悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲

【あくまじょうどらきゅらえっくす げっかのやそうきょく】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテイメント東京
発売日 1997年3月20日
定価 5,800円
配信 XboxLiveArcade:2007年7月25日/800マイクロソフトポイント
ゲームアーカイブス:2010年12月16日/600円
レーティング CERO:B(12歳以上対象)※PS one books以降(ゲームアーカイブス含む)、PSP、PS4
CERO:C(15歳以上対象)※Xbox 360版
判定 良作
悪魔城ドラキュラシリーズリンク


概要

  • 前作、『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』の続編。輪廻同様、メイン開発者も萩原徹氏である。
  • 本作のジャンルはアクションとなっているが、RPG要素が極めて強い探索型アクションRPGである。
    • 本家アクションジャンルで開発中のチームは別にあり、それなら自分達は従来とは違ったシステムで作ろうということで、このような形の企画にした経緯がある。ところがそれは完全に勘違いで、悪魔城シリーズの現在開発中のチームは自分達だけということが途中で判明したという。
    • また、後のインタビューでIGA氏は「Xとついてるなら何やっても良いんじゃないかと思ったから」「『悪魔城ドラキュラ』の正当シリーズは他の誰かがきちんとしたものを作ってくれるはず」*1と本作を振り返っており、上記の発言を裏付けるものとなっている。
  • なお、探索型悪魔城としては『ドラキュラII 呪いの封印』以来の作品である。
  • 主人公アルカードはFCに登場した『悪魔城伝説』の味方キャラ。キャラの設定やデザインや能力は変わっているが同一人物であり、同作キャラの偽者も登場する。
  • 英題は『Castlevania: Symphony of the Night』であり、英語圏での通称は「SOTN」。

ストーリー

リヒター・ベルモンドが悪の神官シャフトによって復活したドラキュラ伯爵を倒して5年。
突如、リヒター・ベルモンドが行方不明になり、悪魔城が復活を遂げた。
行方不明になった義兄リヒターを探すために、マリア・ラーネッドは単身悪魔城に潜入した。
時同じくして、悪魔城の復活に気づき、ある人物が永い眠りから目を覚ました。
彼の名はアルカード。かつてラルフ・ベルモンドと共に、父であるドラキュラ伯爵を倒した男である。


評価点

  • ビジュアル・サウンド
    • ゴシックホラー調でまとめられており、描きこまれた背景・キャラクターデザインドット絵共に美しい。
    • BGMもその雰囲気を盛上げるのにあっており、礼拝堂・地下墓地・時計塔等、印象深いステージが多い。
      • ゲーム音楽板のみんなで決めるゲーム音楽にも度々ランクインする。
    • 小島文美氏による耽美的なキャラクターのイラストは、本作の世界観や雰囲気にマッチしており、評価が高い。
    • 主人公のアルカードは、悪魔城ドラキュラシリーズとしては今までにない新鮮な主人公像として登場。キャラクターの人気を一気に高めた。
  • 豊富な探索要素
    • 探索できる悪魔城は広く、豊富なギミックを内蔵しており、それらを駆使する事で行動範囲が広がる過程は面白い。
      • 広いMAP、点在するセーブ部屋、探索とともに装備が充実し更にそれで探索範囲が広がるといった要素からメトロイドヴァニアメトロイド+キャッスルヴァニア*2)という通称ジャンルが浸透している。
    • 当初の目的は悪魔城を攻略することだが、実際には悪魔城は前半部に過ぎない。ある条件を満たすと、その悪魔城がそのまま上下反転した「逆さ城」という後半ステージに突入する。
  • 多種多様な要素
    • 非常に多くの要素が盛り込まれており、作り込みが凝っている。その分遊び応えがあり、飽きにくい。
    • 主人公アルカードの多彩なアクション
      • コマンド入力によりMPを消費して繰り出す必殺技、武器ごとの固有技、コウモリ・狼・霧への変身など、幅広いアクションが行える。
    • 豊富なアイテム
      • 従来と違い主人公は鞭を使わず、様々なアイテムを駆使して攻略していく事ができる。そのアイテム数が豊富で、あらゆる攻略方法を可能としている。
      • 武器においても剣・両手剣・杖・ナックル等様々。それぞれで事なった立ち回りをする必要がある。
      • 防具は強い弱い・属性が殆どだが、姿形が全く変わって性能も急変する物も。
      • 40種類以上もの食べ物系アイテム。シリーズ伝統の「うまいにく」や、アイスクリーム・みそしる・ハンバーガーなどの世界観にそぐわないシュールな食べ物、食べるのにコツがいる(特殊な操作を要する)ピーナッツなど、実に豊富。それぞれに専用のドット絵や説明文が用意されている。
      • 装備するとアルカードのグラフィックの身長が高くなる「シークレットシューズ」などのネタアイテムも存在する。
    • 使い魔
      • 主人公に同伴し、回復や攻撃などのサポートを行うオプション的なキャラクター。
      • コウモリ、子悪魔、妖精、意思を持つ魔剣など様々な種類が存在する。ボイス付きの使い魔も数種類存在し、場を和ませてくれるようなユーモアに溢れた使い魔もいる。
      • 使い魔にも経験値及びレベルの概念が存在し、敵を倒すことでレベルが上がっていき、性能が強化される。この点でもやり込みの幅が広い。
    • ゲームクリア後の新規プレイでは、ゲームの進行度に応じた各時点でのプレイタイムが記録されるようになり、タイムアタックのやり甲斐がある。
    • 怪物図鑑と敵のドロップアイテム
      • 怪物図鑑は、これまでに出会った敵の情報を閲覧できるというもの。
      • 撃破された敵が一定確率で落とすドロップアイテムを入手すると、怪物図鑑にその敵のドロップアイテムの情報が記載されるようになる。これにより、怪物図鑑のドロップアイテムの情報を全て埋めるといったやり込み・収集要素がある。
    • キャラクター選択
      • ゲームクリア後は、『血の輪廻』の主人公であり本作にも登場したリヒター・ベルモンドを操作するリヒターモードで遊ぶこともできる。
      • リヒターの性能は探索型アクションというゲーム内容の変化に合わせてか、『血の輪廻』の頃と比べて基本性能が格段にアップしている。長距離を高速移動するスライディングやドロップキック、空中での無限アッパー(大ジャンプ)や無限タックル(空中ダッシュ)などの超人的な体術を標準で備えており、従来のベルモンド一族とは一線を画した爽快かつ変態的なアクションが可能となっている。
      • おまけキャラモードは探索型のシリーズに受け継がれて行くこととなった。大抵のおまけキャラは高機動、変態的な動作をするという面も共通している。
      • 後の移植作では、同じく『血の輪廻』のプレイヤーキャラの一人であり本作にも登場したマリア・ラーネッドを操作することもできる。
    • 特殊な状態でゲームを開始することもできる
      • ゲーム開始時の名前を「X-X!V''Q」と入力すると、運以外のステータスが異様に低い状態で開始される。運だけは恐ろしく高くなる上、運が上昇する装備品「ラピス・ラズリ」も最初から所持しているので、アイテムコンプリートを目指すのなら最適。
    • ファンサービス
      • 主人公のアルカードをはじめ、前作のキャラクターであるリヒターやマリア以外にも船頭や一部ボス等過去作品のファンならニヤリとする要素がちりばめられている。
  • RPG要素が強く、難易度も全体的に低めなので、従来の悪魔城ドラキュラシリーズのような高難度なアクションゲームを敬遠するユーザーでも楽しめる。
    • あくまで悪魔城ドラキュラシリーズ全般においての話である。やはり一部難関所や初見殺しの部分は存在する。

問題点

ビジュアル・サウンド

  • 評価する声がある一方、そのクセのある絵柄からキャラクターイラストを忌嫌する声もある。
    • デザイン的にもアルカードは悪魔城伝説とは別人に変化しドラキュラも老け、特にマリアは『血の輪廻』でのイメージからかけ離れて見た目が設定年齢の17歳にも見えないことから「マリアさんじゅうななさい」(37歳)とファンの間でネタにされることもある。
  • 音楽はCDになって多様化複雑化したこともあり従来のポップでキャッチーなドラキュラサウンドとは違う違和感もある。CDだった『血の輪廻』とも曲調は異なり、同じ場所を何度も行き来する探索型だからか、静かな落ち着いた曲も増えた。
    • シリーズ人気曲であるVampire KillerとBloody Tearsの2曲は無い(SS版新規ステージと360DLC版エンディングではVampire Killerは流れる)。

ゲームバランス

  • ライトユーザーを意識してか全体的にヌルゲーであり、歯応えのある難易度を求めるユーザーからの不満もある。
    • 攻略の知識を持たない初回プレイならそれなりに歯応えを感じられる場面もあるのだが、ゲームに慣れるほどヌルゲーであることが分かってくる。HARDモードなどはなく、ゲームに慣れたプレイヤーがより高難度の遊びに挑戦できる余地が少ないのが問題。
    • プレイヤー側で難易度を底上げするような制限プレイ(縛りプレイ)により、ある程度シビアなバランスで遊ぶことはできる。
      • しかし、そもそも行動パターンからして弱すぎるボスがいたり、ボスを倒すとどうしてもレベルが大幅に上がってしまったり、偶然発生するクリティカルヒットと通常ダメージの威力の差が大きい(通常ダメージ1、クリティカルダメージが50を越える場合もある)ために大半のボス戦はクリティカル頼み(半ば運ゲー)になるなど、いまいちそういったプレイスタイルとの親和性が低い仕様となっている。
      • ゲーム開始時の名前を「X-X!V''Q」と入力すると、運以外のステータスが異様に低い状態で開始される。その場合は難易度が多少上がり、攻撃・ダメージのバランスは比較的良い。ただし運が高くなる分、クリティカルヒットのダメージは非常に大きくなるので、その点でゲームバランスが良いとは言い難い。
    • 前述の通り初回プレイならそれなりに歯応えを感じられるので、ライトユーザー向けの難易度としては悪くないのかもしれない。
      • 一応、探索が不十分で、主人公があまり強くない状態で先に進めたり、無茶をしすぎると死ぬ可能性はある。序盤は回復アイテムもほぼ手に入らず、セーブルームへ立ち寄ることのみとHP回復の手段はかなり限られている。
      • ごく一部の敵の攻撃力は高めに設定されている。特にアイテムが配置されている直前の敵は強敵であることが多い。
    • 戦闘関連の難易度は低めな一方で、探索要素のやり応えはしっかりある。
      • 特定のアイテムをイベントもない場所で入手しないとゲームが進まなかったり攻略情報を持ってないと長期の探索を強いられることもある。だが、その場面は大抵バグや強引に突破することも可能なためプレイヤーのひらめき次第かもしれない。
      • トラップ関連のダメージは総じて高めに設定されている。
      • ただし長引く探索が結果的にLVUPを促し、尚更死ににくくなりボス戦でもゴリ押しが効きやすくなるという面もある。
    • ラスボスは弱いのだが、ラスボスと比べて非常に強く、ゲームクリアに必須ではないボスは存在する。
    • リヒターモードではレベルの概念が存在せず、アイテムによるゴリ押しもできないので、難易度は比較的高め。
      • このモードはストーリー要素が特になくラスボスエリアに行ってボスに倒すだけのオマケモードの1つで、クリアしても特に何もない*3のが救いではある。
      • ステータスの強化は、特定アイテムの取得により最大HPの上限を増やすことしかできない。
      • ただし初心者の救済措置なのか、バランスブレイカーな攻撃手段は存在する。
  • 主人公の性能が高すぎる
    • 各種必殺技の発動中や発動直後は完全無敵なので回避手段としても利用できる。無敵状態のまま移動したり、画面全体を攻撃しつつHPを回復(吸収)するなどの強力な必殺技も存在する。しかも多くの必殺技は、無敵時間の切れる隙が全く無い。主人公の強化によりMPが増えてくると必殺技を連発できるようになり、非常に強くなる。
      • ただし必殺技はコマンド入力が必要なので、使いこなすためにプレイヤーの技術がある程度要求される。コマンド入力が苦手な人には入手しても使えない事も…
    • 霧に変身すると無敵になるのだが、特定のアイテムを入手すると、MPが続く限り霧になり続けることができるようになったり、霧の状態で敵に毒ダメージを与えられるようになる(ただし後者は本作最強クラスのボスを倒す必要がある)。
  • 強力すぎるアイテムの存在
    • シールドロッド+アイアンシールドorアルカードシールド
      • シールドロッドは盾の魔力を引き出すことができる武器(この武器とシールドを装備して両方の対応ボタンを押す)。ゲーム中盤で入手可能。
      • アイアンシールドは店で購入できる盾。シールドロッドで魔力を引き出すと、高威力かつ広範囲の連続攻撃を行える。MP消費も少なめで、中盤から終盤まで様々な場面で猛威を振るう。
      • アルカードシールドは通常は後半で入手できる盾。魔力を引き出した状態で構えていれば、接触する敵に連続で大ダメージを与えつつ自分の体力とハートが僅かだが回復、しかも回復中は完全無敵。攻撃防御回復全てを一度にこなせるほど高性能、盾を構えて突撃するだけでドラキュラやガラモスも秒殺可能なのでこのゲームの最強武器は満場一致でこの盾であると言われる。
        とはいえ、発動の時点で膨大なMPを必要とし、盾を構えている間もMPを異常な勢いで持っていかれるため乱用は禁物である。
      • メニューを開かない限り長時間魔力開放効果が持続するので、構えを解除してMPを回復した後で再使用することは可能。また、効果の関係上サブウェポンが使いやすくなるので立ち回り次第ではこの欠点をカバーできる。
      • なお、盾の魔力引き出しのみが着目されがちなシールドロットだが、入手時点ではそこそこの攻撃力を持ちモーションが振り下ろしで下方や後方にも当たり判定が発生するので武器として使ってもそれなりの効果はある。
      • 後述のアイテムがコマンド入力が必要、クリア特典、レアドロップといった制約がある中でこの三種は比較的入手しやすく、特別な操作が不要かつ高威力である事も使い勝手の良さに拍車を掛けている。
    • アルカードソード、びぜんおさふね
      • ゲーム後半にて特定地点で拾える武器。攻撃力の高さに加えて、コマンド入力の固有技の性能が強力。
      • どちらも固有技は前方一定範囲を連続攻撃するというもので、発動中は完全無敵、しかも無敵状態を維持しつつ固有技を連発可能。更にびぜんおさふねの固有技はMP消費量がゼロ。なので無限に連発できる。
      • アルカードの必殺技と同様にコマンド入力が必要なので、コマンド入力の苦手なプレイヤーにとっては固有技を駆使するのは厳しい。
    • ジュエルソード
      • 攻撃力も低く振りも遅いネタ気味の武器だが、この武器でとどめを刺せればその敵のドロップアイテムが換金用の宝石に変化するという効果を持っており、少々時間を使うだけでかなり稼げ、回復アイテムなどが充実してしまう、といった意味で強力。
    • その他、敵のドロップアイテムなどで強力な武器を入手できる。運良く入手できると、一気にヌルゲー化するものもある。
      + 詳細
    • ヴァルマンウェ
      • 移動しながら余裕で振れるノーモーションかつ一振りで4HIT、しかも1HITの威力もそれほど低くないという装備。
        1本だけだと少々隙があるのだが、これは片手剣なので両手に一振りずつ持つことが可能。そうなると隙が完全になくなり、攻撃ボタン連打しながら動くだけで敵があっという間に溶けていってしまう。
      • さらに、複数で登場し常に空を飛び地形を無視して突っ込んでくる「キュウ」という厄介な敵のドロップ品なので、偶然手に入ってしまうケースも多い。
      • 後発の探索型の作品のいくつかにも登場するのだが、本作でやり過ぎた反動なのか、性能も見た目の派手さも減少傾向にある。
      • ただし無敵時間が無く、接近戦を強いられるという点で他のアイテムより一歩劣る。また、今作では「キュウ」の出現地帯は通る必要のないエリアでレアドロップなので手に入れるのに手間がかかるのが難点。
    • ヘブンズルーン
      • ノーモーションで飛んで帰ってくる剣。
        1本だけだと少々隙があるのだが、これは片手剣なので両手に一振りずつ持つことが可能。そうなると隙が完全になくなり、攻撃ボタン連打しながら動くだけで敵があっという間に溶けていってしまう。
      • ヴァルマンウェほど時間当たりのダメージは高くないため強敵の瞬殺はできないが、射程が長いため使い勝手は良い。
    • レーヴァテイン、オリハルコン
      • 攻撃力の高さに加えて、コマンド入力の固有技の性能が強力。
    • どくろの指輪
      • こちらはクリア後のおまけで、ラスボスを倒したあとに特定の敵が極稀に落とすようになるもののためにゲームバランスの崩壊を免れてはいる。しかし装備すると全能力がどのアクセサリーよりも高く向上し、2つ装備すればもはや敵知らずな性能になる。
      • ヴァルマンウェ同様後発の探索作品にも登場するが、装備すると呪いの状態異常になるペナルティが付加されている等、やや扱いの難しい装備に変貌している。
    • デュプリケーター&おやじのいこう
      • 「能力にかなりのマイナス補正がかかるが、消費アイテムが消費されなくなる」デュプリケーターと「ノーモーションで画面内全ての敵に多段ヒットする強力な攻撃を放てる」おやじのいこうのコンビネーション。
        (デュプリケーターによる能力値マイナスがあるとはいえ)そこそこの威力の全体攻撃を連発でき、ゴリ押しでクリア出来る程。
        なおおやじのいこうを例に挙げたが、ランダムで食品系アイテムを入手できる「おしょくじけん」をこの方法で使うことで食品アイテムを量産するなんてことも可能。
      • ただし、デュプリケーターはクリア後にしか販売されず、前述のジュエルソード等で意図的に金稼ぎしないと買えないほどの非常に高額なアイテムなので入手難易度は高く、入手する頃には必要がなくなる程強くなってることがザラ。
  • 主人公のレベルが上がりやすく、その場所を攻略するのに十分なレベルまですぐに到達する。
    • これは、主人公よりも高レベルな敵を倒すほど得られる経験値に倍率が掛かることと、ボスから得られる経験値が大きいことに起因する。
    • 一応、低レベルの敵を倒すほど得られる経験値は少なくなるという補正があるので過剰なレベル上げは行いにくくなっているものの、それでもある程度までは簡単にレベルが上がるので、ゲームバランスの調整措置としてはあまり活かされていない。
      • 上記の獲得経験値減少補正には、レベル99を目指す上でのレベル上げの作業感を増大させているという難点もある。レベル上げをやり込むようなプレイヤーにとっては、この補正は難点としての意味合いの方が大きい。
  • レベルアップによるHPとハートの最大値以外の能力上昇に運の要素が大きく絡む。
    • そのため、能力をあまり上昇させたくない場合でも、能力を大きく上昇させて最強を目指したい場合でも、理想の成長度合いでプレイすることは非常に困難。
  • 使い魔
    • 主人公のレベルの上がりやすさ・強さに比べて、使い魔のレベルはやや上がりにくい。使い魔のレベルが低いうちはあまり戦力にならないので、一部の使い魔以外は居ても居なくてもあまり変わらない。
      • だが、剣魔だけはレベルが高くなってしまうと攻撃力はそのままに追尾性能が加わるため「もう剣魔だけでいいんじゃないか」という事態になる。
  • アイテムの使用方法にやや癖があり、面倒くさい
    • シリーズお馴染みの回復アイテム「肉」に加え、前述の数多の食べ物系アイテムは、手に持つ装備品(武器や盾)と同じ扱いとなっている。
    • 前作までのように、拾っただけでは効果は発揮されず、また、メニュー画面から直接「使う」ことはできない(コマンドがない)。
    • 使うには、まず左手か右手の武器等を外してアイテムを「装備」し、一旦プレイ画面に戻る。そして該当するアクションボタンを押すとその食べ物が床に落ち、それを拾うことで初めて効果が発揮される。
      • このため、多くの敵に囲まれた時や、ボス戦などではいちいち食べ物を拾っている暇はなく、あまり有用ではない。
    • ポーション(HP回復)やアンカース(呪い回復)などの回復薬もいちいち装備する必要があるが、こちらはボタンを押すだけで即座に効果が発揮される。薬の方が使い勝手がいいという意味で差別化されてはいるものの、率直な所これですら無駄な手間の要求される迂遠な操作と言わざるを得ない。この挙動ならメニューから直に使用できても同じことで、操作の面でははるかに快適だったろうに。
      • ただし、一部の使い魔は、回復薬を持っていれば、アルカードの体力が減ってきたり状態異常に陥るとアイテムを使って回復してくれる。石化の治療や復活薬などは、アルカード自身が行動できない状態であるため、事実上の使い魔専用アイテムとなる。
    • アイテムを使いきると、右手や左手は「素手」(何も装備していない状態)になる。使い切らなかったなら該当のアイテムを持ったまま。いずれにしても、外した武器や盾は再びメニュー画面を開いて装備し直さなければならない。マジカルチケットもこの仕様なので、買い物を済ませたあとで装備変更を忘れ、敵を攻撃するときに武器でなくマジカルチケットを使用し戻ってしまうと言った事も頻発する。
      • また、HP回復アイテムの1つ「ピーナッツ」は「食べ方にコツがある」と評されており、事実普通に使うだけでは効果を発揮しない。
        後述のPS4版では「ピーナッツを食べる」というトロフィーまで用意されるほど。
    • いずれも現実的と言えば現実的な仕様なのだが、ゲームとしては煩わしいばかりであって、面白さに寄与しているとは言い難い。
    • 後のSS版では「ホルダー」と言うアイテム専用の装備枠が設けられ、ボタン一つで使用できるようになった。このため武器や盾を外して持ち変える手間も不要と改善されている。
  • やり込み要素のひとつ「マップ踏破率」を最大にするのが面倒
    • 前半の悪魔城・後半の逆さ城両方のすべての場所を歩くのはもちろん、上下に広い空間のある場所は隅々までコウモリに変身するなどして回らなければならない。
    • 主人公を中心に一定範囲が踏破判定になるのだが、場所によっては天井に向かって大ジャンプし、天井に着地した瞬間オオカミへ変身してから即座に解除することで強引に頭の位置を高くする(一瞬だけ頭が天井にめり込む)などという、裏技めいた手段で範囲を広げなくてはいけない個所まである。それも複数
    • なお、表裏の合計は200%ではなく、200.6%という非常に微妙な数字になっている。SS版の追加マップはPS版に追加される形であったため、更に微妙な増え方(211.2%)をしている。
      PS版では196%以上でエンディングが変化する以外の要素は特になかったが、SS版は最大まで上げるとセーブデータに「ALL」が付加される。

その他

  • アイテムなどが豊富に存在する割には、クリア後にはそれらを引き継いで最初から始められるような要素は無い。
  • 攻略ルート・マップ移動の問題
    • 後発の探索型に比べると、マップの広さに対してワープルームの数が少なめで、マップの移動が容易ではない。
      • ワープもローテーション移動なので目的の地点に移動する手間がかかる、どのルームも構造が似ていて*4一々マップ確認が必要等の難点も。
    • どうしても一度通った道を戻らされる箇所が少なくない。
      • 特に城の中心部分のステージである「大理石の廊下」は立ち寄る機会が多い場所にも関わらず、近くにワープルームが無い(最寄のワープルームはそこそこ離れた場所にある)ので移動がやや面倒。
    • アイテムの売買などが行える場所(図書館の主の部屋)は悪魔城の1箇所のみであり、更にはそこから最寄りのワープルームとの距離が離れており、気軽にアイテムを買いに行けない。
    • ちなみに怪物図鑑の閲覧もアイテムの売買同様、図書館の主の部屋に寄る必要があり、やはり気軽に閲覧ができない。
    • マジカルチケットというアイテムを使えば、どこからでも図書館の主の部屋までワープすることはできる。問題はそこからワープルームまでの移動がやや面倒なこと。
  • 逆さ城に設置されているアイテムの大半がクリアには不要で、探索のし甲斐がやや乏しい。
    • 前半の悪魔城では魔導器が入手できた場所でも、逆さ城の同様の場所に設置されているものはただの回復薬だったり、換金用の宝石だったり、HPやハートのMAXUPアイテムだったりということがザラにある。
    • 逆さ城のマップの広さに対して、アイテムや魔導器のバリエーションが追い付いておらず、開発期間が足りなかったのではないかとも考えられる。
      • 逆に言えば魔導器(特に移動に必要なもの)は悪魔城で揃うので、逆さ城では各地を回ってドラキュラに挑むルートを自分で構築できるということである(順当に弱い敵しかいないルートから進んでアイテムを入手して強化しつつ進む、必要なアイテムだけ集めてさっさとドラキュラを倒しに行く等)。ドラキュラより強いボスや倒さなくても良いボスの討伐、強力アイテムの採集や回収といった面での探索要素はある。
  • 走るアクションが無い。
    • 悪魔城入場時のような早足での移動は出来ないので手早く移動するためには、標準で搭載しているバックダッシュを連発するか、狼や蝙蝠に変身して突進系のアクションを使う必要がある。
      • バックダッシュの連発は、カサカサと音を立てながら後ろ向きに高速移動するので非常に変態的。
    • SS版では追加アイテムで前方に走れるようになったが、歩きモーションのまま移動速度が速くなるだけなので違和感がある。
      • そもそも入手できるのは中盤。入手後は足場が悪い逆さ城なので走れる場所が少ない。
      • リヒターやマリア(SS/PSP版)はデフォルトでダッシュが可能、アルカードにしても特に支障は感じられないので搭載しても問題がなかったように思うのだが・・・
  • 狼への変身を活かせる場所が少ない。
    • 高速移動の手段としては、(難しいコマンド入力が必要だが)空中を高速移動できるコウモリの方が汎用性が高い。逆さ城では足場が悪い場所が多いので、なおさら狼を活用しにくい。
      • 狼の高速移動が可能になる条件も厳しい。コウモリと違って狼は入手した時点では高速移動はできず、高速移動のためには特定のアイテムが必要になる。そのアイテムを入手するためにはコウモリが必要であり、また必ずしもコウモリ入手後に立ち寄る必要は無い場所という隠しアイテム扱いなので、人によっては入手せずにゲームをクリアしてしまう。
    • 前述の通り「踏破率の判定を広げるため必要となる」場面は存在するのだが、この怪しげな挙動を狼変化のメリットと言っていいかは疑わしい。これに関してはむしろ、狼形態が存在するせいで増えた余計な手間とすら言いたくなる。
      • 上述の通り本作のマップ踏破率は200.6%と明らかに半端な数値となっており、この「狼変化でマップを埋めることができる」こと自体がそもそも開発の想定外だった可能性も否定できない(ちなみに攻略本のインタビューでこの件について言及されており、少なくとも開発側もこの現象を発見はしていたようである)。

バグ

  • 本作はバグが多いのも特徴である。
    • ほとんどのバグは普通にプレイする分にはまず発生しないことに加え、遊びの幅が広がるようなユニークなバグが多いので、ユーザーからは概ね好意的に受け取られている。
      • タイムアタックに利用できるバグも多く、ユーザーによって、バグを利用したタイムアタックなどのやり込みも研究されている。
      • 中には、リヒターモードでも真祖ドラキュラと戦えるといったような燃えるバグもあり、その時の展開がシュールなのは一部のコミュニティで話題になった。
    • アルカードはゲーム開始当初から強力な武器防具(上記のアルカードソードとシールドも含む)を装備しており、序盤でこれらの装備を奪われてしまう。しかしある方法により、これらの装備を奪われることなくゲームを進める事ができる。
      • いわゆるイージーモードのような遊び方が、バグにより可能になっていると言える。
      • しかし、その状況を再現するためには前述の弱体化スタート(ネーム「X-X!V''Q」)が必須なので、結果的にはお楽しみ程度である。
    • 本来その時点では到達できない・先に進めないような場所でも、何らかの方法を駆使して早期に到達・突破することができる(=シークエンスブレイク)。これによりストーリーの流れを無視した攻略ルートが生まれている。
      • 似たようなバグは以降の2D探索型シリーズでも度々発見されており、一種の伝統と化している面がある。
    • そういったネタ系でなくても有用なバグも存在しており、宝石所持数の負のオーバーフロー*5を発生させれば先述のデュプリケーターを楽に買えてしまうなどの影響はある。
  • 本作のアルカードの台詞に「ドラキュラ城は混沌の産物だ」というものがある。これはある意味で本作のゲーム内容を的確に表した大変便利な言葉である。
    • つまり、探索型シリーズ全体においても、あらゆるバグやTASなどによるはちゃめちゃなゲームプレイが「混沌の産物」という言葉で納得できてしまい笑いになるという大らかさがある。このこともユーザーから探索型シリーズが親しまれる一因となっている。

総評

  • シリーズの新たな方向性を切り開き、2DアクションRPGとしても高い完成度を持った名作。
  • 本作を大きな転換点として、以後の悪魔城シリーズは探索型RPGを中心としたシリーズになっている。
  • 後述の各ハードに移植されており、特にPSN/XBLA配信版は購入が容易なので、気になる人は触れてみては如何だろうか。

移植・バージョン違い

  • 本作はPS版が初出だが、SS・PSP・XBLA・PS4に移殖されている。
    • PS版も初期版・重版(=第2ロット)・Best版(PS one Books版)と大まかに3種類のバージョンが存在し、それぞれ細部の仕様が異なる。
    • SS版は追加要素として新ステージ2つ、敵とアイテムの追加、マリア・ラーネッドが使えるようになっている。また初期状態からリヒターやマリアといったおまけキャラが使用可能。
      • SS版のマリアは通常攻撃に気弾攻撃(三段階溜め可能)や蹴り攻撃、コマンド入力で四聖獣召喚、強化サブウェポン(一度に斧×2等)、3段ジャンプ、ハイジャンプ、スライディングなどが使用できる。
      • 『血の輪廻』からの流用だったリヒターのグラフィックが今作のイラストに合わせたものに変更(オープニングで操作するリヒターは『血の輪廻』の最終面の再現であるためそのまま)。リヒターモードでは隠しコマンドでこちらのグラフィックに変更できる。
      • BGMも追加され、三大名曲「Vampire Killer」「Bloody Tears」「Beginning」が揃った。新曲「Guardian」の評価も高い。
      • アイテム専用の装備枠「ホルダー」が出来、食べ物アイテムが使いやすくなった。
      • しかしボス攻略参考映像「戦術指南」が無くなり、ロードも少し長い。半透明処理が無く、グラフィックの質もやや低下している。
      • SS版の開発担当は『漆黒たる前奏曲』で悪名高いKCE名古屋だが、本作に関しては若干移植の仕方が粗雑ではあるものの良質な出来である。
        ちなみにSSのディスクをPCで読み込むと開発者からのメッセージが読め、PS版はハード特有の機能を存分に発揮して製作されているため、全く機能が異なるSSへの移植は難航したことが明かされている。
      • 後の移植にSS版の要素はほぼ反映されなかった*6こと、そもそもPS版と比較してあまり売れなかったこともあり、現在の中古市場ではプレミア化の一途をたどっている。
  • XBLA版は当初、海外販売PS版を元にしていたため、ユーザーから批判を受けた。そのため、国内販売PS版ベースで改めて配信がされている。
    • 海外販売PS版ベース、国内販売PS版ベースのいずれも実績にも対応で、双方は別実績となっている。SS版の追加要素は無い。
    • なお、XBLA版はスタッフロール曲が異なる以外はPS版と同内容にもかかわらずレーティングが15歳以上対象に跳ね上がっているという理不尽が存在する。
    • 日本版は2016年5月にXboxOneの後方互換に対応した。
  • PSP版はSS版とは違う性能のマリア・ラーネッド*7が使える。ショップにアイテム*8とサウンドテストが追加。さらにボスが1体追加されており、「戦術指南」も新規に追加されている。
    • なお、PSP版は『Xクロニクル』の本編で隠されたアイテムを取ることで開放される隠しモードの一つとなっている。
    • ちなみに、本作で海外ローカライズが全面的に作り直されている。
  • ゲームアーカイブス版はBest版の移植だが、アイテムの価格のみPSP版を基準としている。また、解説書に下記のイラスト冊子が収録されている。
  • PS4版は『血の輪廻』とのカップリングであるが、マリア戦の存在や使用キャラとしてのマリアの性能、ED曲の内容などからPSP版の移植との事。
    • 加えて、同時に収録されている『血の輪廻』の存在もあってか、本作が収録されている『悪魔城ドラキュラXセレクション』の実態は『Xクロニクル』収録のボーナスタイトルのみを抜粋したゲームになっている模様。
    • 日本では賛否ある対応となった(参考)が、海外では『血の輪廻』だけでなく『月下』もPSP版で全面的にローカライズを作り直しているため、今更古いバージョンを出すわけにも行かなかったのだと思われる。
  • 「PS初期版・PS重版」以外の全てのバージョン・移植版では、一定の条件を満たすと使い魔の半妖精が「夜曲」という唄を歌いだす。
  • PS版はCDとして再生すると警告メッセージの後おそらく没になったであろう曲が流れる。これは他の作品には収録されていない。
    • SS版を再生すると警告メッセージがほんの少し長くなっているだけでこの曲は流れない。
    • PSの初期出荷版と重版には、過去悪魔城シリーズのオープニング曲を収録した特典CDや、小島文美氏のイラストをまとめた冊子が同梱されている。
      初期出荷版には一部の敵がアイテムをドロップしないという微妙なバグがあったが、Bset版以降は全て修正されている。
  • スタッフロール曲はPS及びSS版・PSP版・XBLA版でそれぞれ異なる。
    • このうちXBLA版はPS2『キャッスルヴァニア』と同一のものとなっている。
    • PSP版は完全新規曲となり、『Xクロニクル』のサウンドトラックに「夜曲」と共に収録されている。

余談

  • 使い魔のうち、隠しキャラ扱いの半妖精と鼻悪魔はそれぞれ妖精・小悪魔の同性能だが性格や見た目等の要素がかなり個性的。
    • 半妖精はパッと見単なる妖精の色違い*9だが、喋り方が少女のような可愛らしいものに。
      SS版以降のソフトでは前述の通り「夜曲」を歌ってくれる。
    • 鼻悪魔は見た目・セリフ全てがタイムボカンのパロディ実況おしゃべりパロディウスといい、当時のKONAMIはやたらタイムボカンを推している節がある。もちろんCVは八奈見乗児氏。
      ちなみに八奈見氏は通常の小悪魔も担当しているため、そのギャップを楽しむのも面白いかも。
  • 冒頭のリヒターとドラキュラの「滅びよ!」から始まるやり取りは、『血の輪廻』での倒した後のアニメーションムービーでドラキュラの身体が燃え尽きつつある中での会話を若干改変したもの。

*1 『Dengeki Games』2003年1月号より。ちなみに『Xクロニクル』の攻略本でも同じ内容について触れられており、「他の誰か」とは当時ドラキュラシリーズのもう1つの開発チームとなっていた神戸開発部を指していたようである。

*2 悪魔城の英語版タイトル名

*3 XBLA版及びPS4版では実績/トロフィーが存在する

*4 よく見ると最上部の彫像が異なるため、マップ名等と紐付けて覚れば若干マシになるが…。

*5 所持数0個のはずなのに1個売って255個所持にしてしまう、というもの。なおこの類の現象をアンダーフローと呼ぶ誤解があるが、(符号なし整数ではあるが)負のオーバーフローと呼ぶのが正しい。

*6 PS廉価版において「半妖精が『夜曲』を歌う」という要素が「挙動のみ」逆移植されており、これは後の移植にも引き継がれている。その他が移植されなかったことについては、PSP版『Xクロニクル』の攻略本の記述を読む限りではIGA氏の意向によるものだったようである。

*7 「SS版のマリアはイメージと異なる」というIGA氏の意向でDS版シリーズのスタッフによって作り直された。『血の輪廻』準拠のアクションが中心となり、SS版からかなり弱体化している。

*8 既存アイテムも消費税増加に伴う価格変更がある。

*9 妖精は青色の服、半妖精は緑色の服を着ている。