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*あやかし忍伝くの一番 【あやかしにんでんくのいちばん】 |ジャンル|育成SLG|~| |対応機種|Windows95、プレイステーション、セガサターン|~| |発売元|翔泳社|~| |開発元|ゼロシステム|~| |発売日|1997年9月25日|~| |ポイント|当時大変貴重だった百合ゲーム|~| **概要 -一番最初の発売はWin95版だが、ここではもっとも評価が高く入手もしやすいPS版を扱う。 -舞台は、諜報組織としての忍者の存在が暴露され、一般的な存在になった近未来の日本。忍者養成学校「姫百合学園」に入学した主人公「葉隠楓」を育成し、主席にするのがゲーム上の目的。もちろん、ヒロインとの交流も大変重要である。 --本作の育成には少し癖があり、同じ科目に出席しているクラスメイトが自分より優秀だと自分の能力が大きく上がり好感度の上昇は少なめ、逆に自分のほうが優秀だと自分の能力は上がりにくくなる代わりに、好感度の上昇は大きくなる。 #region(主な登場人物) -葉隠 楓(CV:菊池 志穂) --本作の主人公。幼少のころ月葉に仕えており、再び月葉に仕えたいという想いから、「取れば、自由に主を決めることが出来る」主席のために、父・十全から提示された、姫百合学園に通う良家の娘三人を護衛するという条件とともに、姫百合学園に入学する。 -久野 月葉(CV:丹下 桜) --パッケージの扱いや楓の入学志望動機、他の二人の護衛対象と比べて圧倒的に濃いシナリオなど、議論の余地がないメインヒロイン。内気で大人しく、まさに深窓の令嬢。 --能力値は全体的に低く、楓の足手まといになっていることを、かなり気に病んでいる。このため、楓の不用意な一言がきっかけで、気まずい展開に…。 -藤木 霞(CV:折笠 愛) --護衛対象の一人。ボーイッシュな外見で他人を寄せ付けないぶっきらぼうな性格。すでにかなりの実力者で、どう見てもいまさら養成学校にいる必要がないほど(なぜこれほどの実力者が入学したかについては、理由がある)。初期能力も楓より高い。 --良家である藤木家に養女として引き取られるまでは、かなり過酷な経験をしていたようで、古傷や悪夢にうなされるなどの痛々しい描写がある。 -遠野 深雪(CV:井上 喜久子) --護衛対象の一人。いわゆる「あらあらうふふ系」で、少し目を離すと寝ている。というか、目を離さなくても寝ている。魔乳の持ち主。 -白瀬 桜華(CV:池澤 春菜) --美雪の護衛で、美雪に心酔しているため、二人の関係に割って入ってきた楓を激しく敵視している。友好度を上げるとツンデレ化する。 -不知火 遙(氷上 恭子) --委員長。性格も委員長。ただし、アニメ好き。霞の大ファンだが、友好度を上げると楓にもハァハァするようになる。 -伊勢 円(CV:篠原 恵美) --主要キャラのひとりだが、いまいち存在意義の良く分からない人物。強いて言えばムードメーカーか。楓の父である十全に好意を抱くなど、百合っ気も薄い。 #endregion **評価点 -百合。これに尽きる。この頃はまだ「萌え」が一般的でなかったため男キャラに嫉妬する男性プレイヤーも少なく、百合作品を探すのには苦労を強いられていた。そこに降臨した本作は、まさに百合愛好家にとって、福音だった。 --どのぐらい百合かというと、「ハッピーラブラブウェディング」(丹下桜・談)。これがすべてを語っている。 #region(※百合的な見所。ねたばれ) ~ -とにかく、楓と月葉のいちゃつきぶり。 --温泉で抱き合って二人の世界に入る。手裏剣の投げ方を教える際に、文字通り手取り状態になり悶々とする。幼少時に、互いに「お嫁さんになる」と約束(しかも、まさかの実現)。もちろんキスシーンもあり(ただし、双方が望まない不幸な形でなのだが…)。二人の恋愛を、周囲の人々も苦笑しつつ公認。 --霞と美雪は親愛の情の発展レベルと言い訳も出来るが、月葉ルートは問答無用の熱愛ぶり。上記キスも結婚EDも月葉相手のみである。 -月葉と霞、どちらと相合傘をするかで楓の取り合いが発生するイベントまである。内気な月葉が他人につっかかる、珍しいシーン。 -楓と月葉以外でも、モブキャラのキスシーン(もちろん女同士)を盗み見するイベントがある。 #endregion -上記(登場人物紹介)の人気声優たちに加え、大塚明夫、堀内賢雄といった大御所までCVをあてている。 --もっとも、この時代のギャルゲーではあまり珍しくない光景だが。 **問題点 -キャラクターデザインのセンスがあまり良いとはいえない。ギャルゲーの性質上、致命的といってもいい問題点。 -主にテストとして行われるミニゲーム「忍務」が、微妙な出来で作業感が強い。特に中盤以降は難易度も下がる。 -下校時に行き先を選択できるが、誰に会うかは完全に運任せ。特訓で能力を上げるのが無難である。 --行き先の選択時に十字キーの左右を使うが、押した方向と移る方向が逆であるため、操作が混乱する。 -バッドエンドがとんでもなく鬱である(ハッピールートでもかなりシリアスな展開になるが…)。全体的に明るい作風なので、ギャップがすさまじい。 #region(※ねたばれ) アメリカ政府の外圧により姫百合学園ら忍者養成学校は取り潰しとなり、学園の仲間は散り散りとなる。~ 楓は後日、公園で視力も記憶も失った月葉と出会い、心を痛めながらも他人の振りをして挨拶をする。~ 月葉はロケットに自分と一緒に映っている人物(楓である)が自分にとって大事な人なのは憶えているが、思い出すことも見ることも出来ないと語る…。 #endregion -いわゆる「ルート」があるのは護衛対象の三人だけで、ほかの三人のルートもほしかったという声も。それだけに、下記「プラス」は期待されたのだが…。 -ギャルゲーバブル全盛期の作品にもかかわらず、攻略本が出なかった。このため、ベストエンドである主席エンドのハードルが異様にあがっていた。 --ラストの展開のせいで、本来の目的であったはずの主席が、苦労の割りにどうでもいい、おまけ程度の扱いになっている。 ---後年、攻略情報が開発者のサイトで個人的に公開されたが、現在は閲覧が困難となっている。 ---かつて電撃PLAYSTATIONの付録であった電撃攻略STATIONに攻略情報が掲載されている号があった。 **総評 -当然、百合好きかどうかで評価がまったく違ってくる作品。百合好きにとっては神作ともいえるだろうが、百合要素を抜きにしてみると、凡作レベル。 -楓の周囲はみな同性愛に一応の理解があるため、同性愛の葛藤というものは特に描かれない。ゆえに、ひたすら肯定的な百合が堪能できる。逆に、そういう葛藤描写があってこその同性愛ものと考える向きには、少し物足りなく感じるかもしれない。 --もっとも、それゆえに今日の百合作品にありがちな安直な異性攻撃が無いため、百合作品への導入としては良いと思われる。 //一応、ナンパ男のあごをはずすとか、円が楓&月葉に「男はがさつだから女同士のほうがいいかも」といったりはする。 **その後の展開 -ドラマCDが二つでたが、百合要素がないとして不評。 -サターンでマイナーチェンジ版が「プラス」と銘打って発売されたが、とんでもない劣化移植でファンから黒歴史にされている。
*あやかし忍伝くの一番 【あやかしにんでんくのいちばん】 |ジャンル|育成SLG|~| |対応機種|Windows95、プレイステーション、セガサターン|~| |発売元|翔泳社|~| |開発元|ゼロシステム|~| |発売日|1997年9月25日|~| |ポイント|当時大変貴重だった百合ゲーム|~| **概要 -一番最初の発売はWin95版だが、ここではもっとも評価が高く入手もしやすいPS版を扱う。 -舞台は、諜報組織としての忍者の存在が暴露され、一般的な存在になった近未来の日本。忍者養成学校「姫百合学園」に入学した主人公「葉隠楓」を育成し、主席にするのがゲーム上の目的。もちろん、ヒロインとの交流も大変重要である。 --本作の育成には少し癖があり、同じ科目に出席しているクラスメイトが自分より優秀だと自分の能力が大きく上がり好感度の上昇は少なめ、逆に自分のほうが優秀だと自分の能力は上がりにくくなる代わりに、好感度の上昇は大きくなる。 #region(主な登場人物) -葉隠 楓(CV:菊池 志穂) --本作の主人公。幼少のころ月葉に仕えており、再び月葉に仕えたいという想いから、「取れば、自由に主を決めることが出来る」主席のために、父・十全から提示された、姫百合学園に通う良家の娘三人を護衛するという条件とともに、姫百合学園に入学する。 -久野 月葉(CV:丹下 桜) --パッケージの扱いや楓の入学志望動機、他の二人の護衛対象と比べて圧倒的に濃いシナリオなど、議論の余地がないメインヒロイン。内気で大人しく、まさに深窓の令嬢。 --能力値は全体的に低く、楓の足手まといになっていることを、かなり気に病んでいる。このため、楓の不用意な一言がきっかけで、気まずい展開に…。 -藤木 霞(CV:折笠 愛) --護衛対象の一人。ボーイッシュな外見で他人を寄せ付けないぶっきらぼうな性格。すでにかなりの実力者で、どう見てもいまさら養成学校にいる必要がないほど(なぜこれほどの実力者が入学したかについては、理由がある)。初期能力も楓より高い。 --良家である藤木家に養女として引き取られるまでは、かなり過酷な経験をしていたようで、古傷や悪夢にうなされるなどの痛々しい描写がある。 -遠野 深雪(CV:井上 喜久子) --護衛対象の一人。いわゆる「あらあらうふふ系」で、少し目を離すと寝ている。というか、目を離さなくても寝ている。魔乳の持ち主。 -白瀬 桜華(CV:池澤 春菜) --美雪の護衛で、美雪に心酔しているため、二人の関係に割って入ってきた楓を激しく敵視している。友好度を上げるとツンデレ化する。 -不知火 遙(氷上 恭子) --委員長。性格も委員長。ただし、アニメ好き。霞の大ファンだが、友好度を上げると楓にもハァハァするようになる。 -伊勢 円(CV:篠原 恵美) --主要キャラのひとりだが、いまいち存在意義の良く分からない人物。強いて言えばムードメーカーか。楓の父である十全に好意を抱くなど、百合っ気も薄い。 #endregion **評価点 -百合。これに尽きる。この頃はまだ「萌え」が一般的でなかったため男キャラに嫉妬する男性プレイヤーも少なく、百合作品を探すのには苦労を強いられていた。そこに降臨した本作は、まさに百合愛好家にとって、福音だった。 --どのぐらい百合かというと、「ハッピーラブラブウェディング」(丹下桜・談)。これがすべてを語っている。 #region(※百合的な見所。ねたばれ) ~ -とにかく、楓と月葉のいちゃつきぶり。 --温泉で抱き合って二人の世界に入る。手裏剣の投げ方を教える際に、文字通り手取り状態になり悶々とする。幼少時に、互いに「お嫁さんになる」と約束(しかも、まさかの実現)。もちろんキスシーンもあり(ただし、双方が望まない不幸な形でなのだが…)。二人の恋愛を、周囲の人々も苦笑しつつ公認。 --霞と美雪は親愛の情の発展レベルと言い訳も出来るが、月葉ルートは問答無用の熱愛ぶり。上記キスも結婚EDも月葉相手のみである。 -月葉と霞、どちらと相合傘をするかで楓の取り合いが発生するイベントまである。内気な月葉が他人につっかかる、珍しいシーン。 -楓と月葉以外でも、モブキャラのキスシーン(もちろん女同士)を盗み見するイベントがある。 #endregion -上記(登場人物紹介)の人気声優たちに加え、大塚明夫、堀内賢雄といった大御所までCVをあてている。 --もっとも、この時代のギャルゲーではあまり珍しくない光景だが。 **問題点 -キャラクターデザインのセンスがあまり良いとはいえない。ギャルゲーの性質上、致命的といってもいい問題点。 --しかし結局は主観的な問題である。これが好みのプレイヤーにしてみれば評価点であるし、脚本や演出を重視する人にとっては大きく気にする点でもない。 -主にテストとして行われるミニゲーム「忍務」が、微妙な出来で作業感が強い。特に中盤以降は難易度も下がる。 -下校時に行き先を選択できるが、誰に会うかは完全に運任せ。特訓で能力を上げるのが無難である。 --行き先の選択時に十字キーの左右を使うが、押した方向と移る方向が逆であるため、操作が混乱する。 -バッドエンドがとんでもなく鬱である(ハッピールートでもかなりシリアスな展開になるが…)。全体的に明るい作風なので、ギャップがすさまじい。 #region(※ねたばれ) アメリカ政府の外圧により姫百合学園ら忍者養成学校は取り潰しとなり、学園の仲間は散り散りとなる。~ 楓は後日、公園で視力も記憶も失った月葉と出会い、心を痛めながらも他人の振りをして挨拶をする。~ 月葉はロケットに自分と一緒に映っている人物(楓である)が自分にとって大事な人なのは憶えているが、思い出すことも見ることも出来ないと語る…。 #endregion -いわゆる「ルート」があるのは護衛対象の三人だけで、ほかの三人のルートもほしかったという声も。それだけに、下記「プラス」は期待されたのだが…。 -ギャルゲーバブル全盛期の作品にもかかわらず、攻略本が出なかった。このため、ベストエンドである主席エンドのハードルが異様にあがっていた。 --ラストの展開のせいで、本来の目的であったはずの主席が、苦労の割りにどうでもいい、おまけ程度の扱いになっている。 ---後年、攻略情報が開発者のサイトで個人的に公開されたが、現在は閲覧が困難となっている。 ---かつて電撃PLAYSTATIONの付録であった電撃攻略STATIONに攻略情報が掲載されている号があった。 **総評 -当然、百合好きかどうかで評価がまったく違ってくる作品。百合好きにとっては神作ともいえるだろうが、百合要素を抜きにしてみると、凡作レベル。 -楓の周囲はみな同性愛に一応の理解があるため、同性愛の葛藤というものは特に描かれない。ゆえに、ひたすら肯定的な百合が堪能できる。逆に、そういう葛藤描写があってこその同性愛ものと考える向きには、少し物足りなく感じるかもしれない。 --もっとも、それゆえに今日の百合作品にありがちな安直な異性攻撃が無いため、百合作品への導入としては良いと思われる。 //一応、ナンパ男のあごをはずすとか、円が楓&月葉に「男はがさつだから女同士のほうがいいかも」といったりはする。 **その後の展開 -ドラマCDが二つでたが、百合要素がないとして不評。 -サターンでマイナーチェンジ版が「プラス」と銘打って発売されたが、とんでもない劣化移植でファンから黒歴史にされている。

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