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*SONIC WINGS LIMITED 【そにっくういんぐす りみてっど】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |販売元|ビスコ|~| |開発元|ビデオシステム|~| |稼働開始|1996年|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[SONIC WINGSシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『SONIC WINGS』シリーズ最後のアーケード作品。『[[初代>SONIC WINGS]]』から『[[3>SONIC WINGS 3]]』までの内容を踏まえた総集編とも呼べる作品。全7ステージを攻略するとゲームクリア。~ 本作は家庭用作品の『スペシャル』をアーケード用に逆移植したもので、そちらとはシステム等に異なる部分がある。 ネオジオ作品の前2作と異なり縦画面になっており、プレイ感覚は『初代』に近い。~ ***ストーリー >来たるべき近未来。一見平和な世界の蔭で暗躍する「組織」があった。~ その組織と対抗すべく、国連特殊部隊として作られた秘密救助隊。~ 2つの組織の闘いは秘密裏に繰り広げられていた。~ だが、ある時事態は急変した。~ 世界各国の軍隊の中枢を掌握した「組織」が、一斉に世界規模のクーデターを起こしたのだ。~ しかも「組織」は一基で、人類の3分の2を殺傷出来る兵器を開発していると言う。~ 一刻の猶予もない。世界中のエキスパート達に非常召集がかけられた。~ 事態は一刻を争う。隊長のリヴァー・N・ホワイト卿の命令が下る。~ 「全兵器使用許可。総攻撃開始!」~ 敵は世界各地で彼等を待ち受けている。 ***内容 -操作は1レバー2ボタン。1ボタン連打でショット、2ボタンでスペシャルウェポンが使用できる。また、1ボタンを長押しすると自機によって様々なことができる。 --本作ではショットが最高段階になっても自動でレベルダウンしなくなった((『~スペシャル』では従来通り、フルパワー状態で一定の弾数を撃つとレベルダウンする。))。 --2人プレイする際は所属が同じキャラクターのみ選択できる。『1』『3』と同じ形式。 -アイテム(特定の敵を倒すと出現)を取ると、パワーアップしたりスペシャルウェポンのストックが増えたりする。 --これらのアイテムは獲得すると得点も入る。さらに通称「熟成システム」が採用されており、出現したアイテムを放置しておくと時間の経過と共に獲得した際に入る得点が上昇し、最大で1つ1万点になる((得点の上昇率はアイテムにより区々だが、目安としてアイテムが画面端で10回跳ね返ると1万点になっている。ただし10回跳ね返ったあとはそのまま画面外に消えるため注意。なお、時間が止まっている間にも熟成は進む。))。 -最初のステージは「京都」、第4ステージは「ウラル山脈」で固定されており、第2、第3ステージは「マットグロッソ((ブラジル中部の州。))」、「パリ」、「アルプス」の3ステージのうち2つをランダムで攻略する。 --第4ステージが終わるとコースが分岐するようになる。ただし、『3』や『スペシャル』のようにステージを自由に選択することはできない。 ---それぞれのステージは、いずれも『初代』から『3』までに戦いの舞台となった場所である。また、ほとんどのステージでこれまでの作品に登場したボスが中ボスやステージ最後のボスとして出現する。 -ゲームオーバーになってコンティニューすると、その場かステージの最初のどちらから復活するかを選択できる。 --その場で復活する際はフルパワーアップアイテムが出現するため、ボス戦で復活しても火力不足で苦戦するということはまずない。ただし最終ステージは例外で、その場で復活しようとするとステージの始めからとなり、ステージの最初から復活しようとすると自機を選択し直した上でステージの最初から復活する。 ***キャラクター紹介 ※括弧内は搭乗機体名 //移動速度は参考程度にしてください。 -メカキートン(F-117N シーホーク) #region(''「正義のためなら何をしてもいいんだぁ」'') >本名ブラスター・キートン。かつて瀕死の重傷を負った際に機械の身体となり一命を取り留める。悪を許さず正義のために戦う熱血野郎。もともとは米国海軍に所属しており、湾岸戦争にも参加した。普通の人間だったころの彼にそっくりな双子の弟がいる。 -所属:アメリカ -ショット:''ニードルショット'' 前方集中型。幅は狭いが連射力はかなり高い。最高段階は4。 -サブウェポン:''ドリルミサイル'' 敵に当たるとめり込んでいくドリル状のミサイルを発射する。 -スペシャルウェポン:''メガキートンMkIII'' キートンが巨大化する。発動中に1ボタンを押すと正面に貫通効果を持った「キートンビーム」を発射する。さらに巨大化中に上、下、上、上、1ボタンの順で素早く入力すると、「キートン・ハート・ビーム」という効果が切れるまで敵を追尾するビームを発射する。最大5発まで所持可能。 -長押し:''ドリル・ザ・ヘッジホッグ'' 自機正面にドリルミサイルを固定する。通常のドリルミサイルより少し威力が上がっており、一定時間が経過すると自動で発射される。また、固定中は敵弾を防ぐ効果がある。 -スピード:普通 #endregion -シルバー大尉(A-10 サンダーボルトII) #region(''「ランディ、かたきは討つ!」'') >退役軍人。謎の「組織」に殺された部下であり戦友であったランディの敵を討つために参戦する。妻子はいない。肩にはランディの形見であるインコのフリントが乗っており、大尉の言葉を真似て話す。スキンヘッドと大きな鼻が特徴。 -所属:アメリカ -ショット:''ラージショット'' 前方集中型。威力は高め。最高段階は3。 -サブウェポン:''クラスター爆弾'' 高威力の爆弾2発を斜め前方に発射する。 -スペシャルウェポン:''ペイブウェイ'' 宙返りをして前方に爆弾を投下する。威力は高く、宙返り中は被弾しない。最大6発まで所持可能。 -長押し:''35mmガトリング'' 正面に超高威力のショットをする。使用中はサブウェポンも同時に発射される。射程が短く、着弾した場所にしか攻撃判定がないため扱いは難しい。 -スピード:非常に遅い #endregion -緋炎(真FS-X) #region(''「謎また謎の航空忍者」'') >「御前」と呼ばれる人物から命令を受けて平和のために戦う航空忍者。本名を始めプロフィールのほとんどが謎に包まれている。過酷な任務も確実にこなす頼りになる男。忍者部隊の頭領で、有能な部下が何人もいるという。 -所属:日本 -ショット:''手裏剣ショット'' ばらつきはあるが前方集中型。最高段階ではクナイ手裏剣の形状になり、当たった敵にしばらく刺さったままダメージを与え続ける。最高段階は4。 -サブウェポン:''万死刀(マンジトウ)'' 様々な刃物の形をした誘導兵器。敵に向かって一直線に飛んで行く。 -スペシャルウェポン:''忍者ビーム'' 緋炎の忍術。正面に貫通ビームを発射する。最大5発まで所持可能。 -長押し:''烏丸陣(カラスマジン)'' 手裏剣型の刀「烏丸」を正面に発射する。1ボタンを押す時間が長いほど幅広になる。溜めている間はバリアのようにも見えるが敵弾を消す効果はない。 -スピード:速い #endregion -真尾まお(F-15DJ イーグル) #region(''「世界唯一!'' ''超音速アイドル」'') >アイドル歌手。航空自衛隊の一日司令官の仕事中、写真撮影のために乗った戦闘機が勝手に発進してしまい戦いに巻き込まれてしまう。本人も気づいてはいないが実は超能力者で、少しだけ時間を止めることができる。 -所属:日本 -ショット:''ノーマルショット'' 前方集中型。性能は平均的。最高段階は4。 -サブウェポン:''緑の疾風'' 貫通効果を持った追尾レーザーを発射する。 -スペシャルウェポン:''E・ウェイブ'' 発動と同時に画面全体の敵弾を消し、一定時間敵の動きを止める。最大5発まで所持可能。 -長押し:''マジカルレーザーシャワー'' 前方広範囲に貫通レーザーをばらまく。溜め時間が短いことから連続で使用し易いが威力は低い。 -スピード:全機体中最速 #endregion -ヴォルク(Ka-50 ホウカム) #region(''「死を忘れた男」'') >厚手のコートに身を包んだ謎の多い男。コードネームは「ヴォルク・ザ・ノーデッド」。戦闘能力は極めて高く「組織」の内情に詳しいことから、かつて「組織」の戦士だったのではないかと言われている。 -所属:ロシア -ショット:''ラージショット'' 前方集中型。自機の左右移動に合わせて方向が変わる。最高段階は3。 -サブウェポン:''AT16'' 自機より前方の敵に向かって飛んでいく対戦車ミサイルを発射する。威力は比較的高い。 -スペシャルウェポン:''DA援護爆撃'' 後方から飛来した味方の爆撃機が画面全体を爆撃する。飛来する爆撃機はTu-95ベアとTu-160ブラックジャックの2種類であり、敵弾の消えるタイミングが異なる((Tu-95の方が遅い。))。最大4発まで所持可能。 //飛来する機体によって威力も変わるらしいが詳細不明。可能な方は追記を求む。 -長押し:''メインショット方向固定'' 1ボタンを押している間メインショットの方向を固定できる。ただし、敵に接近して撃ち込むときはサブウェポンの連射数が増えるため、ボタンを連打した方が威力が高くなる。 -スピード:縦移動…遅い/横移動…やや速い //横移動より縦移動の方が遅いような…。 #endregion -チャイカ&プーシカ(IL-102 シュトルモビク2) #region(''「金髪双子のロシア娘。ああたまらん」'') >金髪セミロングヘアの双子の姉妹。病気の父親の薬代を稼ぐために参戦した。眼鏡をかけた姉のチャイカは常に落ち着いた性格をしており参戦は本意ではないようだ。妹のプーシカはすぐ熱くなる性格で、何でも力で解決しようとするところがあるが姉には敵わないらしい。 -所属:ロシア -ショット:''ロケットショット'' 拡散型。微妙に隙間があるせいで自機の真正面を攻撃できない((とはいえ『3』より隙間は狭くなっているが。))。最高段階は5。 -サブウェポン:''ボンボメターニェ'' 敵に当たるか時間経過で炸裂する爆弾を斜め前方にばらまく。 -スペシャルウェポン:''ボリショイマトリョーシカ'' 巨大なマトリョーシカ人形が現れ画面全体を攻撃する。持続時間は長短様々。時にはロシア文字をばらまいて攻撃することも。最大6発まで所持可能。 -長押し:''57mmマトリョーシカキャノン'' 正面にマトリョーシカ型の弾を発射する。射程制限が無く、威力も高めで扱い易い。 -スピード:遅い #endregion -アンジェラ(ラファルM) #region(''「ちょっと愉快なミュージカルスター」'') >フランスのミュージカルダンサー。自由・平等・博愛のために戦う空の騎士。その人気は絶大で、男女を問わず数多くのファンがいる。パイロットとしての技術にも秀でた男装の麗人((つまりアンジェラは女性ということなのだが…。))。 -所属:NATO -ショット:''ノーマルショット'' 前方集中型。性能は平均的。最高段階は3。 -サブウェポン:''ローズビット'' 薔薇の形をしたビットから前方にフランス国旗と同じトリコロールのビームを発射する。ビットは自機の入力したレバーと反対方向に移動する。ビームは敵を貫通しない。 -スペシャルウェポン:''デルニエール・ルスールス'' 宙返りをして正面に重力弾を投下し、巨大な重力場を発生させる。持続時間は比較的長い。重力場は時間の経過で拡大する。最大5発まで所持可能。 -長押し:''ビットバリア'' ビットが自機の周りを回転し、発生した残像で敵弾を消す。発動中はショットできないため攻撃力が激減する。 -スピード:普通 #endregion -エレン&シンシア(F-14 トムキャット) #region(''「無邪気なお嬢様の大活躍」'') >大富豪の娘シンシアと彼女の家庭教師エレンのコンビ。テレビから影響を受けたシンシアの思い付きで参戦した。搭乗する機体はシンシアが誕生日に親からプレゼントされたもの。操縦はもっぱらエレンが担当している。 -所属:NATO -ショット:''ニードルショット'' 前方集中型。連射性能は高いが威力はあまり高くない。最高段階は5。 -サブウェポン:''フェニックスミサイル'' 敵を追尾するミサイルを発射する。誘導性が高く連射も利く。 -スペシャルウェポン:''トマホーク'' 後方から大量のミサイルが飛来し、画面全体を攻撃する。最大5発まで所持可能。 -長押し:''可変翼開閉'' 翼を開閉する。初期状態は閉じており、この状態だと横移動が遅く縦移動が速い。開くと横移動が速く縦移動が遅くなり、当たり判定が若干幅広になる。 -スピード:縦移動…速い/横移動…やや遅い(翼を閉じた状態。開いた状態ではこれと反対になる。) #endregion -コウフル・ザ・ヴァイキング(AJ37 ヴィゲン) #region(''「野獣の肉体に天才の頭脳」'') >本人いわく、北欧ヴァイキングの末裔。綽名は「空飛ぶ筋肉大魔王」。世界を救うため、という名目で自分の力を試すために参戦した。豪快な性格と筋骨隆々な外見からは想像しにくいが、ゲームが好きで優秀な科学者でもある。 -所属:スウェーデン -ショット:''ラージショット'' 前方集中型。威力は高め。最高段階は3。 -サブウェポン:''メタルシュツルム'' 前方広範囲にロケット弾を撃ちまくる。威力は高い。 -スペシャルウェポン:''トールハンマー'' 宙返りをして、敵を貫通するミサイルを発射する。宙返り中は被弾しない。最大6発まで所持可能。 -長押し:''RB04E対艦ミサイル'' 正面に高威力の大型ミサイルを発射する。弾消し効果もある。ミサイルには耐久力が存在し敵や敵弾に触れることで減り、なくなるとミサイルが消滅する。発射に必要な溜め時間が長いことが弱点。 -スピード:普通 #endregion -T.B. A-10(F-104 スターファイター) #region(''「脅威の全自動戦闘システム」'') >コウフルがスウェーデン軍の依頼で完成させた完全自律型戦闘システムの端末。プログラムが暴走し、自分が世界最強であることを証明するために自分以外の兵器を消し去ることを目論むようになる。元々はコウフルがゲームの相手役として造ったもの。 -所属:スウェーデン -ショット:''レーザーショット'' 前方集中型。威力は低めだが敵を貫通する。最高段階は4。 -サブウェポン:''フロートマイン'' 敵弾を消す機雷を発射する。威力自体も高い。 -スペシャルウェポン:''スーパーナパーム'' 自機周囲の一定範囲に大爆風を起こす。持続時間は短い。最大4発まで所持可能。 -長押し:''フロートマイン2型'' 敵弾を消す空中停止型の機雷を設置する。一定時間の経過か敵や敵弾に触れると消滅する。 -スピード:縦移動…普通/横移動…遅い #endregion -ホワイティ(YF-23A) #region(''「自然を守る暴れん坊イルカ」'') >大阪梅田のミニ水族館で育った、自称「天才イルカ」。自然を壊す人間を許せず参戦する。ノリが軽く大阪弁を話す。どうやって戦闘機を入手したのか、それを操縦するのかは謎。兄と弟がいるらしい。 -所属:P.K.F.((Peace Keeping Forcesの略称。国連平和維持軍とも。)) -ショット:''アクアショット'' 前方集中型。連射力は高い。最高段階は4。 -サブウェポン:''ソニックウェイブ'' 前方に超音波を発射する。発射から時間が経つほど幅広になる。 -スペシャルウェポン:''アクアストーム'' 自機後方から波が押し寄せて画面全体を洗い流す。最大4発まで所持可能。 -長押し:''アクアプレジャー'' 敵を貫通する高圧の水塊を正面に発射する。溜めている間はショットできず、弾消し効果もないため注意が必要。 -スピード:普通 #endregion -リヴァー・N・ホワイト卿(AV-8B ハリアーIIプラス) #region(''「まだまだ若いもんには負けんよ」'') >国際秘密救助隊の隊長。普段は人当たりのいいおじさんだが、第二次世界大戦でエースの称号を受けた実力者でもある。世界の平和を守るために参戦する。娘が2人いる。連れている猫の名前はピクタス。 -所属:P.K.F. -ショット:''3WAYショット'' レベルアップで3WAYになる。最高段階は4。 -サブウェポン:''スネークナパーム'' 蛇行しながら進む火柱を発射する。貫通効果あり。 -スペシャルウェポン:''ヘルフレイム'' 垂直に上昇してから前方広範囲に爆炎を発生させる。威力は高いものの、爆炎はV字状に広がるため正面を攻撃できない。また、爆炎の届く距離が比較的短い((垂直上昇中も低速ながら移動は可能であり、これで調節する必要がある。))。最大6発まで所持可能。 -長押し:''垂直上昇'' 一時的に垂直上昇し、敵の攻撃を回避する。タイミングを合わせるのは難しいが、何度でも使用できるため慣れれば回避手段として心強いものになる。 -スピード:やや遅い #endregion ---- **評価点 -良い意味でいつも通りの作風 --個性的なキャラクターや進行のテンポなど本作もシリーズの良さをしっかりと受け継いでいる。 ---キャラクターは前述した通り非常に個性的。ステージをクリアした際の言葉や会話からもそれぞれの個性がはっきり伝わってくる。さらに各機体もコウフルのように攻撃力の高さと攻撃範囲の広さを兼備した初心者向けのものから、アンジェラのように攻撃範囲が狭くサブウェポンの癖が強い上級者向けのものまで性能が明確に異なっており、様々な機体を選択して何度もプレイしてみようかという気になりやすい。 ---ステージが短めに構成されていることや前半ステージがランダムに決定されることも同様で、テンポの良さが損なわれておらず前半の同じステージでつまずいてばかりで先に進めないということがあまりない。 ---エンディングがアーケードのシリーズ作品としては最多の57種類が用意されている(1人プレイ&最終面別で36種類・2人プレイ&最終面別で18種類・各最終面のラスボスを逃がした時のバッドエンディング3種類)。その中にはかつてのプレイヤーキャラクターが登場するものもあり、隠し以外で自機となっていたキャラクターは全員がどこかのエンディングに登場している。 ---ちなみに本作のバッドエンディングは「某MMR」のノリそのまんま。((何のことか全然わからない人のために説明すると「な、なんだってー!!」のアレ。)) -レベルダウン制の廃止 --『スペシャル』まで採用されていた「ショット最高段階からのレベルダウン」が廃止され、ミス(撃墜)以外ではレベルダウンしなくなった。 ---本作では中ボス級の敵が続けざまに出現したり、大量の小型機が押し寄せたりするなど必然的にショットを多用する場面が多く、レベルダウン制が残っていればたとえミスをしていなくとも否応なく不利になっていたことは明らかである。廃止を決断した制作者の判断は正しかった。 -縦画面 --『2』『3』で最大の問題となっていた横画面から縦画面に戻った。前2作に存在した違和感がこれで解消されたことになる。 **賛否両論点 -隠しキャラクターの削除 --移植元の『スペシャル』では使用できた隠しキャラクター「北白川小兎美」と「謎の男」が使用できなくなった。 ---北白川小兎美が隠しコマンドで「ボスをも瞬殺できる必殺技」や「敵弾を消す武器」を使用できたことを考えると、ゲームバランスの崩壊を招きかねないとして削除され、二人プレイ時の相方がいなくなった謎の男も共に削除された…というところだろうか。もっとも下記にある通り難易度がかなり上昇しているため、初心者向け機体として残しておいてもよかった気がするが。ちなみに最近発売されたソニックウイングスのサントラCDのDISC 3(リミテッドの曲が収録)には隠しキャラのBGMが収録されている。どうして登場しないキャラのBGMが収録されているのか不明。 ---- **問題点 -難易度の上昇 --本作もこれまでと同様に覚え要素が強い作品であるが、敵弾の数が序盤からかなり多く、従来作に比べ難易度が上昇している。 --前半のランダムステージを見ても「耐久力の高い敵は少ないが自機狙いの弾を放つ小型機が多方向から出現する」マットグロッソステージ、「複数の大型機が続けざまに出現し、小型機が絶え間なく自機をめがけて攻撃してくる」パリステージ、「道中は他の2ステージと比べて易しいが、ボスが『3』の第7ステージに出現した((最終ステージの1つ前。当然、本作に登場するにあたってある程度の変更はされている。))要塞マキシムゴーリキー」のアルプスステージ、と初心者なら聞いているだけで尻込みしそうになる。当然、後半はさらに敵も敵弾も増える。 ---加えて受け継いだ難点として、ミスからの復帰の難しさが挙げられる。ミスをすると自機の状態が初期化され、その際パワーアップアイテムは1つしか出現しない。基本的にサブウェポンは「最高段階の1つ前の段階」から使用可能という仕様なので、アイテムを獲得する機会のないボス戦でミスをすると、ショット最高段階が4以上の機体の場合はサブウェポンのない状態で戦うことになる。 -ルート分岐 --本作のルート分岐は『3』や『スペシャル』とは異なり、分岐する先を自由に選択できない。基本的には「一定スコアの達成」が分岐の条件であり、ステージを自分で選択するには相応の実力が必要になる。 --『3』や『スペシャル』のような様々なステージを攻略する楽しみや、自分の得意なステージを選択してより簡単にエンディングへ到達するという戦略性が薄れたとも言える。 //---もっとも、かなり厳しい条件をも突破できる実力があるからこそハイスコア争いに参加する権利もあるのだという考えが理解できないでもないが。 #region(分岐の条件) -第5ステージ --ウラル山脈ステージ終了時点でスコアが50万点未満→地中海 --スコアが50万点以上→ニューヨーク -第6ステージ: --第5ステージ終了時点でスコアが55万点未満→赤の広場 --スコアが55万点以上→パナマ運河 -最終ステージ: --第6ステージ終了時点でスコアが60万点未満→衛星軌道上 --スコアが60万点以上→異空間 --パナマ運河ステージ終了時点でスコアが60万点以上かつ''ノーミス''→火星 -火星ステージは開始直後からボスが登場し、時折出現する敵がフルパワーアップアイテムを落とすようになっている。アイテムは最初からかなりの高得点(一つ2000点)で、これがいくつも入手できることからハイスコアを狙うなら必ずこのステージに来る必要がある。 --しかしパナマ運河ステージに到達すること自体難しい((ニューヨークステージには大量に獲得できる隠しボーナスアイテムが存在するため、ここに到達することができればそう難しいことではないと思われる。完全な余談だが続くパナマ運河ステージにも隠しボーナスアイテムが2箇所に存在する。))うえ、ゲーム開始からそこをクリアするまでミスが許されないこともあり、火星ステージへ行くにはかなりの実力が要る。 #endregion ---- **総評 過去のシリーズ作品を踏まえて制作された本作は、ゲームテンポと個性的なキャラクターというシリーズを通しての良さを受け継いでいる。キャラクターだけでなくそれぞれの機体性能も大幅に異なり、単にキャラクターが個性的というだけに留まらず様々な自機でプレイする楽しみを与えることに一役買っている。シューティングゲームとしては間違いなく良作の部類に入るだろう。 しかし、敵の攻撃が激しくなったことで難易度が上昇してしまったという事実も否めない。~ また、ルート分岐は存在するものの進みたいステージを選択するには相応の実力が必要で、過去の作品にあったような戦略性が薄れてしまった。これまでのように初心者から上級者まで多くの人が楽しめるというよりは、一定以上の技術が身についた人なら楽しめる作品となっており、多少ではあるが初心者がとっつきにくくなったことが惜しまれる。 ---- **余談 -一部のステージでは過去の作品のBGMをアレンジしたものが使用されている。 -本作は、先行してSS/PSで発売された家庭用STG『ソニックウイングス スペシャル』のAC逆移植版である。 --家庭用は、ゲーム内容としては佳作だったが処理落ちの多さやBGMのチープさで評価を落としていた。のちにスタッフは「ハード性能の限界で当初納品した音楽を鳴らすと動作すらままならなくなり、音数を1つ減らして動作確認、それでも駄目なのでまた音数を減らして…と繰り返した結果」だと明かしている。((BGMを手掛けた細井総司氏が同様のことをインタビューで語っている。)) --本作は、そういった家庭用で実現できなかった要素を全て盛り込んだ「完全版」だと言える。 -作中の演出はかなり細かいところに凝っており、最初の京都ステージだけでも隠しフィーチャーが11箇所存在する((最初の「止マレ」が「止レマ」になっているのは制作者のミスではなく、宝島社が発行する雑誌で連載されている読者投稿コーナー『VOW』のネタを再現したもの。))。 //(2019/10/12訂正)開発スタッフの一人なんとか文彦氏のtwitterにて //https://twitter.com/nantoka_ausf_D/status/1174157388468740096 //上記のツイートを受け、脚注の訂正を行いました。誤った情報を掲載しましたことをここにお詫びいたします。大変申し訳ありませんでした。 --「当時ビデオシステムの本社があった建物を破壊した際、こちらに手を振ってくるスタッフが増える」というものや、「道路の「バス専用」のバスという文字がある人物((普通は「緑色」のバスが「赤色」になることがある、と言えば伝わる人もいるのではないだろうか。))の名前に変わることがある」というもの、「マットグロッソステージでは開始直後に%%残念ながら%%撃ち込み点は入らないが[[鳥の群れが現れる>バトルガレッガ]]」などとやりたい放題である。改めて当時は大らかな時代だったのだと思わずにはいられない。 ---ランキングのネームエントリーで「例の3文字」を入力すると、入力した文字が変化する。そのバリエーションがかなり豊富で、同社のマスコットキャラクター「すくすく犬福」のアイコンに変化することもある。 -稀に通常の最終ボスに代わって隠しボスが登場することがある。 #region(どんなやつらかと言うと) -衛星軌道上ステージには「パンドラ」(『初代』の最終ボス、「おさる」ではない方)が、異空間ステージには「ドニ改」(『3』の2周目の東京ステージボスだった戦車)がそれぞれ隠しボスとして出現する。出現条件は特になく、共に一定確率で出現するようになっている。戦闘時には普通の最終ボス戦BGMではなく、それぞれ専用のBGMが流れる。 #endregion
*SONIC WINGS LIMITED 【そにっくういんぐす りみてっど】 |ジャンル|シューティング|~| |対応機種|アーケード|~| |販売元|ビスコ|~| |開発元|ビデオシステム|~| |稼働開始|1996年|~| |プレイ人数|1~2人|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[SONIC WINGSシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『SONIC WINGS』シリーズ最後のアーケード作品。『[[初代>SONIC WINGS]]』から『[[3>SONIC WINGS 3]]』までの内容を踏まえた総集編とも呼べる作品。全7ステージを攻略するとゲームクリア。~ 本作は家庭用作品の『スペシャル』をアーケード用に逆移植したもので、そちらとはシステム等に異なる部分がある。 ネオジオ作品の前2作と異なり縦画面になっており、プレイ感覚は『初代』に近い。~ ***ストーリー >来たるべき近未来。一見平和な世界の蔭で暗躍する「組織」があった。~ その組織と対抗すべく、国連特殊部隊として作られた秘密救助隊。~ 2つの組織の闘いは秘密裏に繰り広げられていた。~ だが、ある時事態は急変した。~ 世界各国の軍隊の中枢を掌握した「組織」が、一斉に世界規模のクーデターを起こしたのだ。~ しかも「組織」は一基で、人類の3分の2を殺傷出来る兵器を開発していると言う。~ 一刻の猶予もない。世界中のエキスパート達に非常召集がかけられた。~ 事態は一刻を争う。隊長のリヴァー・N・ホワイト卿の命令が下る。~ 「全兵器使用許可。総攻撃開始!」~ 敵は世界各地で彼等を待ち受けている。 ***内容 -操作は1レバー2ボタン。1ボタン連打でショット、2ボタンでスペシャルウェポンが使用できる。また、1ボタンを長押しすると自機によって様々なことができる。 --本作ではショットが最高段階になっても自動でレベルダウンしなくなった((『~スペシャル』では従来通り、フルパワー状態で一定の弾数を撃つとレベルダウンする。))。 --2人プレイする際は所属が同じキャラクターのみ選択できる。『1』『3』と同じ形式。 -アイテム(特定の敵を倒すと出現)を取ると、パワーアップしたりスペシャルウェポンのストックが増えたりする。 --これらのアイテムは獲得すると得点も入る。さらに通称「熟成システム」が採用されており、出現したアイテムを放置しておくと時間の経過と共に獲得した際に入る得点が上昇し、最大で1つ1万点になる((得点の上昇率はアイテムにより区々だが、目安としてアイテムが画面端で10回跳ね返ると1万点になっている。ただし10回跳ね返ったあとはそのまま画面外に消えるため注意。なお、時間が止まっている間にも熟成は進む。))。 -最初のステージは「京都」、第4ステージは「ウラル山脈」で固定されており、第2、第3ステージは「マットグロッソ((ブラジル中部の州。))」、「パリ」、「アルプス」の3ステージのうち2つをランダムで攻略する。 --第4ステージが終わるとコースが分岐するようになる。ただし、『3』や『スペシャル』のようにステージを自由に選択することはできない。 ---それぞれのステージは、いずれも『初代』から『3』までに戦いの舞台となった場所である。また、ほとんどのステージでこれまでの作品に登場したボスが中ボスやステージ最後のボスとして出現する。 -ゲームオーバーになってコンティニューすると、その場かステージの最初のどちらから復活するかを選択できる。 --その場で復活する際はフルパワーアップアイテムが出現するため、ボス戦で復活しても火力不足で苦戦するということはまずない。ただし最終ステージは例外で、その場で復活しようとするとステージの始めからとなり、ステージの最初から復活しようとすると自機を選択し直した上でステージの最初から復活する。 ***キャラクター紹介 ※括弧内は搭乗機体名 //移動速度は参考程度にしてください。 -メカキートン(F-117N シーホーク) #region(''「正義のためなら何をしてもいいんだぁ」'') >本名ブラスター・キートン。かつて瀕死の重傷を負った際に機械の身体となり一命を取り留める。悪を許さず正義のために戦う熱血野郎。もともとは米国海軍に所属しており、湾岸戦争にも参加した。普通の人間だったころの彼にそっくりな双子の弟がいる。 -所属:アメリカ -ショット:''ニードルショット'' 前方集中型。幅は狭いが連射力はかなり高い。最高段階は4。 -サブウェポン:''ドリルミサイル'' 敵に当たるとめり込んでいくドリル状のミサイルを発射する。 -スペシャルウェポン:''メガキートンMkIII'' キートンが巨大化する。発動中に1ボタンを押すと正面に貫通効果を持った「キートンビーム」を発射する。さらに巨大化中に上、下、上、上、1ボタンの順で素早く入力すると、「キートン・ハート・ビーム」という効果が切れるまで敵を追尾するビームを発射する。最大5発まで所持可能。 -長押し:''ドリル・ザ・ヘッジホッグ'' 自機正面にドリルミサイルを固定する。通常のドリルミサイルより少し威力が上がっており、一定時間が経過すると自動で発射される。また、固定中は敵弾を防ぐ効果がある。 -スピード:普通 #endregion -シルバー大尉(A-10 サンダーボルトII) #region(''「ランディ、かたきは討つ!」'') >退役軍人。謎の「組織」に殺された部下であり戦友であったランディの敵を討つために参戦する。妻子はいない。肩にはランディの形見であるインコのフリントが乗っており、大尉の言葉を真似て話す。スキンヘッドと大きな鼻が特徴。 -所属:アメリカ -ショット:''ラージショット'' 前方集中型。威力は高め。最高段階は3。 -サブウェポン:''クラスター爆弾'' 高威力の爆弾2発を斜め前方に発射する。 -スペシャルウェポン:''ペイブウェイ'' 宙返りをして前方に爆弾を投下する。威力は高く、宙返り中は被弾しない。最大6発まで所持可能。 -長押し:''35mmガトリング'' 正面に超高威力のショットをする。使用中はサブウェポンも同時に発射される。射程が短く、着弾した場所にしか攻撃判定がないため扱いは難しい。 -スピード:非常に遅い #endregion -緋炎(真FS-X) #region(''「謎また謎の航空忍者」'') >「御前」と呼ばれる人物から命令を受けて平和のために戦う航空忍者。本名を始めプロフィールのほとんどが謎に包まれている。過酷な任務も確実にこなす頼りになる男。忍者部隊の頭領で、有能な部下が何人もいるという。 -所属:日本 -ショット:''手裏剣ショット'' ばらつきはあるが前方集中型。最高段階ではクナイ手裏剣の形状になり、当たった敵にしばらく刺さったままダメージを与え続ける。最高段階は4。 -サブウェポン:''万死刀(マンジトウ)'' 様々な刃物の形をした誘導兵器。敵に向かって一直線に飛んで行く。 -スペシャルウェポン:''忍者ビーム'' 緋炎の忍術。正面に貫通ビームを発射する。最大5発まで所持可能。 -長押し:''烏丸陣(カラスマジン)'' 手裏剣型の刀「烏丸」を正面に発射する。1ボタンを押す時間が長いほど幅広になる。溜めている間はバリアのようにも見えるが敵弾を消す効果はない。 -スピード:速い #endregion -真尾まお(F-15DJ イーグル) #region(''「世界唯一!'' ''超音速アイドル」'') >アイドル歌手。航空自衛隊の一日司令官の仕事中、写真撮影のために乗った戦闘機が勝手に発進してしまい戦いに巻き込まれてしまう。本人も気づいてはいないが実は超能力者で、少しだけ時間を止めることができる。 -所属:日本 -ショット:''ノーマルショット'' 前方集中型。性能は平均的。最高段階は4。 -サブウェポン:''緑の疾風'' 貫通効果を持った追尾レーザーを発射する。 -スペシャルウェポン:''E・ウェイブ'' 発動と同時に画面全体の敵弾を消し、一定時間敵の動きを止める。最大5発まで所持可能。 -長押し:''マジカルレーザーシャワー'' 前方広範囲に貫通レーザーをばらまく。溜め時間が短いことから連続で使用し易いが威力は低い。 -スピード:全機体中最速 #endregion -ヴォルク(Ka-50 ホウカム) #region(''「死を忘れた男」'') >厚手のコートに身を包んだ謎の多い男。コードネームは「ヴォルク・ザ・ノーデッド」。戦闘能力は極めて高く「組織」の内情に詳しいことから、かつて「組織」の戦士だったのではないかと言われている。 -所属:ロシア -ショット:''ラージショット'' 前方集中型。自機の左右移動に合わせて方向が変わる。最高段階は3。 -サブウェポン:''AT16'' 自機より前方の敵に向かって飛んでいく対戦車ミサイルを発射する。威力は比較的高い。 -スペシャルウェポン:''DA援護爆撃'' 後方から飛来した味方の爆撃機が画面全体を爆撃する。飛来する爆撃機はTu-95ベアとTu-160ブラックジャックの2種類であり、敵弾の消えるタイミングが異なる((Tu-95の方が遅い。))。最大4発まで所持可能。 //飛来する機体によって威力も変わるらしいが詳細不明。可能な方は追記を求む。 -長押し:''メインショット方向固定'' 1ボタンを押している間メインショットの方向を固定できる。ただし、敵に接近して撃ち込むときはサブウェポンの連射数が増えるため、ボタンを連打した方が威力が高くなる。 -スピード:縦移動…遅い/横移動…やや速い //横移動より縦移動の方が遅いような…。 #endregion -チャイカ&プーシカ(IL-102 シュトルモビク2) #region(''「金髪双子のロシア娘。ああたまらん」'') >金髪セミロングヘアの双子の姉妹。病気の父親の薬代を稼ぐために参戦した。眼鏡をかけた姉のチャイカは常に落ち着いた性格をしており参戦は本意ではないようだ。妹のプーシカはすぐ熱くなる性格で、何でも力で解決しようとするところがあるが姉には敵わないらしい。 -所属:ロシア -ショット:''ロケットショット'' 拡散型。微妙に隙間があるせいで自機の真正面を攻撃できない((とはいえ『3』より隙間は狭くなっているが。))。最高段階は5。 -サブウェポン:''ボンボメターニェ'' 敵に当たるか時間経過で炸裂する爆弾を斜め前方にばらまく。 -スペシャルウェポン:''ボリショイマトリョーシカ'' 巨大なマトリョーシカ人形が現れ画面全体を攻撃する。持続時間は長短様々。時にはロシア文字をばらまいて攻撃することも。最大6発まで所持可能。 -長押し:''57mmマトリョーシカキャノン'' 正面にマトリョーシカ型の弾を発射する。射程制限が無く、威力も高めで扱い易い。 -スピード:遅い #endregion -アンジェラ(ラファルM) #region(''「ちょっと愉快なミュージカルスター」'') >フランスのミュージカルダンサー。自由・平等・博愛のために戦う空の騎士。その人気は絶大で、男女を問わず数多くのファンがいる。パイロットとしての技術にも秀でた男装の麗人((つまりアンジェラは女性ということなのだが…。))。 -所属:NATO -ショット:''ノーマルショット'' 前方集中型。性能は平均的。最高段階は3。 -サブウェポン:''ローズビット'' 薔薇の形をしたビットから前方にフランス国旗と同じトリコロールのビームを発射する。ビットは自機の入力したレバーと反対方向に移動する。ビームは敵を貫通しない。 -スペシャルウェポン:''デルニエール・ルスールス'' 宙返りをして正面に重力弾を投下し、巨大な重力場を発生させる。持続時間は比較的長い。重力場は時間の経過で拡大する。最大5発まで所持可能。 -長押し:''ビットバリア'' ビットが自機の周りを回転し、発生した残像で敵弾を消す。発動中はショットできないため攻撃力が激減する。 -スピード:普通 #endregion -エレン&シンシア(F-14 トムキャット) #region(''「無邪気なお嬢様の大活躍」'') >大富豪の娘シンシアと彼女の家庭教師エレンのコンビ。テレビから影響を受けたシンシアの思い付きで参戦した。搭乗する機体はシンシアが誕生日に親からプレゼントされたもの。操縦はもっぱらエレンが担当している。 -所属:NATO -ショット:''ニードルショット'' 前方集中型。連射性能は高いが威力はあまり高くない。最高段階は5。 -サブウェポン:''フェニックスミサイル'' 敵を追尾するミサイルを発射する。誘導性が高く連射も利く。 -スペシャルウェポン:''トマホーク'' 後方から大量のミサイルが飛来し、画面全体を攻撃する。最大5発まで所持可能。 -長押し:''可変翼開閉'' 翼を開閉する。初期状態は閉じており、この状態だと横移動が遅く縦移動が速い。開くと横移動が速く縦移動が遅くなり、当たり判定が若干幅広になる。 -スピード:縦移動…速い/横移動…やや遅い(翼を閉じた状態。開いた状態ではこれと反対になる。) #endregion -コウフル・ザ・ヴァイキング(AJ37 ヴィゲン) #region(''「野獣の肉体に天才の頭脳」'') >本人いわく、北欧ヴァイキングの末裔。綽名は「空飛ぶ筋肉大魔王」。世界を救うため、という名目で自分の力を試すために参戦した。豪快な性格と筋骨隆々な外見からは想像しにくいが、ゲームが好きで優秀な科学者でもある。 -所属:スウェーデン -ショット:''ラージショット'' 前方集中型。威力は高め。最高段階は3。 -サブウェポン:''メタルシュツルム'' 前方広範囲にロケット弾を撃ちまくる。威力は高い。 -スペシャルウェポン:''トールハンマー'' 宙返りをして、敵を貫通するミサイルを発射する。宙返り中は被弾しない。最大6発まで所持可能。 -長押し:''RB04E対艦ミサイル'' 正面に高威力の大型ミサイルを発射する。弾消し効果もある。ミサイルには耐久力が存在し敵や敵弾に触れることで減り、なくなるとミサイルが消滅する。発射に必要な溜め時間が長いことが弱点。 -スピード:普通 #endregion -T.B. A-10(F-104 スターファイター) #region(''「脅威の全自動戦闘システム」'') >コウフルがスウェーデン軍の依頼で完成させた完全自律型戦闘システムの端末。プログラムが暴走し、自分が世界最強であることを証明するために自分以外の兵器を消し去ることを目論むようになる。元々はコウフルがゲームの相手役として造ったもの。 -所属:スウェーデン -ショット:''レーザーショット'' 前方集中型。威力は低めだが敵を貫通する。最高段階は4。 -サブウェポン:''フロートマイン'' 敵弾を消す機雷を発射する。威力自体も高い。 -スペシャルウェポン:''スーパーナパーム'' 自機周囲の一定範囲に大爆風を起こす。持続時間は短い。最大4発まで所持可能。 -長押し:''フロートマイン2型'' 敵弾を消す空中停止型の機雷を設置する。一定時間の経過か敵や敵弾に触れると消滅する。 -スピード:縦移動…普通/横移動…遅い #endregion -ホワイティ(YF-23A) #region(''「自然を守る暴れん坊イルカ」'') >大阪梅田のミニ水族館で育った、自称「天才イルカ」。自然を壊す人間を許せず参戦する。ノリが軽く大阪弁を話す。どうやって戦闘機を入手したのか、それを操縦するのかは謎。兄と弟がいるらしい。 -所属:P.K.F.((Peace Keeping Forcesの略称。国連平和維持軍とも。)) -ショット:''アクアショット'' 前方集中型。連射力は高い。最高段階は4。 -サブウェポン:''ソニックウェイブ'' 前方に超音波を発射する。発射から時間が経つほど幅広になる。 -スペシャルウェポン:''アクアストーム'' 自機後方から波が押し寄せて画面全体を洗い流す。最大4発まで所持可能。 -長押し:''アクアプレジャー'' 敵を貫通する高圧の水塊を正面に発射する。溜めている間はショットできず、弾消し効果もないため注意が必要。 -スピード:普通 #endregion -リヴァー・N・ホワイト卿(AV-8B ハリアーIIプラス) #region(''「まだまだ若いもんには負けんよ」'') >国際秘密救助隊の隊長。普段は人当たりのいいおじさんだが、第二次世界大戦でエースの称号を受けた実力者でもある。世界の平和を守るために参戦する。娘が2人いる。連れている猫の名前はピクタス。 -所属:P.K.F. -ショット:''3WAYショット'' レベルアップで3WAYになる。最高段階は4。 -サブウェポン:''スネークナパーム'' 蛇行しながら進む火柱を発射する。貫通効果あり。 -スペシャルウェポン:''ヘルフレイム'' 垂直に上昇してから前方広範囲に爆炎を発生させる。威力は高いものの、爆炎はV字状に広がるため正面を攻撃できない。また、爆炎の届く距離が比較的短い((垂直上昇中も低速ながら移動は可能であり、これで調節する必要がある。))。最大6発まで所持可能。 -長押し:''垂直上昇'' 一時的に垂直上昇し、敵の攻撃を回避する。タイミングを合わせるのは難しいが、何度でも使用できるため慣れれば回避手段として心強いものになる。 -スピード:やや遅い #endregion ---- **評価点 -良い意味でいつも通りの作風 --個性的なキャラクターや進行のテンポなど本作もシリーズの良さをしっかりと受け継いでいる。 ---キャラクターは前述した通り非常に個性的。ステージをクリアした際の言葉や会話からもそれぞれの個性がはっきり伝わってくる。さらに各機体もコウフルのように攻撃力の高さと攻撃範囲の広さを兼備した初心者向けのものから、アンジェラのように攻撃範囲が狭くサブウェポンの癖が強い上級者向けのものまで性能が明確に異なっており、様々な機体を選択して何度もプレイしてみようかという気になりやすい。 ---ステージが短めに構成されていることや前半ステージがランダムに決定されることも同様で、テンポの良さが損なわれておらず前半の同じステージでつまずいてばかりで先に進めないということがあまりない。 ---エンディングがアーケードのシリーズ作品としては最多の57種類が用意されている(1人プレイ&最終面別で36種類・2人プレイ&最終面別で18種類・各最終面のラスボスを逃がした時のバッドエンディング3種類)。その中にはかつてのプレイヤーキャラクターが登場するものもあり、隠し以外で自機となっていたキャラクターは全員がどこかのエンディングに登場している。 ---ちなみに本作のバッドエンディングは「某MMR」のノリそのまんま。((何のことか全然わからない人のために説明すると「な、なんだってー!!」のアレ。)) -レベルダウン制の廃止 --『スペシャル』まで採用されていた「ショット最高段階からのレベルダウン」が廃止され、ミス(撃墜)以外ではレベルダウンしなくなった。 ---本作では中ボス級の敵が続けざまに出現したり、大量の小型機が押し寄せたりするなど必然的にショットを多用する場面が多く、レベルダウン制が残っていればたとえミスをしていなくとも否応なく不利になっていたことは明らかである。廃止を決断した制作者の判断は正しかった。 -縦画面 --『2』『3』で最大の問題となっていた横画面から縦画面に戻った。前2作に存在した違和感がこれで解消されたことになる。 **賛否両論点 -隠しキャラクターの削除 --移植元の『スペシャル』では使用できた隠しキャラクター「北白川小兎美」と「謎の男」が使用できなくなった。 ---北白川小兎美が隠しコマンドで「ボスをも瞬殺できる必殺技」や「敵弾を消す武器」を使用できたことを考えると、ゲームバランスの崩壊を招きかねないとして削除され、二人プレイ時の相方がいなくなった謎の男も共に削除された…というところだろうか。もっとも下記にある通り難易度がかなり上昇しているため、初心者向け機体として残しておいてもよかった気がするが。ちなみに最近発売されたソニックウイングスのサントラCDのDISC 3(リミテッドの曲が収録)には隠しキャラのBGMが収録されている。どうして登場しないキャラのBGMが収録されているのか不明。 ---- **問題点 -難易度の上昇 --本作もこれまでと同様に覚え要素が強い作品であるが、敵弾の数が序盤からかなり多く、従来作に比べ難易度が上昇している。 --前半のランダムステージを見ても「耐久力の高い敵は少ないが自機狙いの弾を放つ小型機が多方向から出現する」マットグロッソステージ、「複数の大型機が続けざまに出現し、小型機が絶え間なく自機をめがけて攻撃してくる」パリステージ、「道中は他の2ステージと比べて易しいが、ボスが『3』の第7ステージに出現した((最終ステージの1つ前。当然、本作に登場するにあたってある程度の変更はされている。))要塞マキシムゴーリキー」のアルプスステージ、と初心者なら聞いているだけで尻込みしそうになる。当然、後半はさらに敵も敵弾も増える。 ---加えて受け継いだ難点として、ミスからの復帰の難しさが挙げられる。ミスをすると自機の状態が初期化され、その際パワーアップアイテムは1つしか出現しない。基本的にサブウェポンは「最高段階の1つ前の段階」から使用可能という仕様なので、アイテムを獲得する機会のないボス戦でミスをすると、ショット最高段階が4以上の機体の場合はサブウェポンのない状態で戦うことになる。 -ルート分岐 --本作のルート分岐は『3』や『スペシャル』とは異なり、分岐する先を自由に選択できない。基本的には「一定スコアの達成」が分岐の条件であり、ステージを自分で選択するには相応の実力が必要になる。 --『3』や『スペシャル』のような様々なステージを攻略する楽しみや、自分の得意なステージを選択してより簡単にエンディングへ到達するという戦略性が薄れたとも言える。 //---もっとも、かなり厳しい条件をも突破できる実力があるからこそハイスコア争いに参加する権利もあるのだという考えが理解できないでもないが。 #region(分岐の条件) -第5ステージ --ウラル山脈ステージ終了時点でスコアが50万点未満→地中海 --スコアが50万点以上→ニューヨーク -第6ステージ: --第5ステージ終了時点でスコアが55万点未満→赤の広場 --スコアが55万点以上→パナマ運河 -最終ステージ: --第6ステージ終了時点でスコアが60万点未満→衛星軌道上 --スコアが60万点以上→異空間 --パナマ運河ステージ終了時点でスコアが60万点以上かつ''ノーミス''→火星 -火星ステージは開始直後からボスが登場し、時折出現する敵がフルパワーアップアイテムを落とすようになっている。アイテムは最初からかなりの高得点(一つ2000点)で、これがいくつも入手できることからハイスコアを狙うなら必ずこのステージに来る必要がある。 --しかしパナマ運河ステージに到達すること自体難しい((ニューヨークステージには大量に獲得できる隠しボーナスアイテムが存在するため、ここに到達することができればそう難しいことではないと思われる。完全な余談だが続くパナマ運河ステージにも隠しボーナスアイテムが2箇所に存在する。))うえ、ゲーム開始からそこをクリアするまでミスが許されないこともあり、火星ステージへ行くにはかなりの実力が要る。 #endregion ---- **総評 過去のシリーズ作品を踏まえて制作された本作は、ゲームテンポと個性的なキャラクターというシリーズを通しての良さを受け継いでいる。キャラクターだけでなくそれぞれの機体性能も大幅に異なり、単にキャラクターが個性的というだけに留まらず様々な自機でプレイする楽しみを与えることに一役買っている。シューティングゲームとしては間違いなく良作の部類に入るだろう。 しかし、敵の攻撃が激しくなったことで難易度が上昇してしまったという事実も否めない。~ また、ルート分岐は存在するものの進みたいステージを選択するには相応の実力が必要で、過去の作品にあったような戦略性が薄れてしまった。これまでのように初心者から上級者まで多くの人が楽しめるというよりは、一定以上の技術が身についた人なら楽しめる作品となっており、多少ではあるが初心者がとっつきにくくなったことが惜しまれる。 ---- **余談 -一部のステージでは過去の作品のBGMをアレンジしたものが使用されている。 -本作は、先行してSS/PSで発売された家庭用STG『ソニックウイングス スペシャル』のAC逆移植版である。 --家庭用は、ゲーム内容としては佳作だったが処理落ちの多さやBGMのチープさで評価を落としていた。のちにスタッフは「ハード性能の限界で当初納品した音楽を鳴らすと動作すらままならなくなり、音数を1つ減らして動作確認、それでも駄目なのでまた音数を減らして…を繰り返した結果こうなってしまった」と明かしている。((また、BGMを手掛けた細井総司氏も同様のことをインタビューで語っている。)) --本作は、そういった家庭用で実現できなかった要素を全て盛り込んだ「完全版」だと言える。 -作中の演出はかなり細かいところに凝っており、最初の京都ステージだけでも隠しフィーチャーが11箇所存在する((最初の「止マレ」が「止レマ」になっているのは制作者のミスではなく、宝島社が発行する雑誌で連載されている読者投稿コーナー『VOW』のネタを再現したもの。))。 //(2019/10/12訂正)開発スタッフの一人なんとか文彦氏のtwitterにて //https://twitter.com/nantoka_ausf_D/status/1174157388468740096 //上記のツイートを受け、脚注の訂正を行いました。誤った情報を掲載しましたことをここにお詫びいたします。大変申し訳ありませんでした。 --「当時ビデオシステムの本社があった建物を破壊した際、こちらに手を振ってくるスタッフが増える」というものや、「道路の「バス専用」のバスという文字がある人物((普通は「緑色」のバスが「赤色」になることがある、と言えば伝わる人もいるのではないだろうか。))の名前に変わることがある」というもの、「マットグロッソステージでは開始直後に%%残念ながら%%撃ち込み点は入らないが[[鳥の群れが現れる>バトルガレッガ]]」などとやりたい放題である。改めて当時は大らかな時代だったのだと思わずにはいられない。 ---ランキングのネームエントリーで「例の3文字」を入力すると、入力した文字が変化する。そのバリエーションがかなり豊富で、同社のマスコットキャラクター「すくすく犬福」のアイコンに変化することもある。 -稀に通常の最終ボスに代わって隠しボスが登場することがある。 #region(どんなやつらかと言うと) -衛星軌道上ステージには「パンドラ」(『初代』の最終ボス、「おさる」ではない方)が、異空間ステージには「ドニ改」(『3』の2周目の東京ステージボスだった戦車)がそれぞれ隠しボスとして出現する。出現条件は特になく、共に一定確率で出現するようになっている。戦闘時には普通の最終ボス戦BGMではなく、それぞれ専用のBGMが流れる。 #endregion

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