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ドラえもん のび太と妖精の国」を以下のとおり復元します。
*ドラえもん のび太と妖精の国
【どらえもん のびたとようせいのくに】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000068GZH,image);|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|4MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|エポック社|~|
|開発元|エポック社&br;酒田エス・エー・エス (プログラム)&br;ポップハウス (グラフィック)|~|
|発売日|1993年2月19日|~|
|定価|8,000円(税別)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|高めの難易度と強いメッセージ性&br;出番の少ないのび太たち&br;後のシリーズの基本部分は完成されている|~|
|>|>|CENTER:''[[ドラえもんシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ドラえもんのゲームのSFC用ソフト第1作目。~
ゲームのストーリーのテーマは環境問題であり、登場する敵には廃棄物が元になったものが多い。~
SFCのドラえもんのアクションゲーム=難易度が高めという傾向はすでにこの時点で存在した。

**ストーリー
> 野球をしていたのび太の前に現れた、助けを求める花の妖精。~
彼女の話によると、突如出現した怪物らにより妖精の国が荒らされ、女王ユリアスも城の奥深くに幽閉されたという。~
のび太はドラえもんたちを集め、怪物を退治に妖精の国へ出発しようとする。~
だが、怪物の攻撃によりのび太、しずか、ジャイアン、スネ夫の4人が捕われ、さらにドラえもんのひみつ道具まで奪われてしまう。~
残されたドラえもんは、5人の賢者が持つ神器を集めれば妖精の国へ行けることを妖精から聞く。~
のび太たちと妖精の国を救うため、ドラえもんの冒険が始まる。~
(Wikipediaより引用)

**システム
-RPGパート
--ドラえもんを俯瞰視点の2Dマップ上で操作し、街の人たちから次のステージの入り口になる場所の情報を得る。
--情報を得た状態でその場所に行くとアクションステージに入ることが可能。
--スタートボタンで全体マップを表示可能であり、情報を得たステージの入り口は光って表示される。
--物語後半にて妖精の国に移動するとRPGパートは無くなり、以降はキャラを選択してそれぞれのステージを攻略する事になる。全キャラのステージを攻略するとラストステージに突入する。

-アクションパート
--横スクロールの2Dアクションステージを進んでいく。
--基本操作はBでジャンプ、Aでひみつ道具で攻撃、Yでダッシュ、Xで使用する道具の切り替えである。
---落下中にBボタンを連打するとキャラが慌てふためくモーションになる。このときには少し落下速度が遅くなる。
--ステージ中には攻撃に使えるひみつ道具が宝箱に入っていることがある。ゴールすると次のステージの入り口に行くのに必要なひみつ道具が手に入る。
---一部のステージでは最奥部にいる賢者から神器を授かる事になる。賢者からの質問で選択肢が表示される事があり、正しいものを選ばなければステージの入り口に戻されてしまう。
---妖精の国では各ステージのラストにボスが待ち受けている。
--ダメージはライフ制でライフが0になると残機が減る。
---ライフの最大値はステージ中にあるクリスタルを100個集めるごとに1増えるほか、キャンピングカプセルという道具を取ると1増える。

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**評価点
-ドラえもんらしさを演出するひみつ道具の数々
--復元光線といったメジャーなものからゴマロックなんて少しマイナーなひみつ道具も登場。
--水中ステージに行くには深海クリームが、岩で入り口が塞がれた洞窟に入る為にスモールライトが必要と言ったように、ステージへの侵入も各道具の効果を活かした設定になっている。事故で立ち入り禁止の駅にオールマイティパスを使って入ると言ったような少々思い切った展開も。

-決して他人事ではないテーマ
--ストーリーも終盤の展開は当時の劇場版同様、自然環境を大切にしようという強いメッセージ性がこめられており考えさせられるものがある。

-後のシリーズの基本ができている
--ドラえもんを含めた5人それぞれ性能が少しずつ異なっている。
---ドラえもんはひみつ道具での攻撃の威力が高め、のび太は攻撃を連射できる回数が多い、しずかはジャンプ力が高い、スネ夫はダッシュ速度が一番優れている。ジャイアンは岩を押して動かす力と踏みつけ攻撃の威力が高い。
--『[[ドラえもん3 のび太と時の宝玉]]』まで恒例となる、ラストバトルでは全員が順番にラスボスと対決すると言う演出も本作で既に確立している。

-BGMも良質
--ドラえもんらしい明るい曲やのんびりした曲のみならず、不気味な曲や格好いい曲も多数でバリエーションに富んでいる。
--特にラスボス曲のかっこよさはドラえもん作品である事を思わず忘れるほど。次回作のラストバトルでもアレンジ版が使用されている。
--あるステージでは『[[ドラえもん 対決ひみつ道具!!]]』で好評だったラストステージ曲のアレンジが使用されている。
--これらBGMの何曲かは次回作『[[ドラえもん2 のび太のトイズランド大冒険]]』でアレンジされて使用された。

-街の再現
--RPGパートにおいて、原作の街が丸ごと再現されており、のび太の家や空き地といったお馴染みの場所を歩き回ることができるので、原作・アニメの世界に入り込んだような箱庭的な楽しさが味わえる。
--また、ゲーム後半ではその街の上空をタケコプターで駆け巡ることが出来る。前半で駈けずり回った町を見下ろして空を飛ぶカタルシスと、TVで見ていた街並みを自分の意のままに動かせる快感は、主題歌にある有名な一節をゲームの持つ魅力で、文字通り叶えてくれている。

**賛否両論点
-RPGパートにおける人物や建物の大きさがおかしい
--子供たちはドラえもんより一回り小さい、大人たちは建物に入れそうにないほど大きい、家々はマップの地形・壁代わりに敷き詰められている等、サイズ差に違和感がある。屋内については問題ないのだが…。
--次回作『トイズランド大冒険』では建物が特に大きく描かれており、人物とのサイズ差も自然になっている。

-全体的に雰囲気が不気味
--エコロジーをテーマとしている為か、大気汚染や廃棄物などの環境破壊をモチーフとした敵が多く、ステージの背景も気味の悪いものが少なくない。
--暗いBGMで始まるOPから既にその空気を漂わせており、最初か二番目に行く砂場ステージでは早くも薄気味悪いデザインになっている。
--前述の通り、ステージの入り口は街の人から情報を得るのだが、どの情報も妙に怪談チックで、聞いていると薄ら寒くなってくるような噂話が多い。
--ストーリーの節目にて、妖精の国の異変によって地震や雷などの自然災害が起こるのだが、その演出がかなり唐突で怖い。
---マップの特定の地点を通過した際に予兆も無しに(しかもショッキングなBGMと共に)発生するので、とにかく心臓に悪い。
---特に裏山に入る直前で発生する雷は、急に画面が暗くなって雷鳴が響くと言うショッキング極まりない演出で、子供時代にプレイしてトラウマになったと言うプレイヤーも。
--そして妖精の国へ向かう段階になると怪物が町に出現する展開となり、一般市民が全て姿を消し、野比家以外の民家に入れなくなる。
---怪物が姿を見せるのは最初の演出のみで操作中に実際に遭遇することはない。しかしそれ故に町は完全に無人と化し、不安感を煽り立てる。
--また、後半まではドラえもん一人と言う事もあり、心細さが不気味な雰囲気を際立てる。
--次回作『トイズランド大冒険』は不気味なステージを少し残しながらも全体的に明るい雰囲気となっている。

-強過ぎるメッセージ性
--エコロジーというテーマ自体は考えさせられるものだが、少々メッセージが露骨ではないかという意見もある。
--五人の賢者に会うイベントは勿論、一般市民の台詞などにも環境保護の意識を主張するメッセージが多い。エンディングは特に顕著。
--ちなみに前年は『のび太と雲の王国』、その二年前は『のび太とアニマル惑星』と、環境問題を痛烈に訴える大長編がほぼ続けて公開されており、「文明への過度な依存に対する警鐘」と言うテーマでは同年の『のび太とブリキの迷宮』も当てはまる。本作のテーマ性は決してドラえもんという作品からは逸脱しておらず、本作がこういう作風になるのも自然な成り行きと言えよう。

**問題点
-操作性に難有
--移動に際しては慣性がかなり強めで、小さな足場への着地は特に難しめである。

-ステージの難易度が高め
--序盤から動く足場や落下する足場を乗り継ぐギミック、ロープの間を渡る場所などがあり、アクションゲームに慣れていないと進むのは難しい。
--また、序盤は射程が超短い「聖水」か踏みつけでしか攻撃できないため、新しいひみつ道具を入手するまで戦闘の難易度も高め。
---武器の入手を疎かにしていると妖精の国編のボス戦で苦戦することになる。

-セーブ機能がない
--パスワード方式だが、ゲームオーバーにならないとパスワードを見ることができない。

-隠し要素の「鈴」集めが困難
--全ステージ合計で12個の鈴が隠されており、10個集めると攻撃力が倍になるという恩恵があるが、隠し場所がノーヒント。
---一応、鈴は不自然な地形や行き止まりに隠されてることが多い。また当然集めないと攻略が困難ということは全くない。

-のび太たちの出番が少ない
--のび太達は妖精の国に飛ばされた為、ゲームの大半を占めるのび太の町では常にドラえもんのみを操作する。
--ゲーム後半でやっと操作可能になるが、各自のステージ数は2つ+ボスだけ。ラストダンジョンも主人公であるドラえもんで固定なので、あとはラスボス戦でしか使えない。
--おまけにジャンプに優れるしずかは水中ステージ、スピードに優れるスネ夫は精密動作を要求される穴だらけでしかも一定の速度でしか進めない強制スクロールのステージ、パワーに優れるジャイアンはパズル系ステージと、のび太を除きそれぞれの長所を生かせないステージばかり。

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**総評
荒削りではあるが、SFCのドラえもんアクションゲームの基礎を確立した作品として一定の評価はできるゲームである。&br;
だがやはり、ゲームとして残念な面も多く見受けられ、良作にはあと一歩届かなかった作品でもある。

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**余談
-『バーコードバトラーII』とインターフェイスを本体に接続し、パスワード入力で、このゲームの箱のバーコードを入力すると、「てきにあたってもへいき!」と表示され、アクションステージでドラえもんが無敵になる。

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