてもテレビのみならず、『オールナイトニッポン』が普段の2人とはまた違う人柄が見えるトークで高い人気を博し、お笑いライブ史上初となる東京ドームでの公演を行うまでに。
気がついてみれば15年以上ピン・コンビそれぞれで第一線を張り続ける、文字通りテレビで見ない日のない人気芸人となった。「M-1は優勝者よりも2位の方がブレイクする」というジンクスのまさに好例といえる。
2008年大会終了時点でラストイヤーまで残り2回*38あったが、2009年以降の大会には出場していない。
後に若林が語ったところによれば「ただ勝つためだけに作った形を変えることで、自分たちの漫才を退化させたくない」という考えからだったという。
多忙な中でも毎年ライブは欠かさず行っており、「ズレ漫才」に固執せず前言通りお互いの強烈な個性を引き出した漫才に取り組み続け、漫才を「進化」させ続け、遂には東京ドームで漫才をやってみせた。
後に若林は2024年大会にて審査員を担当することとなり、NON STYLE石田、ナイツ塙、笑い飯哲夫と合わせて2008年大会のトップ4から1人ずつが審査員として集結することとなった。


  • 浅草の星 ナイツ(2008~2010)

昨日インターネットの『ヤホー』ってサイトで
『Yahoo!』ね。

はなわの弟でウッチャンに嫌われている・塙宣之と、じゃないほう芸人界のエリートで恐妻家・土屋伸之のコンビ。マセキ芸能社所属。
漫才協会にも所属しており、塙が会長・土屋が常務理事を務めている。キャッチフレーズも浅草の寄席が活動の本拠地であることから。
芸人としては内海桂子の弟子*39であり、師匠持ちのM-1ファイナリストは現在までナイツのみ。
3年連続で決勝に進出し、優勝候補の一角と見られていたが栄冠には届かず。ジブリ作品を下ネタにパロディするネタなんかやったからである
復活後の2015年、ラストイヤーでは準決勝敗退となり敗者復活戦に臨んだが、そこでひたすら土屋が『俺ら東京さ行ぐだ』を歌い、ひたすら塙がツッコみ続ける漫才を披露するという唐突な変化球勝負をしたことで話題になった。
技量に対する評価だけでなく漫才協会に所属するベテラン芸人とテレビの架け橋となり、テレビ系の一発屋芸人を同協会に所属させるなどといった東京演芸界への貢献度の高さもあり、近年の大会では塙が審査員を担当。


  • I ♥ とちぎ U字工事(2008) 

おめぇのせいだ、バーカ!!
ああじゃあもういいよ!俺が悪いや!
ごめんねごめんね~!

水戸納豆の藁みてえな髪型をしている福田薫と、坊主頭で上記の「ごめんねごめんね~!」でお馴染み益子卓郎からなる栃木県の大スターコンビ。決勝進出当時はアミー・パーク所属。また同年大会のファイナリストであるナイツ・塙の勧誘もあって漫才協会にも加入している。
M-1の煽りVでは「とちぎテレビでレギュラー番組を持つ栃木の人気者」として紹介されていたものの、その当時から全国区でも『爆笑オンエアバトル』や『爆笑レッドカーペット』を中心に高い人気を集めており、勢いそのままに2008年大会にて決勝進出を果たす。
栃木弁で漫才を行い、ネタの要所要所に栃木県の名物やニュースを組み込むスタイルはこの頃からすでに完成されていた。
決勝進出以降は栃木のみならずと全国区番組でも人気を博し、見事ブレイク。現在でもその栃木知識を生かし、ロケ番組やトーク番組でもその活躍を続けている。
茨城弁の漫才を得意とし、同じM-1ファイナリストでもあるカミナリは永遠のライバル。
その後U字工事の決勝進出から15年の歳月が流れた2023年大会にて、モグライダーがネタ中に「ごめんねごめんね~!」のフレーズをぶっ込み、話題となった。ごめんねごめんね~!


  • ネタの精密機械 モンスターエンジン(2008・2009)

シューッ“H”、シューッ“O”、シューッ“N”、シューッ“A”
「ほな…」

事あるごとに古畑任三郎のモノマネをぶっこむほどの田村正和ファン大林健二と、実家が鉄工所のここ近年で急激に老けた西森洋一のコンビ。
コンビ結成1年強で『あらびき団』で披露したネタ「神々の遊び」で一躍注目を浴びると同年のM-1グランプリ決勝に進出、翌年にはKOCにも決勝進出と躍進し、2010年には「ピカルの定理」レギュラーに抜擢され見事ブレイク。
非常に芸人仲間からのネタに対する支持が厚く、M-1・KOC共に複数回ファイナリストとなったことのある実力の持ち主で、賞レース時代のTHE MANZAIでも決勝進出経験がある。
同じピカルの定理にてレギュラー出演していた芸人たちと比べると現在のテレビ出演はあまり多くないものの、西森は実家の鉄工所を活かしてラップネタやアート作品の制作活動、大林は先輩のギャロップ毛利らと共にクラブDJを務め様々なイベントに出演するなどピンでも活動する傍ら、KOCにも2023年まで出場を続け、THE SECONDにも参戦を続けており今も尚精力的に芸を磨いている。
ラストイヤーの2022年大会は準々決勝で敗退し、彼らを最後に2010年大会までの旧M-1のファイナリストは全組がラストイヤーを迎えた。


  • ラストチャッチャチャーンス ザ・パンチ(2008)

お願い死んで~ もうやだお願い
楽屋で『MEN'S NON-NO』とか読まないでぇ~

パンチパーマを当てているパンチ浜崎と、パンチパーマを当てていないノーパンチ松尾からなる芸名そのままなコンビ。
浜崎がグダグダとキモい妄想を語り、それに松尾がエッジの効いた嘆きツッコミフレーズでなじる芸風が特徴で、嘗て爆笑レッドカーペットにて名を馳せ、その当時頭角を現した世代の一人。
勢いそのままラストイヤーにして遂に決勝に駒を進めクソ手抜きのキャッチコピーを付けられたものの、大会では緊張と重圧に呑まれた上にネタに「死んで〜」のフレーズを挟んだ事で客の心を掴めず、結果としてM-1史に残る程の大スベリを見せ最下位に終わる。
その凄惨さは2010年大会のカナリア、2020年大会のアキナらと共に「放送事故」「黒歴史」等と揶揄られ、「M-1で終わったコンビ」の代表格的として名を残すハメになった程で、更にはラストイヤーだった為に翌年以降のリベンジも叶わずその挑戦を終えることになってしまった。
その後はレッドカーペットの放送終了などの煽りを受けてテレビ出演は激減。活動拠点を舞台に移した後も自身らの芸風が時代の変化の煽りを受けて「不謹慎」等とクレームを入れられた事で芸風の変更を余儀なくされた挙句、2019年には例の闇営業問題で浜崎が活動休止に追い込まれるなど長い苦節の時代を過ごした。
しかし16年後となる2024年。第二回THE SECOND 〜漫才トーナメント〜ファイナルへ進出。芸風は客に語りかける様に展開されるしゃべくり漫才からコント漫才に移行するオーソドックスなスタイルに一新し、同じくM-1ファイナリスト経験者のタイムマシーン3号らを下して見事準優勝を果たす。
特に決勝では松尾が突如アドリブで「砂漠でラクダに逃げられて~」と、M-1以降封印していた嘗ての代表的な嘆きツッコミフレーズをぶっ込み会場を大いに沸かせた。本当のところはM-1決勝では言ってないけどね



2009年初決勝

  • シン・ハライチ ハライチ(2009・2010・2015・2016・2021)

あと……控えめなフック
うん、まぁこんくらいかな

アニメ・ゲームに造詣が深い多趣味な塩の魔人岩井勇気と、個室ビデオから産み落とされたと自称する丸坊主頭でぽっちゃり体型の澤部佑による、埼玉県上尾市原市(はらいち)生まれ、幼稚園からの幼馴染によるコンビ。ワタナベエンターテインメント所属。
M-1グランプリに憧れ、養成所時代からM-1に参戦している生粋のM-1チルドレンで、決勝進出5回は非吉本勢としては最多。
岩井のボケに対して澤部がツッコまずにノリ続け、岩井のワードがどんどんあらぬ方向へ向かっていく「ノリボケ漫才」でブレイク。更に大会復活後のM-1グランプリにはノリボケ漫才をあえて封印して挑んでおり、2016年大会ではRPGのフォーマットを落とし込んだ漫才、2021年大会では岩井が従来と真逆の情動的に動く漫才で勝負するなど挑戦的な試みをラストイヤーまで続けた。
ブレイク後は瞬発的かつ語彙力豊富なコメント力を持つ澤部が「国民の弟」と称されテレビタレントとして重宝されるように。一時は圧倒的にピンの仕事が多く、そのことから岩井が「下から目線」の鋭い毒を吐く「腐り芸人」ネタを生みだす。その後はアニメ・声優関連を皮切りにトーク力や分析力が評価されてこちらもまたピンの仕事を増やすなど、澤部に負けない知名度を獲得した。



2010年初決勝

  • 一撃必殺 スリムクラブ(2010・2016)

な ん と か…………………な ら ん か ね ぇ…?
………………………………………民 主 党…で す か……?

ガサガサ声の巨漢・真栄田賢と、坊主頭でド天然の内間政成による沖縄出身2名によるコンビ。吉本興業東京所属。
2010年にて初めて決勝に進出。2年前の覇者・NON STYLEを筆頭とした高速しゃべくり漫才が主流となっていた中、間をたっぷり取ったスローすぎるテンポのネタが大ウケ。
松本人志をして「時間が惜しくないのかと思った」と言わしめ、ラストイヤーであった優勝候補大本命・笑い飯に迫るインパクトを残し、最終的に準優勝を果たす。
これを機にブレイク、『エンタの神様』でのコントも人気を博して知名度は向上したが、2019年にはいわゆる闇営業問題で活動休止に追い込まれたことも。
なお『THE MANZAI』でも決勝進出する等賞レースでは漫才で結果を残しているが、どちらかというと本職はコントである。ただし『キングオブコント』では準決勝進出が最高記録。


  • 笑いのアーティスト ピース(2010)

弱者ベロベロベロベロベロ……

太宰治を愛する後の芥川賞作家・又吉直樹と熟女好きのウザキャラ・綾部祐二のコンビ。
2010年の第3回KOCにて2位と好成績を収め、準優勝のジンクスに乗ってか直後に「ピカルの定理」レギュラー及びセンターに抜擢。バラエティ番組でも綾部が出演した『アメトーーク!』の「町工場芸人」が大きな反響を呼び、『しゃべくり007』にも2度出演するなど一気に人気芸人の仲間入りを果たすと、極め付けにと同年のM-1ファイナリストに選ばれ4位と健闘した。
翌年以降もその勢いは衰えず、2011年はタレント番組出演本数ランキングで第6位、ブレイクタレントランキングでは第1位にランクイン。2015年には又吉が自身の半生を書いた小説『火花』で、お笑い芸人史上初の芥川賞を受賞するなど様々な分野でその才能を活かし売れっ子となった。
その後、2017年に綾部が予てからの夢だったアメリカ進出のためニューヨークへ移住し、コンビ活動が一時期実質休止状態になるも2022年には揃ってCMに出演、2023年には6年ぶりとなるトークライブを開催とコンビ活動を徐々に再開している。


  • フリースタイル再び ジャルジャル(2010・2015・2017・2018)

どうも後藤でーす。
ジャルジャルでーす。
福徳でーす。

吉本一の下戸・後藤淳平と、後藤ほどではないがこちらも吉本屈指の下戸とされ絵本作家の顔も持つ福徳秀介のコンビ。吉本興業所属。
「ピンポンパンゲーム」や「国名わけっこ」といったしゃべくり漫才でもコント漫才でもない、型にとらわれないフリースタイルと称される独特なネタを持ち、松本や内村光良からも評価される実力派にして、年に1000本に及ぶ新ネタを生み出す異端のネタ職人。
めちゃ2イケてるッ!』の新レギュラーの1組としても知られる他、YouTubeにも非常に力を入れており、毎日欠かすことなくネタ動画を投稿している。
初出場時はおなじみの「黒のシャツにベージュの短パン」という装いだったが、より漫才師として受け入れられるためにスーツをこしらえて挑むように。飄々としたイメージに反して熱を持って取り組んでいた本大会では優勝は果たせなかったものの、2020年にはキングオブコントで悲願の賞レース王者に。
また、完全にM-1のみをモチーフにしているわけではないものの、タカアンドトシと同じように自身が扮する架空の芸人のみで構成された架空の賞レース『祇園お笑い新人大賞』を開催している。


  • 羽ばたけ!ラストイヤー カナリア(2010)

♪ファはファイティングポーズ
♪家に帰ればファイティングポーズ

実家のケーキ屋が桃太郎電鉄シリーズに収録されているボン溝黒と、プロ級の歌唱力を持つイケメン安達健太郎によるコンビ。
M-1グランプリ優勝を目的にコンビを結成、安達の歌唱力を活かした漫才が持ち味であり当時最後とされていた2010年に悲願の決勝進出を果たし結成7年目なのにラストイヤー扱いされた。
しかし決勝にて披露したドレミの歌を題材とした漫才はトップバッターのネタ順も祟って最下位、漫才中ワイプで抜かれていた松本と紳助は終始真顔だった上にネタ終了後紳助はコメントを拒否、挙句題材がドレミの歌であるが故にネタが動画配信サービスでは全カットされ現時点では決勝ネタを見ることすら絶望的という兎に角散々な結果に終わったのだった。その凄惨を極めた内容から M-1で盛大にやらかしたコンビの一つとして名前が挙がる事もしばしば。
彼らを決勝に上げた当時の準決勝の審査員はカナリアがの決勝ネタが準決勝、準々決勝にて披露したものではなかったことに驚き、さらに「優勝を意識しすぎてネタを選択ミスしたのでは」とコメントを残しており、上述のPOISON GIRL BANDと共に決勝でのネタ選びの失敗を悔やむ声も多い。
大会復活後も挑戦を続けたが今度こそ正真正銘ラストイヤーとなった2017年大会は2回戦敗退。なお過去に決勝戦を経験したプロのコンビの2回戦敗退は彼らが初であった。
そして2018年、結成理由でもあったM-1優勝を果たせなかった事もあり解散を発表。
ボン溝黒はボンざわーるどと改名し2020年に吉本新喜劇に加入、安達はピン芸人以外にも役者、脚本家としても活動している。


2015年初決勝

  • 最後の逆襲 スーパーマラドーナ(2015~2018)

「ここもいっぱいでござる」「すみません・・・」
今の落ち武者や、オイ!!

見るからに弱そうな見た目が特徴の田中一彦と見るからに強そうな見た目が特徴の武智からなるコンビ。吉本興業大阪所属。
伏線回収や叙述トリックといった作品性を盛り込んだ漫才を得意としており、敗者復活込みで4年連続決勝進出を果たしている実力派コンビ。
武智はM-1への思い入れも非常に強いが、2018年の大会終了直後にとろサーモン・久保田とインスタライブ上で上沼恵美子に対し審査への不満から暴言を吐き大炎上してしまった。
それでもM-1への愛は本物で、特に自分達のYouTubeチャンネルでは大会レビューはもとより、「M-1クイズ」や「M-1戦士養成」、更には大会が終了した直後に来年のファイナリストを予想するなどM-1にまつわる企画を日々投稿している。相方の田中はいつも引き気味だが。また無名のアマチュアでも見どころがあると積極的にYouTubeで紹介するなどの漫才への真摯な姿勢が認められ、ラストイヤー終了後は予選のMCも任されている。
もはや「とり憑かれている」レベルで愛しているため、遂には「Mおじ・M-1の亡霊」というあだ名まで付けられることに。


  • 第4形態 和牛(2015~2019)

…耐えたぁ!
落ちて死ね!
もうええわ。

粘着質な性格で知られる元料理人の水田信二と、女性役が似合う「もうええわ」の言い方が妙に色っぽい川西賢志郎によるコンビ。吉本興業東京所属。
M-1史上最も優勝に近かった芸人とも言われ、3年連続2位というおそらく今後永久に破られることはないであろう記録を打ち立てた悲劇のコンビ。
2019年では準決勝で敗退するも圧倒的投票数で敗者復活戦を勝ち上がり、非常に高評価を受けたものの、なぜかからし蓮根の審査の時に上沼からめちゃくちゃ怒られ、最後の最後でぺこぱに逆転負けを喫した。
当該大会をもって「卒業」を宣言したため、2020年以降の大会には参加していない。
また、2016年にも敗者復活戦から勝ち上がっており、敗者復活戦を2度勝ち上がった唯一のコンビでもある。
M-1出場を通して実力が高く評価され知名度も向上したが、卒業以降も劇場での漫才を活動の主体とし、テレビ出演は控えめにしていた。
また、同世代のアキナ・アインシュタインとともに「アキナ牛シュタイン」なるユニットでも活動していた。
しかし、2023年12月に年度末での解散を発表。M-1復活以降のファイナリストの解散は彼らが初であり、実力・知名度も高いコンビの解散ということもあってX(旧Twitter)のトレンドでは「和牛解散」を筆頭に関連フレーズが上位を占め、三村マサカズ(さまぁ~ず)やナイツなど非吉本芸人まで解散に言及するなどすさまじい反響を残した。
解散後も共に吉本に所属し芸能活動を続けているが、川西は俳優活動を開始し演技力の高さで注目を集めている。


  • 誰も知らない超ダークホース メイプル超合金(2015)

ここWi-Fi飛んでんな
見えんのかよ!?

バンダイの就職説明会に金髪赤スーツで臨み「シャアがいる」と言われた伝説を持つカズレーザーと、バカ殿のオチ要員としても活動していた平均体重底上げ担当大臣こと安藤なつの男女コンビ。サンミュージックプロダクション所属。
復活後のM-1における記念すべきトップバッターに選ばれ、当時まだ無名であったため番組からも『ダークホース』として紹介されている。
結果は7位と振るわなかったものの、その独特すぎるビジュアルとネタでインパクトを残し、ブレイクを果たす。
特にカズレーザーは『ノンケよりのバイ』『自由奔放』『異常なまでの自然体』といったあまりにも濃すぎるキャラや常に金髪に赤い衣装という派手な見た目とは裏腹に同志社大学卒*40のインテリという意外な一面を持つため、近年では情報・教養系番組や『Qさま!!』等クイズ番組の常連にもなっている。ジークジオン!


  • 静かなる毒舌漫才 馬鹿よ貴方は(2015)

大丈夫だよ、大丈夫、大丈夫だよ!大丈夫。大丈夫だよ!大丈夫。大丈夫だよぉ、大丈夫。大丈夫なの?大丈夫だよ。大丈夫かぁ?大丈夫だぁ。大丈夫なの?大丈夫だよ。大丈夫なのか?大丈夫だよ。大丈夫なんですか?大丈夫だよ。大丈夫ですかねぇ?大丈夫ですよ!大丈夫かぁ?大丈夫だよ!大丈夫なの?大丈夫かぁ!?大丈夫だぁ!大丈夫ですよぉ!大丈夫なのかねぇ?大丈夫だよぉ!大丈夫なの?大丈夫だよ!大丈夫だろ?大丈夫か?大丈夫なの?大丈夫かぁ?大丈夫ですかー?大丈夫だよお!大丈夫なのぉ?大丈夫?大丈夫…大丈夫…
顔をひし形にしてやろうか?

重度の遅刻常習犯であり女芸人をこよなく愛する中身がやばい方の新道竜巳と、サンリオの大ファンで特にクロミが大好きな見た目がやばい方の平井“ファラオ”光からなるコンビ。
オフィス北野→サンミュージックプロダクション所属。
ボケのファラオが荒唐無稽かつ淡々とボケて、ツッコミの新道がそれに困惑しつつツッコむという芸風で、こちらもスリムクラブと同様に(流石に彼らほどでないが)スローテンポで間を多くとる特殊な漫才スタイルが特徴。
2014年の「THE MANZAI」でファイナリストに選ばれ、勢いそのままに2015年のM-1グランプリにも決勝進出を果たす。その際ネタ終盤に「大丈夫」というフレーズを合計41秒間で40回も繰り返すというトチ狂った奇行に走り会場をザワつかせたのは最早伝説。更に敗退時コメントにてファラオが表情を一切変えずに言い放った「やっとM-1らしくなってきましたね」というフレーズも、歴代敗者コメント史上一・二を争う名言と名高い。
なお当大会では下記のメイプル超合金に次いで2番手として登場したものの、両コンビ共に非常にアクの強い前衛的な漫才を披露したこともあり、「5年のうちに漫才が変わってしまった」「心に闇を抱えている」と審査員も困惑のコメントを残していた。
2015年大会以降もM-1にエントリーし続けたものの、結成当初から冷え切ったコンビ関係や大会に懸けるお互いの熱量の差もあって戦績は年々右肩下がりに悪化し、2022年大会には遂にM-1ファイナリスト経験者史上初となる1回戦敗退という非常に不名誉な記録を打ち立ててしまった。*41
その後ラストイヤーとなる2023年大会は1回戦をトップ通過したものの、結果は3回戦敗退に終わり、長年の挑戦に幕を閉じた。



2016年初決勝

  • 予測不能 さらば青春の光(2016)

"能"やん!!
"能"なん!?

猫とゴシップが大好きな出っ歯でモルック日本代表森田哲矢と、そんな森田も戦慄するスキャンダルを大量に抱える、度を越した女・ゴルフ大好きな22時以降しかテレビに出られない東口宜隆*42によるコンビ。自身らがそれぞれ社長・肩書きだけの副社長である個人事務所ザ・森東所属。
キングオブコントにて最高成績準優勝最多決勝進出記録の記録を樹立した生粋のコント師ではあるが、M-1のファイナリスト経験も持つ両方熟せる実力派。
コント師という印象に反し、その漫才スタイルはしゃべくり漫才。しかしそのネタ設定の「バラし」に長く時間を掛け、両者の演技力が光る違背実験じみた芸風は漫才でも健在。
2016年に同年のKOCにて衝撃の2回戦敗退を喫した反動もあってM-1ファイナリストに選ばれ、準決勝時とは異なるネタで挑みながらも審査員らからはそのネタの発想と技術の高さを評価され、4位と好成績を収める。
その後、2018年を最後にM-1含む全てのお笑い賞レース卒業を宣言。背水の陣で臨んだM-1は準決勝敗退、KOCは決勝4位に終わったものの、今や森田は小物MCとして十分な売れっ子となり、コンビのYoutubeチャンネルがその企画力の高さと毎回被害を被る東ブクロの姿から人気を博すなどブレイクを果たした。
尚2018年大会を最後に賞レースを卒業した彼らであるが、現在は大会の規定上2023年大会を以て正式にその出場資格を失効している。


  • 覚醒するファンタジスタ アキナ(2016・2020)

滑り大魔神!現れたな!!このお笑いの槍で突っついてやる!!エーイ!!
ふざけるな!
ウソやろォッ!!?

ラジオでの共演が元でABCのアナウンサーと結婚した秋山賢太と、『せやねん!』での共演が元で新喜劇座員の宇都宮まきと結婚した山名文和からなるコンビ。
かつてはもう一人のメンバーを加え「ソーセージ」というトリオで2008年から活動。同年結成わずか半年にしてM-1準決勝にまで勝ち進むなど活躍していたが、そのメンバーが不祥事により脱退、残った秋山と山名で2012年に結成。
そのため実際の芸歴はかまいたちや銀シャリなどNSC大阪25、26期生と同期とされている。
本大会では2回・THE MANZAIでは1回・さらにキングオブコントでも3回と、漫才・コントいずれの分野でも大型賞レースにて複数回ファイナリストとなったことのある実力の持ち主。
しかし、準決勝で大ウケ・視聴者からの優勝者予想で一位に輝く・各方面で「優勝候補の一角」とまで評されるといった高い期待を背負って登場した2020年大会では、「40歳の山名が好きな同級生の女の子を単独ライブの楽屋に呼んで学生並にイキリ倒す」という設定の掴みに失敗、観客にも審査員にも受け入れられずに終始低空飛行、オチのワードである「滑り大魔神」がそのまま代名詞になるレベルの大スベリをやらかし、622点で8位タイという結果に。富澤からは「表情などの演技はメチャメチャ上手いが、ちょっとオジサンには好きな女子って設定がハマらなかった」とコメントされている。ちなみに両名とも富澤とは一回りも年齢が離れていない。
期待との大きすぎる落差なども踏まえ、この時の彼らはM-1ファンの間では最もスベったネタ候補の一つとして語られることが多い。この年で同点だったウエストランドと最下位の東京ホテイソンはほとんど話題にも上らなかったが、片や優勝、片やブレイクするとはこの時誰が思っただろうか。
一方これだけのやらかしに惹きつけられた人間も多いようで、多くの芸人仲間や先輩芸人などから「山名の顔がマンガみたいにグニュ~ってなってたな」「秋山が優勝後を意識しすぎてブライダルモデルみたいな衣装だった」とイジラれ、ネットニュースなどでも多く取材を受けたり、「なぜあんなにスベってしまったのか」と熱く死体蹴り考察するファンも。「やめてはずい!」「やめてくれ~長文考察やめてくれ~」


  • 進化のどつき漫才 カミナリ(2016・2017)

さっきから五七五じゃなくて七九七だなッ!

早稲田大学のヤリサーにいながら唯一童貞を守り抜いたMUR大先輩似の坊主頭の竹内まなぶとバスケットボールが得意でスニーカーマニアの石田たくみのコンビ。グレープカンパニー所属。
地元茨城県幼稚園から友達だった関係性で、遠縁の親戚同士。また芸人になる前はヒップホップ愛が高じてサイファーを結成しており、現在でも度々ラッパーと共演することがある。
茨城弁で漫才を行い、大声でツッコみながら頭を強く叩く「どつき漫才」とも称されるスタイルが上沼恵美子から否定的な見解を示されたがその後ブレイクを果たす。
彼らのブレイク以降「上沼に怒られるとブレイクする」というジンクスが生まれ、「上沼怒られ枠」と称されることに。
栃木弁の漫才を得意とし、同じM-1ファイナリストでもあるU字工事は永遠のライバル。
近年では自身のYouTubeチャンネルでテレビゲームネタを多く取扱うことでも知られ、特に『スーパードンキーコングシリーズ』の音楽を手掛けたことで知られる作曲家デビッド・ワイズ氏にイギリスでインタビューを実施、その後日本への招聘を実現しトーク&ライブイベントを開催したことや、かの迷作『デスクリムゾン』の制作会社・エコールの真鍋賢行社長から新たな制作秘話を引き出した件が話題を呼んだ。


  • 婚活系漫才 相席スタート(2016)

ああぁぁぁ!振ってもうたああぁぁー!

早稲田卒の高学歴ながら友達が1人もできなかった過去を持つ山﨑ケイと爽やかな風貌に反してギャンブル狂いでクズエピソードに塗れた「クズ紳士」山添寛によるコンビ。
コンビ名に違わず恋愛模様や女性心理を題材にした漫才やコントを演じ、男女の恋愛模様をリアルかつ巧みに描写した芸風が持ち味。
またツカミには山添が「お隣よろしいですか」と訊ねて山﨑が「どうぞ」と返して漫才に入り、ネタをシメる際には山添が「お席外させていただきます」せサゲるコンビ名に因んだスタイルも特徴。
M-1では2016年大会に決勝進出を果たし、合コンの女性を野球の球に例えた漫才で会場を沸かしたが、結果は最下位に終わった。
その後は漫才における山﨑のキャラがバラエティ番組でもウケてプチブレイクを果たし、長らく山﨑の陰に隠れていた山添も様々なクズエピソードが明るみになるとたちまちブレイク。所謂“クズ芸人ブーム”の中心的存在として定期的にシャレにならない炎上騒動を起こしつつも活躍を続けている。
なおM-1ファイナリスト経験者だが実は本来はコント師であり、一応2028年まで出場資格があるものの本業のKOCに本腰を入れる為に2018年を最後に出場していない。そのKOCにも山添がブレイクを果たした2022年を最後に出場していなかったりする


2017年初決勝

  • 兄弟漫才 ミキ(2017・2018)

なんやねん兄ちゃん!見失ったぞ!
見損なえ!!

甲高いツッコミボイスが持ち味のぽっちゃりしている兄で小さい方・昴生と、大の猫好きである爽やかでハンサムな弟で大きい方・亜生からなる実の兄弟コンビ。当初は吉本興業大阪所属で、二度の決勝進出を経て現在は吉本興業東京へ拠点を移している。
M-1ファイナリストとしては初代王者・中川家以来となる兄弟コンビで、コンビ名も両者の苗字「三木」に由来する。
初の決勝となる2017年大会にて3位と好成績を残し大ブレイクし、翌2018年大会でも敗者復活から4位と健闘。
同年大会王者である霜降り明星が発端となる新規精鋭な若手中心のお笑い第七世代ブーム実は共に昭和生まれであるにも関わらず乗り、今やテレビで見ぬ日はない売れっ子となった。
そんな輝かしいスター街道を駆け上がる一方で、M-1ではルール改定前の敗者復活戦において人気・知名度の高さによって必ず好成績を残していた*43ことから、一部視聴者から不当にやっかまれたりヒール扱いされてしまう事も多く、上記の決勝連続進出後はやや不遇。
他にも『THE MANZAI』に出演した際にビートたけしから「うるさいだけで面白くなかった」と酷評され、それをランジャタイ・国崎を筆頭に各方面から年単位でイジられるなど漫才師としては多くの課題に直面する羽目になり、その度に昴生のキレ芸が冴え渡っている。
因みに叔父は「探偵!ナイトスクープ」の初代局長こと上岡龍太郎。しかし大御所・上岡の名を使って売れたくないと考えた事や、親の助言もあって当初その事実は公表していなかった。


  • 憑依する漫才 かまいたち(2017~2019)

もし俺が謝ってこられてきてたとしたら、絶対に認められてたと思うか?

小柄で眼力の強いサイコな山内健司とのっぽで料理が得意な痛風持ちの濱家隆一からなるコンビ。吉本興業東京所属。
「史上初の2冠へ」というキャッチコピーの通り、キングオブコント優勝を引っ提げ、漫才とコントの2冠王を目指し決勝進出を果たす。
狂気の混じったしゃべくり漫才を得意としており、前評判は高かったが、鳴り物入りで出場した2017、18年では台風の目に成り上がることはできず。
が、ミルクボーイ同様、後輩である霜降り明星優勝に多大な刺激を受け覚醒。
ラストイヤーとなった2019年決勝では2番手という不利な順番ながら660点と優勝も十分に狙える高得点をたたき出す。
最終的には当時全くの無名だったミルクボーイに優勝をかっさらわれてしまった*44が、彼らが大阪にとどまった事や、その抜きん出た実力が高く評価され、その後東京での仕事がロケでかかりすぎて不発な時期を経ながらも激増。今やテレビで見ない日はないほどの大ブレイクを果たした。
2021年では千鳥の代わりにM-1打ち上げのMCを務め、さらに2022年では決勝進出者発表会見のMCを川島から引き継いだ。
山内は2023年大会で敗者復活戦の審査員を、2024年大会では決勝戦の審査員を担当。


  • 激情リベンジ さや香(2017・2022・2023)

81や
返納せえやァ!

小柄でダンスが得意な石井誠一と、国立大学卒の自称恋愛マスター新山士彦からなるコンビ*45。吉本興業大阪所属。
新山は1991年生まれであり、2017年の決勝進出の際M-1初の平成生まれのファイナリストとして話題を呼ぶも、翌年以降は3年連続準々決勝敗退を喫するなど漫才師として苦しむ時期が続いた。歌ネタ王決定戦優勝は少しも売れるきっかけにならず
転機となったのは2021年の敗者復活戦。突如新山が「からあげは『4』である」という提言を半狂乱になって繰り返す前衛的な漫才、通称「からあげ4」を披露し、絶大なインパクトを残す。
そして結成当初の新山がボケ・石井がツッコミのスタイルを変更し、ボケとツッコミの役割を入れ替えつつネタの途中で互いにツッコミ合うスタイルのしゃべくり漫才を披露した2022年から再度躍進。
前評判も高い中臨んだ2022年・2023年の決勝ではファーストステージを1位で通過するものの2年続けて最終決戦でまくられてしまうという辛酸を嘗めさせられる結果に。*46
特に2023年の最終決戦では、直前に漫才を披露した令和ロマン・ヤーレンズがともに爆笑を取る中、さや香はここで突如「見せ算」という新しい演算を思いついたと新山が主張し、石井をほぼ無視して延々と観客に向けて語るという極めて前衛的な漫才を披露。ネタ作りを行う新山曰く渾身の一本だったということだが、結果的には場の空気に合わないまま終わってしまっており、山田邦子には「さや香の最後のネタ、全然よくなかった」とイジられ救われたダメ出しで締められた。
2024年大会は東京進出の足固めなのか不参加となったが、両名ともバラエティは勿論、テレビドラマへの出演を決めるなど活躍の場を広げている。
コンビ仲が悪いことで知られ、問題の「見せ算」披露についても新山が勝手に決め、石井は当日まで知らなかったという。


  • NO M-1,NO LIFE. ゆにばーす(2017・2018・2021)

さっきからここ1階やぞ!

青スーツにメガネの見た目新興宗教の広報担当、川瀬名人と、赤紫のワンピースを着た見た目教祖、はらからなる男女コンビ。吉本興業東京所属。
決勝初出場の2017年ではトップバッターながら高得点を獲得。しかし、翌2018年では非常に有利とされる6番手での出番となるも、開始早々川瀬が思いっきり噛むなど緊張を隠しきれず、得点はまさかの594点。大会復活以降唯一600点台を下回るという散々な結果になってしまった。
その後2020年以降はそれまで行っていたコント漫才をやめ、しゃべくり漫才に転向。更にはらの要望も取り入れ下ネタをふんだんに盛り込んだネタを行うようになり、結果2021年にて再びファイナリストへと返り咲いた。
そして特筆すべきは2021年のキャッチコピーにも反映されるほどの、川瀬名人のM-1にかける並々ならぬ情熱であり、M-1グランプリ優勝後は即解散して引退すると公言するほどに凄まじい執着をみせている。
その情熱が行き過ぎてM-1に関わらない仕事はキャンセルする*47、結成15年以内に優勝できなかったら新メンバーを加入させ新・ゆにばーすとして活動すると宣言する、Twitterにその月の給料を1円単位まで明示する*48などなど奇行もとい尖った行動も見せることもしばしば。



2018年初決勝

  • ラスト無秩序 トム・ブラウン(2018・2024)

ケンタッキーは、骨ごと飲込みます!
キャー!

ラノベ作家にしてフライパンをへし曲げる程の怪力を持つ坊主頭のヤバいbotの元ネタの奴みちおと、自分のア〇ルの写真をLINEスタンプ代わりに送り付けるロン毛で巨根のヤバい奴布川ひろきのコンビ。ケイダッシュステージ所属。
学生時代の柔道部の後輩・先輩の間柄であり、地元北海道の札幌吉本でそれぞれピン芸人として活動の後コンビを結成した。
決勝初進出の少し前からじわじわと話題を集め始め、勢いそのまま決勝に進出。前年のマヂカルラブリー同様「なんかわかんないけど前衛的で不穏な芸風」ということにより「上沼恵美子怒られ枠」と自虐していた。
登場して早々上述の掴みで会場をドン引きさせてしまうが、二人のヤバいキャラを全面に出した『合体漫才』で最終的には観客たちを大きく沸かせ、最終決戦進出はならなかったものの志らくからは高評価を得ており、「志らくにハマったキワモノ芸人はブレイクする」という例を作った最初のコンビ。ちなみに怒られると思われた上沼恵美子からは「客が盛り上がるのは力がある証拠」と評価されている。
その後はその強烈なキャラクターを生かしてテレビでも活躍。
多忙な中でも大会には参加し続けており、特に2023年の敗者復活戦では「スナックで『ロンリー・チャップリン』を歌う泥酔客を注意したい」という導入から「酔漢の首をへし折り殺害、その後上空に矢を放ち自らも命を絶って死体に矢が刺さる音でリズム芸をする」という色々と余りにもな内容のネタで挑み、会場を大爆発させるも審査基準は忘れていなかった観客の冷静な判断によって勝ち抜きは叶わず。
ラストイヤーとなった2024年では大会最長記録となる6大会ぶりの決勝進出を果たし、「ホストクラブの一気飲みコールを場を白けさせずに断る方法」として、前年を彷彿とさせるめちゃくちゃなネタを披露したが、その前年のネタと比較されたことに加え、NON STYLE石田に「普通の漫才で笑えなくなった人救済の漫才」と評されたように「多くの人(視聴者)を笑わせる」という視点から指摘が入り、結果は6年前と同じ6位となった。バラエティ『耳の穴かっぽじって聞け!』2025年1月28日放送で布川は「お客さん全体を見渡したら、男子が体を曲げて腹を抱えて笑っている横で、女子が腰をピンッと伸ばして真顔でいた」と振り返っている。
なお、最終決戦では「剛力(彩芽)」なるタイトルからして危ない予感しかしないネタを披露することを明らかにしていた。
このネタは後日彼らの公式YouTubeで公開されたほか、決勝2日後に放送された「ラヴィット!」にて水田信二からのリクエストと言う形で幻の2本目として披露。
MCの川島らを(ネタの内容についてツッコまれながらも)爆笑させ、リクエストした水田も「来年からはネタは全組2本ずつやらせた方が良い」と、このネタがM-1の舞台でかけられなかったことを惜しみながら絶賛。本人たちもこれで成仏出来たと語った。

優勝は逃したがキャラが受けて仕事が増えるという点では事務所の先輩オードリーと似ている。ダメ~!


  • 輝け!いぶし銀 ギャロップ(2018)

勘弁してくれよ…同じ人間なのに

競馬と炒飯を愛するハゲの林健と、DJとしても活躍する一方で大御所気取りのイタい言動がネタにされまくっている毛利大亮からなる吉本興業の中堅コンビ。
M-1にはラストイヤーとなる2018年大会にて悲願の決勝進出を果たし、当時の歴代ファイナリスト最長芸歴記録を更新。更に毛利の芸歴がファイナリストでありながら審査員(ナイツ塙)よりも長くなるというM-1史上初の珍記録を打ち立てた。
決勝では4分という時間制限に泣かされ十八番ネタは使えず、本来のスタイルとは異なりそれぞれのボケ・ツッコミの担当を入れ替えて挑んだものの敗退。当時審査員であったオール巨人にはコンビ本来の実力に比例しない結果を嘆かれ、上沼恵美子から「自虐のネタをするには暗く、観客からも受け入れられなかった」と辛辣な公開説教を食らう事となってしまった。
その後、2023年に「THE SECOND 〜漫才トーナメント〜」にエントリーし決勝進出。時間制限が異なる当大会でその真価を存分に見せつけ見事初代王者に輝き、M-1での雪辱を晴らした。


  • 真逆の才能III 見取り図(2018~2020)

"あたおか"でした~!

ロン毛でラッパーとして曲もリリースしている昔は自動販売機のような体格だった盛山晋太郎と、養成所時代にリリー・フランキーに似ていたことが芸名の由来となった年間200日あまりをラブホテルで過ごす遊び人リリーからなるコンビ。
「大阪の劇場番長」とも称された実力派コンビで、M-1では2018年から3年連続で決勝進出を決めている。
初の経験となる2018年大会はトップバッターだったこともあり、同大会の重々しい空気を晴らすことは出来ず結果は9位。しかしながら上記の盛山のツッコミ「あたおか」が2019年のインスタ流行語大賞にて1位を獲得するという爪痕は残した。
その後は2019年大会にて5位、2020年大会では3位とその成績を上昇させその年の優勝・準優勝コンビが共に型破りすぎる漫才を披露していたこともあって見事大ブレイクを果たした。
上記の通り漫才の実力は折り紙付きである反面、両者共に漫才中に噛むことが多く、2019年大会・2020年大会にて盛山・リリーがそれぞれ盛大に噛んでいたりする。そちらでは共に盛山が見事な切り返しを見せて事なきを得たものの、ラストイヤーとなる2022年大会では準々決勝で盛山が言い訳できないほどに噛みまくってしまい、ワイルドカードにも選ばれず準々決勝敗退でM-1への挑戦を終えることとなった。



2019年初決勝

  • ツッコミ方改革 ぺこぱ(2019)

うるさいキャラ芸人!
いいや、キャラ芸人になるしかなかったんだ!

ド天然ビビりのシュウペイと、裏アカでは全く肯定しないなすび松陰寺太勇のコンビ。サンミュージックプロダクション所属。
コンビの名付け親は赤井英和の娘で、DDTプロレスリング所属のプロレスラーでもあるモデルの赤井沙希。
松陰寺が様々なキャラを模索しながら迷走し長年芽が出なかったが、その過程でボケを全力で肯定するという『肯定ツッコミ』という斬新な芸を確立。
初の決勝となった2019年では、大トリの10組目でありながらも優勝候補と言われていた和牛に僅差で逆転勝ちするという(前年度までの事を考えれば)優勝にも匹敵しうる大金星を成し遂げ、上沼恵美子も「新しい漫才」と絶賛。2008年のナイツ・オードリー以来となる非吉本所属の最終決戦進出組となった。悪くないだろう!
最終決戦では残念ながら3位に終わった*49が、これがきっかけで翌年は大躍進。
シュウペイポーズの認知が広まった結果五木ひろしのような大御所にまでモノマネされる・漫才の決めセリフである松陰寺の「時を戻そう」が2020年の流行語大賞にノミネートされるなど、若者を中心に絶大な支持を集め、長年の苦労が実り一躍スターダムに登り詰めた。
ついでにオードリーとぺこぱの先輩&師匠的存在であるピン芸人TAIGAもプチブレイクした。
現在はサンミュージック所属だが、2019年5月まではオスカープロモーションに所属しており、決勝当日に元事務所の先輩である上戸彩と初共演を果たす形となった。


  • 火の国ストロング からし蓮根(2019)

大巨人が。思い上がるなよ!このクソ野郎が!!死ね!!!
…チッ… ブーーーン
\ドンッ/

身長190cmの体躯を持つ離婚の際に戸籍を失った伊織とマルフォイ似のイケメン杉本青空(そら)のコンビ。
両者ともに熊本出身で出会いは地元の高校、その為語気の強い熊本弁でツッコミを入れる方言漫才が持ち味。両者のコンビ名も熊本の郷土料理辛子蓮根に由来する。でも当の本人達は辛いのが苦手な為食べられないのだが
学生時代からハイスクールマンザイ南九州大会で優勝するなど結果を残し、NSC入学後も同期のネタバトルでも1位を獲得するなど若くして頭角を表す。M-1でも初出場の2015年大会から準々決勝まで勝ち上がると以降2度の準決勝敗退を経て2019年大会に決勝へ進出。「教習所」を題材とした漫才を披露し、特に終盤の伊織が青空をはねて、奇跡的なバック運転を魅せるくだりが大ウケし、「歴代最高」と謳われる2019年大会にて確かな爪痕を残した。
特に上沼恵美子は「初々しい」と賞賛し、その将来性の高さを絶賛…したその直後上述の和牛の項目にもある通り突如無関係の和牛へ痛烈な説教を開始するという歴代M-1史上でも一、二を争うカオスな事態に巻き込まれる不憫な扱いを受けるハメに。
関西の賞レースでは決勝常連、M-1も現時点で合計6回(6年連続)準決勝まで進出、これは現在も出場資格を有するコンビとしては最多の記録となっており、更にこれまで全ての大会で準々決勝以上に進出しているなど変わらずその実力を遺憾無く発揮。
そして2025年春から東京進出を発表した。


  • シン・東京スタイル オズワルド(2019~2022)

だって君は親友だから!
親友だってさぁ~!

大柄でサイコ味溢れる畠中悠と、女優の伊藤沙莉を妹に持つ甲高い声のメガネにちょび髭の伊藤俊介のコンビ。吉本興業東京所属。
標準語で展開されるローテンションかつ独特なテンポのしゃべくり漫才が特徴。
4年連続で決勝に進出している実力者ながら、2019年はミルクボーイ・2020年はマヂカルラブリーと共に王者となるコンビの直後の出番だったためその煽りを受け、落ち着いた掛け合いが評価されず*50
2020年にはネタ後の審査員コメントで松本から「ずっと静かな感じでいった方がいい」、巨人から「最初から大きな声を出していった方がいい」と正反対のアドバイスをされて困惑するという場面もあった。
本人たちも気負って臨んだ2021年はオール巨人をして「直すところがない」と言わしめた完璧な構成の漫才を披露したが、最終決戦で錦鯉の全力おバカの盛り上げが作り出した空気に動揺してしまい直後のネタで全力を出しきれずに優勝を逃してしまい、3年連続で出番順に泣き続けることとなった*51
翌2022年はまさかの準決勝敗退。敗者復活戦を制す貫禄こそ見せたものの決勝では7位で終わった。翌年以降も準決勝敗退が続き敗者復活戦も突破できず、苦難が続いている。
このように実力は十分に評価され、王者大本命とされるもやや不憫な扱いを受けながら戴冠を逃している様から「次の和牛枠はオズワルドではないか」「今年もオズワルドが曇るところが見たい」と言われることも。
なお、所属は東京吉本でありながら、現在では東京より大阪の劇場に多く出演している珍しいコンビでもある。在京劇場の支配人たちが伊藤の遅刻癖を嫌っているからとも囁かれているが

  • 令和の伝統芸能 すゑひろがりず(2019)

さすらば、店の者を呼んで参りまする!
おぬしは()ぞ!?
\♪ ポンッ/

「バルチック艦隊」というコンビでNSC在籍中ながらM-1準決勝進出経験もある壁ナメこと座王の変態侍こと扇担当の三島達矢と、かつて紳助が司会をしていた『クイズ!紳助くん』ではなにわ突撃隊のメンバーだった小鼓担当のデブせん南條庄助からなるコンビ。埼玉県にある大宮ラクーンよしもと劇場所属芸人「大宮セブン」の一組。
2002年のテツandトモ以来となる楽器持ちのスタイルで決勝進出を果たす。
かつては「みなみのしま」というコンビ名でアロハシャツを纏い南国風の漫才を行っていたが、ミルクボーイ駒場の勧めで和風スタイルにチェンジし現在のコンビ名に改名した経緯を持つ。
時代劇風に合コンを行うという特殊なコント漫才を披露したが、637点で8位に終わった。敗退コメントでは「良いお年を!」とボケて会場を沸かす。
また、ネタ中で出た「ふるさとの母君(カントリーマアム)」「寿返し(ハッピーターン)」「蝦夷芋・焚火飯味(サッポロポテト・バーベQあじ)」というワードに各製菓会社が反応、商品がプレゼントされたことが話題になった。
その後、正月特需で多くのテレビ番組に出演し、自身のYouTubeチャンネルも大バズりするなど大ブレイクとなった。
さらに、彼らの躍進をきっかけとして翌年マヂカルラブリーがM-1制覇、2021年にジェラードンがKOC決勝進出、2023年には囲碁将棋がTHE SECONDで3位に輝くなど「大宮セブン」メンバーが賞レースで結果を残し知名度を向上させたことで注目を集め、他の吉本興業の劇場でも同様のユニットが結成されることとなった。


  • 快速ボケ急行 インディアンス(2019~2021)

最後は首の取れた人形がこう言うねん。
「お前たちは誰だ」
うわーーー!
どうも~!インディアンスで~す!!

小さめカッターシャツにひまわりのコサージュがトレードマークの明るすぎて逆に怖いと評される田渕章裕と、元有名ラウンジナンバー2のホストという異例の経歴を持つ相方大好き性格最悪男・きむからなるコンビ。
西のザキヤマと称されるほどボケまくる田渕にきむがキレ気味にツッコミを入れていくスタイルが特徴。
敗者復活込みで3年連続決勝進出を果たしており、2021年には最終決戦にも進出しブレイクを果たす。
近年ではきむの性格の悪さがフィーチャーされるようになり、田渕の元相方のミキ・昴生を嫌っていたり、先輩のM-1グランプリの戦績次第で態度を変えるM-1マウントをとっていることなどが暴露され、年末に放送される「八方・今田の楽屋ニュース」では毎回総叩きに遭っているほか、鬼越トマホークのYouTubeで行われたNSC在学生に聞いた「憧れていない芸人ランキング」では1位を獲得してしまった


  • ダークにリベンジ ニューヨーク(2019・2020)

♪ マジで切ない恋の歌~
♪ 冷静~

金髪で目が離れている嶋佐和也と、過去にネプリーグのADを務めていた経歴を持つ屋敷裕政からなるコンビ。吉本興業東京所属。
結成から若くして吉本の未来を担うホープとして頭角を現した*52ものの中々芽が出ず、ニコ生で共演者に対して暴言・セクハラを繰り返して大炎上したりと紆余曲折を経て、2019年大会にて遂に決勝進出を果たす。
この時はトップバッターを引いてしまったこともあって最下位に終わるも、82点を付けた松本からの苦言コメントに対して屋敷が「最悪や!」と悪態をついてみせて会場を沸かせ、その後「歴代最高」として謳われることとなる同年大会の盛り上がりに貢献した。
また時は流れて2024年大会、後輩芸人のラパルフェが準々決勝でこの年のニューヨークを(採点時のコメントも含め)まあまあな長尺でモノマネするネタを披露。その動画自体も大いに拡散されたが、そのついでにニューヨーク公式チャンネルにあるモノマネ元のネタの動画も視聴される......という突如の再注目(墓荒らし)という事態が発生したりも。
翌年も決勝進出を果たし、今度は松本からの高評価を得て「1年越しのリベンジ!」と叫ぶなど雪辱を果たし最終的には5位につけた。更にはキングオブコントでも2度決勝に駒を進め、2020年には準優勝を果たした。
これらの実績と両者の毒舌キャラがウケて大ブレイクを果たしたが、実は唯一「M-1とKOCの両方で最下位経験あり」という不名誉な記録の保持者でもある。また、二人をレギュラーに起用するとその番組がすぐ打ち切られるというジンクスもある
3年連続で『文春オンライン』のどう考えてもメンツがおかしい好きな芸人ランキングで自他共に認める不可解な票数を得て*531位に選ばれ2024年からランキングが廃止され、十分な知名度を得たこともあってか、2022年以降は賞レース不参加を表明している。



2020年初決勝

  • 個性と技のハーモニー おいでやすこが(2020)

♪ グッバイサンデー、ほらきたマンデー、休憩チュウズデー
知らんなァー!

とてつもない大声が持ち味の全くはんなりしてない京都府民のおいでやす小田と、細かすぎて伝わらない映画マニア芸人のこがけんからなる、見た目そっくりなダブル眼鏡・七三分けの40代ピン芸人同士ユニット。吉本興業東京所属。
本来は両者共にR-1ぐらんぷりのファイナリスト経験者もあるベテランピン芸人であるが、とあるライブの企画にてコンビを組んだところ奇跡的に相性が良かったことからユニットを結成。そして結成2年目でM-1史上初となるユニットでの決勝進出を決めた。
またM-1ファイナリストに選ばれた一方で、その同年のR-1ぐらんぷりでは突然の大会規約改訂のために突如として出場資格を失効していたこともあり、話題を集めた。
即席ユニットかつ歌ネタとM-1では逆風になりやすい要素が多かったものの、決勝にて大爆笑を取りファーストラウンドを1位通過。最終決戦でも大接戦を演じ、優勝こそ逃したものの準優勝。
その後はおいでやす小田のいじられキャラと料理上手・インテリ・歌うまといったこがけんの多才ぶりも相まって、マヂカルラブリー・3位の見取り図と並び大ブレイクを果たした。
尚、その後キングオブコントでも2021年からユニットでの参加が解禁され、実質的に「おいでやすこがの躍進によって賞レースのルールが変わる」という偉業を成し遂げる事となった。オーマイガー!
その後はもう本大会への参戦は考えていないのか、小田は2023年大会から敗者復活戦・決勝を通してリポーターを担当。


  • 静ボケ 剛ツッコミ 東京ホテイソン(2020)

い〜や!アンミカドラゴン新大久保に出現!!

『神楽師』の資格を持つラッキーたかきことたけるとボディビルダーで大会近くなると亡霊みたいになるガイルではなくショーゴによるコンビ。グレープカンパニー所属。両者の出会いはSNSの相方募集掲示板であり、コンビ名もネットで案を募って決めたという稀有な経歴の持ち主。
ショーゴの淡々とした冷静なボケに対し、ツッコミのたけるが故郷の伝統芸能であり自身もその神楽師の資格を持つ『備中神楽』の節回しを取り入れたインパクト絶大の大ぶりなツッコミが持ち味。
なお当初はたけるが上記の動きに体言止めの例えツッコミを入れる芸風であったものの、2018年に若干似たツッコミスタイルを行う霜降り明星が優勝した事で一部から「霜降り明星・粗品のパクリではないか」と不当なやっかみを受けることとなり、一時期は芸風の変更を余儀なくされる事態にまで発展した事もあった。*54
しかし上述の事情で例えツッコミを封印しつつも2020年大会にて決勝に進出。
出順が早かったためか結果は最下位に終わるもネタ終盤でアドリブを効かせて爪痕を残し、以降は「2022ブレイクタレント」において第3位にランクインするなど見事M-1ドリームを掴んだ。



2021年初決勝

  • ゆるハイブリッド ロングコートダディ(2021・2022)

お前は、肉うどんです
肉うどーん!?

大喜利がうまく座王では細身センスメガネの異名で100勝以上を達成した若きエースでもある堂前透と、「本名がダサいから」と今の芸名を名乗る近年ミュージカルにも出演した兎によるコンビ。吉本興業東京所属。
ネタによりボケとツッコミのポジションを変える一風変わった取り組みをしており、漫才だけでなくコントでもKOCファイナリストに3度選ばれた実力派。
2021年大会では初登場ながら上記のフレーズで『肉うどん』をトレンド入りさせるなど爪痕を残し4位と好結果を残し、2022年大会では大喜利要素の強い漫才で最終決戦に食い込むなど着実に結果を残していたが、2023年は前回3位の呪いには逆らえず準決勝敗退となり、敗者復活戦では客席を大いに盛り上げるもママタルトに敗北。ラストイヤーとなった2024年大会では準々決勝敗退後、ニューヨークのモノマネと赤ちゃんとの争いを制しワイルドカードに選ばれ一縷の望みを託すも、準決勝敗退で終えることになった。


  • なにわNEWフェイス もも(2021)

俺めっちゃ妹ほしい
おぉい!
お前そんなん言うたらアカン顔やぞ!

何でやねんせめる顔やろなまもる。と何でやねんまもる顔やろなせめる。によるコンビ。
髭に金髪と厳ついヤンキー顔のまもる。とおかっぱ頭に眼鏡のオタク顔のせめる。が「お前○○顔やろ」と交互に相手の顔の偏見にまみれたルッキズム問題に真っ向から喧嘩売ってる「大喜利」を言い合う漫才スタイルで結成4年の早さでノーシードながら決勝に進出し、5位と健闘。
審査員の松本は両者のネタにあやかって「3年後優勝顔」と賛辞を送り、対してまもる。が「来年優勝するんで」とアツく切り返す場面も見られた。
しかしながら肝心の翌年・3年後も含めて決勝進出以降は3年連続3回戦敗退に終わっており、特に2022年においては復活後のM-1では初となる前年のファイナリストの3回戦敗退という屈辱的な記録を残してしまった。*55
当人たちも漫才スタイルを一新したりと様々なアプローチを続けているものの結果は一向に上向かず、苦境に立たされている。
なお下述の真空ジェシカ以上に早いエントリーナンバーを取得することへのこだわりが凄まじく、決勝進出時のエントリーナンバーはなんと「6」。エントリーナンバー一桁のコンビが決勝進出を果たしたのは後にも先にも彼らだけであり、2023年大会に至っては遂に「1」を取得し話題を集めた。


  • アンコントロールⅣ 真空ジェシカ(2021~2024)

ピアノデカすぎんだ——
\♪ ジャーーーン/
誰エェーーーーーーッ!?!?

超乳好きなドM金髪丸メガネのガクと、ぷよぷよをこよなく愛する糸目の激トガリ芸人・川北茂澄によるコンビ。プロダクション人力舎所属。
コンビ揃って大喜利に強く、加えてネタの一部にネットミームを織り込むなどインターネット周辺の文化をも取り入れた独自性の高い芸風が特徴。
川北は慶応義塾大・ガクは青山学院大卒と共に高学歴で、2人の出会いも大学のお笑いサークル。
現事務所にもスカウトで加入、テレビ朝日で放送されていた『学生HEROES!』にて大学時代からオードリー春日と共演するなどエリート*56といえる経歴で、M-1においても笑い飯以来の快挙となるストレートでの4年連続決勝進出を決めている*57
一方で決勝では上述の芸風がインターネット文化に精通したゼロ世代の観客や視聴者そして我らがアニヲタには評価された一方で往年のベテラン揃いの審査員にはイマイチハマらず、年々ネタのチューニングに苦戦を強いられるハメに。
審査員が一新された2024年には遂に悲願の最終決戦に駒を進めるも、「ピアノがデカすぎるアンジェラ・アキ」なる異色すぎるネタを披露し、連覇を狙う害悪ラスボス・令和ロマンと初出場ながら大差で1位通過を果たした主人公・バッテリィズの吉本対決を盛大に荒らし話題を集めた。
そんな輝かしい実績を誇る彼らだが、一方のバラエティ番組では川北の尖った芸風*58とそれ放任するガクが裏目に出て、炎上騒ぎにまで発展してしまう事もしばしば。そのため2022年大会以降は「アンコントロール」のキャッチコピーがつけられる羽目に。
そんな彼らだが、ガクが千原ジュニアの座王にてコンスタントに結果を残していたり、川北がフットンダ王決定戦にて2連覇を果たすなど、得意とする大喜利番組では両者共にその高い実力を発揮している。
なお、初の決勝進出以降毎回なぜか早いエントリーナンバーを取得することにこだわっており(77262419)、決勝進出者発表時のナンバー読み上げを聞いた視聴者から「通過したのがわかりやすい」という謎の評判が発生している*59


  • メジャーポンコツ モグライダー(2021・2023)

いて座の男ですか?うみがめ座の男ですか?うお座の女ですよね!?
♪ いいえ私は さそり座の女~

芸人の間で「天才」と称される男前リーゼントの芝大輔と、凄まじいポンコツ・天然っぷりを誇る意外と性格が悪いマッド芸人ともしげによるコンビ。マセキ芸能社所属。
「日本一練習しないコンビ」を自負しており、それ故に芝のアドリブ力の高さとともしげのポンコツっぷりを存分に生かしたハプニング性抜群の芸風が特徴。また2020年ごろからは、美川憲一やにしきのあきらなどの芸能人にともしげが抱いている偏見を漫才を通して検証するという形式もお約束。
K-PROライブでは長らくその実力を高く評価されていたコンビで、結成12年目にして遂に決勝戦にまで駒を進めた。
初の決勝となる2021年大会はトップバッターを務め、2009年大会のナイツ以来となるトップバッターの歴代最高点を記録。結果こそ8位に終わったものの、上沼からは「優勝しなくてもブレイクする」と予想される程に高評価を受けた。そしてその翌年は上沼の予言通り芝の多彩ぶりと、ともしげの強烈なキャラクターも相まって翌年のブレイクタレントランキング1位を獲得する程の大ブレイクを成し遂げた。
その後売れっ子となった後も2023年大会にて二度目の決勝進出を決め、ファーストラウンドトリを務めたが結果は7位に終わり、採点後にともしげが放った「カンチョー…緊張しました」という言い間違いがネタ以上に大ウケしてしまうというあまりにも皮肉な結果に。
十分に売れっ子になった彼らだが、ラストイヤーとなった2024年大会では「最後に後悔を残したくない」と参戦を表明するも、ボケツッコミを入れ替え、題材が大谷翔平と愛犬デコピンに扮した元通訳水原一平という異色すぎる漫才を披露して爆笑を掻っ攫い、結果3回戦で敗退するという残当過ぎる結末を迎えた。


  • 奇天烈の極み ランジャタイ(2021)

あああッ!
将棋ロボだああああッ!
かわいそう!相手もいないのに......

綾波レイに憧れて髪型を同じにしている伊藤幸司と、漫才衣装であるガッチャマンの黄色いジャージが特徴的な国崎和也によるコンビ。グレープカンパニー所属。
コンビ名は天下を取りたいという思いから、東大寺正倉院に収蔵されている同名の香木「蘭奢待」*60から名づけられた。
漫才師だが、国崎が奇声と奇行を繰り返し伊藤がそれに戸惑い続ける芸風は「何をやってるのかわからないが面白い」と評され、そのナンセンスな笑いが持つ不思議な魅力で一部から絶大な支持を受ける。
2021年で初めて決勝へ進出。ネタ終了後はその内容から文字通り審査員が頭を抱え、同事務所の先輩である富澤からは「決勝だぞお前ら!!」とごもっともな説教を喰らい最下位となった。
しかし、出番以降も上沼に「ランジャタイの時は気絶してました」といじられたり、待機場所から舞台への通路*61・ネタ披露後・敗退時コメントで国崎が所構わずボケまくったりと存在感を発揮。
さらには、審査員で唯一高得点を付けた志らくは余程彼らにハマったのか大会終了後もTwitterやインタビューにて幾度も彼らに言及し、自らの独演会のゲストにも彼らを招いた。
ほかにもオール巨人が自身の全国ツアーのゲストとして招聘する、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の「ランジャタイ国崎七変化」で仕掛人として出演するといった大御所との絡みが生まれた。
テレビでの露出も地下出身らしい芸風を保ったまま増加し、遂には冠番組を持つに至るという摩訶不思議な状況を作り出した。まさに「試合に負けて勝負に勝つ」ことに成功した例といえよう。後に『見取り図じゃん』2025年4月6日放送では「テレビでは地下ライブのヒーロー/カリスマとして紹介されたが、コロナ渦でお客さんがいなくてスベってもテレビスタッフが気づかなかっただけでお客に嫌われてた」と明かした。
ラストイヤーであった2022年では準々決勝にて敗退してしまったものの、決勝の舞台で志らくや富澤が彼らについて言及するなど、1度のみの決勝進出で「ハチャメチャな漫才」の代名詞的な扱いをされるという審査員にとってのトラウマ大きな爪痕を残している。



2022年初決勝

  • あぶない地味男 男性ブランコ(2022)

あ、ミスったごめん
お前……
…!!…!!…!!

哀愁漂う渋い雰囲気を纏った教師顔浦井のりひろと如何にもあぶない雰囲気を纏った犯人顔の隠れマッチョ平井まさあきによる地味顔W眼鏡コンビ。
本来はコント師であり KOC準優勝経験もある実力者ながら、M-1でも2021大会にて敗者復活戦3位に食い込み、翌年には史上13組目となるM-1グランプリ・キングオブコントのダブルファイナリストに選ばれた。
コントでは何処か温かみを感じられる味わい深い芸風が持ち味だが、漫才では一変。お上品な両者の風貌に反して平井の独特な言い回しと発想、対する浦井の諭すようなツッコミが光る奇抜で飛び道具的な漫才が特徴である。
決勝では平井が音符記号が運ぶも、扱いを間違えて浦井を殺害するという狂気的でバイオレンスなネタ「音符運び」を披露し会場を沸かせ4位と健闘。後に彼らが隔週でレギュラー出演しているラヴィット!にて音符運びのネタを立体の小道具を用いて再現する企画が行われるなど反響を集めた。


  • なかよし奇想天外 ヨネダ2000(2022)

ペッタンコーペッタンコーペッタンコーペッタンコー
アイ!アイ!アイ!アイ!

小柄な誠と大柄な愛による女性コンビ。吉本興業東京所属。誠は元々本名の清水亜真音名義で活動していたが、『ダウンタウンDX』に出演した際に改名希望を明かし、ダウンタウンおよびゲストから提案を貰った結果、松本の案を採用して今の芸名になった。
M-1では9大会ぶりとなる女性コンビのファイナリストで、同年の「女芸人No.1決定戦 THE W」に次いでのファイナリスト選出。
「THE W」では見事準優勝を果たし、M-1決勝では「イギリスでお餅をついて一儲けする」という筋書きで、途中からコントともリズムネタともとれるような奇想天外な展開のネタを披露。
SNS上では志らくの発言がある意味フラグと化しランジャタイの再来と呼ばれることに。
とはいえ審査員も昨年で免疫がついたのか、志らくは勿論のこと松本も「最初から最後まで何をしているのかわからないが、笑ってしまっている自分がいた」と比較的高評価で、女性コンビでは史上初となる全審査員から90点以上を獲得し5位タイにつけた。
審査員以外でも千鳥の大悟は「お前らのネタには点数ではなく花丸をつけたい」、この年準優勝を果たしたさや香は「新しい形の漫才を見た」と評し、更にネタ中で名前が取り上げられたDA PUMPのKENZOが翌日にSNSでネタを完コピするなど、ランジャタイを超える大反響を起こした。


  • 草食系ロジカルモンスター カベポスター(2022・2023)

ずっとずっとゼリー…
ずっゼリ

長身メガネエルフ荒川に言い寄られている永見大吾と元トヨタ自動車社員の経歴を持つオダウエダ植田の夫浜田順平によるコンビ。
関西のお笑いコンビにしては珍しくゆったりとしたテンポでローテンションかつ、ロジカルな構成で永見を浜田が諭すようなツッコミを入れる落ち着いた漫才が持ち味。
2022年には『ytv漫才新人賞』『ABCお笑いグランプリ』を制し勢いそのまま同年のM-1グランプリの決勝に進出するも、1度目の挑戦はトップバッターという出番順と初審査の山田邦子に付けられた84点にも泣かされ8位と振るわず。その後の敗退コメントや決勝後のバラエティ番組でも山田への恨み節を述べていた。
しかし翌年2023年大会では因縁の山田からも94点と高得点を獲得し、ネタ中に発した上述のフレーズ「ずっゼリ」が長時間に渡ってTwitter(現X)のトレンドに残り続けるなど爪痕を残した。
その一方でネタ終盤の浜田が「ドロドロやないか」というべき部分を「どろろろろ…」と盛大に噛んでしまい、直後の審査員コメントでは大いにネタにされた。


  • ノーリアル キュウ(2022)

どちらも“美味い”でしょう
“上手く”ないでしょう〜!

元漫画家志望で持ち込みの為にわざわざ毎回名古屋から東京に通っていた眼鏡のぴろと元役者志望だった清水誠からなるコンビ。タイタン所属。旧コンビ名は「Q」であり、一度は解散するも、2015年に再結成し現在の芸名となった。なおコンビ名は2人が好きなMr.Childrenのアルバムが由来であり、出囃子にもミスチルの「タイムマシーンに乗って」を使用している。
緻密かつ詩的な雰囲気を纏いつつ、物静かでスローテンポな導入から突如大声でズレたツッコミをしたり、顔芸やダンスなどの奇行に走ったりとシュールかつナンセンスな芸風が持ち味。
その独創的な漫才スタイルから好き嫌いは分かれるものの、彼らの世界観に魅了されるファンは後を絶たない。
M-1では2020年大会の敗者復活戦でにわかに注目を集め、その後2022年大会にて結成9年にして初の決勝進出を果たし、9番目に登場。午後99分にネタが終わり、最終順位は9位に終わるなど、兎に角コンビ名のキュウにまつわることが立て続けに起きた事で変な意味で話題に。
さらに同大会における彼らのエントリーナンバー「3402」の各位の数字の和が9*62
大会のスポンサーであるストゼロのアルコール度数が9%、そして大会開催日の2022年12月18の各位の数字をすべて足した上で十の位と一の位を足すと9であることも話題になり、これによりM-1に関わる9が9個集まった事で、「キュウの奇跡」として本人たちもしきりにネタにしていた。めっちゃええやん!


  • クレイジーな輝き ダイヤモンド(2022)

“もね”ってやめてよ!!

HUNTER×HUNTERの大ファンであるタイヤ痕野澤輸出と塩顔のイケメン小野竜輔からなる時期によって見た目の変化が激しいコンビ。
両者の役割がボケ・ツッコミ共にはっきりと固定されておらず、言葉遊びのような言い回しが光る独創的かつクレイジーな芸風が持ち味。
2021年の年始に『ぐるぐるナインティナイン』の企画『おもしろ荘へいらっしゃい!』で優勝を果たすと、翌年のM-1では漫才スタイルをガラリと変えつつ野澤が2022年の年初に足を骨折し復帰後も松葉杖が手離せない為に漫才ができず「骨折ショートコント」ばっかしていた結成5年目にして初の決勝進出を果たす。
決勝ではレトロニム*63を題材としたしゃべくり漫才を披露。結果は最下位に終わったが、審査員から軒並み80点台を付けられた際の野澤の絶望感漂う負け顔がそのインパクトから話題を集めた他、「(コンビ名)ダイヤモンド、原石ぐらいに変えた方がいいんじゃ」と酷評した審査員の松本に対していわゆる松本信者なため本気で傷ついた野澤が「ダサいでしょ」と返して会場を沸かせるなど爪痕を残した。
塙も「普段の彼らはこうではない」とフォローしており、Youtubeに合法アップロードされたネタにも応援するコメントが多く寄せられていた。
また彼らが2022年から毎年の年始に開催している「ダイヤモンドno寄席」は今やM-1チャンピオン令和ロマンにTHE W準優勝Aマッソ、ダイヤモンド含めM-1ファイナリスト経験者うち2組が最下位の真空ジェシカとママタルトと錚々たる顔ぶれが並ぶが、その内容は演者がその年に起きたお笑いのトピックを総ざらいし、元ネタを知らないと意味がわからないというお笑いセンター試験とも称されるカオス極まりないもので、空気感と狂気のコンセプトが大ウケし霜降り明星・粗品やウエストランド・井口に酷評されながらも2年連続で配信チケット1万枚超えを記録する程のカルト的人気を誇っていた。
しかし、2024年12月末に2025年1月27日で解散することを発表。大会復活後以降のファイナリストに解散は前年の和牛に続く2組目、また初めてラストイヤーを迎える前に解散したファイナリスト経験者ということもあり発表は大きな話題を呼んだ。
...が、解散からわずか15日後に、真空ジェシカの企画ライブに事前告知もなく突如登場、「あくまで真空ジェシカがネタをしているという体で野沢が川北、小野がガクに扮して『ピアノがデカすぎるアンジェラ・アキ』のネタを完コピする」という形で一夜限りの再結成を果たす。その光景を目の当たりにした共演者のケビンス・仁木恭平は真空ジェシカの2人に対し「人の解散を何だと思ってるんだ」「倫理観がない」と激しくツッコんだ。



2023年初決勝

  • 逆襲のノンストップ・ウザ ヤーレンズ(2023・2024)

♪ マジカルバナナ バ〜ナナと言ったら〜
♪ 丸美屋〜

非常にウザいお喋りなポケモン廃人の楢原真樹と、くすぶっていた時期にM-1のPV内で発した「全然変わんねぇな、人生」のフレーズや、決勝戦で漫才披露の間際に発した「ここはパリ」のフレーズが弄られ続ける出井隼之介によるコンビ。ケイダッシュステージ所属。旧コンビ名は「パープーズ」*64
事務所も養成所も大阪吉本出身だが、ある漫才コンクールに出場していた当時全くの無名だったトム・ブラウンの面白さに感動したことからケイダッシュに移籍したという異色の経歴を持つ。
現在もゲストの形で吉本の劇場に何度も出演し、主戦場であるK-PROライブ含め1年間での寄席の出演数は300回を超える。しかしM-1では5年連続6回の準々決勝敗退記録を持ち、それ故に「ウケているのに準決勝に進めないコンビ」の代表格的な扱いを受けるなど長らく不遇な立ち位置にあった。
しかし2022年大会にて漸く初の準決勝に駒を進めると、その翌年の2023年大会では遂に悲願の決勝進出を果たす。
キャッチフレーズが示す通りボケの楢原がノンストップでボケ続けるハイテンポなコント漫才が高く評価され、2位通過で最終決戦に進出。
漫才以外でも審査員の松本は楢原のトーク力の高さとそのやかましさキャラクターを高く評価するなど、初出場ながら確かな爪痕を残した。
尚、同年のチャンピオンである令和ロマンとは2022年大会の敗者復活戦での出会いを機に月一でツーマンライブを開催している盟友関係にあり、奇しくも翌年にはその2組が今度は決勝戦で共演し、大会史上歴代屈指とも称された激戦を演じ前衛漫才をしたさや香を完全に置き去り準優勝に輝く。
さらに、翌2024年もラジオのレギュラーばっかり4本も務める異常事態の中令和ロマン同様決勝進出を果たし、不利とされる2番手での漫才披露ながら5位入賞を果たした。活躍の甲斐あってラジオのレギュラーは5本に増えた。


  • ずっとキモダチ マユリカ(2023・2024)

ズッキンズッキンプッチン不倫です ポンピーン!

モーニング娘。の大ファンであるきちゃない阪本と、嘗て謹慎処分を受けた程の重度な遅刻癖を持つきちゃなくてヨゴレな中谷による幼馴染コンビ。
『ytv漫才新人賞』にて優秀な成績を収め頭角を表し、『上方漫才大賞』にて新人賞・文芸部門賞を受賞する等その実力は折り紙付き。加えて自身のラジオ番組がPodcastの「2022年ベスト番組」に選出される程関西で人気を博し、2023年春から満を持して東京進出。
その一方で「コンビ名の由来がお互いの妹の名前」*65「自身らのビキニグラビア写真集を発売し、まさかの爆売れする」といった、両者共に所謂「キモい」エピソードが多いところでも知られ、それ故にM-1のキャッチフレーズでは「ずっとキモダチ」なるあんまりな紹介をされる羽目に。
M-1では2023年大会にて3年連続4回目の準決勝をついに突破し、初の決勝進出を決め4位と好成績を残した。
加えてトーク部分では審査員たちによる大会側から付けられた上記の的を得ているキャッチフレーズと両者の外見に関する弄りが多く見られ、特に阪本は「キモダチって何ですか?」とこのキャッチフレーズに度々言及するなどして見事に爆笑を掻っ攫った。
翌年は準決勝で敗れるも、敗者復活戦で2021年3位のインディアンスとの決選投票を制し決勝進出。渋滞に巻き込まれながらなんとか会場に到着しネタを披露するも、得点が発表された段階で敗退が決定し、最終成績は7位タイ。阪本は「大急ぎで負けに来たんですか?」と言い放ち笑いを取った。
なお、コンビの出囃子はヴィジュアル系バンド「L'luvia」のデビュー曲であり、アニメ『クレヨンしんちゃん』のエンディング曲として最も長く使用された『スキスキマイガール』である。


  • M-POP ダンビラムーチョ(2023)

チコチーコーチーコーチー チコチーコーチー チーコーチー
チコチーコーチーコーチー チコチーコーチー チーコーチー
チコチーコーチーコーチー チコチーコーチー チーコーチー
チコチーコーチーコーチー チコチーコーチー チーコーチー
ジョンゼゲゼゲゼ ズーゼ!ズーゼ!

巨人ファンの元高校球児(甲府東高校敗北の戦犯)大原優一と、夏の構想から外されたり四発太鼓のワークショップをやらされたりする役回りで知られる原田フニャオのコンビ。吉本興業東京所属。
大原はYUKI(TRF)のモノマネレパートリーを持つほどのハイトーンボイスと歌唱力を併せ持ち、コンビとしても歌をテーマとした、「音曲漫才」で挑んでいる。
2023年の決勝戦ではカラオケボックスの伴奏をテーマとした漫才で出場*66。同年リリースされたYOASOBIのヒット曲『アイドル』や、クリスマスイブだったこの日にちなみ『恋人たちのクリスマス』も交えて会場を大いに沸かせた。
得点こそ最終決戦進出に及ぶものではなかったもののブレイクの兆しを掴むことはできた...と思われたその時。大原がほとばしる気持ちを抑えられなくなり、この日ゲストとして観覧に来ていたジャイアンツ第89代4番打者の岡本和真にサインを書いてもらいたいと私信を送る暴挙に出る(その後サインはちゃんともらえたという)。司会の今田を本気で怒らせる一歩手前まで踏み込んだ暴挙も終わり楽屋に戻る途中、今度は原田が審査員への批判をぼやく場面が後日放送のドキュメントで放映されることになり、決勝翌日の「M-1ネクストデイ」では今田に「次年度以降のエントリー禁止」という「M-1出禁」を宣告されてしまった*67。キャッチーなネタを披露したはずが、結局はちゃめちゃな言動を警戒されてかメディア出演が非常に伸び悩んだ。シャレになってないじゃん!
なお客席を巻き込んで盛り上げやすい芸風からか過去3回出場した敗者復活戦では毎度のごとくインパクトのあるネタをしており、2022年には森山直太朗の楽曲『生きとし生ける物へ』の歌詞でしりとりするネタ、2024年には大原が『アメイジング・グレイス』に乗せて蛾の顔真似をするネタなど、毎度並大抵でないネタを披露。「こういう人が売れて活躍できる音楽業界であってほしい。」と言われ続けている*68
しかし、2025年の芸人オンラインカジノ問題で大原の関与が発覚し、ダイタクの大らと共に4月3日に書類送検された


  • シシガシラ(2023)

ハゲは言っていいのぉーー?

ペットボトル水に口付けるだけで猛毒「浜中水」を作り出す浜中英昌とパーカーを着ていたら足利義満になった小柄なハゲ脇田からなるコンビ。
コンビ結成から5年連続で準々決勝まで駒を進め、2023年大会にて遂に準決勝に進出。ストレートでの決勝進出は果たせなかったものの、敗者復活戦にて歌唱力が残念な脇田が歌うモンゴル800の『あなたに』や米津玄師の『lemon』、そして山崎まさよしの『One more time, one more chance』といった楽曲のワンフレーズに、浜中と観客が勝手に脇田の髪の毛を連想してしまう斬新なスタイルのハゲネタを披露。秀逸なカメラワークにも救われ視聴者を大いに沸かし、不利である序盤の出番順であったにも関わらず視聴者投票で破竹の5連勝を収めてCブロックを勝ち上がり、最後の芸人審査でもナイチンゲールダンス、ラストイヤーのヘンダーソンを下してまさかの決勝進出を果たした。
これによりシシガシラはシステムが一新された敗者復活戦を制したコンビ第1号となり、トレンディエンジェル以来 8年ぶりとなる決勝未経験コンビの勝ち上がり*69となった。
決勝はネタを変更し、シシガシラの十八番であるウィットに富んだハゲネタを披露するも観客の心をイマイチ掴めず、結果9位に終わり、審査員からはこれしかないのにハゲネタそのものを否定される散々な結果となってしまった。*70
これを受けて後にM-1王者のとろサーモン・久保田とウエストランド・井口はシシガシラを庇いつつも敗者復活戦での彼らのネタを絶妙なアングルでアシストしたカメラを批判し、それを踏まえた上で決勝に上げた芸人審査員に苦言を呈した。そしてその翌年は彼らが敗者復活戦の審査員を務める事に
翌年2024年大会も敗者復活戦に出場。昨年の指摘を踏まえてハゲネタは控えつつ、脇田の迫真の演技力が光る漫才で会場を盛り上げ2連勝を果たすもオズワルドに敗れた。


  • 純情!ワイシャツとアロハ くらげ(2023)

思い出した!リッチミルクだ!
おまえそれハーゲンダッツじゃねえか!!

Yシャツの方かつ横浜DeNAベイスターズの大貫晋一投手に激似な杉昇とアロハシャツの方かつ東北楽天ゴールデンイーグルスの投手や「Snow Man」のメンバーと同姓同名な渡辺翔太によるコンビ。
結成初年は1回戦敗退で全くの無名でありながら、翌年には一気に準決勝まで進出を果たした所謂「侍スライス枠」の一組。
同年の敗者復活戦では厳つい風貌の渡辺が杉の恋愛相談に対して的確な女性心理を言い当てつつ「分かんねぇけど」で〆る漫才を披露し、全くの無名ながら当時の敗者復活戦のシステムで8位に食い込み、M-1ファイナリストである元ハリガネロック・ユウキロックから称賛を受けるなど爪痕を残す。
その後も敢えて漫才スタイルを固定せず見た目に反して知的かつ様々なしゃべくり漫才のシステムを確立し3度の準々決勝を経て2023年大会に遂に決勝進出を果たした。
決勝では杉が女性の好きそうなものをど忘れし、またまた見た目に反してその分野に「たまたま」詳しい渡辺が、次々と候補を羅列するというネタで挑むも審査員から「ミルクボーイっぽい」と言われてしまうなど得点は伸び悩み、合計620点で最下位という悔しい結果に終わった。
一方でネタ中の渡辺が有名どころからマイナーキャラまで様々なサンリオキャラクターを羅列する上述の部分では様々なサンリオキャラクターが公式Twitter(現X)にて反応を示し、「リルリルフェアリル」がトレンド入りするほどに謎の盛り上がりを見せた。『月刊コミック電撃大王』30周年を盛り上げるWebCMにも起用されてたくさんの作品名を言うなど、そのスタイルは仕事につながっている。



2024年初決勝

  • 浪花のド直球 バッテリィズ(2024)

ガリレオ・ガリレイって人がおって…
細そう過ぎるやろそれは!

漫才を知らないけどとりあえずでNSCに入ったエースと、エースとバッテリーを組んでいた縁から漫才コンビも組むことになったキャッチャーの寺家のコンビ。吉本興業大阪所属。
「名前を書けば受かる高校に名前を書き忘れて落ちた」という逸話をはじめとした数々のアホエピソードを持つエースがアホと言われつつも熱のこもった口ぶりで冷静沈着な寺家をやりこめる芸風が特徴。
決勝では7番手で登場。お笑いファン以外にはほぼ無名であったが、アホながら説得力のある言葉で大爆笑をかっさらい、前年度王者の令和ロマンに11点もの差をつけ、1位通過。彼らが獲得した861点(得点率95.67%、700点満点換算で約670点)はミルクボーイ、アンタッチャブルに次ぐ歴代3位の得点率で、審査員の若林からは「ワクワクするバカが出てきた」と激賞(?)を受けた。
最終決戦では令和ロマンに王座を譲ったものの、当日中の反省会配信から早速エースがアホっぷりを遺憾なく発揮。
2020年代以降、大学サークル出身・知的な組み立てをメインとした芸風が主流となっていた漫才界に久々に現れた愛すべきアホというキャラが受け、令和ロマンのやらかしも追い風となって大ブレイクを果たし、2025年春から東京進出を発表した。


  • 雑談ファンタジスタ エバース(2024)

…流石に末締めだろ。

小柄だが元高校球児のイケメン佐々木隆史と大柄だが見た目に反して緊張しいなダメ男エピソードいっぱい怖いチコリータこと町田和樹によるコンビ。両者共に野球経験者であり、ネタ中に野球用語が登場する機会もある。コンビ名も野球用語*71に由来する。
日常会話の延長線上のような、肩の力が抜けたしゃべくり漫才が持ち味。2023年大会では準決勝まで駒を進め敗者復活戦に出場すると、ぺこぱ・松陰寺やテレビプロデューサーなど各方面からネタを絶賛され爪痕を残す。すると翌2024年にはABCお笑いグランプリやツギクル芸人グランプリで決勝進出、NHK新人お笑い大賞では優勝を果たすなど飛躍の年となり、勢いそのままM-1でも決勝進出を果たした。
しかし決勝進出が決まるとファンからはネタ以前に「緊張で町田が噛まないか」ということばかり心配され、ここ1番の大舞台で何度も前科がある町田の悪癖が大いに心配されたものの、決勝では十八番「桜の木の下で」を披露し町田も無事噛む事なくネタをやり切り高得点を記録。
3位の真空ジェシカに1点差で敗れ4位となり、最終決戦には残れなかったものの、大会終了直後には地上波初冠番組が決定するなど輝かしい活躍を見せた。ガチでエグいぞ


  • 双子無双 ダイタク(2024)

出ました!
伝家の宝刀じゃねえよ!!

兄の大と弟の拓で一卵性の双子コンビ*72。両者の名前の由来は「きく道を切りけ」から。因みにM-1ファイナリストの兄弟コンビとしては中川家、ミキに次ぐ3組目。
出生時の時間差は5分で身長体重も全く一緒しかし2021年以降大がだいぶ太った、共にギャンブル大好き、せり上がりから登場までの足並みと身振り手振りも全く一緒と見た目以外も瓜二つ。
これまでに計5回準決勝まで駒を進め、中でも2020年の敗者復活戦にて披露した「ボウリングが上手すぎる親父」を題材にした漫才が熊本県ボウリング連盟のサーバーがダウンするほど大いに反響を呼び尤もサイトそのものが貧弱だったこともあるが、 2023年大会でも同じ題材ながら父親共々内容をパワーアップさせ話題を集めたがいずれも決勝には進めず。
しかしラストイヤーとなる2024年大会にて遂に6度目の準決勝を突破し、決勝進出を果たした。
決勝では十八番の双子漫才で勝負をかけるも結果は7位タイに終わった。
後輩の面倒見がいいことで知られ、解散危機のニューヨークを救ったり、決勝が決まった際にはダンビラムーチョ、シシガシラ、インディアンス田渕など先にファイナリストになった多くの後輩が涙ながらに駆け寄るなど慕われている、まさに東京吉本の劇場番長。しかしそれでもギャラは一向に上がらず
また2024年のM-1では舞台衣装を一新。特に彼ら同様一卵性の双子が代表を務める『ヘラルボニー』のネクタイを使用した事は企業側も感謝のコメントを出す程反響を呼んだ。
M-1ファイナリストに選ばれた事で遂に日の目を見るかと思われた矢先、2025年2月に大が違法オンラインカジノに関与していた事がリークされ、これを受けて事務所は活動自粛を発表。出演予定であったテレビ・劇場含め全ての出演がキャンセルとなる事態となった。そして4月3日には、ついに書類送検された。これによりさらに復帰は遠のくと思われる。


  • 爆音ダークホース ジョックロック(2024)

やっぱりちょっとカード作るの怖いなーー!!

ロン毛メガネの37歳福本ユウショウとリーゼントの26歳ゆうじろーからなる芸歴差7年、年齢なんと11歳差コンビ。これはM-1ファイナリスト史上最大の年齢差である。恐らく最小はダイタクの5分か
福本の「ドラマのカッコいいシーンをやりたい」という導入からゆうじろーが見事な演技力とパントマイムで舞台上を動き回って登場人物複数人を演じ、所々挟まれるボケに対して福本がセンターマイク前を陣取り両足を大きく開いて、片腕を下に突き出す構えから爆音でツッコミを入れる唯一無二の芸風が特徴。
2022年にコンビを結成すると翌一年目からNHK新人お笑い大賞にて2年連続準優勝に輝き頭角を表すと、結成僅か3年目で決勝進出を決めた*73
決勝では「医療ドラマ」を題材にしたネタで会場を沸かすも、審査員からは「福本のツッコミでしか笑いが起きていない」と漫才スタイルの更なる改善を求められ、最終的には9位と悔しい結果に。それでも審査員の批評に対してゆうじろーが「俺が面白くなります!」と宣言して爆笑を掻っ攫い、敗退後も最終審査結果発表前CMの定番のズッコケシーンにて決勝進出者記者会見の時から既に目を付けていた真空ジェシカ川北が福本のツッコミポーズを拝借し、結果発表直前のコメントでは令和ロマンくるまが「去年よりももっと面白くなってやる!と思って来たので」と上述のゆうじろーの発言を引用するなど、大きな存在感を残した。
決勝進出後は随所で覗かせるゆうじろーのあざとい立ち振る舞いや、決勝翌日の舞台にて「今日は僕が面白くなる1日目です!」と宣言し、それを聞いた岡野陽一が感極まって号泣したひたむきさ溢れるエピソードなどが注目を集めており、同業者からも「かわいい」と専らの評判。


  • デカすぎるにもほどがある! ママタルト(2024)

エアコンのフィルターかぁ!!!

体重190kgの大鶴肥満と、体重85kgの檜原洋平による、もっと檜原が細ければ最高だったであろう凸凹コンビ。サンミュージックプロダクション所属。
大鶴肥満の名前は大鶴義丹に外見が似ていることに由来しており、(まだ小太りぐらいで済んでいた頃に)そっくりさんとして『笑っていいとも!』に出演経験もある。妻・マルシアに対する義丹の発言「まーちゃんごめんね」を縮めた「まーごめ」を持ちネタにしており、相方の檜原ならびに彼らが無名の頃からテレビやライブでフレーズを拝借し続けていた真空ジェシカ・川北共々全ての言葉の代用として使っている。ここまで言えばあとは各々で調べるやろ
2024年に決勝進出を果たすも、こちらはファンからネタそっちのけで「果たしてセットがこの重みに耐えられるのか」「重すぎてせりあがれないのではないか」ということばかり取り沙汰され、謎に心配される珍事もあったものの、本番では勿論そのようなトラブルなどに見舞われることはなかった。そもそも5人組のザ・プラン9が大丈夫だったんだからそこまで心配することもなかったのだが。
緊張のあまりかかりすぎた檜原のツッコミが大声過ぎて観客をドン引きさせてしまった上、持ち前の長尺ツッコミが審査員から評価されず、結果的に最下位に終わったものの、せり上がりの際には上述の懸念を踏まえて「無事せり上がれるように二人が祈る」というボケを挟んで会場を沸かし、ネタ中にも何度も肥満が前回り受け身を取るなど舞台を所狭しと動き回るダイナミックなネタで大いに盛り上げた。まーごめ
ちなみに決勝戦の翌月、テレ朝系列で放送された「芸人シンパイニュース」にてマルシア本人と初めて対面。「最下位取っちゃって、まーちゃんごめんね」と謝罪し、マルシア本人からは「M(マルシア)-1グランプリ優勝」と激励された。


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最終更新:2025年04月23日 20:43

*1 第1回大会のみ最終決戦は2組による一騎打ちの戦いだった。

*2 その後、コンビは2010年・2019年の二度大賞に輝いている。

*3 ただし、上記の通り両者ともコンビ解散歴があるためこの時点で芸歴そのものは10年近い。

*4 毎日放送の土曜朝に放送されている情報番組で、レギュラーを務めた芸人が軒並みブレイクすることで知られる。

*5 当時の出場資格は「コンビ結成10年以内」のみで基準月は表記されていなかった。2010年は「2000年5月以降結成」と明記され、結果的に2000年結成コンビの多くが出場資格を失ったが、笑い飯は2000年7月結成のため出場できた。

*6 元来アドリブの多いむらっ気の強い芸風だが、礼二に「今日は非常に安定していた」と評価されている。

*7 同じ大学ではなく、粗品は同志社大学、せいやは近畿大学に進学。なお粗品は1回生の頃からプロとして活動するようになったことから後に中退している。

*8 審査員の松本が「行ったり来たり漫才」と表現したため、優勝当初はそのように呼ばれていた時期もあった。

*9 なお、かまいたちと和牛は、暫定ボックスの舞台袖で漫才を見て「今年はこの二人が優勝する」と確信していたとの事であり、点数もほぼピタリ当てている。

*10 歯の方は23年末にインプラント治療が完了したとの事。ちなみに総額500万円だったらしい。売れっ子になって良かったですね…。

*11 特に渡辺はSMAの頭脳としてハリウッドザコシショウの単独ライブでのネタをチェックしたり、バイきんぐのKOCでのネタの制作に関わるなどその実力を高く評価されている。

*12 R-1グランプリではハリウッドザコシショウ(2016)とアキラ100%(2017)、キングオブコントではバイきんぐ(2012)が受賞。

*13 タイタンの事務所が阿佐ヶ谷に所在することと、大会開催時にフィーバーを巻き起こしていた2022年サッカーW杯における日本代表の躍進の通称『ドーハの歓喜』をかけた表現。

*14 過去の優勝者が決勝進出した事例はあるが、ストレートで2年連続で決勝進出したのは史上初(NON STYLEとパンクブーブーはいずれも敗者復活)。

*15 全国ネットのお笑い賞レースではR-1ぐらんぷりを連覇したなだぎ武以来。

*16 歴代チャンピオンが翌年にほとんど参加しないのも、優勝後のスケジュール管理が非常に難しいからというのも理由の一つである。今回の令和ロマンのように参加するのも大変な事なのである。

*17 実際、第1回大会では一般審査の得票は中川家をも上回る1位だった。

*18 なお当人は「何もしてないのに『解散』と言うのはおこがましい」「コンビでの活動は今後しない」と述べておりいる。

*19 1930~60年代に東京で活躍した漫才コンビ。ともに落語家出身という出自を活かした掛け合いが特徴。

*20 事務所については当初吉本だったが、2021年から西野は吉本を退所し独立。

*21 しかも直前がNON STYLEだった。何なら互いに「出来れば相手の前の順番を取りたい」と考えていた事を梶原のYoutubeチャンネルで対談した際に明言している

*22 審査員の松本は「赤ジャージの子は友達としては100点、でもこれを漫才としてとるのか?」とコメントしている。

*23 2002年までのM-1は出場資格の解釈が「結成10年目(結成9年)以内」だったため、2002年に一度ラストイヤーを迎えていたが2003年から現在の「結成10年(結成11年目)以内」に変更された為首の皮一枚繋がった形となった

*24 小堀にとって野々村はNSC11期の先輩にあたる

*25 2021年に自己破産を申請し、同年YouTubeでの活動を再開。それに伴い7年ぶりに元相方安田と対談を果たし話題となった。

*26 因みにそのキューピッド役となったのはしずちゃんである。

*27 吉田いわく「同じネタをやると飽きられる気がして怖いから」とのこと。なお通常は準決勝で一番自信のあるネタを行い、それを決勝でも披露するのが定石。

*28 同じケースにタイムマシーン3号が該当。

*29 その時点で品川庄司は暫定3位にランクインする高得点を獲得していたため、一度歓喜した二人は事態の発覚までぬか喜びさせられることとなってしまった。

*30 2015年大会にて漫才開始時・終了時にスタンドマイクに近づき、触れる挙動が見られた為。実はM-1当日に地方ロケがあり、リハーサルにも参加できなかったためだという。

*31 2人組以外での決勝進出は大会史上唯一である。

*32 なだぎについては臨時要員として活動する旨を発表しており、実際2022年にメンバーの代役としてグループの公演に出演している。

*33 コヴァンサンときょうくんはかつてお笑いコンビ「チョップリン」として活動しており、M-1グランプリ準決勝進出経験がある。

*34 女性コンビで決勝進出したのは2023年時点で他にアジアン・ハリセンボン・ヨネダ2000のみ。

*35 その際ははるかの恋のせいだとイジられていたが、実際のところは春菜が緊張でガチガチだったのが原因である。

*36 津田は結婚の際に入婿となった為。

*37 元よりキサラに出演していたはなわや原口あきまさのツテに加え、春日が当時キサラでバイトしていた関係から出演していた。

*38 2000年4月結成だが、2010年は規定が「5月以降」とされたため一時的に出場権を失っていた。

*39 落語芸術協会という演芸の協会に所属する折、便宜上三遊亭小遊三にも弟子入りしている。

*40 大学時代からサークルでお笑いをやっていたのだが、その時の相方がさらば青春の光・東ブクロである。

*41 2018年に変ホ長調が1回戦敗退を記録したが、再エントリーからの勝利を収めているため1回戦敗退で終わったコンビはこれが初。

*42 のちに東ブクロへと改名。

*43 2016・2019年大会では2位、2018年大会では1位、2022年大会では3位。

*44 当人たちも「今回はミルクボーイに笑いの神が降りてた」と評している。

*45 初めて決勝に進出した時は本名表記だったが、現在は共に苗字のみの表記になっている。

*46 ちなみに、さや香が決勝に進出した年のチャンピオンは全員1stラウンド3位のコンビという謎のジンクスもある。

*47 もっと言えば、「M-1」括りの仕事であっても『相席食堂』でのM-1ファイナリストが旅人となる回など、大会そのものと関係ない場合は参加しないこともある。

*48 川瀬曰く「M-1で結果を残せばテレビやメディアCMに出ないゆにばーすですらこれだけ稼げる」と後輩を激励する意図らしく、現にほぼ吉本から受注した仕事のみで月収150万円を取るまでになっている。

*49 これは彼らの実力云々でなく、単純に相手(M-1史上最高得点を叩き出したミルクボーイと元来優勝候補であったかまいたち)が悪すぎたと見るべきだろう。

*50 本人たちも自身らをおくりびと漫才と自虐的にネタにしていた。

*51 3年連続で「オズワルドの1つ前の出番のコンビが優勝する」という状況も生まれた。

*52 現に2023年チャンピオンの令和ロマンは、ニューヨークに憧れてNSCに入学したと語っている。

*53 後に屋敷が語った所によると、実母と義母がそれぞれの知り合いに呼びかけまくって入れさせていたらしい。

*54 勿論東京ホテイソンはこの疑惑を否定しており、粗品当人も「パクりではない」「どちらもオリジナル」と声明を出していた。そもそも両者の結成年も非常に近く、ツッコミの際の動きなどは全く異なる。

*55 復活前だと変ホ長調、ザブングル、ハリセンボンなどの例がある。

*56 最初のキャッチコピーも「屈折のエリート」だった。

*57 ハライチも4大会連続進出しているが中断期間を挟んでいる。

*58 放送作家の悪口を言うライブを行う、ネタ動画をアダルトサイトのxvideosに投稿する、所構わず下ネタを発する、一度ハマったら同じ内輪ノリを何度も擦る、トーク番組で平気で嘘を吐く等。

*59 真空ジェシカに続くようになぜか若い番号のエントリーナンバーを取ることに熱意を燃やす漫才師が増えており、2023年大会のエントリーナンバー1番は2021年ファイナリストのももであった。

*60 足利義満、織田信長、徳川家康、明治天皇といった歴史上の人物がその匂いを嗅いだとされており、その削り跡も残されている貴重な香木。

*61 国崎曰く「通路に貼られていた歴代王者の写真を眺めるだけで持ち時間の4分を消化しようと思っていた」とのこと。

*62 さらに言えば3402は「9」の倍数である。

*63 ネタ中の言葉を借りれば、「半身浴」に対する「全身浴」や「眼鏡・コンタクトレンズ」に対する「裸眼」など、新しいものがメジャーになったためにできた旧来の物の新しい呼び方のこと。

*64 どちらもサザンオールスターズの楽曲に由来。ヤーレンズの名は『YARLEN SHUFFLE 〜子羊達へのレクイエム〜』から取っている。

*65 阪本の妹の名前が「マユ」、中谷の妹の名前が「ユリカ」で、それを掛け合わせたもの。

*66 上記のフレーズはBUMP OF CHICKENの曲『天体観測』イントロの再現。

*67 当然ネタであり、翌年度もダンビラムーチョはちゃんとエントリーしている。

*68 本家YouTubeの『生きとし生ける物へ』の動画に対するコメントのうち特にいいねが伸びていたもの。

*69 なおトレンディエンジェルも前年のTHE MANZAIで準優勝しており、M-1に限らない漫才賞レースの決勝未経験者という意味では2008年のオードリー以来となる。

*70 のちに本人たちはモグライダーとダンビラムーチョが歌ネタをやることを分かっていたため敗者復活戦のネタから変更したと述懐している。

*71 バントの構えからバットを引き投球を見送る動作を表す行為のこと。

*72 苗字は「吉本」

*73 ヨネダ2000も決勝進出時点で3年目だが、過去に同じメンバーで組んだことがある。