ワイルドボルト

登録日:2018/03/24 Sat 10:37:00
更新日:2024/01/26 Fri 09:55:02
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でんきを まとって あいてに ぶつかって こうげきする。
じぶんも すこし ダメージを うける。


ワイルドボルトとは、ポケットモンスターシリーズに第五世代(ブラック・ホワイト)から登場した技。


目次

■データ


タイプ:でんき
分類:物理
威力:90
命中:100
PP:15
接触判定:あり
範囲:単体
効果:反動ダメージ1/4


■習得方法


レベルアップで覚えるポケモンはでんきタイプのみ、かつ種族もかなり限られている。
しかしほとんどの作品ではわざマシン93に収録されており、
当該の作品ではあまり覚えるのに手間はかからない。
剣盾では消費型のわざレコード86に変更されているが、
それでも電気ポケモンのマックスレイドバトルで勝利すれば割と簡単に手に入る部類。
ダイパリメイクではわざマシンに収録されずわざレコードもないので覚える手段が少ない。


■概要


第四世代(DPt)からタイプ毎ではなく技別に部類・特殊が設定されるようになった。
しかし当時の汎用でんき技の最高打点は「かみなりパンチ」の威力75。
さらに四足歩行となるとさらに威力が下の「スパーク」や「かみなりのキバ」に頼らざるを得なかった。
そこでBWから新たな物理でんき技として登場したのがこの技である。

威力はそれまでの汎用電気最高打点を15も更新した90!
……なのだが、何と追加効果は無く反動で1/4ダメージが返ってくる。
つまりでんきタイプ版「とっしん」だが、あちらとは違いこちらは命中100。
その仕様上、『きあいのタスキ』との噛み合いは悪い。

基本性能はお世辞にも恵まれているとは言い難く、でんきタイプ自体が物理寄りの能力の持ち主が少ないため使い所を選ぶ。
しかし第四世代では深刻な一致火力の無さ故に「スパーク」に頼るか特殊型にするかしか無かったレントラーがようやく種族値通りの物理型として戦えるようになった。
また、 汎用習得のでんき物理技 と言う点は意外と大きく、それまでは「かみなりのキバ」に相性補完を任せるしかなかったウインディや、 そもそもでんき技すら無かった ギャロップも大幅に強化された。

物理アタッカーに対して恩恵を与えたと言う点では、少なくとも画期的な技であると言えるだろう。
少なくとも不遇な技ではあるが、弱い技と言うわけではないのである。

第七世代では「エレキフィールド」を自動で張れるカプ・コケコが登場した。
この特性が存在する以上、そうそう電気技に威力を求めるのは難しいだろう。
なお、当のカプ・コケコは活かせそうな能力をしているにもかかわらずあまり採用しない(10%程度)。
他の物理技がひこう技やはがね技ではやはり動かしづらいようだ。
「じゃれつく」がないのが悔やまれる。

ちなみに反動技なので特性『すてみ』で威力108となるが、タイプ一致でその恩恵を受けられるポケモンはいない。
不一致ならば下記のエンブオーやバッフロンがいるが。

Zワザにした場合の威力は、他の威力90技と同じ175。
火力不足と反動ダメージを解消できるので使い勝手が大きく向上する。

ダイマックス状態で使用すると「ダイサンダー」に変化。威力が130に上昇し、反動ダメージが無くなる。
Zワザと違って最大3回まで連発できる上に使用後にエレキフィールドを展開するため、更なる火力上昇が見込める。

第九世代では新たな電気物理アタッカーとしてテツノカイナ、テツノイバラが登場。このうちテツノカイナは非常に高性能でシングル・ダブル問わず対戦でよく見かける「ワイルドボルト」使いである。

SVのDLC第2弾『藍の円盤』では新たなでんき物理技「サンダーダイブ」が追加された。でんきタイプ版「とびげり」といった性能であり、外したときや無効にされたときのリスクがあまりに大きいものの威力は大台の100に乗っており、元から不安定だった「ワイルドボルト」の立場を脅かしている。


■主な使い手


メインウェポンとして採用するポケモンは僅かであり、サブウェポンとして用いられることが多い。
『すてみ』持ちのエンブオーとバッフロンをはじめ、本家電気ポケモン達よりも有効に活用しているものが多い。


タイプ一致でこの技を活用しているポケモン。
特に一番この技を活用しているのはエレキブル。
豊富な物理サブウェポンを最大限生かしやすくなるのも大きい。
レントラーは特に『こんじょう』型だと特殊技を採用する必要性がないため、必然的にこの技を採用する必要が出てくる。
ちなみに 専用技持ち以外で一番「ワイルドボルト」の火力が出るのはレントラー である(一致補正以外を除いた場合)。
サブウェポンもエレキブル程ではないが比較的豊富。
ゼブライカが採用する事も少なくないが、特性がくさ無効+攻撃UPの『そうしょく』とでんき無効+特攻UPの『ひらいしん』故になかなか技構成に悩まされる。
さらにコイツの場合はまず使いやすいサブウェポンが不足としているという問題もある。

とは言えレートでの3匹の採用率はかなり低い。
(USMシーズン9における採用率はエレキブル:260位・レントラー:262位・ゼブライカ:386位)
「ワイルドボルト」が対戦でマイナーなのは性能の低さのみならず、この技を主力とするポケモンの不甲斐なさにも大きな原因があるのかもしれない。

タイプ一致ではアローラゴローニャもこの技を覚えることができるが、アローラゴローニャの場合は特性「がんじょう」と相性が悪く、隠れ特性「エレキスキン」でより高威力のでんき技が使えるためまず採用されない。
よりにもよって「いしあたま」消えてるし


なぜか第8世代では覚えなかったが、第9世代で新規習得。
しかし、その使い方は火力用のメインウェポンではなくダメージを稼ぐついでの迅速な退場手段としての採用。低種族値だが特性でエレキフィールドを発動するので火力そのものは高め。
第9世代では「じばく」を覚えなくなってしまったがための代替であり、「おきみやげ」とは選択。


驚異の攻撃種族値140を誇るでんきタイプのパラドックスポケモン
上述のエレキブルを凌駕する攻撃範囲と耐久を持つ上に、非常に高いHPとタイプ一致の「ドレインパンチ」で反動ダメージを抑えられる独特の強みもある。
ただし無反動かつドレパンと共にパンチグローブによる強化を受けられる「かみなりパンチ」、ハイリスクハイリターンな「サンダーダイブ」も覚えるため技採用で悩みやすい。


みずタイプのほか、メガリザードンY等ほのお/ひこう複合対策として使える。
どちらもほのお単の中ではサブウェポンに恵まれており、攻撃範囲が広い部類に入る。


  • ヒスイウインディ
『アルセウス』で遂に登場した「いしあたま」と両立できるポケモン
ほのお・いわ技との相性補完も良いため、自然と採用しやすい。


「もろはのずつき」「ふいうち」等と共にバシャーモゴウカザルとの差別化要素となる。
弱点であるみずやひこうの対策となるため相性補完として優秀。
隠れ特性『すてみ』により「フレアドライブ」や「もろはのずつき」と共に強化もできる。
鈍足並耐久な種族値に加えて反動技が揃うので消耗がかなり激しいのが悩みか。


片手の指で数えるほどしかないギギギアルのサブウェポンの中で最もまともな性能。
はがねを半減するみずに有効で、同じく半減するほのおやはがねに等倍で通る。
しかしハガネールドリュウズアローラダグトリオガラルマッギョらじめん/はがね複合組には有効打がない。


2倍弱点でも等倍「アフロブレイク」と同じダメージ量で、『すてみ』で強化される点や反動ダメージが1/4で済む点も同じ。
しかし、ノーマル耐性持ちかつでんき弱点のポケモンやでんき4倍のポケモンに対しては有効である。
ギャラドスエアームドブルンゲルテッカグヤはいずれも耐久型として優秀なため、それらに強く出られるのは大きい。
またノーマル技とでんき技の組み合わせは単タイプに限れば全18タイプに等倍で通る組み合わせでもある。
これらの点から同じノーマルタイプのラッタ(原種)やメブキジカトリミアン等が使うことも。


攻撃種族値170に加えて特性『ふとうのけん』で攻撃が1段階上昇しているため、タイプ不一致にもかかわらず大半の電気ポケモンより火力が高い。
一致技を両方半減してくるドヒドイデホウオウ等に対するメタとして採用される。
恐らく対戦環境で最も活躍した「ワイルドボルト」使いだろう。ただしフルアタ型ではない場合技スペの都合切られることも結構ある。


Pokemon GOでのワイルドボルト


まさかの電気スペシャル技最強の座に君臨している。
小回りがきく2ゲージ技であるうえに威力も90と申し分ない。発生・発動時間はいずれも短めという、欠点らしい欠点がない優秀な性能である。
他の電気スペシャル技は「かみなり」「10まんボルト」「でんじほう」などがあるが、前者二つには火力効率で圧勝しており、電磁砲にはわずかに火力効率で劣るものの、あちらは1ゲージ技なうえに発生・発動時間が劣悪なので使い勝手に大きな差がある。
現在の電気タイプのポケモンはワイルドボルトを覚えるかどうかで評価が決まると言っても過言ではない。


ただし、トレーナーバトルでは仕様が異なる。
それまでは上記(現在で言うジム&レイドバトル用)と共通の性能だったのだが、
これは2020年4月に行われたバランス調整によって性能が変化。
威力100と更に強化されて、ゲージ量も若干減少と攻撃面においては高い性能を誇る一方で、
その代わりに反動の再現で自身の防御ががくっと下がってしまうデメリットが付与された。
これによってトレーナーバトルにおいては「10まんボルト」が優先、
ジム&レイドバトルにおいてはこちらが優先、という形で差別化が図られる形になった。

トレーナーバトルでこちらを使うことを考える場合、
シールドで防がれてしまうと防御ダウンのみを受ける形になってしまうが、
相手の視点になって考えてみれば、そのまま受けるには痛く、防げば防御ダウンを与えられるため、
シールドを消費させやすくなったということでもある。
これを覚えられるポケモンというだけでも高いプレッシャーを与えられるだろう。
ただし防御ダウン効果はやはり無視しがたいデメリットであるため、
選択肢を増やすために2つ目のスペシャルアタックを解放しておくとなおよい。


追記・修正は反動に耐えながらお願いします。

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最終更新:2024年01月26日 09:55