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*VANQUISH 【う゛ぁんきっしゅ】 |ジャンル|シューティング・アクション|&amazon(B003T9VDIC)|&amazon(B003T9VDIM)| |対応機種|Xbox360、プレイステーション3|~|~| |発売元|セガ|~|~| |開発元|プラチナゲームズ|~|~| |発売日|2010年10月21日|~|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|~| **概要  &bold(){新世代アクションシューティング「VANQUISH」}  稲葉敦志×三上真司タッグによる、「ハイスピード」&「ハイテンション」をテーマとした新感覚のアクションシューティングゲーム。~  近未来を舞台としたSF設定は非常に良く練り込まれており、未来の科学技術や人口が100億を超えた地球で起こりうるだろう混乱や政治、人間模様なども非常に納得のできる出来映えとなっている。  ゲームシステムそのものはいわゆるTPSだが、隠れ場所などから飛び出すカバーアクションや様々な近接戦闘のアクション、高速移動に加え''自分以外の時間を遅くするARシステム''など、非常にスピード感溢れるゲーム内容となっている。~  自分以外の時間の進行を遅くするARシステムもあり、初心者への対応も万全。~  どちらかと言えばシューター(射撃)よりだが、上述の近接アクションも豊富で、その気になれば敵である大型戦闘ロボットと殴り合いをすることも出来る。 ---- **評価点 ***難易度の調整 本作では、難易度をVery easyから選択することができ、ゲームの苦手な人でも容易にエンディングまで見ることが出来る。 -厳密には前作…ではないが、[[GOD HAND>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/619.html]]は、難易度easyが他ゲームのHard以上だと言われていた。 --しかしながら簡単にしすぎたという三上氏のコメントもあったりする。本当は、敵に都市迷彩をさせて視認性を落としたかったいう。 -当然、難易度God Hardも存在する。&bold(){Yeah!} --全ての敵がヘッドショット、偏差射撃、通常攻撃が一撃必殺になるなど、人生捨てる覚悟を持たなくてはクリアーできない鬼難易度である。 -セーブポイントも多く、クリアー後のやり直しや実績目当ての特定ステージからのスタートも容易。各ムービーの視聴機能はないが、細かくスタートミッションを選べるため、問題はないといえる。 ***攻撃部位の存在 一部大型の敵は部位が存在しており、頭や手足などを狙って集中攻撃することで、本体へのダメージに加えて攻撃した部位を破壊することが出来る。 -多くのFPS、TPSのゲームが精々ヘッドショットくらいのところ、手、足、頭、背中など種類が多い。 -ただ攻撃可能箇所が多いだけでなく、破壊した箇所に応じて敵戦力が大きく変化する。 --頭を破壊された敵はふらふらと彷徨き、でたらめな攻撃をするだけになる大きく戦闘力が低下する。 --腕を破壊された敵は攻撃力が大きく低下するものもいる一方で、主武器より強力な副武器で攻撃してくる敵がいるなど行動一つとってもバリエーションが豊かである。 -部位破壊によって武器選択に大きな意味が存在するようになった。 --超至近距離から頭部破壊を狙う人にはショットガンは非常に有効な武器となり、そこまでスキルがない人にはマシンガンなどの方が使いやすいなど。 ***映画のようなストーリー・演出 ストーリーだけでなく、展開やオチもハリウッド映画的。ネタバレになるので詳細は省くが、オープニングの大破壊シーンに始まり、どんでん返しやキャラクター同士のやり取り、そして敵組織の目的や行動、なによりオチとエンディングなど実にハリウッド。 -一例を挙げると主人公『サム・ギデオン』の設定 --ぶっきらぼうで喧嘩腰に言い返すような言動が多く、無精髭を生やし、紙巻き煙草を愛飲して文字通り周囲から煙たがられている。 --だが、DARPAに勤務する超エリートでARスーツの開発者でもあり、粗暴な態度の裏に優しさを秘めていることを周囲には知られている。 --大学時代はフットボールのスター選手だったが怪我によりスポーツ選手としての道を諦めている。 -登場人物とのやり取りもハリウッド。 --任務遂行を至上とする軍の将軍と言い争いに始まり、逃げ遅れた兵士を見捨てようとする将軍にくってかかるサム。 --「命令無視だ!」の声を振り切り、我が身を危険にさらして兵士を助けるサム。だが、兵士は狙撃兵の攻撃により殺されてしまった。 --人命を優先して命令違反をする主人公を将軍は見捨てる発言をするが、後に将軍自身が我が身を危険にさらして救出する。 ---「任務はどうした?」「人命救助も軍の任務だ!」ニヤリと笑いあう二人。 -何かと映画的・漫画的なQTEが時折発生する。 --ただし、一部の例外を除いてQTEは失敗しても良い。ペナルティが発生することもあるが、失敗したなら失敗したで別の方法で解決すれば良い。 --QTEはあくまで演出の一部であり、ボスキャラをどう倒すかなどは完全にプレイヤーに委ねられている。 ---地道に体力を削り、発生したQTEで倒すも良し、ミサイルランチャーを連発して瞬殺するも良し。 -ハリウッド映画らしさは演出にも溢れており、大型の敵との戦いや要所でのシーンの締めなどは映画のようなムービーが展開される。 --ただし、多くのゲームでムービーの合間にゲームがあるというシステムではない。あくまで主役はゲームであり、ムービーによる演出は最低限となっている。 -音声・字幕の徹底 --昨今のゲームでは珍しく、複数の言語音声と字幕に対応している。 --英語、日本語のみならずドイツ語、フランス語、スペイン語までカバーしている。 ***(無駄に格好を付けられる)アクション性の高さ -基本的に本作はTPSなのだが、無駄にカッコ付けたブーストに始まり、敵に向かってライダーキックをかましたり、ジャンプをするだけでもわざわざ宙返りのジャンプを決めたり、さらにそこからの銃撃でカッコ良く決めたり…と豊富なアクション性も楽しめる。 --特に「無駄なカッコ付け」においては相当なこだわりを持って作りこまれており、ブースト姿勢のバリエーションだけでも(カッコ付け以外に特に意味は無いのに)数種類が存在する。 --さらにこれらに先述の''ARシステム''を加える事により、「敵前を一瞬のうちに通り過ぎ、掃討射撃で瞬殺する(ような感じにキメる)」「ジャンプしてから滞空したまま精密狙撃を行う」等の無駄なアクションを自分で演出する事も可能となっている。 -これらの点において本作はかなりの動きの自由度を誇っており、「動かす楽しさ」は非常に大きい。 --高速移動中、ブロックを飛び越えると同時に手榴弾を投げてARシステムを作動、敵の頭上で手榴弾を狙撃して爆発させ、限界時間ぎりぎりまで敵を撃ちまくり、エネルギー切れ寸前に近接攻撃でトドメを刺す。…といった映画のようなアクションが(''極めれば'')可能。 ---- **問題点 ***画面の見づらさ -HD画像は充分に綺麗なのだが、綺麗すぎて背景にとけ込んでしまい、一部見えづらくなっている箇所もある。瞬間の判断が大事な本ゲームでこれは致命的。慣れればいいとも言えるが…。 --主人公の着ているARスーツは試作型とはいえ未来技術の塊である。赤外線視覚など暗闇や遠方を見やすくする機能があってもおかしくはなかったのだが。 ***武器出現がランダム 武器にはレベルがあり、同じ武器を使い続けることで威力と精度・弾数が増えていくというシステムとなっている。 -ただ、武器は多くの場所でランダムドロップであり、運が良ければ途切れずに強化や保持を続けられるが、運が悪いと途中で弾薬が切れ、やむなく使い慣れないor使いたくない武器を拾わなければならない場面も。 --もっとも、武器が固定で設置されている場所も多く、多くの場面で最適な武器が直前で入手できるため、そこまで強化にこだわる必要はない。 -初回購入特典の武器はドロップ率が低く、さらにレーザーを除くと弾数も少ないため、強化や補給がしづらく、強力だがなかなか使いづらい。 -特定の武器が無いと解除が難しい実績orトロフィーがいくつかある。だが上手く入手できるかは運が絡みやすい。 ***オンライン要素が乏しい -スコアランキング以外のオンライン要素は存在しない。ARシステムの絡みで対戦や強力プレイなどがやりづらかったためと思われる。 --機動兵器や武器の奪い合いが起こったことは想像に難くなく、実現すれば非常に楽しいことになっただろう。それだけに、残念なところである。 --まあどちらの機種を買ってもオンライン状況を考える必要が無いのは利点と言えば利点か。 ---- **賛否両論部 ***エネルギー消費行動やオーバーヒートのバランス -(低難易度はそうでもないが、)ARシステム発動や格闘攻撃に必要な主人公のエネルギーは若干少なめに設定されており、少しの事であっさりオーバーヒートしてしまう。 --特に初心のうちは簡単にオーバーヒートしてしまい、そのたびに物陰に隠れ、数秒間クールダウンをしなければならない…というテンポが悪い状況に陥りやすい。 -ただ格闘攻撃には一撃必殺級の威力があり、ARシステム発動も手軽に大きな有利状況が得られるメリットがあるなど、いずれの行動にもそれ相応のリターンがあるため、そういったリターンとコストやリスクとの関係を考えればバランスが悪いわけではない。 //-ただオーバーヒート中は防御機能も働かず、攻撃されたら死亡する状況であり、エネルギーが少ないという事が、そもそものゲーム性に組み入れられていると言える。 //↑どういう事?設定の話? --しかしながら近接攻撃を一度しただけで、数秒高速移動しただけでオーバーヒートしてしまい、他のアクション全てに大きな制限が課されるというのは窮屈でもあり、もう少し何とかして欲しかった、という声は多い。 ***ボリュームは少なめ -オンラインモードが無いため基本的な遊び方としてはストーリーをなぞるだけである。 --一応ステージの至る所に隠しターゲットが設置されていたりと、同じステージでも飽きさせない工夫はある。スコアの存在もあるため、やり込みようもある。 -またクリア特典も少ない。クリアしても「タクティカルチャレンジ((要するにチャレンジモード。))」「Hard以降の難易度」を選択可能になるのみ。 --コスチュームチェンジや隠し武器などは無い。ギャラリーモード等も特には無い。強いて言うなら高難易度をクリアすれば実績orトロフィーが取得できる事が特典か。 --あくまでオマケはオマケであり、メインのゲーム部分が良くできていればそれで良いのだが、ボリューム的な不満は生まれやすい。 ---特に難易度God Hardはクリアしても特に恩恵はないため、モチベーションも下がりがち。 ***消化不良なシナリオ -評価点として挙げた、映画のような演出だが、いささかくどい面はあり。 //--もっとも、ハリウッド映画が嫌いな人はそもそもゲームを購入しないと思うのだが。 //ただの感想なのでカット -特に終盤のどんでん返しに、真相の語りに入る敵、戦いはこれからだ!と続編を作る気もないのに続編を匂わせるエンディングなど、悪く言えばあまりにもベタ。人によっては非常に鼻につくだろう。 --特に続編を匂わせるエンディングは、開発が遅れた未完ゲーム、あるいはもともと続編を作るつもりだったが販売数が芳しくなかったのでストップした、と色々言われたりもしている。 ***小ネタ かなりゲームと関係しないおふざけネタが多い。 -日本語音声は他言語や字幕と違い色々と遊んでいる。 --他言語で「クリスタル製の人間~」という呼ばれ方をする敵キャラ『クリスタルヴァイパー』を、日本語音声では&bold(){『スケスケムキムキマッチョ』}と呼ぶなど日本語音声はネタの宝庫。 -コミックや映画などが元ネタと思われる細かいおふざけ。 --上記クリスタルヴァイパーは全身ガラス製のアンドロイドで、光学兵器を完全に無効化するという能力を持つ。&bold(){ヒューッ!} --転がっているテーブルを盾に身を隠すことも出来るが、当然だがそんな机ごと敵は撃ち抜いてくる。ハリウッド映画、というより日本の特撮を皮肉った演出((怪人の攻撃を喫茶店の丸テーブルに隠れるだけで防御する主人公など。))かもしれない。 --人型に変形する敵巨大兵器。「何をしているんだ!?」「反応炉と主砲を直結、主砲を発射します」どこのマクロスだ。 -俺の右手はGOD HAND((達成トロフィーの名前にゴッドハンドの文字が…。))。 ***難易度は高め -低難易度モード等も存在し、ただクリアすればいいという人には問題ない。が、トロフィーor実績解除を目指すと難易度は高め。 --さらに高得点を目指そうと思うと相当な壁がある。逆に考えるならやり込み甲斐があるとも言える。 ---特に難易度God Hardで高ランキングを目指す人にとっては…。 -また、「タクティカルチャレンジ」は全問かなりの高難易度であり、相当なやり込みが無ければクリアするのは厳しい。 ---- **総評  マイナス点、賛否両論点も記述したが、実のところ名作と呼んで良い出来映えである。~  しかしながら、名作と呼ばれるには内容だけでなく、様々な要因が絡むことは言うまでもない。仮にかの名作ドラゴンクエストがファミコンではなく、パソコンゲームとして発売されたらどうなっていただろうか?~  あるいはウルティマやウィザードリィが移植された後にファミコンゲームとして発売されたら?~  一定の評価を受けつつも、一部のマニアに記憶されるだけにとどまったかもしれない((実際、当時の旧エニックス製パソコンゲームの多くはそうなった。))。  爽快感溢れる内容、映画のような演出、非常に凝った設定など評価するポイントは非常に多い。だが、既に世の中にはHalo、KILL ZONEがあり、GoWもあり、アンチャーテッドもあった。~  細部は違っており、まったく同一の内容やシステムのゲームがあるわけでもない。だが、他のTPS・FPSと比較してここが大きな売り・特徴だと言える箇所がないのは致命的だったと言えるだろう。 //喩えて言えば、カレー屋が林立した街に新規オープンしたカレー屋のようなものである。味とボリュームは文句ないが、他にも甲乙つけがたいほど美味しいカレーを出す老舗店はたくさんあり、そしておまけのサラダやドリンクのサービスは他店が圧倒的に優れていた。 ----
*VANQUISH 【う゛ぁんきっしゅ】 |ジャンル|シューティング・アクション|&amazon(B003T9VDIC)|&amazon(B003T9VDIM)| |対応機種|Xbox360、プレイステーション3|~|~| |発売元|セガ|~|~| |開発元|プラチナゲームズ|~|~| |発売日|2010年10月21日|~|~| |レーティング|CERO:D(17才以上対象)|~|~| **概要  &bold(){新世代アクションシューティング「VANQUISH」}  稲葉敦志×三上真司タッグによる、「ハイスピード」&「ハイテンション」をテーマとした新感覚のアクションシューティングゲーム。~  近未来を舞台としたSF設定は非常に良く練り込まれており、未来の科学技術や人口が100億を超えた地球で起こりうるだろう混乱や政治、人間模様なども非常に納得のできる出来映えとなっている。  ゲームシステムそのものはいわゆるTPSだが、隠れ場所などから飛び出すカバーアクションや様々な近接戦闘のアクション、高速移動に加え''自分以外の時間を遅くするARシステム''など、非常にスピード感溢れるゲーム内容となっている。~  自分以外の時間の進行を遅くするARシステムもあり、初心者への対応も万全。~  どちらかと言えばシューター(射撃)よりだが、上述の近接アクションも豊富で、その気になれば敵である大型戦闘ロボットと殴り合いをすることも出来る。 ---- **評価点 ***難易度の調整 本作では、難易度をVery easyから選択することができ、ゲームの苦手な人でも容易にエンディングまで見ることが出来る。 -厳密には前作…ではないが、[[GOD HAND>http://www23.atwiki.jp/ggmatome/pages/619.html]]は、難易度easyが他ゲームのHard以上だと言われていた。 --しかしながら簡単にしすぎたという三上氏のコメントもあったりする。本当は、敵に都市迷彩をさせて視認性を落としたかったいう。 -当然、難易度God Hardも存在する。&bold(){Yeah!} --全ての敵がヘッドショット、偏差射撃、通常攻撃が一撃必殺になるなど、人生捨てる覚悟を持たなくてはクリアーできない鬼難易度である。 -セーブポイントも多く、クリアー後のやり直しや実績目当ての特定ステージからのスタートも容易。各ムービーの視聴機能はないが、細かくスタートミッションを選べるため、問題はないといえる。 ***攻撃部位の存在 一部大型の敵は部位が存在しており、頭や手足などを狙って集中攻撃することで、本体へのダメージに加えて攻撃した部位を破壊することが出来る。 -多くのFPS、TPSのゲームが精々ヘッドショットくらいのところ、手、足、頭、背中など種類が多い。 -ただ攻撃可能箇所が多いだけでなく、破壊した箇所に応じて敵戦力が大きく変化する。 --頭を破壊された敵はふらふらと彷徨き、でたらめな攻撃をするだけになる大きく戦闘力が低下する。 --腕を破壊された敵は攻撃力が大きく低下するものもいる一方で、主武器より強力な副武器で攻撃してくる敵がいるなど行動一つとってもバリエーションが豊かである。 -部位破壊によって武器選択に大きな意味が存在するようになった。 --超至近距離から頭部破壊を狙う人にはショットガンは非常に有効な武器となり、そこまでスキルがない人にはマシンガンなどの方が使いやすいなど。 ***映画のようなストーリー・演出 ストーリーだけでなく、展開やオチもハリウッド映画的。ネタバレになるので詳細は省くが、オープニングの大破壊シーンに始まり、どんでん返しやキャラクター同士のやり取り、そして敵組織の目的や行動、なによりオチとエンディングなど実にハリウッド。 -一例を挙げると主人公『サム・ギデオン』の設定 --ぶっきらぼうで喧嘩腰に言い返すような言動が多く、無精髭を生やし、紙巻き煙草を愛飲して文字通り周囲から煙たがられている。 --だが、DARPAに勤務する超エリートでARスーツの開発者でもあり、粗暴な態度の裏に優しさを秘めていることを周囲には知られている。 --大学時代はフットボールのスター選手だったが怪我によりスポーツ選手としての道を諦めている。 -登場人物とのやり取りもハリウッド。 --任務遂行を至上とする軍の将軍と言い争いに始まり、逃げ遅れた兵士を見捨てようとする将軍にくってかかるサム。 --「命令無視だ!」の声を振り切り、我が身を危険にさらして兵士を助けるサム。だが、兵士は狙撃兵の攻撃により殺されてしまった。 --人命を優先して命令違反をする主人公を将軍は見捨てる発言をするが、後に将軍自身が我が身を危険にさらして救出する。 ---「任務はどうした?」「人命救助も軍の任務だ!」ニヤリと笑いあう二人。 -何かと映画的・漫画的なQTEが時折発生する。 --ただし、一部の例外を除いてQTEは失敗しても良い。ペナルティが発生することもあるが、失敗したなら失敗したで別の方法で解決すれば良い。 --QTEはあくまで演出の一部であり、ボスキャラをどう倒すかなどは完全にプレイヤーに委ねられている。 ---地道に体力を削り、発生したQTEで倒すも良し、ミサイルランチャーを連発して瞬殺するも良し。 -ハリウッド映画らしさは演出にも溢れており、大型の敵との戦いや要所でのシーンの締めなどは映画のようなムービーが展開される。 --ただし、多くのゲームでムービーの合間にゲームがあるというシステムではない。あくまで主役はゲームであり、ムービーによる演出は最低限となっている。 -音声・字幕の徹底 --昨今のゲームでは珍しく、複数の言語音声と字幕に対応している。 --英語、日本語のみならずドイツ語、フランス語、スペイン語までカバーしている。 ***(無駄に格好を付けられる)アクション性の高さ -基本的に本作はTPSなのだが、無駄にカッコ付けたブーストに始まり、敵に向かってライダーキックをかましたり、ジャンプをするだけでもわざわざ宙返りのジャンプを決めたり、さらにそこからの銃撃でカッコ良く決めたり…と豊富なアクション性も楽しめる。 --特に「無駄なカッコ付け」においては相当なこだわりを持って作りこまれており、ブースト姿勢のバリエーションだけでも(カッコ付け以外に特に意味は無いのに)数種類が存在する。 --さらにこれらに先述の''ARシステム''を加える事により、「敵前を一瞬のうちに通り過ぎ、掃討射撃で瞬殺する(ような感じにキメる)」「ジャンプしてから滞空したまま精密狙撃を行う」等の無駄なアクションを自分で演出する事も可能となっている。 -これらの点において本作はかなりの動きの自由度を誇っており、「動かす楽しさ」は非常に大きい。 --高速移動中、ブロックを飛び越えると同時に手榴弾を投げてARシステムを作動、敵の頭上で手榴弾を狙撃して爆発させ、限界時間ぎりぎりまで敵を撃ちまくり、エネルギー切れ寸前に近接攻撃でトドメを刺す。…といった映画のようなアクションが(''極めれば'')可能。 -この辺りは、やたらと豊富に用意された決めポーズとアクション性を重視された((反面、奇抜さやゲーム性の難のためあまり受け入れられなかった))三上氏監督のTPS、『P.N.03』がようやく受け入れられる形になったと言っていいかも知れない。 ---- **問題点 ***画面の見づらさ -HD画像は充分に綺麗なのだが、綺麗すぎて背景にとけ込んでしまい、一部見えづらくなっている箇所もある。瞬間の判断が大事な本ゲームでこれは致命的。慣れればいいとも言えるが…。 --主人公の着ているARスーツは試作型とはいえ未来技術の塊である。赤外線視覚など暗闇や遠方を見やすくする機能があってもおかしくはなかったのだが。 ***武器出現がランダム 武器にはレベルがあり、同じ武器を使い続けることで威力と精度・弾数が増えていくというシステムとなっている。 -ただ、武器は多くの場所でランダムドロップであり、運が良ければ途切れずに強化や保持を続けられるが、運が悪いと途中で弾薬が切れ、やむなく使い慣れないor使いたくない武器を拾わなければならない場面も。 --もっとも、武器が固定で設置されている場所も多く、多くの場面で最適な武器が直前で入手できるため、そこまで強化にこだわる必要はない。 -初回購入特典の武器はドロップ率が低く、さらにレーザーを除くと弾数も少ないため、強化や補給がしづらく、強力だがなかなか使いづらい。 -特定の武器が無いと解除が難しい実績orトロフィーがいくつかある。だが上手く入手できるかは運が絡みやすい。 ***オンライン要素が乏しい -スコアランキング以外のオンライン要素は存在しない。ARシステムの絡みで対戦や強力プレイなどがやりづらかったためと思われる。 --機動兵器や武器の奪い合いが起こったことは想像に難くなく、実現すれば非常に楽しいことになっただろう。それだけに、残念なところである。 --まあどちらの機種を買ってもオンライン状況を考える必要が無いのは利点と言えば利点か。 ---- **賛否両論部 ***エネルギー消費行動やオーバーヒートのバランス -(低難易度はそうでもないが、)ARシステム発動や格闘攻撃に必要な主人公のエネルギーは若干少なめに設定されており、少しの事であっさりオーバーヒートしてしまう。 --特に初心のうちは簡単にオーバーヒートしてしまい、そのたびに物陰に隠れ、数秒間クールダウンをしなければならない…というテンポが悪い状況に陥りやすい。 -ただ格闘攻撃には一撃必殺級の威力があり、ARシステム発動も手軽に大きな有利状況が得られるメリットがあるなど、いずれの行動にもそれ相応のリターンがあるため、そういったリターンとコストやリスクとの関係を考えればバランスが悪いわけではない。 //-ただオーバーヒート中は防御機能も働かず、攻撃されたら死亡する状況であり、エネルギーが少ないという事が、そもそものゲーム性に組み入れられていると言える。 //↑どういう事?設定の話? --しかしながら近接攻撃を一度しただけで、数秒高速移動しただけでオーバーヒートしてしまい、他のアクション全てに大きな制限が課されるというのは窮屈でもあり、もう少し何とかして欲しかった、という声は多い。 ***ボリュームは少なめ -オンラインモードが無いため基本的な遊び方としてはストーリーをなぞるだけである。 --一応ステージの至る所に隠しターゲットが設置されていたりと、同じステージでも飽きさせない工夫はある。スコアの存在もあるため、やり込みようもある。 -またクリア特典も少ない。クリアしても「タクティカルチャレンジ((要するにチャレンジモード。))」「Hard以降の難易度」を選択可能になるのみ。 --コスチュームチェンジや隠し武器などは無い。ギャラリーモード等も特には無い。強いて言うなら高難易度をクリアすれば実績orトロフィーが取得できる事が特典か。 --あくまでオマケはオマケであり、メインのゲーム部分が良くできていればそれで良いのだが、ボリューム的な不満は生まれやすい。 ---特に難易度God Hardはクリアしても特に恩恵はないため、モチベーションも下がりがち。 ***消化不良なシナリオ -評価点として挙げた、映画のような演出だが、いささかくどい面はあり。 //--もっとも、ハリウッド映画が嫌いな人はそもそもゲームを購入しないと思うのだが。 //ただの感想なのでカット -特に終盤のどんでん返しに、真相の語りに入る敵、戦いはこれからだ!と続編を作る気もないのに続編を匂わせるエンディングなど、悪く言えばあまりにもベタ。人によっては非常に鼻につくだろう。 --特に続編を匂わせるエンディングは、開発が遅れた未完ゲーム、あるいはもともと続編を作るつもりだったが販売数が芳しくなかったのでストップした、と色々言われたりもしている。 ***小ネタ かなりゲームと関係しないおふざけネタが多い。 -日本語音声は他言語や字幕と違い色々と遊んでいる。 --他言語で「クリスタル製の人間~」という呼ばれ方をする敵キャラ『クリスタルヴァイパー』を、日本語音声では&bold(){『スケスケムキムキマッチョ』}と呼ぶなど日本語音声はネタの宝庫。 -コミックや映画などが元ネタと思われる細かいおふざけ。 --上記クリスタルヴァイパーは全身ガラス製のアンドロイドで、光学兵器を完全に無効化するという能力を持つ。&bold(){ヒューッ!} --転がっているテーブルを盾に身を隠すことも出来るが、当然だがそんな机ごと敵は撃ち抜いてくる。ハリウッド映画、というより日本の特撮を皮肉った演出((怪人の攻撃を喫茶店の丸テーブルに隠れるだけで防御する主人公など。))かもしれない。 --人型に変形する敵巨大兵器。「何をしているんだ!?」「反応炉と主砲を直結、主砲を発射します」どこのマクロスだ。 -俺の右手はGOD HAND((達成トロフィーの名前にゴッドハンドの文字が…。))。 ***難易度は高め -低難易度モード等も存在し、ただクリアすればいいという人には問題ない。が、トロフィーor実績解除を目指すと難易度は高め。 --さらに高得点を目指そうと思うと相当な壁がある。逆に考えるならやり込み甲斐があるとも言える。 ---特に難易度God Hardで高ランキングを目指す人にとっては…。 -また、「タクティカルチャレンジ」は全問かなりの高難易度であり、相当なやり込みが無ければクリアするのは厳しい。 ---- **総評  マイナス点、賛否両論点も記述したが、実のところ名作と呼んで良い出来映えである。~  しかしながら、名作と呼ばれるには内容だけでなく、様々な要因が絡むことは言うまでもない。仮にかの名作ドラゴンクエストがファミコンではなく、パソコンゲームとして発売されたらどうなっていただろうか?~  あるいはウルティマやウィザードリィが移植された後にファミコンゲームとして発売されたら?~  一定の評価を受けつつも、一部のマニアに記憶されるだけにとどまったかもしれない((実際、当時の旧エニックス製パソコンゲームの多くはそうなった。))。  爽快感溢れる内容、映画のような演出、非常に凝った設定など評価するポイントは非常に多い。だが、既に世の中にはHalo、KILL ZONEがあり、GoWもあり、アンチャーテッドもあった。~  細部は違っており、まったく同一の内容やシステムのゲームがあるわけでもない。だが、他のTPS・FPSと比較してここが大きな売り・特徴だと言える箇所がないのは致命的だったと言えるだろう。 //喩えて言えば、カレー屋が林立した街に新規オープンしたカレー屋のようなものである。味とボリュームは文句ないが、他にも甲乙つけがたいほど美味しいカレーを出す老舗店はたくさんあり、そしておまけのサラダやドリンクのサービスは他店が圧倒的に優れていた。 ----

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