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処女はお姉さまに恋してる - (2014/01/04 (土) 10:46:41) の編集履歴(バックアップ)


処女はお姉さまに恋してる

【おとめはぼくにこいしてる】

ジャンル 女装潜入ロマンティックラブコメディ
対応機種 Windows 98~XP
プレイステーション2
プレイステーション・ポータブル
発売・開発元 【Win】キャラメルBOX
【PS2/PSP】アルケミスト
発売日 【Win】2005年2月18日(CD・通常版)/2006年4月28日(DVD)
【PS2】2005年12月29日
【PSP】2010年4月29日
レーティング 【Win】ソフ倫:18歳未満禁止
【PS2/PSP】CERO:C(15才以上対象)
ポイント 女装潜入物の先駆けにして代表作
主人公が大人気
一部CGが不自然
18禁シーンが蛇足
百合要素アリ

WARNING!!!!!!!
本作はPS2、PSP版を除いて18歳以上のみ対象のアダルトゲームです。


概要

いわゆる『女装男子』及び『女学園潜入物』を一気に浸透させた作品である。
それ以前にも似たようなジャンルの作品はあったが、この界隈になると、必ずといっていいほど本作が列挙される。
家庭用ゲーム機では、学園名が変更され、ゲーム表記が『乙女はお姉さまに恋してる』*1となる。
移植はもちろんのこと、アニメ化、そして続編まで作成され、キャラメルBOXの大出世作となった。

シナリオ

鏑木瑞穂は容姿端麗・文武両道だが、ちょっと気弱な財閥の御曹子。彼の運命は祖父の死をきっかけに一変する。
祖父が、瑞穂を女子校である“恵泉*2女学院”に転入させるとの遺言をしていた。
無理矢理女装させられ男であることを隠して、「宮小路瑞穂」と名乗り転入した女学院で、瑞穂はその美しい容姿と嫋やかな振る舞い、優秀な成績から次第に生徒達の注目を集めていく。
そして訪れたエルダー選挙では、最初の投票でいきなり82パーセントもの票を得てしまい、男でありながら全校生徒の"お姉さま"として崇められることになってしまう。

キャラクター

+ クリックで展開

宮小路 瑞穂
主人公。端正な顔立ちだが、背丈は普通の男性並に高い。本名は『鏑木』で、宮小路は母方の性。
本学園の象徴たる存在『エルダー』として、皆から『お姉さま』と慕われる。
その名声に違わぬハイスペックな能力と性格のため、男で主人公にも関わらず
並み居る女性陣を差し置いて、人気投票 第一位 に輝いた。
よって、瑞穂は本作の主人公であり、メインヒロインであるといえよう。

十条 紫苑
瑞穂の女装にいち早く気づいた、薄幸の美少女。とはいうものの、イタズラが好きでよく瑞穂や奏をからかっている。
まりやほどお転婆ではなく、上品でお茶目な美人という印象が強い。
一応彼女がメインヒロインであるものの、後述の貴子に人気を取られがちではある。

御門 まりや
初期から瑞穂の正体を知る幼馴染。まりではなくまりである。間違えるとキレる。
こちらは紫苑とは真逆で、イタズラ好きのお転婆娘。
結構ナンパなところがあるが、ルートに入ると瑞穂にほぼ一方的に攻められるため、そのギャップが映える。

周防院 奏
ちっこい少女。大きなリボンが特徴だが、序盤ではそれが原因で一悶着起きてしまう。
意外な過去を持っており、個別ルートではそのシナリオに焦点が置かれる。
瑞穂の直属のお世話役であるため、必然的に彼女と接する機会が増える。
後にファミ通文庫で出版された『櫻の園のエトワール』では彼女のその後が描かれている。

上岡 由佳里
ハンバーグ大好き少女。あまりに好きなため、ありがたくないあだ名をつけられている。
ヒロインの中では庶民派であり、個別ルートでもこのジャンルありがちのハプニングイベントが用意されている。
奏とは同学年のためか、仲が良い。また、まりやの部活の後輩。

厳島 貴子
ツンデレお嬢様。当時のツンデレお嬢様ブームの中心に存在した、瑞穂に次ぐ人気キャラ。
ラーメンを食べたことがないほどのお嬢様。あまりの人気に、『ツンデレラ』というSSも作成された。
ただし、瑞穂との実際の関係はもっと殺伐としている。それもまた、シナリオにおける良素材なわけだが。

高島 一子
早口幽霊少女。他のヒロインのフラグが立たないと自然と彼女の個別エンドを迎える。
瑞穂の身体に乗り移って女性の身体に仕立ててしまうような、ご都合展開の橋渡し役となる。
寮内では4人の共同生活で瑞穂・奏が大人しいタイプのため、会話のムードメーカー的存在でもある。
故に、彼女を選ばなかった結末はホロリとしてしまう。

評価点

  • 秀逸な設定とシナリオ
    • 既存ジャンルの地位を確立するまでの、極まったシナリオは優秀。
    • また、本ジャンルにおける主人公の存在感を一気に浸透させた功績は大きいだろう。
    • 序盤こそドジを踏むことが多いものの、次第にお姉さまとなって活躍していく展開は、瑞穂の成長を垣間見ることができ、好感が持てる*3
  • 注釈
    • 聞きなれない単語が出てくると、画面端でその説明書きが表示される*4。それだけではなく、その注意書きに対してキャラが突っ込みを入れたり*5、まるで注釈が1キャラクターのようなテキストも用意されており、お笑い要素も楽しめる。
  • キャラクター
    • 個性の強い魅力的なヒロイン、特にツンデレお嬢様である厳島貴子のキャラは高評価。逆にいえば、彼女のせいで他のヒロイン人気が押しつぶされてしまっているのだが。

難点

  • 不要な18禁シーン
    • こうなってしまったのも、瑞穂があまりにも可愛い主人公であるため。そのため、瑞穂が男としてヒロインと関係を持っていく展開が蛇足であると思うプレイヤーが多数存在する。
    • それだけ、本作の女装設定が完璧すぎるという評価もできるが。
      • それでもHシーンの数は共通パートだけでも滅法多いのだが。
  • CGの不自然さ
    • この作品に限らないが、頭身に対して指が小さすぎたり、骨格が不自然なものがある。
  • 実質BAD扱いの一子シナリオ
    • シナリオの突入条件は上述のように他のヒロインのフラグが立たなかった場合。他の恋愛ADVでは普通はBADENDの条件である。
    • 本作はアニメのように話数が設定されており、各シナリオにはサブタイトルが存在し、終わりには予告もある。だが、一子シナリオにはそう言ったものがなく、スタッフロールも後日談もない。
    • シナリオの内容は半分以上がまりやと由佳里の第7話の使い回し。

賛否両論点

  • ジャンル分けについて
    • 一子の項目でも触れたが、プールイベントにおける女体化は『女装男子』だけでなく『TSF』というジャンルも孕んでしまっている。
      それにより、一概に「女装男子」というジャンルに当てはめれるかどうかが不明確。
    • 本ジャンルや、『男の娘』等の作品には共通する問題ではあるのだが。
  • 本作はあくまでも男主人公であり、女同士という「百合」の定義からは外れている。にも関わらず、制作者は本作を「百合」であると発言している。「マリア様がみてる」からのパクリ設定などもあいまって、本作は「百合」好き層からは強い反発を受けている。

総評

非常に完成しつくされた設定とキャラクターにより、女装男子物の代表作品に上り詰めた本作。
ただし、女装男子のみのジャンルではなく、「百合要素」が多く含まれているため、その点は要注意。
18禁シーンの不要さが挙げられるが、全年齢向けの作品を輩出されているため、そちらも選択肢として考慮するといいだろう。
(ただしPSP版は携帯機で手軽にプレイできる反面、音割れが酷く音声を楽しめないという欠点があるので、CVに重きを置くならPS2版をプレイする事をオススメする)

余談

おまけシナリオの一つ「まりやとかがみてる」の冒頭で一文字ずつ表示される「ミシシッピに消ゆ 連続殺人事件」と言う文章はおそらく『ミシシッピー殺人事件』+『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』+『ポートピア連続殺人事件』だと思われる。
また、一子編の内容は『ミシシッピー殺人事件』のパロディ。各部屋への聞き込み、自室での情報整理、部屋に入った途端落とし穴に落ちたりどこからともなくナイフが飛んで来たりなど。