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戦場の狼 - (2017/03/03 (金) 19:33:34) の編集履歴(バックアップ)


戦場の狼

【せんじょうのおおかみ】

ジャンル アクションシューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 カプコン
稼動開始日 1985年
ポイント ジオラマ風の渋いグラフィック
ボスキャラなし
前進あるのみ
突っ込みどころ満載注釈にまとめました。
備考 バーチャルコンソールアーケード:2010年10月5日/800Wiiポイント
判定 なし

概要

  • 1985年にてカプコンからアーケードにリリースされた任意だがほぼ強制スクロールの縦アクションシューティング。
  • 孤高の軍人「スーパージョー(主人公)」を操り、敵基地内の関門をひたすら突破していく。
  • 一人~二人交互プレイ可能。全8エリア構成のループ制。

主なルール

  • ス-パージョーを敵兵と交戦しながら、一目散に画面前方に突き進ませて辿りついた関門で敵の総攻撃を凌げばエリアクリア(5000点)となる。
  • ノーミスで進めると敵ランクがアップするらしい。ディップスイッチではLとHの2設定のみ。
  • *1や敵弾に触れたり*2、地面の裂け目(塹壕)や池に落ちるとミス*3となり、残機制の戻り復活*4ですべてなくなるとゲームオーバー。
    • エクステンドは『1942』などの初期カプコン作品にある、100万点までEVERY方式。*5
  • 関門までの敵陣地には敵兵(時々バズーカ兵)が準備満タンで待ち構えている。立ち塞がる敵兵は当然排除しないと無事には進めない。
    • 主な得点元は(うようよ居る)敵兵を倒した点数である。終盤エリアの方が敵兵の配点が高い。
  • 関門では敵兵が大量に展開してくるが、ボス的な存在はいない。大量の敵兵は必ずしもすべてを倒す必要はなく、敵の姿がなくなった時点でクリアとなる。エリア毎に微妙に異なる様々なフューチャーの関門がある。
    • 4の倍数エリアをクリアすれば敵要塞炎上となり*6表面上の目的達成となるが、本作はエンドレスゲームなので延々にエリアが続けられる。*7
  • 操作方法はレバーで主人公の8方向移動と向き調節、ボタンはショットボタンと手榴弾ボタンの2つ。いわゆるボンバーなどの緊急回避は存在しない。
  • ショットボタンにて主人公の向きに自動小銃(以下マシンガン)を放つ。マシンガンは使用無制限で連射が可能だが射程制限がある。
    • だがこのマシンガンは小回りが効きにくく8方向以外の敵兵がこちらの弾幕の間を擦り抜け来る事がある。
    • 更に連射が微妙に途切る。マシンガンを真上に連射しても真横から敵がすり抜ける事もある。
    • 弾速と連射スピードはあるが射程は短い。敵の通常弾よりも短いかもしれない。射程不足を敵に向かって走る事で補うような感覚がある。そのため出会い頭に敵の弾を食らうことが多い。
    • マシンガンは原則的に主人公と同じ段差にいる人型の敵のみに有効であり、乗り物や穴などに隠れるような形で攻撃を仕掛ける敵などには効果がない。但しエリア2の最初のジープだけはマシンガン連射で破壊できる。本ゲーム唯一と言っていい耐久力のある敵ユニットである。*8
  • 手榴弾ボタンにて主人公の前方に手榴弾を投げる。手榴弾はすぐには攻撃判定が発生せず、放物線状に飛んでいく性質がある。距離を計った上で先読みするような感じで使う必要があるため、やや扱いが難しい。
    • 手榴弾はマシンガンでは破壊できない主に待ち伏せしてる敵*9を倒せる効果がある(但し手榴弾でも倒せない敵も多い。)反面、回数制限がありストックが切れると一切投げられなくなる。ストックを回復させるには弾薬箱(下記)を取得して補う以外に原則として方法はない。復活時の手榴弾ストックはミス状態のままだが6個までは補充される。*10
    • ときおり弾薬箱が放置されており、これを取得すれば手榴弾ストックを増やせる。1、3、5個補充される3タイプが存在し、ストックは最大で99まで可能。点数は一律で1000点。
  • 各エリア道中の敵陣地では(敵の種類は少ないが)様々なギミックが待ち構えている。
    • 画面横や上から乗り物で轢き殺しに来る敵が居る。ゆっくり進む敵兵が飛び出すトラック以外は破壊不能。
      • 弾は撃たず直進しかしないが敵兵に追い込まれたときには厄介な敵である。
    • 各エリア途中の城壁は真ん中のトンネルを強行突破するしかない難所である。
  • エリア1で2人の敵に挟まれるような感じでスーパージョーと同じ青色の捕虜が連れ去られる場面に遭遇する。敵らを倒せば1000点×2だが、捕虜救出としては1UPはおろか、スコアボーナスも得られない。(FC版ではパワーアップなどの特典がつく模様)なお、味方捕虜を攻撃しても死ぬ事はない。*11
  • 所々で緑の司令官??が飛び出してくる。倒せば2000点。攻撃して来ないで、だた闇雲に走り回るだけである。
  • やけに四角いコンクリートっぽい砲台は手榴弾2発で破壊可能。*12画面端なので通常プレイでは放置して問題ない。
    • 滑走路の戦闘機は破壊できる噂はあったが破壊不可な模様。

評価点

  • BGMに関してもひたすらに硬派な戦場マーチ的な楽曲であり、そのストイックな外見と見事にマッチしている。楽曲自体は4の倍数エリア以外は同じメインBGMだが、延々と同じ曲が流れる様が硬派度に磨きをかけているといえる。
    • ちなみに本作はカプコンのACゲームで初めてFM音源が採用された作品である。
  • スーパージョーもだが、(卑怯なのも居るが)敵も勇敢に立ち向かってくる。
    • 一人の自分対多数の敵なのはゲームではお約束だが、硬派なグラフィックで生身の戦闘を描いてるのでオーバーに言えば敵兵の覚悟が伝わってくる。(敵兵が丘の上から飛び降りて来る前に足踏みする等)リアルなグラフィックで突っ込みどころも目立つ
  • 各エリアをクリアするとスーパージョーがタバコをふかしたりして一人くつろぐシーンの絵が表示される。鬼神の如く戦場を突き進む彼が見せるつかの間の安堵がプレイヤーに一時的な安らぎをあたえ、そして次の戦場(エリア)への臨場感を醸し出しているという粋な名演出といえる。

賛否両論点

  • グラフィック周りはひたすらにストイックな戦場感を醸し出しており、全く媚が感じられない渋いテイスティで塗り固められている。良くいえば硬派一徹、悪くいえば地味というべきか。
  • その一方で作りこみが甘い面が見られ、表示バグ等*13*14*15*16もあるがプレイにはほとんど支障はないので、間違い探しの感覚でおかしな点を見つけるのも一興ではある。

問題点

  • 本作の基本的なプレイスタイルはひたすらに前進し、前方以外の敵を相手にせずにエリア最後の関門まで突っ走るものだが、それに気づけないと敷居が高すぎる。障害物の背後で待ち構えている敵の横を通過しようとすると敵が逃げ出すそしてスーパージョーのマシンガンの餌食になるとは初見ではわからないであろう。本作が名作となれなかった理由であろう。バカゲーにはなるかも
  • 序盤のエリアでも終盤のエリアと難易度があまり変わらない。
    • エリア1から敵兵の待ち伏せ、中盤の城壁、最後の関門の総攻撃のすべての基本要素が揃っている。
    • エリア2の関門には画面左右に防空壕?がせり出しており、スーパージョーの行動範囲が限定されて敵兵との接近戦を避けられない。同社のベルトアクションと同じく2面で殺しにキテル。
      • 序盤エリアを凌げるようになると良心的EVERY設定も相まってプレイ時間が長引く傾向もある。
  • 本作のプレーにあたっては、パターン構築に加えある程度のアドリブも求められる。
    • 敵兵は行動が多彩でランダム度の高い敵も居る。敵出現地点は(左右両端のどちらかの意味合いも含めて)ほぼ固定だが出現数やタイミングが一定ではない。
    • 大半の場所で無限に沸いてくる敵が手榴弾を投げてながら弾をばら撒いてくる。故に待ちの姿勢に偏りすぎると死に至る危険性が高い。
    • スーパージョーは単体で数え切れない程の敵が待ち構える戦場を抜けなければならない。パワーアップなどの自身の性能を強化できるような要素もなければ、仲間が援護してくれるような場面も一切ない。(そこが一匹狼らしくて良い)'自動小銃と手榴弾のみで多勢に無なお勢な戦場を挑まなければならず、その戦況はまさに崖っぷちである。なお敵に追い込まれて崖から落ちるとミスになるので注意。
    • 救いがあるとするならば、各エリアの構造はどれも短く激戦さえ抜ければゴールに到達しやすい点と、ボス的な存在がないので敵の硬さに悩まされる状況が皆無な事だろうか。
  • ミスにつながりやすい要素が多い。
    • マシンガンに撃ちムラが多く8方向以外の敵兵を確実にしとめるのは難しい。直線上の敵を一掃する快感のある一方、敵とニアミスする場面も多い。
    • 主人公の手榴弾は前方にしか投げられないのに、敵側は多勢で複数方向に手榴弾を投げ、さらにはこっちには備わっていないグレネードランチャーもバンバン撃ってきやがる。特にエリア7後半のランチャーラッシュは難関。ディップスイッチでスタートエリアが設定できるのでエリア7を特訓するべき。グレネードは自分のマシンガンより射程が長く着弾点で炸裂する。画面下方向にしか撃ってこないのは救いであるが、あまりに不公平である。*17
    • 場所は固定されているが、何の前動作もなく敵車が左右から現れる。初見では回避不能な場合がある。敵兵も左右から現れるので慣れないうちは画面端に寄り過ぎないほうが良い。
    • 画面の左右と上下でいわゆる(当たり)判定が突き抜けている。画面左に消えた敵兵かららしき流れ弾が右から飛んできたり、自分が画面の一番下に居ると一番上の敵兵に接触したりする。*18
    • 各エリアの中程で城壁の間のトンネルを潜り抜ける必要があるが、あるエリアを除きブラインドになっている為ミスった原因を推測するしかない。それに加えて左右から敵兵がトンネル目掛けて突進してくるので安定して突破するのは難しい。各エリアで多少のクセはあるので経験則でミスりにくい方法を探る必要がある。
    • 敵通常弾と自分のマシンガンがほぼ同じで、見分けがつきにくい。
    • 敵弾より敵ユニットの表示順位が高いので、敵の影に隠れて飛んできた弾にやられやすい。
    • エリア途中の障害物(施設)の角に引っかかりやすい。敵兵も同じように引っかかるので公平ではある。
    • 退治可能な敵と不可能な敵のグラフィックがほぼ同じで初見では区別できない。
      • 手榴弾を投げれば高所の敵兵も倒せるはずなのに倒せないのも多い。(画面表示上は命中している。)
      • これにより手榴弾の活躍する場面はやや少な目になっている。
  • ある場面でマシンガン連射のみで永パになる安地がある。ここでは敵が手榴弾を使ってこない。

総評

ゲームとしての難易度は油断しているとすぐ死ねる程の高さだが、操作系統がわかりやすく、「手強くもやりがいあり」というカプコン製のゲームに漏れない面白さを持つ作品。ザコ戦に比重を置いたカプコン初期シューティングの集大成。硬派に見えるが敵兵のやられる弾けるような効果音等コミカルな要素もある。敵を撃つのと敵陣を突破する両方の魅力がある。この風・・ この肌触りこそ 戦争よ!


その後の展開

  • 本作発売から5年後に続編『戦場の狼2』が稼働したが、前作と雰囲気が全く異なる、いわば「魂斗羅版戦場の狼」的な作品となった。
    • 戦場の狼2はスーパージョーを彷彿させる「ジョセフ・ギブソン」が主役だが、バイオニックコマンドーの発売に伴いスーパージョーの本名がジョセフ・ギブソンとなり、後付けであるが2もスーパージョーが主役と位置付けられた。
  • 欧米版タイトルの『COMMANDO』ブランドで続編的なのがダウンロードコンテンツが販売されていた。
  • ○○○○in1には敵がスターウ○ーズの帝国軍風になったバージョンがある。

家庭用移植

  • 1942』や『魔界村』に次ぐカプコンのヒット作となった本作だが、意外と単体家庭用移植はファミコン版のみに留まっている。とはいえ、後にカプコンのレトロゲームのオムニバスソフトに多数収録されている為、プレイする機会には恵まれている。今はバーチャルコンソールにも配信されているので、プレイ手段は数多い。

すべてカプコン発売

  • ファミリーコンピュータ版(1986年9月27日発売)
    • 原作にはないショットのパワーアップなどの追加要素が導入されるが、かなり壮絶に処理落ちやちらつきが発生し、とてもではないが快適にプレイできるとはいえない、という悪評が一般的な模様。
    • とはいえ、同時期のカプコン製移植ゲーの中ではまだまともに遊べる部類でもある。
      • 1942や魔界村といった超劣化移植を連発していたマイクロニクスへの委託を辞め、本作から自社開発になったらしい。
  • MSX版は動きがカクカクすぎてアクションゲームとしては成立していない。
  • オムニバスソフト
    • カプコンジェネレーション ~第4集 孤高の英雄~(セガサターン/プレイステーション、各1998年11月12日発売)
      • 『戦場の狼2』『ガンスモーク』とのカップリング収録。
    • カプコン クラシックス コレクション(プレイステーション2/プレイステーション・ポータブル、2006年3月2日発売(PS2)/2006年9月7日発売(PSP))
      • 上記のカプコンジェネレーションのものも含め、数々のゲームとのカップリング収録。
    • カプコン アーケード キャビネット(プレイステーション3/Xbox 360、2013年2月19日配信(PS3)/2013年2月20日配信(360))
      • ダウンロード専用ソフト。1980年代のカプコンAC作品を多数収録。ソフト本体は無料だが、各収録ゲームはパック販売されている(単体での購入も可能)。戦場の狼は配信第4弾1985-IIパックに収録。

余談

  • スーパージョーは後の『バイオニックコマンドーシリーズ』で脇役として登場している。また彼が主人公となった作品は近年まで本作と海外版トップシークレットである『バイオニックコマンドー』(初代)しかなかった。
  • 海外版のタイトルは『COMMANDO』だが、シュワルツネッガー主演の映画コマンドーも本作に負けない爽快感ある作品である。本作とは関連性はないが、映画後半には敵アジトを単身で殲滅する描写がある。本作も脳筋度では負けてないので映画化が待たれる。