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10まんボルト(ポケモン)

登録日:2025/11/23 Sun 00:40:00
更新日:2026/10/20 Tue 21:31:28
所要時間:約 5 分で読めます





ピカチュウ! 10まんボルトだ!



出典:ポケットモンスター、2話『サトシとゴウ、ルギアでゴー!』、
19年11月17日~2022年12月16日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon



10まんボルト とは、『ポケットモンスター』シリーズに登場する技の一種。




◆わざの基本データ



初登場:第一世代
タイプ:でんき
分類:特殊
威力:95 → 90(『X・Y』以降)
命中:100
PP:15
範囲:単体
優先度:0
接触:×
追加効果:10%の確率で相手をまひ状態にする。
わざマシン:わざマシン24(第一世代/第三世代 ~ US・UM/BD・SP)
      わざマシン36(LP・LE)
      わざレコード08(ソード・シールド)
      わざマシン126(スカーレット・バイオレット)
      わざマシン067(LEGENDS Z-A)
わざおしえ:コイン4000枚(クリスタル「コガネゲームコーナー」)
      3000円(LEGENDS アルセウス「コトブキムラ訓練場」)



◆概要



強い 電撃を
相手に 浴びせて 攻撃する。
まひ状態に することが ある。

(『スカーレット・バイオレット』の技説明より)



初代『ポケットモンスター 赤・緑』から登場している技であり、
その名の通り 10万ボルト という強力な電撃を浴びせて相手を攻撃する でんきタイプ の攻撃技。

そして でんきタイプの技 どころか、『ポケットモンスター』シリーズの数ある技の中でも知名度という点では1、2を争うであろうメジャーな技。
ゲーム中だけでなく様々なメディアでも登場しており、ポケモンをやったことがなくても全く聞いたことがない人はそうそういないんじゃないだろうか。


英語圏ではまず10万というネーミングからして意味不明かつ長くなりそうと思われるので "Thunderbolt" と無難な名義になっている。堀内孝雄のヒット曲が由来とか言われてもまず伝わりそうにないからね


◇解説

命中率・威力・PP全てが三拍子揃って安定しており、旅パ・対戦どちらでも活躍が見込め、でんきタイプ特殊アタッカーのメインウェポンである。

追加効果の発生率は「かえんほうしゃ」や「れいとうビーム」、「だいちのちから」などといった他タイプの同ポジ技と同じ 10% 。
安定した打点として使うものなので発動率が低いことはそこまで問題にはならない。
10%と言えど対戦を繰り返していけば素早さダウンや攻撃封じのおかげで勝ちを拾えることもある。

同レベルの威力で 反動ダメージのデメリットしかない物理技の「ワイルドボルト」とは 使い勝手に圧倒的な差がある。


でんきタイプは当然*1として、ほとんどの 単ノーマルタイプ のポケモンも覚えられる。
このほかドガース系統、ベトベター系統、マンキー系統、ズガイドス系統など意外なポケモンが習得できたりする。



◆対戦における「10まんボルト」


対戦においては、特にシングルバトルの汎用パーティでは 素の性能バランスが良いこの技が優先して使われやすい。

みずタイプ と ひこうタイプ というメジャーな2タイプの弱点を突け、威力もまずまず高いためサブウェポンとして使われることも多い。

『いのちのたま』や『こだわりメガネ』、「エレキフィールド(エレキメイカー)」で威力を強化する前提ならなおさら使いやすくなる。

一方で、低命中率を補える雨パやじゅうりょくパ、火力を重視するヤーティには「10まんボルト」より威力で勝る「かみなり」が優先されがち。
また、ダブルバトルでは威力こそ劣る上に味方も攻撃するものの相手全体に攻撃できる「ほうでん」が選ばれやすい。
まひの発生率もこの2種は 30% と「10まんボルト」のそれを上回る。そのため、試行回数を稼げる耐久型のポケモン(ポリゴン2など)も「ほうでん」を使うことが多い。


◇習得方法について

初代『赤・緑・青』でこの技を覚える方法は、
クチバシティジムのジムリーダー・マチスに勝利した戦利品である「わざマシン24」のみであった。

つまり何を隠そう『赤・緑・青』ではレベルアップで習得可能なポケモンが皆無だったのである。

昨今では入手さえすれば回数制限なしで使えたりすることも多いわざマシンも、当時は使えるのは一度きりという仕様。
しかも同じく使いきり仕様の『ソードシールド(わざレコード)』『BD・SP』『スカーレット・バイオレット』とは違い 他に手に入れる手段もない完全な一点もの なので、前述の通り優秀な技である「10まんボルト」のわざマシンは大変貴重品であった。

初代ポケモンは元々がシナリオ攻略ゲームという想定だったので、ジムリーダーから貰えるわざマシンは「パーティの任意の1体に自力では覚えられない便利な技を覚えさせる手段」程度の位置付けだったのだ。タケシとかナツメみたいに明らかに便利な技とは言い難いわざマシン差し出すジムリーダーもいるけど。

その為、通信対戦を行うプレイヤーの中にはサブロムなどを駆使してこのわざマシン目当てで マチスを倒して「10まんボルト」を意中のポケモンに覚えさせたらデータを消して覚えさせたいポケモン全員に覚えさせられるまでマチスを倒す…という作業 を繰り返す者も少なからずいた。*2

ただ、『赤・緑・青』のマイナーチェンジ版の『ピカチュウ』版でのピカチュウのみ アニメ化の影響か Lv.26 まで上げればわざマシンなしで習得することが可能になっていたりもする*3。
これを利用して、『赤・緑・青』で「トキワのもり」で捕まえたピカチュウを『ピカチュウ』版に送ってそちらで Lv.26 まで上げて「10まんボルト」を覚えさせてから戻す、という手順を踏む事でマチスからもらえる技マシンを他のポケモンに回す事が可能。

初代の対戦環境から一線級の技として活躍しており、当時活躍していたポケモンには技の有用性から乱暴な言い方をすれば『覚えられる奴はとりあえず覚えさせとけ』みたいな風潮すらあったと言っても過言ではなかった。


第二世代『金・銀』では わざマシン24が「りゅうのいぶき」になってしまい、「10まんボルト」のわざマシンはなくなってしまった。
代わりに「かみなりパンチ」がわざマシンになっているため、シナリオ攻略ではある程度フォローでき、自力習得者もピカチュウのほか、前作ではマシンが必要だったエレブーが増えたほか、進化前のエレキッドも自力習得が可能となった。

しかし対戦を考えると、活躍できるポケモンに制約を与える問題となっていた。

初代で対戦はオマケとして開発された要素だが、第二世代からは技やアイテムの多くが開発時点で既に対戦を考慮したものとなっており「10まんボルト」も対戦で重要となる技のひとつだったのだが、
シナリオ面で見ても似た待遇の技となった「かえんほうしゃ」「れいとうビーム」と異なり、殿堂入り前に入手可能なポケモンの中に誰一匹としてこの技を覚えられるポケモンが実質いない*4という事態にまでなってしまった。

『ポケモンスタジアム金銀』でもこの影響が出ており、でんきタイプのレンタルポケモンのうち、進化後などの高種族値ポケモンならポケスタハンデなのでともかく、進化前などのあまり高くない種族値のポケモンですらこの技を覚えているのがピカチュウとエレキッドしかいないという有様。
進化前くらいは覚えさせてやってくれよ…下記のオヤジ経由でなら覚えられるし。

さすがに開発側も良くないと判断したのか、『クリスタル』版限定で当時三種の神器と呼ばれて*5いた「かえんほうしゃ」「れいとうビーム」と共に殿堂入り後にコガネシティのゲームコーナーの前にいる わざおしえオヤジ から教えてもらうことで習得が可能になった。
水&土限定と曜日限定な上に1日1回かつコイン4000枚という条件こそあれ、何度でも教えてもらえるようになった。

このコイン4000枚をお小遣いに換算すると8万円相当となり、わざマシンよりも遥かに割高だと思うかもしれないが、当時は「だいもんじ」「かみなり」「ふぶき」のわざマシンがコイン5500枚、「サイコキネシス」が3500枚、「はかいこうせん」が7500枚だったので割と妥当な価格設定である。


第三世代『ルビー・サファイア』以降ではわざマシンに無事に復帰して複数個手に入るようになり、『ブラック・ホワイト』から『Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』までと『LEGENDS Z-A』ではわざマシンは回数制限なしで使えるようになるなど、初代(特に『赤・緑・青』)の覚えにくさが嘘だったかのように覚えやすくなっていった。


また自力習得するポケモンも『ハートゴールド・ソウルシルバー』まではピカチュウとエレキッド系統くらいしかいなかったのが、『ブラック・ホワイト』からは増加してきている。

…とは言え、そこまでの数ではなく、
外伝作品の『LEGENDS アルセウス』と『LEGENDS Z-A』を除くと、
以上の14匹しかいない。




◆『ポケモン不思議のダンジョン』シリーズにおける「10まんボルト」


『ポケモン不思議のダンジョン』シリーズでは、「自らの周囲のマス目を攻撃することのできる技」となっており、部屋技ほどではないが、モンスターハウス対策として非常に優秀。

覚えられるポケモンであれば、わざマシンを見つけた際基本的に優先して取得してしまってよいだろう。

但し(本編にも言えるが)『ひらいしん』を持つポケモンには注意したい。



アニメにおける「10まんボルト」


ご存じ、サトシの相棒であるピカチュウの主力技として一番有名で、当然シリーズ皆勤賞。

ロケット団がサトピカを奪い、取り戻したサトシがピカチュウにこの技を命じてロケット団を撃退し、ロケット団の『やなかんじー』の流れで終わるのが毎度おなじみのパターンであった。
サトシ曰く『自分が一番好きな技は 10まんボルト』らしい。

無印編 第5話でジムリーダーであるタケシへの再戦のために修行して覚えた。
ちなみに修行方法は 水車発電所でサトシが人力で水車を動かし、そこで発電された電気をピカチュウに与え体内に流れる電力のアンペア数を上げることで電撃の威力を上げるという無茶な修行である。カスミからも「いじめ」と言われた。

下記の余談のように「10まんボルトのアンペア数は低い」とネタにされるが、実際のところアンペア数を上げた結果、じめんタイプに通用するほどの威力になったというのが作中での扱いである。
実際、無印編では本来はタイプ相性の関係で無効化されるはずのわざでもダメージを受ける事がしばしばあった。初代でも「でんこうせっか」などのでんきタイプ以外の攻撃技も覚えられるが、あまりふさわしくないとみなされたのかそのような攻撃はこの時は使わなかった。

『新無印』編からは「10まんボルト」を使う際にほっぺを叩くようになった。


他の有名な使い手としては『AG』編で登場したサトシのライバルの一人であるテツヤの長靴を履いたニャースが有名。
彼のニャースはロケット団のニャースとは比にならない戦闘力の高さでテツヤの事実上のエースで、サトピカともタイマン勝負を行い大将戦の末長靴ニャースはサトピカに勝利し、テツヤをサイユウ大会優勝に導いた。


『新無印』編でも、マスターズエイトのダンデの主力ポケモンの一体である ドラパルト や カルネのエースである サーナイト が使用しているなど、
アニポケ界を代表する強豪トレーナーの主力ポケモンのサブウエポンとして活躍している。


『リコロイ』編ではフリード博士が『キャプテンピカチュウ』と称されるピカチュウを使用しているが、このピカチュウは物理技を主体に使うことが多く、
サトピカとの区別化が目的なのかサトピカの代名詞と言える「10まんボルト」は現時点で使用した描写が無い。



◆余談


ポケモンの技として随一の知名度があることもあり、空想科学読本で検証されたことがある。

大気中を電流が流れる場合、巨大な電圧が空気をイオン化する絶縁破壊という現象で発生した電流の流れる空気を通して電気が移動するのだが、
これに必要な電圧はなんと1cmあたり数千~数万ボルト。10万ボルトだと1mも飛ばないのだ。
一般的な乾燥した空気の絶縁体力を計算する場合、大体30kV/cmとされており、10万ボルトだと約3.3cm程度しか伸びないこととなる。

もちろんこれは単純計算した話なので、条件次第ではこれより放電距離が長くなったり短くなったりもするのだが、ゲームやアニメのように、太く派手な電流を数十m先の相手に放出するためには、数千万~数億ボルトは必要になる。

ポケモンは「エレキネット」で電流を網目状にして動きを封じたり、「ボルトチェンジ」では交代技として活用したりと、人間では及びもしないレベルで電気を非常に巧みに使いこなせるため、現実の尺度とは違う放電方法を行っているのかもしれない。


また雷属性/電気属性の項目にもある通り、電気とは電子の移動であり、「電圧(ボルト数)」は電子を移動させる圧力なのに対して「電流(アンペア数)」は電子の移動量、直流電流の場合その「威力(電力/ワット数)」は電圧×電流で決まる。

よって「電圧10万ボルトと言えどアンペア数が大したことないお陰であの程度のダメージで済んでいるのでは?」「とくこうが高くなると電圧はそのままで電子の量が増えるのか?」という主張がネタ、または真剣な考察の意味でされることもある。

人間は100V程度の家庭用電圧でも50mAの電流が1秒以上流れると心停止するのに対し、当たり所が悪くなければ大抵「痛い」で済むスタンガンは電圧数万から100万Vほどなのに対して電流は2~5mA程度であり、通電時間も一瞬なためにそれで済んでいる。
乾燥した季節でチクッと痛いドアノブの静電気なんかも実は数千〜数万ボルトとかなり高い数字なのだが、流れる時間が百万分の1秒以内と物凄く短いため、あの程度で済んでいたりする。

しかし劇中では数秒間浴びせられ続け、全身が黒焦げになるような描写も少なくないため、電流が数mA程度以下であるか、さもなくばやはりポケモン世界人の頑丈さの賜物なのだろう。


サトシもアニメ初期こそ行動不能になっていたが、回を重ねるにつれてどんどん軽傷で済むようになっている。レベルアップでもしたんだろうか。


◇コピペ


 サトシ「いけピカチュウ!10まんボルトだ!」
 ピカチュウ『高圧・特別高圧電気取扱特別教育を修了していますか?』
 サトシ「してないです」
 ピカチュウ「資格は?」
 サトシ「電工2種なら…」
 ピカチュウ「でしたら600Vまでですね」
 サトシ「いけピカチュウ!600ボルトだ!」


真面目な話をすると同コピペの教育課程は労働者を指揮するためのものである。
サトシとピカチュウは飽くまでもパートナーであって、指揮者と労働者とは言えまい。

また、電工2種は電気工作物の工事に必要な資格。家庭用コンセント増設や電灯の新設が出来るようになるため、DIYにも役立つ資格だが、根本的にピカチュウは電気工作物でもないので資格はいらない筈である。
……やっぱりポケモンってめちゃくちゃ危険な生き物じゃねぇかって?ごもっともで。

なお、アニメ版では極力攻撃力を下げた弱体化版(「みねうち」のでんき版)として10ボルトがある。





追記修正は初代ポケモンで誰に使うか悩んだ方も、初代ポケモンを知らない方も願いします。

この項目が面白かったなら……\キュイィィン/
最終更新:2026年10月20日 21:31
添付ファイル

*1 でんきタイプであればオドリドリ(ぱちぱちスタイル)とエレズン以外は全員習得可能。

*2 そのためか当時の公式大会の上位入賞者のポケモンはかなりの数の「10まんボルト」が溢れている

*3 ただこの個体を他バージョンに送り「かみなりのいし」を用いてライチュウにしてしまうと習得は不可。

*4 当時レベルで覚えるのはピカチュウ系統とエレキッド系統のみで、この2体は殿堂入り後にしか出現しない。一応メリープが第二世代限定でタマゴわざという形で覚えはするが、わざわざ旅パでタマゴわざを使うかと言われると…。しかもメリープ系統はクリスタルでは出ない。

*5 現在はほぼ死語と化している。

*6 『ソード・シールド』からで Lv.1 の基本技。

*7 Lv.1 の基本技。第七世代と第九世代では進化時に覚える。