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ダライアス - (2019/03/24 (日) 07:07:20) の編集履歴(バックアップ)


ダライアス

【だらいあす】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 タイトー
稼動開始日 1987年2月(著作権表示上は1986年)
プレイ料金 200円(デフォルト)
判定 なし
ポイント 専用3画面筐体の迫力ある画面と重低音ボディソニックサウンド
STGとしてはオーソドックス
ダライアスシリーズリンク


WARNING!!
A HUGE SHOOTING GAME
DARIUS
IS APPROACHING FAST

概要

戦闘機「シルバーホーク」を操り、異星人ベルサーに侵略された惑星ダライアスからの脱出を目的とするSTG。
タイトーの看板作品のひとつである、横STGシリーズの第一作である。

本作最大の特徴として、ハーフミラーによる繋ぎ目のない3画面の特殊大型筐体を使用している。*1

1987年2月頃より、全国のゲームセンターに順次入荷した*2
ゲーム内のクレジット表記は1986年となっているが、これはショーに出展した際の年である
(この当時のタイトーは、発売日ではなくショーなどへ出展した日付をクレジット表記していた)
デフォルト設定では1クレジット200円。しかし発売から数ヶ月後には、ほとんどの店舗で1クレジット100円に設定されていた。

筐体の特徴

  • タイトーの多画面筐体ゲームでは、本作より前に上下2画面をハーフミラーで重ねた『ワイバーンF-0』が稼働しており、そのノウハウがダライアスでも活かされている(本ウィキに『ワイバーンF-0』のページは無いので、代わりとして『イグジーザス』のページを参照してほしい)。
    • ハーフミラーとは、その名の通り半分透けてる鏡*3。鏡の前にモニターが二つ、後ろにモニターが1つあり、それぞれの画面をハーフミラーに映すことで継ぎ目の無い3画面をプレイヤーに見せている。なおハーフミラー自体はビデオゲームが登場する前から使われている技術である*4
    • 従来のハーフミラーを活用したアーケード筐体は、『ワイバーンF-0』も含め、ほとんどが「2つの映像を合成して1つに見せる」ためにハーフミラーを使用していた*5
      しかし本作では、3枚のモニター画面を繋ぎ目なしで横連結するためにハーフミラー技術を応用しており、独自性がある。
    • 筐体には、19インチモニターを使用した大型の物と、15インチモニターを使用したやや小型の物がある。
      15インチ版は後期生産型でありソフトウェアもNEWバージョンになっている(後述)。直営店でも、スペースの都合で19インチ版が設置できなかった小型店舗に導入された。

システム

  • 8方向レバー2ボタンの横スクロールシューティング。パワーアップアイテム収得によってメインショット・対地対空ボム・全方位バリア「アーム」が強化されていく。各装備は0~7までのレベルがあり、レベル7で更に同色のアイテムを取ると、装備が次の段階に変化してレベル0に戻る。
    • アイテムは敵編隊にいる色違いを破壊すると出現。赤はショット、緑はボム、青はアームを強化する。またこれらとは別に地形の決まった場所に撃ち込むことで得点アイテムの銀、画面内の敵を全滅させる金、1UPアイテムが出現する。
    • メインショットは「ミサイル」「レーザー」「ウェーブ」の順で、ボムは「シングル」「ダブル」「マルチ」の順で、アームは「ノーマル(緑)」「スーパー(銀)」「ハイパー(金)」の順でレベルアップする。
      • ボムは左右へレバーを入力をしながら撃つ事で軌道のコントロールが可能。前進しながら撃つと遠くへ、後退しながら撃つと手前へ投下する。マルチにより追加される後方2方向については逆になる。
    • 本作ではひそかにアイテムが敵弾を防ぐようになっているので、意図的に取らずに放置してバリア代わりに使う事もできる。II以降はしばらくこの仕様がないオマケ的な仕様だったが、『Gダライアス』で復活している。
      • 加えて本作のみ、アイテムの動作がステージによって異なる。画面上側に地形のないステージでは、アイテムが画面上側に浮き上がって消えてしまうこともある。
    • ショット・ボムともに店舗側によりソフ連が設定できる。しかし、後述のように弾切れを起こしやすくレーザー・ウェーブで特に明確な欠点となるほか、シンクロ連に比べて連射速度が遅い為、店舗側でオンオフ可能なシンクロ連がつけられることが多かった。
      • ソフ連オフでも、押しっぱなしだと100発/分程度の連射を自動で行う。
  • ミスをした場合は全ての装備が現在の段階のレベル0まで戻される。またAC版ダライアスでは唯一戻り復活方式を採用している。
    ミスペナルティはかなり手痛いので、どこまでアームを維持できるかが重要となる。
  • 敵編隊を全滅させると、その敵の基本点の10倍が編隊全滅ボーナスとして加算される。
  • エクステンドはスコアと隠しの1UPアイテムによって行われる。スコアエクステンドはシリーズ内ではとても珍しい。*6
  • 本シリーズではステージ番号をラウンド、選択するステージを「ゾーン」と呼んでおり、ラウンドクリア後に次のゾーンを上下二種類から選択することで、樹形図のようにゾーン分岐が広がっていく構成を採用している。
    • 全7ラウンド/28ゾーン。例えばAゾーン後に上方向のBゾーンを選び、それをクリアした後に下側のルートで進めるEゾーンは、Aゾーンから下方向のCゾーンクリア後に上側のルートからも同じくEゾーンに進めるといった構造。ゾーンはA~Zの26通り。
    • 最終ゾーンはVとZが2箇所に配置されている(端と反対端から2番目が被っている)。なお後の『II』『外伝』とは異なりダブリのV・Zに違いはなく、最終エリアは5通り*7。選択した最終エリアによってエンディングも5通り用意されている。
    • ゾーン分岐・選択時は本作に限りシームレスで、画面中央に仕切り線となる横向きの地形が突き出てくるという仕様となっている。うっかり中央付近に自機を置いたままにして真ん中の地形に潰されたり、その後に出てくる斜面や天井、地面に潰されるといった事故が各地で頻発したため、II以降はボス撃破直後に画面転換し、『G』のゾーン中エリア分岐では仕切り線を地形化しないことで改善されている。
    • 1~6面はそれぞれ選択ゾーンによらずボスは色違いのみで共通となっているが、最終面の5ゾーンはそれぞれ専属のラスボスが配置され、全11種類のボスが登場する。
  • 本作のBGMは道中についてはステージ背景ごとに、ボス戦は1ステージ毎に設定されている。
    • ラスボスはゾーン毎に異なるボスが用意されているが、BGMはどのボスも共通で「BOSS SCENE 7」となっている。
  • 二人同時プレイが可能。続編や他作と違い自機同士でも当たり判定があり、重なることが不可能(ダメージを受けることはない)。
    • 二人同時プレイ時は一人プレイ時ではできないコンティニューが可能。ただし、最終面到達後はコンティニュー及び途中参加ができなくなる。
    • ミスした後の復活はその場復活に変更されるが、二機がほぼ同じタイミングで死んだ場合は一人プレイ時と同じく戻り復活になる。
    • 本作の二人同時プレイ時のルート分岐は状況に関係なく常に1P側の選択が優先される。両者がそれぞれ上下に分かれた場合は、中央の地形に1P側が行った道へ合流するための穴ができる。

評価点

  • サウンドの質の高さ
    • OGRこと小倉久佳氏によるBGMのクオリティは高く、「Captain Neo」「Cosmic Air Way」「BOSS SCENE 7」といった楽曲は未だに高い人気を誇る。
      • 神秘的に歪んだ音色を出す為に、わざわざ音源チップに古いものを採用したと言われている。
    • 高木正彦(Mar.)氏が担当したSEも印象的な物が多く、特にボスを撃墜した時の音に関するエピソードが非常に有名。
      • 続編の『ダライアスバースト』シリーズでは本作準拠の機体「オリジンシルバーホーク」を使うと本作のサウンドが流れるファンサービス要素がある。
  • 個性豊かなボスキャラたち。
    • ボスは全て、水棲生物をモチーフにした巨大戦艦。魚類などの姿をメカに落とし込んだデザインは秀逸の一言。
      かつ3画面のうち1画面をほぼ占有する巨大さは迫力満点。ダライアスというゲームのウリはこのボスとの戦いと言っても過言ではないほど。
    • 前述の通り本作に登場するボスは11体。1986年当時においてこれは破格の数であり、それぞれが後述のような多彩な特徴を持っていたのだから凄まじい。
      • 1面の「キングフォスル(シーラカンス)」や2面の「エレクトリックファン(イソギンチャク)」からして、どれもこれもが圧倒感溢れる存在。それでいながら有名な水棲生物がモチーフになっており、その形相が一層際立って見える。
      • この「キングフォスル」や「グレートシング(マッコウクジラ)」、「グリーンコロナタス(タツノオトシゴ)」等はシリーズの顔として、アレンジされながら多くの続編に登場している。
    • 大半のボスには破壊可能パーツも設定されており、特定部位にダメージを蓄積させればそのパーツを破壊する事ができる。当然スコア稼ぎには不可欠だが、攻撃してくるパーツを破壊すればその部位の攻撃を止めることができ、それを優先することで攻略も幾分か楽にできる。
    • なおボス戦前には本項冒頭のような「WARNING!!」の警告文がボス名入りで表示され、警告音が鳴り響く。あのギネスブックに世界初のボス警告音を出したゲームとして認定されたほど*8
      • それまでのSTGに類を見なかったこの演出はシリーズのお約束として定着したが、あまりのインパクトの強さゆえに他の同社ゲームでネタにされることもある。
      • ちなみにボス名は見た目や挙動からつけられているものが多く、設定上は「自軍側がつけたコードネーム」である。
  • ハーフミラーを使用した専用の3画面筐体で稼働
    • その筐体の圧倒感は他の追随を許さないほど。筐体のベンチシート(椅子)にはボディソニック(重低音スピーカー)を内蔵しており、ユーザーが音量を調整可能。
    • ボディソニックによる上記のBGMの重低音はサントラや家庭版とはほぼ別物レベルの違いが出ており、総じてプレイヤーのテンションを上げる印象を与える。サウンド面での人気に寄与したと言えよう。
  • ゾーンセレクトシステムやマルチエンディングの採用。
    • 多彩なゾーンがあるため、プレイする度にどのゾーンで遊ぶか選ぶ楽しみがある。背景やBGMこそ5パターンしかないものの構成自体は26ステージ全てが独自性に富んでおり、ゾーン選択による道中の多彩さはシリーズでも屈指。難易度やスコアもルートによって大きく変化するため、初心者から上級者まで幅広い楽しみ方が可能。
    • 加えて、最終ステージクリア時のエリアによって異なる結末を迎える、いわゆるマルチエンディングを採用している。
      エンディングの内容は夢落ちだったりバッドエンドだったりと様々。全ゾーン制覇はプレイヤーの大きな目標のひとつとなった。
      • 本作では二人プレイの場合、特定の最終ゾーンクリア時のエンディングが少し変化する。
  • オーソドックスで取っつきやすいゲーム内容。
    • 同時期の横STGで高い評価を受けていた『グラディウス』や『R-TYPE』と比べ、STGとして革新的なゲームシステムは後述するアームのみで、それもバランスの中核を担うまでには至っていない。
      他にはショット弾数の割に非常に横長な画面サイズという特徴的な環境であること以外はごく普通のSTG。それらを上手く生かし、難しすぎず簡単すぎずの絶妙なゲームバランスに仕上げている。
      • 画面内に出せるショット弾数が3~5発(ショットの段階によって最大発射弾数は異なる)、ボムは各方向毎に2発までという制限があるが、
        横3画面という環境ではこの制限は相当重く、(特にショットが敵を貫通するレーザーに進化してからは)画面左側でショットを撃つほど撃たれたショットが画面外へ消えるまでに時間がかかり、それによる弾切れが起こりやすい。
        ボムに関しては弾切れで悩まされることはないが、自機の前後の挙動に応じて慣性がつくという独特の仕様があり、対地攻撃においても「狙う」という要素を持たせている。
        そのため画面右側へ出て弾切れの隙を軽減するだけでなく、敵の動きを読んでショットやボムを一発ずつ丁寧に狙い撃つ、『スペースインベーダー』を彷彿とさせる独特な仕様となっている。
      • 続編ではハードの進歩による自機ショット発射数の制限緩和や装備の強化、更に使用する画面数(画面幅比率)の減少によって弾切れが起こりにくい作りになっていった為、結果的に本作ならではの要素となった*9
        後の作品ではむしろ連射に強く依存する傾向が強くなったダライアスシリーズだが、今作の独特ながら連射に依存しない操作性を評価する声は少なくない。80年代中期において連射の速さが重要でないSTGというのは比較的希少な存在だったのだ。
    • 下述するアームによるフォロー要素は強めだが、いわゆる「覚えゲー」要素が強いゲームでもあるため、プレイし続ければ確実に上達していく実感を味わうことができる。
  • STGでは類を見ない自機の防御力の高さ。
    • アームとは全周囲の敵からの攻撃を防いでくれるバリア(グラディウスシリーズのAC続編以降でいうフォースフィールド)である。青アイテムを取得すると基本的に3発まで防げるが、アームがある状態でも続けて取ることでさらに防御可能回数が蓄積されていく。
    • スーパーアームに進化すると敵の体当たりを防ぎ、さらにアーム展開中の青アイテム取得時に、耐久力が2ずつ回復するようになる。
      • このため、初期アームの時に耐久力が残り1発分になった場合、あえてアームを剥がしてから青アイテムを回収して張り替えた方が剥がさずに青アイテムを回収するよりも耐久力が1発分多くなる。*10
    • ハイパーアームに進化すると、更に地形への接触を防ぐことが出来るようになるが、その際にノックバックが発生するようになる。
    • 特筆すべきはこのアーム耐久力に上限がないことである。本作は被弾無しでラスボス到達すると、理論上最大50発分*11という驚異的なHPを得ることができる。
      • そして本作では青アイテムが続編と比べると比較的豊富に出現するため、多少被弾してもアームが切れることは少なく、綿密なパターンを組まなくてもそれほど問題にはならない。
      • ハードランク以上ではあらゆる場面において、ゾーン開始時および戻り復活時最初のアイテムが青に差し替わるという救済措置がある。
    • 前述のアームの耐久力の高さは、3画面という特殊なゲーム環境、当たり判定の大きさ*12、敵と弾のが全体的に速いことなどから高くなっている被弾頻度と釣り合うため、過度に簡単にはなっていない。
      • なお『II』ではアイテム登場数が激減し、『外伝』『G』ではアームの耐久力に最大5回までの上限がつくようになったため、本作やバーストシリーズのように蓄積することはできなくなっている。
    • ただし、本作の仕様ではアームの当たり判定が自機の判定を覆い隠す形になっており、厳密にはハイパーアームでも自機は半無敵状態になっているわけではない。
      このため自機が被弾しないような掠りでもアームは削れていく他、後述するハイパーアームによる地形激突死の原因ともなっている。
      • 敵の攻撃の中にはアームを貫通する攻撃*13があり、当たり方次第ではアームの耐久値が大幅に削れてしまうだけでなく、これらが自機に直撃するとアームを装備していても撃墜されてミスとなる。
      • ボス本体やパーツ、「グレートシング」からドリルミサイルについては、アームがそれらと接触しても削られる事はないが、自機が接触した場合はやはりそのままミスとなってしまう。
      • 耐久力のある敵の体当たりで敵の耐久力に応じた耐久値が削れるのみならず、削りきれずに本体に接触したり、ゼロ距離射撃の敵弾を本体が被弾したりしてもミスとなる。このような場合、アームが残ったまま自機が爆発する。

賛否両論点

  • ショット2段階目の「レーザー」が非常に使いにくく、第1段階のミサイル3連装で止めた方が耐久力のあるザコやボス戦が楽になる火力のバランス。
    • 本作は評価点でも触れた通り、画面サイズや自機ショットの仕様上弾切れが起きやすいゲームなのだが、レーザーは敵を貫通する分攻撃範囲がかなり狭いためにヒットさせにくく、余計にその仕様が際立ってしまう。
      なお、レーザーの使いづらさの根源はあくまで攻撃範囲の狭さであり、連射数自体は最大5発(レーザーLv4以上)あるためショット性能自体が著しく低いというわけではない。本作に安易な連射が禁物とされるのは、このレーザーの仕様と致命的に噛み合わないためというのが大きい。
    • 更にボス戦では弱点をレーザーやウェーブで貫通して連続ヒットできるのだが、その分ボスの耐久力がミサイルの時よりも増加してしまうため、威力もそれに釣り合っているとはいえない程度にまで軽減されてしまう。特にOLDバージョン(後述)ではレーザー以降でのボスの耐久力の増加具合が著しかったため、3面ボス以降は永久パターン防止キャラの「ヤズカ・タカーミィ」がほぼ確実に出てしまう。
      • このヤズカはシリーズ通してボス戦時一定時間経過することによって出現するが、今作ではボスにダメージが通るようになって30秒程度で出現する。シリーズ内でも群を抜いて出現が早く、ヤズカといえば初代ダライアスという人は少なくないだろう。
        編隊で円軌道を描きながら自機に体当たりを試み、攻略パターンを崩してくる。時間経過毎に出現数が増加、更に一定時間が経過すると永久パターン防止策として破壊時に高速で自機狙いの撃ち返し弾を撃ってくるようになる。
        このヤズカの存在もあってかボス自体には安地・半安地が存在することが多いのだが、本作のボスは多くがダメージが通る部位・タイミングが定まっており、かつ動き回るために安地に入りこんだままでは撃破に時間がかかることが多く、いずれヤズカの撃ち返しによって安地が潰されることになる。
      • 本作のボスは時間経過によって自爆や撤退することはない(上述のヤズカで対策を行っている)。これを利用してボスをわざと延命させて可能な限りヤズカやボスからの破壊可能弾を破壊してスコアを稼ぐことになる。
        更にOLDとNEWバージョンではクリア時の残機ボーナスが存在しないため、ボスの強さの割に稼ぎ効率が低いWゾーンのグリーンコロナタス以外のラスボス戦においては「ヤズカからの撃ち返し弾が発生した後もこちらが撃墜されるまでひたすら粘り、撃墜された後は復活したボスのパーツを破壊。そして再び撃墜されるまで粘る」という残機潰しによる稼ぎを行うことになる。*14
        なお上述の通り今作のヤズカにはスコアが設定されており、永パ防止キャラというポジションにも関わらず逆にボス戦引き伸ばしによる稼ぎを助長する要素にもなっていた。
  • これらの事情が全て不利に働き、ラスボス勢を差し置いて本作最強のボスと言われるのが4面ボスの「ファッティグラトン」(ピラニア)。
    このボスは自機への接近やダメージで自機狙いの4WAY弾に変化する子ピラニアを吐き出す。能動的な攻撃はこれだけであるため距離をとって動かなければ4WAY自体にはほぼ当たらないのだが、ボスの弱点である口を開くタイミングは子ピラニアを吐き出すタイミングに限定されているため、ヤズカの撃ち返しが始まる前に倒すには嫌でもボス正面を維持せざるを得ないが、ボスの動きも激しい。基本的に距離を取れば取るほど不利になるという仕様になっている。
    これらの仕様全てがレーザーに不利に働いており、子ピラニアに押されて徐々に画面左端へと追いやられ、距離を取るとボスの移動も相まって弱点に撃ち込めなくなり(しかも子ピラニアとボスの軸が大きくズレるために子ピラニアに撃ち返しを撃たせることすら難しくなる)、そもそも貫通耐性でダメージ自体もなかなか通りにくくなっており、時間経過でヤズカに殺されるという恐るべき連携をなしている。
    • 4面までにショットをウェーブにすることはノーマルランクで普通にプレイしている限り不可能であるため、多少なりとも楽に戦うならミサイル3連装で戦うことになる。しかし、ウェーブが欲しいなら不利を承知でレーザーで挑むしかない。しかもこの時点でウェーブ目前(レーザーLv5以上)であることがほとんどであるため、ミスはウェーブ狙い以前にクリア目的であっても致命傷となる。
      またイージーランクならアイテムが増加するためルート選択次第ではウェーブに届くことは届くのだが、初期状態のウェーブでは連射数3発という少なさ、ミサイル3連装と大差ない攻撃範囲の狭さ、レーザーの時よりも更に硬くなるボスの耐久性全てが相まってとても楽とはいえない。
  • ウェーブは段階が進んでも画面内に3発までしか出せないままだが攻撃範囲がかなり広く、更に地形も敵も貫通してダメージを与え続けるため道中が大幅に楽になる。最弱状態でもレーザーとは比較にならないほど高性能であり、たどり着けば復活が容易になるのも大きな利点。
    ハイスコアを目指す上でもウェーブは必須である(道中の雑魚の殲滅、ボスのウェーブ耐性を利用した引き伸ばし)ため、ここまで育てられるのは上級者の証と言われていた。
    • ルートによっては赤アイテムが少なく満足にショットを強化できない場合があるため、ミサイル3連装止めで攻略できることはそう言ったルートへの対策にもなっていた。なおミサイルは火力こそ高めだが、地形に隠れた敵の処理をボムに頼りがちになる、高次面でミスした場合の復活が容易ではないなど相応のリスクもある。ただ本作のボムは高レベル時の当たり判定がシリーズでも群を抜いて広く、本当に真上・真後ろ以外の敵は問題なく処理可能。
    • ちなみに後の初代のパワーアップを踏襲したシリーズ作品でもレーザーは登場するが、モニタの横幅縮小または弾速の強化により総じて初代よりは扱いやすくなり、ミサイルとウェーブのつなぎの役目を十分に果たしている。
      『ダライアスバースト』では「レーザーでのみ消せる敵弾の登場」「ウェーブの貫通性能が基本的に地形限定へと変更」といった要素によって、レーザー自体に特徴が設定され出番が増えるようになった。
  • ゾーンごとの難易度配分自体がバラバラ。ボスは6面まで共通なので概ね道中とラスボスで難易度が定まるのだが、後の作品のように上ルートが楽、といった定石がないため、ルートの開拓もプレイヤー自身で行わなければならなかった。
    現在ではネットの普及で比較的楽なルート構成やゾーンごとのアイテム配分なども容易に調べることが出来るようにはなっているが、当時はゲーム雑誌やプレイヤー間の情報共有に頼らざるを得なかった。
    • 後述のハイパーアームの仕様の問題により、ラスト面ではYゾーンの道中難易度が頭ひとつ抜けている。ボス難易度ではWゾーン・グリーンコロナタスも強敵と名高く、激しい自機狙い攻撃に対して「三日月避け」というパターンが生み出されたことも。
      道中では狭い地形と激しい敵の攻撃が合わさる都市地帯ゾーンは総じて難関と言われており、上述のYゾーンや5面のLゾーンはその中でも特に名高い。Lゾーンに関してはほぼ全てのゾーンで金アイテムの出現数が削減されたEXバージョンでも唯一ほぼ据え置かれており、開発からも難関として認知されていたようだ。後半面で都市地帯を攻略するルートはウェーブの重要性が高く、必然的にレーザー取得以降のボス難易度の上昇にも悩まされるという二重苦にもなっている。
    • 逆に他作品では難関に位置づけられるグレートシング(クジラ)のZゾーンは、道中のルートで青アイテムを大量に回収できること*15や、稼げなくなるものの半安全地帯が存在し、全身弱点なので安地からの攻撃でもヤズカの撃ち返し前に倒せてしまうためクリア目的であれば比較的楽な方とされる(ただしマルチボムは必須。またEXバージョンで安地は使用できない)。
      特に「下捕鯨ルート」と呼ばれるA-C-F-J-O-T-Zのルートは青アイテム出現数がかなり多く*16、上述の都市地帯も全て避けられるためほぼ地形に悩まされずに済み、それに伴いウェーブの重要性が低くミサイル止めプレイがやりやすいなど有利な要素が多いことから、今では信じがたいことに初心者向けルートとしておすすめされることが多い*17
      しかし稼ぐとなると、危険なクジラ正面でイルカ弾やヤズカの撃ち返しに耐えながらドリルミサイルの30,000点を稼ぐ修羅場と化す。全ラスボスでもぶっちぎりの稼ぎ効率であり、プレイヤー間で「強敵」として強く記憶されるとともに、シリーズを通してのクジラ人気を確固たるものとした。
  • EDの殆どは文字が無く、公式情報なしでは絵や動きから内容を推察するしかない。
    • ちなみに一部のEDはバッドエンドと受け取れるような内容になっている。後のタイトー作品ではより明確にバッドエンドと分かるような展開や考え落ち等、暗く重い結末になる作品が多く見受けられる。

問題点

  • 全体を通してゲーム展開が冗長
    • これは全ゾーン共通で道中パターンが3周ずつ続く構成になっているうえ、ボス戦前後の長い演出が飛ばせないためである。
    • ボスも面によって色が違ったりはするが、最終ゾーン(7面)以外はどの面も攻撃パターンは同じ*18
    • ミスした場合の戻りも、消化中のループの最初からとなる。
  • 3画面を採用した弊害として、視界に入る横方向の情報量が非常に多くなっている。状況に応じて頻繁に視線を移動させなければならないため、眼が疲れやすい。
    • これは、近年のワイドディスプレイでも同様の弊害である。
  • デフォルト設定ではゾーン毎のパワーアップアイテム数の差が極めて激しく、中には全色1個程度しか出ないような面もある。何も知らずにそう言った面を選んでしまうとその後の苦戦は必至。
    • ただし、ハードランク以上では全体としてアイテムの出現数が削減されている代わりに、アイテムの出現パターンが全ステージ共通で「青3・赤3・緑2」の順番に出現するようになったため、そういったステージをあえてハードランク設定の台でチャレンジするプレイヤーもいた。
  • 二人プレイ時特有の問題点
    • 自機同士に当たり判定が存在し、重なることができないのは先述した通りだが、本作では相方の自機をこちらから押し出すことはできず、相方の自機が居る方向へは移動できなくなる仕様のため、お互いの位置が近い状況の場合、いざという時に動けなくなり予期せぬ被弾をしてしまう事が起こりがち。
      • 続編では自機同士の当たり判定が廃止され、重なれるようになったため、このような事態が起こる事はなくなった。
    • また、出現するアイテムの数は一人プレイの時と変わらないため、計画性を持ってアイテムを回収していかないと、お互い満足にパワーアップできない事態に陥る。
      • こちらも後の作品では出現するアイテムの数を増やす、パワーアップに必要なアイテム数を少なくするといった対策がなされている。
  • アイテムゲージがリセットされるため、装備が次のランクにアップする直前でミスすると、復活時のペナルティは非常に大きくなってしまう。
    • ボムやアームはまだ何とかなるが、レーザーレベル7で死んでしまった時はそれこそ致命的。高次面ほど敵の攻撃は激しくなるのに、死んだら内部ゲームランクが一時的に落ちたり救済用アイテムが出ると言った配慮もほぼ無い。一応、ボス戦に限り、復活時にボスの耐久力が下がっていると言う救済措置がある*19
    • 逆にウェーブレベル0までたどり着ければ、その後ミスしても、復活難易度はそれほど高くはない。
  • ハイパーアーム装備時に地形にぶつかると、そのまま壁にめり込んで即死してしまうことがある通称「バウンド」現象が厄介。
    • ハイパーアームに進化すると、地形接触時に弾かれる事でミスを防いでくれるのだが、この時一瞬だけアームの防御判定が消えてしまうため。
      特に問題となるのは上述のYゾーンで、地形が狭い上に最終面なのでハイパーアームまで育っていることが多いのだが、このせいでアームを張る方が危険な状態になってしまう。
      • アームの当たり判定が自機よりも大きいこともあって、正攻法で突破するには1ドット幅の狂いもない正確な操作が要求される。通常は、わざと青アイテムを取りこぼしてスーパーアームで突入するか、直前でわざと被弾してアームをはがすかで突破せざるを得ない場合が多い。
    • 『ダライアスII』以降では地形にぶつかっても弾かれることはなくなった。
  • 筐体のメンテナンスが不十分だとディスプレイの繋ぎ目がズレていたりする。
    • 専用筐体を使った続編でも同様の問題がある。また、当時はまだ高品質のブラウン管が供給されていたが、ブラウン管の寿命となるとどうしようもなくなる*20

バージョンについて

ダライアスには複数のバージョンが存在しているが、国内で一般に流通したのは以下の3つ。

  • OLDバージョン
    • 稼働初期に出回ったバージョン。ボスのレーザーやウェーブへの耐性が高く、後半面では撃破までに要する時間が非常に長い。
      • 特にウェーブ装備での「グレートシング」戦は、正面から遠距離でチマチマと撃っていく方法だと稼ぎ目的のボス延命をしなくても「ヤズカ・タカーミィ」からの撃ち返し弾が確実に撃たれる程長引いてしまう。
      • このことから、ショットをミサイル段階で止めておきレーザーやウェーブにしない戦法が有効とされた。当時、本作に力を入れていたゲーメストの攻略記事でも「レーザーにはするな」と書かれていたとか。
    • 稼動直後に出回った最初期ロットでは自機が無敵化するバグが存在していた。後のロットでは修正されている。*21
  • NEWバージョン
    • ボスのレーザーやウェーブ耐性がやや下げられ、遊びやすい調整になった。エキストラバージョンとは別物である点に注意。
      • ボスの攻撃内容については変更はないが、6面ボスである「アイアンハンマー(シュモクザメ)」のみ、特徴となっている頭部にガード判定が追加されたため、ミサイルでの撃破難易度が若干上昇している。
    • 一部のエンディングにて表示されるはずの一枚絵が表示されないというバグが存在する。
    • デモプレイ画面で表示される「GAME OVER」のフォントの色でどのバージョンか判別可能。OLDバージョンと後述のエキストラバージョンは白色。NEWバージョンのみ赤色である。
    • 発売当初は19インチモニター3台を搭載した筐体のみであったが、省スペースを希望する声に応えて15インチモニター版が新たに追加生産された。その際にソフトウェアを修正したのがこのNEWバージョンである(19インチモニターでNEWバージョンという筐体も存在する)。
  • エキストラバージョン
    • NEWバージョン以上に大きな変更が加えられたバランス調整版。ゲーメスト編集者であり、本作のヘビーゲーマーであった石井ぜんじ氏が特別協力している。
    • タイトルに『EXTRA VERSION』の文字が追加されている。
    • 全体的に敵の攻撃が激しくなり、敵数が増加。上述されているグレートシングを含め安地・半安地の類がほとんどなくなっている。一部地上敵の耐久力も底上げされ、ミサイル止めプレイでボムで地上敵を倒すことが難しくなっている。
    • その一方で、ボスのレーザーやウェーブ耐性が更に下げられた。上述のファッティグラトンは特に弱体化しており、子ピラニアの撃ち返しが動かなくても自機に当たるようになったが正面維持狙いで動き回る前提ではかえって被弾しにくくなっている。
    • アイテムの配分が見直し。ハード設定でのアイテム配分が非常に渋くなった。イージー設定、ベリーハード設定は以前のバージョンと同じ*22
      • 画面内の敵を全滅させる金アイテムの配置数が1ゾーンにつき1個に減少。*23これにより、以前のバージョンでは使えたパターンが使えなくなり、ウェーブへ成長させる必要性が強まった。*24
    • 難易度ノーマル以上の4面以降、ボス戦前の浮遊機雷で新たに自機に向かって高速で突っ込んでくる紫色の機雷が混じるようになった。
      • 通常の浮遊機雷の分裂し方もそれ以前のバージョンと比べて激しくなっている。
    • ボスのパーツ破壊時に本体へダメージが加算されるようになった。
      • ただし、本体がHPを持たない一部のボスには適用されない。
    • ファイナルゾーンクリア時、残機数×1000000点のボーナスが加算される。
      • これが残機潰し対策なのは言うまでもない。残機潰しによる稼ぎプレイをどんなに極めてもこのボーナスに追いつくことは不可能だろう。
    • 一人プレイでもコンティニューが可能になった(ただし難易度イージー設定時・または最終面到達後は不可)。
      • なお、コンティニューした時に限りその場で復活となる。
    • 上記の仕様変更の多くは、オリジナル版のミサイル止めプレイへのいわばアンチテーゼというべき調整である。
      真っ当にアイテムを回収してプレイする中では高難度ながら十分調整されているバージョン。アイテム数の増加・ボスの耐性低下のため、ウェーブまでショットを育てる標準的なガン攻めプレイでの難易度は大きく改善。ウェーブ狙い最大の壁だったファッティグラトンも大きく弱体化したため、4面ボスが最難関という若干歪だったゲームバランスも是正されている。
      また敵の攻撃の激化により、安全地帯の類は大幅に減ってしまっているが、正面からの撃ち合いでも倒しやすくなったために「避けて撃つ」というSTGのオーソドックスに近いプレイが求められるようにバランスが取られたといえる。
      しかし、「ミサイル止めプレイをすると以前よりも難度が上昇するため、初・中級者に『難しくなった』という印象を与えた」「ヘビーゲーマーが今までできた稼ぎパターンが使えない」などの理由から、発売当時の評判は芳しくなかったようである。
      更に、当時の例に漏れずバージョン更新方法が「基板上のROMチップを交換する」というものなので、接触不良や交換中の事故が原因の不具合も散見された。

総評

シンプルにまとまっているシステムながら画期的なアイデアを多数取り入れた作品。
ボス戦前の警告・水棲生物と機械を融合したボスデザイン、小倉久佳によるBGM、多画面筐体にボディソニックのベンチシート…
そして樹形図ステージ選択によるSTGでの大ボリュームとアームシステムによるとっつきやすさなど…絶大な支持を得るに足る要素は揃っている。

また、本作および本シリーズはSTGの演出面での可能性を大きく広げた作品でもある。
タイトー製STGはこの後演出やBGM重視の方向性を更に押し出すようになり、本作は後に『演出系STG』と呼ばれる独自の方向性を確立する上での礎となった。
現在でもSTGはBGMや演出が重要という声は大きく、その礎となった本作をゲーム史において無視する事は出来ないだろう。

一方でゲームとしては冗長さや多画面故の粗があったのも事実であり、この課題は次回作以降にも引き継がれることとなった。

タイトー多画面筐体ゲームの系譜は、『ザ・ニンジャウォーリアーズ?』や『ダライアスII』と言った作品達が引き継いでいくことになる。
一方でダライアス自体も、『スペースインベーダー』に並んでタイトーを代表するSTGシリーズとしての道を現在もなお歩み続けている。


現在のAC版を取り巻く環境について

初代ダライアスは現在でも根強い人気のある作品だが、今では基板の寿命問題や筐体の老朽化に伴って本作を扱ってきた店舗でも撤去していることが多い。
一応、STGやレトロゲームに力を入れたゲームセンターではプレイできることもあるので、そういったゲームセンターに行くことがあれば、探してみるのも良いだろう。
また、「基板は保存できたが筐体は保存できなかった」という理由*25により、継ぎ目の軽減しやすい液晶モニターやプロジェクターを3台並べて稼働させているケースもある。

家庭用移植

3画面の特殊構成や当時の家庭用ハード性能等の関係から、何らかのアレンジが施された移植作のみが発売されていた。
2016年8月26日に配信されたPS4版において、稼働から30年目にしてようやくAC版の完全移植が実現する事となった。

  • スーパーダライアス(1990年3月16日 PCエンジンCD-ROM2、NECアベニュー)
    • 家庭用初の移植版。完全移植を妨げる「仕様の壁」に挑んだ、PCEを代表する傑作移植の一つである。AC版開発当初の構想にあった26体のボスが全ゾーンに個別で配置されている。ウェーブで敵を破壊した時にスコアが入らないバグがあるのが欠点だが、それに目を瞑っても完成度は高い。詳しくは上記リンクを参照。
    • 2008年10月7日からPCE CD版がWiiのバーチャルコンソールにて配信中、要800Wiiポイント。
  • ダライアスプラス(1990年9月21日、PCエンジンHuCARD、NECアベニュー)
    • PCエンジンスーパーグラフィックと通常のPCエンジン本体の両方に対応した、唯一のHuカードソフト。『スーパーダライアス』に比べるとBGMがPCE内蔵音源になりボス種類が全16体と減少してはいるがそれでもアーケード版は上回る数。ウェーブのスコアバグが修正され、PCESGで遊べばスプライトのチラツキが軽減されるというメリットがあった。しかしスパダラが先に登場したこととPCESGがほとんど普及しなかったことから、本作の存在意義が薄いのは否めない。
      • しかもVCではエミュレーションの仕様によりスパダラのチラツキが大幅に軽減されており、プラスの存在意義はさらに薄くなってしまった。
    • 2008年7月15日からPCE Hu版もWiiのバーチャルコンソールにて配信中、要600Wiiポイントの安価版的位置づけ。
  • ダライアスアルファ(1990年、PCエンジンHuCARD、NECアベニュー)
    • スーパーダライアス』の裏技であるボス連戦モードのみをHuカードに移植したもの。登場ボスは『ダライアスプラス』と同じ全16体。一般販売はされず一部のキャンペーンの賞品として配布されただけであるため市場現存数は極めて少なく、『スーパー』や『プラス』よりもはるかに高額で取引されるプレミアソフトとなっている。
  • サーガイア(1991年12月13日、ゲームボーイ、タイトー)
    • GBの性能故にゾーン選択の廃止や難易度低下など大幅にアレンジされているが、プレイ感覚はまさにスーパーダライアスそのもの。
      グラフィックや作曲者本人が監修したアレンジBGMのクオリティはゲームボーイの限界まで迫るレベルを誇る名移植である。
  • ダライアスR(2002年12月13日、ゲームボーイアドバンス、パシフィック・センチュリー・サイバーワークス・ジャパン)
    • ゲームバランス悪化、ゾーン数減少、そして再現度のかなり低いアレンジBGMや盗作疑惑のあるオリジナルBGMなど、総じて粗雑な作りだったためファンから酷評された。詳しくは上記リンクを参照。
  • アーケードアーカイブス・ダライアス(2016年8月26日、PS4、ハムスター/ゴッチテクノロジー)
    • CSゲーム環境として普及した16:9HDモニター対応の完全移植。NEWバージョンとエキストラバージョンが収録されている。
    • 連射機能が標準搭載されている他、AC筐体の継ぎ目のズレやモニター毎の色合いの違いを再現することも可能となっている。余談だが、慣れたプレイヤーたちはモニター間の繋ぎ目を位置取りの目安に使っていた。
    • サウンド面でもウーファーや5.1ch(7.1ch)サラウンド対応、振動コントローラーによるボディソニック再現などかなり力の入った移植となっている。
    • 2017年2月23日発売のシリーズ30周年記念アイテム『DARIUS 30th ANNIVERSARY EDITION』では「OLDバージョン収録」や「インストラクションカード表示機能」の追加要素を搭載したディスクパッケージ版が同梱される。『アーケードアーカイブス』シリーズ作品のディスク化は本作が初。
      • 配信版の方も2017年8月4日に配信されたVer1.01 アップデートパッチによりパッケージ版で搭載された追加要素が全て実装された。*26
  • ダライアス コズミックコレクション(2019年2月28日・Switch タイトー/M2)
    • PS4版とは異なる開発元による新規の完全移植。『M2 Shot Triggers』シリーズのようにゲーム画面外に残アーム枚数や次ゾーンなどの情報が表示できるようになっている。
  • ダライアス・ジ・オリジン(2017年8月、Rakuten Games)
    • スマートフォンのWEBブラウザ向け(PCでもプレイ可能)に移植されたダライアス。
    • 『スーパーダライアス』風の1画面アレンジで、グラフィックやサウンド面の再現度は高い。
      • しかし、レーザー・ウェーブの火力が高すぎてボスを一瞬で落とせてしまったり、逆に自機の方も敵の貫通弾がアームにかすっただけで即死してしまったりと、ゲームバランスはかなり大味。
    • とはいえ導入・登録不要で基本無料で遊べる*27ので、「ダライアスの起源(オリジン)を知る」「気分を味わう」「シューティングゲームを気軽に楽しむ」という点ではうってつけの作品といえる。
  • 上記のほか、日本未発売版としてAmiga・AtariST・ZX Spectrumに移植された『Darius+』が存在する。
    これがタイトル画面、自機や敵のデザイン、ゲームシステムなどあらゆる面が完全に別物というとんでもない代物。
    一応BGMが「CAPTAIN NEO」など本作BGMのアレンジが用いられていたり、一応ファッティグラトンなど本作のボスが登場する*28、28ステージ分の分岐がある、背景はそこそこ再現できているなど確かに本作が『ダライアス』の移植であることは辛うじてわかるのだが…それにしてもあまりに別物である。
    • 初出となるAmiga版の発売は1989年。なんと本作の移植としては初出である。ちなみにちゃんとタイトーの正式ライセンスも取得している。
+ その恐るべき別物ぶり

余談

  • 本作は上述の通りマルチエンディング。後の『ダライアスII』『ダライアス外伝』の両作は、本作のWゾーンエンドを下敷きとしてストーリーが作られた。しかし同じエンドから違うストーリーを作った関係で『II』と『外伝』の間に設定の矛盾が発生していた。
    ダライアスバースト』後に設定資料集にて設定の整理が行われ、『II』につながるエンドがWゾーンのものに、『外伝』につながるエンドがZゾーンのものとされ、この両方の事象が起こったと再設定された*29
    • ちなみに時間軸上、本作は『Gダライアス』と『外伝』の間に位置するダライアスヒストリーのエピソード2とされている。
  • パイロットのプロコとティアットの名前を逆さ読みすると『TAIT OCORP』となったり、多くの敵が人名を逆さ読みしたものである(ノウコ、マヤリーク、ワ・ガセハなど)などお遊び要素が結構多い。
  • 洞窟面BGMの『Captain Neo』は、前年に稼働した同社作品『メタルソルジャーアイザックII』のデモ画面BGMのアレンジ(作曲は本作と同じく小倉氏による)。
    • 本作の作曲期間は1ヵ月しか与えられなかったようで、当時のAMショーへの展示に間に合わせるべく、急遽FM音源化して本作へ流用することになったという経緯がある。結果的に展示されたAMショーで好評だったため、そのまま製品版へ採用されたとのこと。
      • この時、当曲の編曲及び本作への移植を行ったのは当時新人であり、効果音を担当した高木氏である。その関係で他の曲とは異なりサンプリングが使われていない。
  • ダライアスIIでは専用の2画面筐体が開発されたが、本作の筐体を流用した3画面版も存在していた。
  • サイバリオン』ではダライアスのキャラが登場しており、世界観的な関わりも示唆されている。
    このつながりからか、後年の『ダライアスフォース』や『ダライアスバースト』シリーズでは、逆に『サイバリオン』のボスや自機をモチーフとしたボスが登場している。
  • 『レインボーアイランド』ではワールドの中にダライアスをモチーフとした面がある。
    • 通常のワールド7クリアまでに条件を満たすと行ける隠しステージの一つで、ワールド9が『ダライアスアイランド』になっている。 敵はダライアスのキャラ、BGMは「COSMIC AIR WAY」のアレンジ、ボスはエレクトリックファンという徹底ぶり。またこのワールドにある隠しアイテムを取ると自機の左右に本作のようなウェーブを発射することが出来る。このウェーブはラスボスを一撃で倒せる。
    • 『レインボーアイランド エキストラバージョン』ではワールドごとの敵キャラの配置が替わっており、ワールド1にダライアスの敵とBGMが出てくる。
  • 『アルカノイドDS』『SPACE INVADERS INFINITY GENE』にも今作から「Captain neo」のアレンジ楽曲が収録されている。
    • 前者はSamplingmasterMEGA(細江慎治氏)によるダライアスメドレー、後者はCOSIO氏の渋いアレンジとなっている。2曲とも『GROOVE COASTER』に収録された。
    • 『GROOVE COASTER 3 LINK FEVER』稼働後期にはイベント「ダライアス豊漁祭」にて、『TAITO GAME MUSIC REMIXS』より「COSMIC AIR WAY」のCOSIO氏アレンジが収録。ノリノリなダンス調のアレンジがなされている。
  • アプリゲーム『アルカノイドvs.インベーダー』ではサポートキャラとしてプロコが登場。ミニキャラ風の絵柄になってもやはり顔が濃い。
  • 『みんなでスペランカーZ』のタイトーコラボにて、プロコとティアットを模したパイロットスーツが登場。シルバーホークやキングフォスル、デュアルシェアーズもファン(武器アイテム)として登場。
    • コラボステージではBGMに「Captain neo」が使用されている。元々が洞窟ステージBGMなのであまり違和感は無いが、ステージ構成そのものにタイトーとのコラボ要素は薄い。
  • 上記の移植版とは別に、iアプリ専用ソフトの番外編として『ダライアスオーシャン』が出ている。
    • 簡単に言うとダライアス版「ディープスキャン」のようなもの。損傷により水上しか移動できなくなったシルバーホークが真下へのボムで水中のベルサーを倒していく。
    • グラフィックもさることながら、意外にもサウンドの再現度も悪くない。バカゲーじみたアレンジだが、敵キャラの姿のおかげか内容も案外違和感は無かったりする。
    • 全26ステージ、そして11体の巨大戦艦が全て登場しており、更に画面自体は1画面ながら左右にもう1画面分ずつ敵が出現するレーダーが表示されている(3画面分の情報量が存在する)という、基本的にバカゲーながらもかなりダライアスらしさを重視してアレンジされた良作でもある。2017年現在となってはプレイするのは難しいが、歴史に埋もれさせておくにはいささか惜しい。
    • なお、iアプリの仕様上機種によって多少の変化はあるが、BGMのアレンジも(無駄に)ハイクオリティ。それもそのはず、本作のサウンドも小倉氏が自ら担当しているのである。
  • 静岡県ローカル番組だった「しょんないTV」で、秘密基地を作るという企画でレトロゲームが集められ、ダライアスも設置された。何度もこの秘密基地での収録があったので背後に鎮座するダライアス筐体を見る事が出来た。
    • しかし、2019年にメインMCのピエール瀧氏がコカインを使用したことによる麻薬取締法違反で逮捕され、番組自体が消滅してしまう悲劇が訪れてしまった。
  • 大阪新世界のレトロゲームセンター「ザリガニ」に未だに現役稼働するダライアスがある。*30
    • 運営者の「お父さんの『ゲームがしたい』という想いに応える*31という感涙もののお店で2016年に作られた店舗。アフターバーナーのダブルクレイドル仕様筐体やナイトストライカーが現役稼働というから凄い。
    • なお基板のバージョンは北米版*32で、日本国内でこのバージョンで稼動している唯一の場所となっている。
  • 他にも日本国内での稼働は秋葉原Hey(Extra ver+純正筐体がもう一台あり、普段はザ・ニンジャウォーリアーズ?だが、不定期にダライアスのNew verに切り替わる)、高田馬場ミカド(Old ver)、ナツゲーミュージアム(Old ver、ウォーリアーブレイド筐体に3画面押し込んだ非純正筐体。日替わりでダライアスIIの3画面版が稼働する)、ウェアハウス川崎(Old verかExtra verの日替わり)、ニャライズ(New verかExtra verの日替わり)、天野ゲーム博物館(New ver)、アミューズメント CUE 奈良三条店(Old verかExtra verの日替わり)が確認されており、バージョンを問わなければダライアスIIやナイストに比べれば遊びやすい環境ではある。
    • ただミカドの筐体は2度ほど出火した経験があり、Heyの筐体もブラウン管の不調で長期メンテに何度も入っている。やはり経年劣化はどうあがいても避けられないという事もあり、筐体を拝みに行くのであれば早いうちに訪れた方がいいだろう。