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ブラストオフ - (2010/12/04 (土) 07:34:08) の最新版との変更点
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*ブラストオフ
【ぶらすとおふ】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|アーケード|~|
|発売・開発元|ナムコ|~|
|稼動開始日|1989年|~|
|ポイント|ボスコニアン三部作の中間作&br()あまりにも変わり果てたゲーム性&br()シューティングとしては大味で雑|~|
|>|CENTER:&color(black){ボスコニアンシリーズ}&br()ボスコニアン/''&color(black){ブラストオフ}''/[[ファイナルブラスター]]|~|
**概要
-1981年にアーケードにてリリースヒットした全方向移動型縦シューティング『ボスコニアン』の正式な続編にあたる一作。本作は完全なる強制縦スクロールシューティングとなっている。
-ボスコニアンの続編ではあるが、一部の敵や背景、及びシステムに前作の名残があるものの、ゲーム内容はほぼ完全に別ゲー化している。
-一人~二人交互プレイ可能、全6ステージ×3エリア構成。
**主なルール
-使用するボタンはショットとフォーメーションチェンジ(以下切り替え)の二つ。ショットボタンは押しっぱなしで溜め撃ちが可能。
--切り替えボタンは押す度にショットの射程方向を4種類のいずれかにチェンジさせる。以下その性能を示す(カッコ内はチェンジする度に変化する自機の色、矢印はボタンチェンジの順位)。
---(赤)…初期状態。自機前方のみに攻撃範囲の広いショットを放つ
---⇒(青)自機前方と後方に単発ショットを各一方向、計二方向に放つ
---⇒(オレンジ)自機前方と左右二箇所に単発ショットを各一方向、計三方向に放つ
---⇒(緑)自機斜め左右前方と後方に単発ショットを各一方向、計三方向に放つ
---⇒以降は赤ショットからループ切り替えとなる
-各ステージは3つのエリアに分かれており、一つ目のエリアは基地上空(ボスなし)、二つ目は基地突入前(~中ボス)、三つ目は基地内部(~ステージボス)という構造となっている。
--一つ目のエリアにて時折出現する敵である「偵察機」を破壊せずに画面外に逃してしまうと、「コンディションレッド」常態となり一時的に敵の猛攻が激しくなるというペナルティがある。逆にいえば偵察機を破壊さえすればレッド常態は回避でき、また、レッド常態に耐えきるかミスすると通常のコンディションに戻る。
--三つ目のエリアは画面表示の比率がでかくなり、自機や敵キャラなどが大きく表示される。その影響で若干敵の攻撃が避けにくくなる。
--また、三つ目のエリアの最後に潜むボス戦に突入すると、強制的にコンディションレッド常態となってしまう。但し、これはあくまでも基地の最終防衛ラインでの激戦という演出であり、ペナルティという訳ではない。
-戻り復活の残機制で、全部なくなるとゲームオーバーとなる。
**批評点
-ボスコニアンの続編として登場した本作だが、前作プレイヤーですら初見で続編と判断するのが困難と思える程に外観もゲーム性も豹変しており、まずこの辺が批判材料となってしまった。
-また、1989年のアーケード作としてはグラフィックが地味でチープであり、同時期の縦シューティングと比べてもいまいちパッとしない外見であったのも問題とされる。
--おそらくは前作のレトロさを醸し出すためにあえてチープにしたという説もある。実際、自機や敵に比べると、背景の書き込みはそれ相当の繊細さであったのが根拠である。
-シューティングとしてもあまり練られておらず、はっきりいって大味で雑なバランスという意見が多い。敵の使い回しも多く、すべての中ボスや本ボス(ラスボスも含む)のパーツのほとんどがコンパチであり、先に進んでも新鮮味が薄いのも評判の悪さに拍車をかける有様であった。
-ショット切り替えに関しても慣れてしまうと、一部を除けば無理に切り替えをする必要性が薄く、ショットを固定したプレイになりがちであった。
-ただし、BGMに関する評価は非常に高く、「ゲームとしては微妙だが、BGMを聞くが為にプレイしたくなる」という魅力を持ったゲームであった。後の『[[逆鱗弾]]』とかなり似たような存在といったところか。
--有名シューティングの続編がガッカリだった事例は『[[究極タイガーII]]』や『[[沙羅漫蛇2>http://www23.atwiki.jp/ksgmatome/pages/1043.html]]』などが割と有名だが、本作はガッカリ以前に続編である事すらも気付かれないという、ある意味可哀想な存在であった。
**総評
-もちろんシューティングとしてはそれなりには遊べるのでクソゲーとは程遠い存在だが、90年もすぐ近くという時期にこの出来はちょっとアレという厳しい評価を下されているのが現状とされる。
-奇しくも、同年に同じショット切り替え型シューティングである『[[ヘルファイヤー]]』がリリースされた。しかも、ヘルファイヤーの方が切り替えの戦略性を多く持っている影響で、本作の切り替えの存在が隠れてしまいがちなのも不遇だった。
-本作の翌年に、PCエンジン専用の続編として『ファイナルブラスター』がリリースされた。こちらは本作の使い回しの多さや大味なバランスは幾らか改善されているものの、こっちはこっちで敷地が高い作風に仕上がっており賛否が分かれる存在となっている。
-家庭用移植には一切関わっておらず、基盤などを購入しない限りは直接家でプレイする機会はない。ナムコミュージアムや、一時期Wiiのバーチャルコンソールにて連続配信されたナムコ制アーケードにも本作の収録はなく、とことん日の目を見る機会に恵まれないゲームである(ちなみに前作『ボスコニアン』、続編『ファイナルブラスター』はVC配信済み)。
*ブラストオフ
【ぶらすとおふ】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|アーケード(SYSTEM1)|~|
|発売元|ナムコ|~|
|開発元|NHシステム|~|
|稼動開始日|1989年|~|
|プレイ人数|1~2人(交互プレイ)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|ボスコニアン3部作の中間作&br()前作から変わり果てたゲーム性&br()シューティングとしての微妙さ|~|
|>|CENTER:''ボスコニアンシリーズ''&br()[[ボスコニアン]]/''ブラストオフ''/[[ファイナルブラスター]]|~|
|>|CENTER:''[[UGSFシリーズリンク>UGSFシリーズ]]''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
1981年にアーケードゲームとしてリリースし人気を博した全方向移動型縦シューティング『[[ボスコニアン]]』の正式な時系列上の続編。~
本作は完全強制型の縦スクロールシューティングへとジャンル変更されており、前作とはゲームシステムがほぼ別物化している。
アーケードゲームに関しては自社開発がメインだった当時のナムコとしては珍しい外注開発作品。開発は『[[メルヘンメイズ]]』の実績があるNHシステムが担当した。
地球軍が開発した戦闘機「ブラスター」を操作し、悪名高き「ボスコニアン軍」との戦いが再び幕を開けるというストーリー設定。
全6ステージ((ゲーム中ではラウンド表記だが、本ページではステージ表記に統一している。))×3エリア構成。
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**ゲームルール
-''操作体系''
--レバーでブラスター(以下:自機)の操作。使用するボタンはショットとフォーメーションチェンジ(以下:切り替え)の2つ。
---レバーで8方向移動操作。
---ショットボタンで切り替え中のショットを撃つ。ボタン押しっぱなしによる溜め撃ちも可能。
---切り替えボタンで今使用しているショットの切り替えを行う。切り替えや各ショットの発射回数に制限はない。&br()ボタンを押す度に自機の色が「赤 ⇒ 青 ⇒ 橙 ⇒ 緑 ⇒ 以後赤からループ」の順に変化し、それぞれ性能が異なる色のショットを撃てる。
--以下4種類のショットの性能を表記する。
#region(ショット性能の詳細)
|''赤ショット''|赤い自機のショット。「前方に2方向」のショットを撃つ。各ショットはお互いが交互を繰り返す形で発射される。&br()前方に対しては非常に広い攻撃範囲を誇るが、その性質上、破壊不能な敵や壁に吸収されやすいという欠点もある。|~|
|''青ショット''|青い自機のショット。「前方に1方向」「後方に1方向」の計2方向ショット撃つ。&br()前後同時攻撃ができるのはいいが、それ以外の自機周辺が無防備で使い勝手はあまり良くない。|~|
|''橙ショット''|橙の自機のショット。「前方に1方向」「左右にお互い1方向ずつ」の計3方向ショットを撃つ。&br()このゲームでは自機の両端から敵が攻めてくるケースも多いため、活用できる機会が多い。|~|
|''緑ショット''|緑の自機のショット。「左右斜め前方にお互い1方向ずつ」「後方に1方向」の計3方向ショットを撃つ。&br()青ショットの前方斜め攻撃版といった性能だが、前方ががら空きになってしまうので使いどころが難しい。|~|
#endregion()
-''ステージ・エリア構成について''
--各ステージは3つのエリアに分かれており、それぞれに構造やクリア条件が異なる。
---エリア1の「基地上空戦」ではボスがおらず奥まで進むとクリアとなる。後述の偵察機が出現するのはこのエリアのみ。
---エリア2の「基地前戦」では基地侵入の防衛にあたる中ボス戦となり、それを倒せばクリアとなる((ステージ6は高速スクロールでの道中戦のみが発生し、中ボス戦は存在しない。))。道中戦はないため、エリアの中では短期戦となる。
---エリア3の「基地内部戦」では道中戦の後に基地の最終防衛にあたるボス戦となり、それを倒せばステージクリアとなる。&br()このエリアでは自機や敵の表示比率が大きくなり、密閉感の強い戦況を強いられる。また、壁の配置率が高くショットが遮られやすい。
-''コンディションについて''
--前作に引き続き、「コンディション」による敵状態の変化が発生する場面がある。
---各ステージのエリア1には時折「偵察機」という敵が出現する。偵察機不在では「コンディションブルー」、出現すると「コンディションイエロー」となる。
---偵察機を破壊できないままに画面外に逃してしまうと、「コンディションレッド」となり一時的に敵の猛攻が激しくなる。
---コンディションレッドを耐えきるかミスするとコンディションブルーへと戻る。以後、エリア1をクリアするまでコンディションの変動は続く。
--各ステージのエリア3ボス戦では強制的にコンディションレッドになってしまう。
---しかし、これは単なる「基地の最終防衛ラインでの激戦」を表現した演出に過ぎず、ゲーム的な意味でのペナルティではない。
-''ミス条件について''
--残機制を採用しており、残機がすべてなくなるとゲームオーバーとなる。ミス後は戻り復活となる。
---自機がいかなる状態であろうと敵・敵弾・壁に触れると一撃ミスとなる。
---本作にはアイテムやパワーアップに該当するものは存在しない。すなわち常にショット性能が不変であり、ミス後の復活時において戦況が不利になる心配はない。
--当時のアーケードゲームの通例で、クレジットが続く限りコンティニューは可能。
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**評価点
-''良くいえば初心者向け''
--当時のアーケードシューティングとしては大人しい難易度で、オールクリアが比較的容易い部類に属する。
---あからさまな初見殺しは少なく、大半の場面ではアドリブ重視で攻略ができる。パターンを覚えるとあっけない位にステージクリアできる場面も多い。
---コンディションレッドに巻き込まれなければミスの危険がある程度抑えられるため、先手必勝で偵察機を潰していく攻略が有効となる。
---ボス関連の敵が全体的に貧弱で、拍子抜けな位にあっさりと撃破できてしまいやすい。むしろそれまでの道中戦の方が難しいと感じる。
-''BGM関連は極めて高評価''
--BGMのクオリティは優秀で、「ゲームとしては微妙だが、BGMを聞きたいがためにプレイしたくなる」という声も多く聞かれる。
---王道なSF系ゲームミュージックといった趣旨の楽曲で、かっこよさと神秘性が交わったBGMの数々がゲームを盛り上げている。
**問題点
-''ゲームとしての微妙さ''
--『ボスコニアン』の続編として登場した本作だが、前作プレイヤーが続編と判断するのが困難と思える程にゲーム性が異なる。
---この時点で「これは『ボスコニアン』ではない」と断言され、ゲームのプレイを見送る者もかなり多かったと言われる。
--これでまだゲームとして作り込まれているのならば救いがあるのだが、残念ながらゲームそのものの評価も芳しくない。
---敵配置の適当さや、先のステージに進んでも敵の顔ぶれの変化に乏しい点が大きく批判される。平成に差し掛かった時期に稼働したゲームとは思えないとの指摘も。
---特にボス関連の敵は「数種類の素材を組み合わせただけ」という安直なものばかりで、「このステージならでは」という特色のボスが皆無なのも批判対象になる。
--元々のコンセプトは『ボスコニアン2(仮名)』を作ることだったが、以下の事情でこのような出来となってしまった。
---ナムコの営業サイドから「全方向スクロールは一般シューターには馴染めないから」との理由で縦スクロールになったと企画原案/メインプログラマーの中村伸武氏は述べている。
---さらに中村氏曰く「本当は作り直す予定だったが、ロケテストの評判がなまじ良かったため(こちらの意志は無視され)見切り発車で正式リリースしてしまった」とも述べている。
---すなわち「''『ボスコニアン』の設定であれば別ゲームでもいい''」「''未調整のままリリースせざるを得なくなった''」という要因でこうなったらしい。
//中村氏の発言はゲー夢エリア51発行の同人誌『テレビゲーム綺譚』のインタビュー記事より。
-''グラフィック周りも微妙''
--同時期のアーケードゲームと比べると、殺風景気味な外観でどうもパッとしないグラフィックと批判される。
---色使いがワンパターンで華やかさが薄い面が目立つ。1989年のアーケードゲームとしては外観のチープさ、どことなく漂う前世代感が大きく付きまとう。
---本作の前にナムコからリリースされた『[[ドラゴンスピリット]]』や『[[オーダイン]]』と比べても、グラフィック周りのグレードが落ちているという声も多い。
--しかしながら、前作のレトロさを醸し出すためにあえてチープにした可能性もある。
---前作が80年代初期のゲームなので、リスペクトを込めてレトロ風のグラフィックにしたのかもしれない。そう考えると多少の合点がいく。
---自機や敵のグラフィックに比べると、背景の書き込みはそれ相当の繊細さで描かれている場面もある。決して美術レベルの何もかもが低品質という訳ではない。
-''ショットを使い分ける楽しみが薄い''
--本作の売りであろうショットの切り替えシステムがあまり練られておらず、頻繁に切り替えをする必然性が少ない。
---プレイしていく内に使いやすいショットを固定してしまいがちで、結局はショットを連打するだけのプレイスタイルになりやすい。
---「このショットは特定の敵に対する属性が付く」などの作り込みはされておらず、一部を除けば無理な切り替えを避けた方が攻略しやすい。
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**総評
シューティングとしてはそれなりの出来で、格別にゲームとしての不備があるわけでもなく無難に遊べる内容ではある。~
しかし、あまりにも『ボスコニアン』らしさを排してしまった作りや、ゲームそのものの微妙な内容もあってシューターからの評価はよろしくない。
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**その後の展開
-本作の翌年にボスコニアン3部作の最終作にあたる『[[ファイナルブラスター]]』がPCエンジンオリジナルゲームとして発売された。
--本作とはゲームシステムがさらに変更されているものの、本作の微妙な要素がほとんど解消され、シリーズの締めとしては上々の出来となっている。
-家庭用移植及びDL配信は一切されておらず、基板などを購入しない限りは直接家でプレイする機会はない。
--歴代のナムコミュージアムシリーズや、Wii版バーチャルコンソールアーケードにも本作の収録は見送られ、どこまでも日の目を見る機会に恵まれないゲームである。
--なお、『ボスコニアン』と『ファイナルブラスター』はかつてWii版バーチャルコンソールで配信されていた(2019年1月27日配信終了)。