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'70年代風ロボットアニメ ゲッP-X」を以下のとおり復元します。
*'70年代風ロボットアニメ ゲッP-X
【ななじゅうねんだいふうろぼっとあにめ げっぴーえっくす】
|ジャンル|アクションシューティング|#amazon(B000092PMK)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|アローマ|~|
|開発元|セブンコンピュータライズドクリエイションズ(プログラム)&br()アローマ|~|
|発売日|1999年5月27日|~|
|定価|6,800円|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|名前からして怪しい&br()超豪華スタッフによる壮大な悪ふざけ&br()やたらと強い主人公機&br()溢れるスーパーロボット愛&br時代が早すぎた|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
3形態に変形可能なロボット、ゲッP-Xを操り、地球侵略を企む宇宙悪魔帝国と戦うアクションシューティングゲーム。~
(ゲームシステム上は3形態だが、設定上は3機の戦闘機の合体によるパターン違い。なお分離した戦闘機形態で戦う機会は存在しない)

『70年代のロボットアニメ番組へのオマージュ』というコンセプトからも分かるように、主役ロボやキャラのデザイン・設定からキャラクターボイスなどが70年代の実在ロボットアニメへのオマージュに満ち満ちており、アニメ番組を模した劇中演出が色濃い。ゲーム性よりもこれらの演出を楽しむことに重点が置かれた作風が特徴となっている。

**評価点
-熱いストーリー
--'70年代ロボットアニメ風の熱いストーリー。そのノリをそのまま再現しているため為、今の目では突っ込みどころ満載だが、ある意味お約束。
--記憶を無くした敵幹部(美女)との悲恋など、お約束も踏襲している。

-超豪華スタッフ
--勿論ゲーム部分の開発はアローマ自身だが、外部スタッフは無名ブランドのオリジナル作品としては信じられないほど豪華。
---主役の神谷明氏(ゲッターロボの主役)を始めとした多数の大御所声優。
---主題歌の ささきいさお氏を始めとしたアニソン歌手の大御所が8人も集められステージごとに違う挿入歌を歌う。
---主題歌や幕間劇のムービーはAICと大張正己氏。
--''売れなければ(ギャラ的に)ヤバイ面子''であり、''結局売れなかった為、アローマは解散の憂き目に遭う。''
--ストーリーと歌詞は、後にロリコン物の18禁漫画家として有名になる企画者の八的暁氏。

-それなりに遊べるゲームパート
--内容が内容の為、デモのおまけとされるゲームパートだが…。
--バリバリのシューターには''簡単すぎる''難易度。しかしデモ目当ての似非シューターには十分楽しめる難易度である。~
何よりも、ゲーム自体がシューティングとしてのゲーム性よりも演出面に重点を置いているため、難易度に煩わされることがないのは妥当な配慮であるといえる。
--一見、自機は大きいが胸の部分にしか当たり判定が無く、ライフ残機併用制のため難易度は低い。しかも変形時の無敵(通称:オープンゲット)で回避もできる(変形直後には硬直がある)。コンティニュー回数には制限が有るが(一周クリアで無限コンティニュー可)、各話ごとにセーブもできる。
--3形態それぞれに使い道がある。遅く射撃も弱いX3号も固い敵に張り付いてパンチ連打で瞬殺と言う事が出来る。

-充実の図鑑
--一度見た味方や敵、ムービーが図鑑に登録される。特にムービーを何度でも見放題なのは珍しい。ただし、静止画でのデモシーンは登録されない。

**バカゲーな点
//伏字のために読みにくくなっており、またネタの分からない人に対しても不親切なため解除させてもらいます。
-評価点と被る部分もあるが。

-何処かで見た事ある様な…。
--主人公機は『ゲッターロボ』、後半の強化型・ゲッP-XX(だぶるえっくす)は『ゲッターロボG』にそっくり。味方のワイルドジョンもゲッターロボのテキサスマックそのもの。
--全てのボスに対し毎回違う必殺技ムービーが用意されているが、何処かで見たような必殺技ばかり。
---例えば最初の「ゲッP-Xブーメラン」は''神谷氏に「ブゥゥゥメラン!」と叫んで欲しかったから''と図鑑で白状している(神谷シャウトの代名詞、ゲッターロボのトマホークブーメラン)。
--要するに本作は『[[ゲッターロボ>ゲッターロボ大決戦!]]』のオマージュ作品であり、ダイナミックプロからも許可を取っている。
---元々『ゲッPロボ』の名前で開発していたが、ダイナミックプロから許可を取る際に修正箇所の指摘を受けた上で「そこさえ直せばそのまま通してよい」とのお言葉を貰ったものの、開発上で問題が浮上したため、いったんお蔵入りになった後、改めて『ゲッP-X』のタイトルで企画・制作されたという。
---裏を返すと、当初の企画は何かまずい部分があって修正を受けたわけである。ここまでやっても大丈夫なのに、いったいどんなヤバい要素が入っていたのか。
//ダイナミックプロ公認な点が書かれていないと、これより下の解説が不自然になるので、構成を少し変更したうえでこの位置へ戻しておきます。
//第一「ゲッターロボそのまんま」かつ「公式認可済み」てのは明らかに本作のキモであって、余談に置いとくような話じゃないものと。

-いや、それだけか……?
--EDでは腕組みした状態で通天閣に腰掛けるゲッP-X。''完膚なきまでに[[デビルマン]]である''。%%サイズ比がおかしいけど((アニメ版デビルマンは身長を自在に変えることが出来るのでサイズ比の問題は無い。))。%%まぁダイナミックプロつながりなので問題ないのかもしれないが。
--ゲッターロボを始めとしたスーパーロボットは勿論、ガンダムや特撮などパロディの幅は広い。はっきり言って、ダイナミックプロだけの許可じゃ済まない。
---敵幹部「ジャーグ将軍」は池田秀一氏が声を当てているのだが、''[[マスクを着けた金髪の美男子で搭乗機も真っ赤>ガンダムシリーズ]]''。更には額に傷まである((つまり『Ζ』以降なのだろうか?))。
---敵にも何処かで見たようなのが多数おり、1面ボスの登場シーンは『ガメラ』そのもの。''・・・と言うか、まんまガメラのスタッフにムービーを作ってもらっている。''
---「[[ゲッP-Xキック>仮面ライダーシリーズ]]」を決めるシーンでは、''敵の倒れ方までまんまである''((喰らった敵が富士山の火口に落ちていくのだが、スタントマンが自ら飛び降りたような動きを態々再現している。))。更に先の面に登場する「にせゲッP-X」は''ご丁寧に黄色いマフラーを巻いている''((「ショッカーライダー1号」のマフラーの色(主人公は赤)。なおゲッP-XXはマフラーなんて巻いていない。))。

-忠実にテレビ番組を再現した構成。
--各ステージ、主題歌OP→本編Aパート→''CM''→本編Bパート→副主題歌ED→次回予告(→セーブ画面)の構成。
--ゲッP-XXの登場後は主題歌と副主題歌が二番に変わり、ムービーもXX仕様に。
--CMの前後には'70年代らしくアイキャッチが入る。ただし毎回違う絵なのは当時には無い趣向。後の深夜アニメのエンドカード等に近い。
--CMもパロディまみれ。特に可笑しいのを挙げると、
---超X合金X1号(超合金のパロディ)のCMの最後に''「類似品にご注意ください」''。お前が言うな。
---CM中に突然画面が乱れプツリと消える。直後の本編Bパートで''「地震の影響で画面が乱れた事をお詫びします」''とのテロップ。
--特定の形態でBパートのボスを倒すと次回予告がカオス化する。
---''「[[俺様のリサイタルに来ないとぶっとばすぞ>ドラえもんシリーズ]]」''と言い出したり、突然''お便りコーナー''が始まって投稿者を変態認定したり(実際変態行為が書かれていたが)。

-アトランジャー参戦。
--ゲストキャラクターとして青島文化教材社の『合体ロボット アトランジャー』が参戦。他にも母艦のタイガーシャークや兄弟ロボの『古代ロボ コダイガー』も登場する。実は主題歌ムービーに「協力 青島文化教材社」の文字が。
---アトランジャーとはアオシマが創ったオリジナルロボットで、非アニメ化作品ながら70年代当時はそれなりの人気があった。ただし『マジンガーZ』のパチ物扱いもされている。
---ちなみに本ゲームの企画段階ではマジンガーZのそっくりさんが出る予定だった。
--自機としても使用可能で、専用のストーリーまで作られている。ただしストーリー部分は音声違いなだけ。
---ちなみにアトランジャーが主役になった理由はゲッP-Xが完成しなかったから。
---性能はもはやギャグと言えるほど強い。移動は遅いものの攻撃力と防御力は圧倒的。どれぐらいかと言うと、殆どの''ボス戦で攻撃を回避する必要が無い''ぐらい(安置を使っている訳ではない)。さらに見た目はゲッPより大きいがやはり胸にしか当たり判定が無く、バリアも完備(上記のオープンゲット代わり)。溜め撃ちで全画面攻撃が出来る為、雑魚戦も楽勝。
--なぜか同時期にカプセル玩具でアトランジャーが登場している。なにこの偶然。

-防衛軍の秘密兵器も使用可能。
--本編ではかませ犬だった((第1話Aパートで登場。ゲッP-Xに対し「民間人は下がっていなさい」と言って超巨大ビースト(ボス敵)に挑んだものの、殴ったら自分の腕の方が壊れると言う体たらくで、最後は特攻(自爆)まで仕掛けたのに相手は無傷と言う見事な犬死にだった。))防衛軍の秘密兵器「64式」も使用可能。弱いが後半では強力な「74式」にパワーアップ。
--こちらも専用ストーリーがある。しかもアトランジャーと違い完全に専用の物が作られている。内容は特撮ノリ。
---専用ストーリーが無いワイルドジョンとクイーンフェアリーは涙目である。
--ちなみに64式が使える頃には無限コンティニューも出来るようになっているのが普通の為、弱くてもクリアは可能。実は64式並の性能でパワーアップも無いワイルドジョンやクイーンフェアリーの方が厳しい。

-''アメリカ版''
--「もしもアメリカでゲッP-Xが作られたら?」と言う勘違い的な内容。まぁ(80年代だが)『ボルトロン』((日本製アニメ『百獣王ゴライオン』『機甲艦隊ダイラガーXV(フィフティーン)』をアメリカ向けに改編した作品。特にゴライオン(ライオンフォース)は日本以上の大ヒットを飛ばしており、独自の続編が作られたり、2000年代に入っても映画化の企画が持ち上がるほど(版権で揉めてポシャったらしいが)。アメリカ独自の大きなお友達向け高級玩具も発売されている。))と言う例もあるし。

-劇場版
--要はボスラッシュ。
--エクストラモードで唯一専用ムービーを持つ(他は静止画のみ)。
---ただし、このムービーが縦横比4:3(1.3:1)のテレビのオープニング画像の上下を切って2.3:1のシネスコサイズに合わせたと言う物。おかげで見得切りの場面で頭部が画面外に見切れていたりする。さらに映画をテレビ放映する為に左右を縮めて画面に納めたと言う設定の縦横比が可笑しい代物。当時テレビで映画を放送する際に良くあった話で、おそらくはスタッフクレジットが全部映る様にするためだろう。なおこの状態になるのはオープニングのみで、映画本編は左右を切って正しい縦横比で放送している。((これはデジタルテレビ化でワイドビジョンが標準になった現代ではもう起きない現象。それ以前でもビデオ販売を意識して左右いっぱいにスタッフクレジットを出すのを止めた為、左右を切り落とせば良く、ビデオデッキの普及した80年代後半には既に無い現象。もっとも本ムービーにスタッフクレジットは無いし(ただし画面いっぱいの煽り文句がある)、ゲーム画像も本編のままだが。))

-シューティングゲームなのにCD4枚組
--前半4話で1枚、後半4話で1枚×3ルートの計4枚組。
---容量の殆どはデモに費やしている。スタッフの力の入れ具合がよくわかる。
---なお後半3ルートはデモシーンが違うだけで、ゲームパート自体は全く同じ。ラスボスのみエクストラモードで少し違う。勿論、劇場版はボスラッシュの為構成が違う(道中が無いだけだが)。

**総評
「70年代風ロボットアニメ」の冠は伊達ではなく、「70年代風ロボットアニメ」というキーワードに徹底的にこだわりオマージュを散りばめたゲーム中の演出は「プレイヤーを存分に楽しませる」というエンターテイメント性に根差しており、難易度もゲームの世界観やノリを楽しむにちょうどよい具合になっている。スーパーロボットアニメファンであれば、単なる模倣やお遊びのパロディに留まらない、スタッフの熱い思いやこだわりを感じ取ることができるはずだ。~
その分、いかにも「パチモン」と受け取られてしまいかねないタイトルである種のうさん臭さを醸し出してしまい、正当な評価がなされないまま埋もれてしまったことが非常に惜しい。~
「70年代のロボットアニメへのオマージュ」というコンセプトに徹底的にこだわり抜いた演出と世界観の濃さを持つ本作は、それらの要素が重要視される今の時代にあってこそ再評価されるべき一品と言えるだろう。
スーパーロボットアニメファンもそうでない人も、ぜひ、1度手に取ってみてほしい。~

**余談
-70年代のノリが再評価された今でこそプレミア価格の付く作品だが、当時は『機動武闘伝Gガンダム』放送後数年経つとは言え、まだまだ「リアルロボット至上、スーパーロボット(笑」の時代。それどころかロボットアニメ自体が虫の息だった時代であり、ほとんど売れなかったのが惜しまれる。結果アローマは解散となった。
--また雑誌の付録CD-ROM等に提供したデモも悪かった。実は「正式なOP」なのだが、3DCGを駆使した洒落たPV仕様であり「パチ物のクセに何を気取ってるんだ?」との批判の声が強かった。前述の「作品内の主題歌OP」等のゲーム本編を見せれば、スーパーロボット大戦ファンは買っただろうとの意見がある。
--売れていれば続編『ゲッP-XX対アトランジャー』を作る予定だった事が、中古ゲーム誌ユーズドゲームズの取材で明らかになっている。
---題名の元ネタは映画『マジンガーZ対デビルマン』等。もちろん直接対決するわけでなく、序盤は確執があったりするものの((特に『グレートマジンガー対ゲッターロボ』の序盤は双方のパイロットで手柄争いをしていた。))最後は協力して強敵を倒し、お互が健闘を称え合うと言う内容である。
--なお、アローマが消滅している所為で版権が散在しており、アーカイブ化は絶望的らしい。

-ほぼ同じコンセプトのゲームとして『[[超鋼戦紀キカイオー]]』が存在。
--こちらもこちらで「真面目に不真面目」「超豪華なスタッフ&声優陣」「''宿敵ポジションは真紅の機体を駆る仮面の男(CV:池田秀一)''」と、妙な共通点がある。

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