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ZING ZING ZIP」を以下のとおり復元します。
*ZING ZING ZIP
【じんじんじっぷ】
|ジャンル|シューティング|~|
|対応機種|アーケード|~|
|発売元|テクモ|~|
|開発元|アルュメ|~|
|稼働開始日|1992年|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''ゲームバランスが不安定''|~|
|~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|戦場に鳴り響く''「ヘイヘイヘェ~イ!!」''&br()ファンキーなノリとは裏腹に''鬼畜な難易度''|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
-アルュメ製作テクモ(現:コーエーテクモゲームス)販売の業務用縦画面シューティングゲーム。
--全7ステージ周回制、8方向レバー2ボタン使用。1人~2人プレー可能。

**システム

-ボタン1でショット。ボタン2でボンバーを撃つ。ボンバーは画面に表示されている数だけ使える。

-特定の敵や障害物を壊す事でアイテムが出現する。

-メインショット。最高4段階。
--バルカン(黄)。扇状に広がるショットを撃つ。
--レーザー(青)。一直線に飛ぶ貫通性のあるレーザーを撃つ。
--ファイヤー(赤)。一直線に飛ぶ火球を発射。レバー方向に応じて傾く特性を持つ。
-サブウェポン。メインショットと同時に発射される。最高4段階。
--ホーミング(H)。敵を追尾する誘導ミサイルを発射。
--エックス(X)。自機斜め4方向に直進するミサイルを発射。このミサイルのみ2連装。
--ミサイル(M)。一直線に飛んでいくミサイルを発射。
---メインショットとサブウェポンは同じものを取るとさらにパワーアップする。

-その他のアイテム
--ジェリービーン。ボンバーが1発補充される。
--マックス。装備がフルパワー状態になる。
--1UP。自機を1機増やす。
--勲章。スコアが加算される。

-「ローリング」について
--レバーを左右どちらかに傾けておき、逆方向に向けると自機が回転し2秒程無敵となる。回数制限はない。

**評価点・おバカな点

-プレー中、アクションに応じて様々な掛け声が鳴る。
--アイテムを取得した時は''「オゥイエ~!!」''。
--ローリング発動時には''「ヘイヘイへェ~イ!!」「イヤッホォ~ウ!!」''。
--ボンバー発動時には''「カモン!!ジェリービーン!!」''。
--被弾(ミス)時には''「オゥマイガー!!」''。
---…といった具合でゲーム音声で喋りまくる。

-硬派とファンキーが合わさったシュールな世界観
--タイトル画面のグラフィックは漫画調のコミカルな物で、まず''タイトルだけ見る''と非常にファンキーな作品に見える。
--しかし、ゲーム本編のグラフィック自体は硬派かつ美麗。背景はまるで実写取り込みでもしたかのようなリアル感が出ていて、後述の問題点で述べる白黒ミサイルも滑らかに回転アニメーションする。
--BGMの方もギター全開のヘビーなメタル調で構成されていて、グラフィックの硬派さを引き立てているとも言える。
---…のだが、この硬派な作風の中に上述のノリノリな掛け声が唐突に挿入され、ステージクリア時にはタイトル画面を彷彿させるコミカル調のイラストが登場する為か、プレー中に思わず笑いが吹き出す事も。
--ちなみに、大雑把ではあるがボス戦中にボスのHPが画面上方に表示されるのだが、HPの表示自体もやけに&color(lightgreen){カ}&color(yellow){ラ}&color(orange){フ}&color(red){ル}で、本作のわけのわからない世界観に拍車をかけている。
--ラスボスのグラフィックは筒状の柱に人の顔が浮き出ているという、これまた奇抜極まりないデザインとなっている。
---極め付けはラスボス戦中に出てくる球状の障害物で、何故か「炎」の文字が書かれている。''もうなんでもありの世界である。''

**問題点

ここまで見れば「普通に遊べるバカゲー」とも思える内容だが、本作の最大の欠点は''難易度が高すぎる事''である。~
1面は普通の難易度なのだが、2面から難易度が急激なインフレを起こしこれらの問題点が浮き彫りとなっていく。~

-メイン3種類の武器に何かしらの欠点がある。
--「バルカン」は唯一広範囲をカバー出来るが、火力がない為押されやすい。
--「レーザー」は貫通力こそあるもののラグがある為隙が出来やすい。
--「ファイヤー」は上2つの中間どころと言った性能だが、攻撃範囲が狭いのでやはり人海戦術には弱い。

-敵が『[[達人王]]』ばりに硬い。
--普通の雑魚敵ですらそこそこの耐久力がある。
--中型機以上ともなると出現と同時に張り付いて撃ち込まないと撃破しきれないケースが多々。

-弾のばら撒き方が陰険で''高速弾+低速弾を織り交ぜて引っ切り無しに放ってくる''ものが多い。この為一瞬の判断ミスが死に繋がる。
--比較的ボンバーが出やすい作品ではあるが、回避に安定しない場面が多く途中から弾消しのボンバーが足りなくなる。
---出現と同時に張り付こうにもすぐ弾を撃ってくるものが多いので先手を取りにくい。
--一定時間無敵になる「ローリング」も発動条件に癖がある為に全然救済処置になっていない。

-2面以降に登場する大型の白黒ミサイル(仮)が非常に厄介。
--画面に出現して直進するだけのミサイルだが、破壊時に斜め4方向に撃ち返してくる事に加え飛来速度がそこそこ速く、雑魚と複合して出現する箇所では弾を避けようとしてぶつかる事が多い。
--6面、7面では''隙間なくミサイルが横一列に並んで飛んでくる''場所があり、出現タイミングに合わせてローリングを発動させないとまず回避不可能。

-ボスの攻撃に避けにくいものが多い。
--2面ボスは放射線状に弾を撃つ+自機狙いに弾をばら撒くだけだが、上述のミサイルが一定周期で出現する為、画面上を回ろうとすると結構な確率でミサイルに直撃する。
--5面ボスは本体から放たれる弾が非常に小さくて見辛い。
--7面ボス(ラスボス)では''8方向に弾を撃ちながら自機を追尾する破壊不可能な球状の障害物''が複数出現するが、これの追尾の仕方がややアバウトな為8方向弾に引っかかりやすい。

-このように1周目でさえ相当な難易度を誇るゲームであるにもかかわらず、2周目ではなんと''撃ち返し弾''が加わる。まさに絶望の上塗りと言える。
--2019年現在、1000万達成者が現れていない事が高難易度の証左である。

''その他の問題点''

-キャラクター関連
--本作ではタイトルやステージクリア時に、かの三悪を彷彿とさせるキャラクターが登場するのだが、殆どゲーム内で全く触れられず、どのようなキャラクターなのかイマイチ分からない。
---ちなみに当時のゲーメスト誌では、軽い設定に関しては紹介されていた模様。
--また、エンディングでは彼らから祝福のメッセージが送られるのだが、肝心の1枚絵がチープ。小学生がペイントツールで描いたような出来である。

-BGM自体はメタル調で非常にカッコイイのだが、極端にループが短い関係で盛り上がりにくい。
--超短ループ曲自体は近い時期にリリースされた『[[レゾン]]』等他のアルュメ製ゲーム群でも指摘されている点だが、音質の向上が見られている分「以前よりはマシ」に聞こえてしまうのも事実。

**総評
陽気な見た目や愉快な掛け声といった人を惹きつける要素は大いにあったのだが、上級者以外お断りな行き過ぎた難易度がプレイヤーの間口を狭める結果となってしまった。~
プレー環境がある方は瞬殺を覚悟の上でこの''狂気の世界''を体験してみると良いだろう。

**余談
-コイン投入後、ある条件を満たした状態でスタートボタンを押すと''2周目相当の難易度''でスタートする。

-セイブ開発の『[[雷電]]』に関わっていた駒澤敏亘氏((後のMOSSの代表取締役))が同社退社後、フリーランスとして参加していた。
--今作の開発に参加した後、MOSSを立ち上げ、『[[マッドシャーク]]』を開発することになった。
-本作のレーザー発射時の効果音は『マッドシャーク』に流用されている。

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