メタルソルジャーアイザックII
【めたるそるじゃーあいざっくつー】
ジャンル
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アクションシューティング
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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タイトー
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稼動開始日
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1984年
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プレイ人数
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2人 (交互プレイ)
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備考
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メインCPU:Zilog Z80 サウンドチップ(2x):General Instrument AY8910, MSM5232 画面解像度:256 x 240
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判定
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なし
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ポイント
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四方八方からの攻撃に耐えながら戦場を闊歩する自機が健気 数少ない楽曲は後の名作で大出世
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概要
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1984年にタイトーからリリースされたアーケードゲーム。ジャンルとしてはアクションシューティングにあたる。
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アクションシューティングとしては同社の『奇々怪界』タイプのトップビュー視点のゲーム。ただし奇々怪界の方が後発。
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自機『アイザック』を操作し、ステージ上の赤いコアを持った地上物の全破壊を目指す(同じデザインで青いコアを持った地上物も存在する)。
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二人プレイ時は交互プレイ。
主なルール
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操作系統
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本作は8方向ジョイスティックと2ボタン(対空攻撃・対地攻撃)を使用する。
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レバーで自機の移動。
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対空攻撃ボタンでUFOを攻撃。頭頂部からのビーム。
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対地攻撃ボタンで地上物を攻撃。攻撃方法は形態により異なる。
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自機の形態
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アイザック・アーマー(人型形態)
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スタート時はこの形態。銀色ボディに赤い手足と言う、
『ウルトラマン』
『ジャンボーグA』みたいなカラーリング。
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耐久力は10で、ダメージ量に応じて赤く点滅し、耐久力が0になるとアーマー(胴体)が破壊されるものの、頭部は離脱して
ジェットパイルダー「アイザック・ファイター」として戦闘続行。
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対地攻撃は自機の向いている方向に腕を飛ばして攻撃する『シャトルパンチ』。
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ダメージ量はUFOからの弾は1(速くて小さめ)だが、地上物の砲弾(遅くて大きめ)は3。地上物に衝突で即破壊(10に相当)。
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ダメージを回復するには、一度破壊して再合体するしかない。そのため、意図的に地上物に特攻して再合体といったプレイも求められる場面がある。
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アイザック・ファイター(飛行形態)
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この状態でダメージを受けると1ミス。
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対地攻撃は真下の地上物を攻撃。また、『アーマードック』というドーム型地上物を破壊すると中から「頭の無いアイザック・アーマー」が現れ再合体出来る。
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余談だが、タイトル画面で耳に見えるパーツは、ファイター時は90度回転して
小さすぎる気もするが翼になる。
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この形態でないと破壊できない敵もいる。『アーマードック』もその一つ。
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本作ではステージ数はフェーズ(PHASE)と表示され、フェーズ0から開始となる。1周全7フェーズ(事実上全8面)構成。
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ランキングではスコア、到達フェーズ数、プレイ時間が表示されるが、一般的なスコア優先ではなく到達フェーズ数が優先になる一風変わった仕様。
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画面下にはゲーム内難易度にあたる「レベル」が表示されており、時間経過で上昇していく。
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アイザック・ファイター形態で被弾(=ミス)、敵弾によってアイザック・アーマー破壊されるとレベルが10下がる。
またフェーズ開始時の初期レベルの数値は各フェーズ毎に設定されており、フェーズをクリアすると次のフェーズで設定された数値にリセットされる。
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隠しボーナスとしてフェーズ開始時からアイザック・アーマー形態を維持した状態でフェーズクリアすると1000万点+1機エクステンドのボーナス。
更にフェーズ内には5体の隠しキャラが配置されており、全て出現させてフェーズをクリアすると1億点という破格のボーナス点が得られる。
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ただしこれらのボーナスで加算されたスコアはスコアエクステンド(標準設定で100万エブリ)の対象外となる。
評価点
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重量感溢れる自機が四方八方からの敵の攻撃に耐えながら戦場を闊歩する姿が健気。
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お蔵入りした作品の続編として登場した事と、ダライアスで有名な楽曲「Captain Neo」を発掘した点。
問題点
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何かと高い難易度。
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飛行形態の状態だと敵が狂ったように執拗な攻撃を仕掛けてくる。自機・敵共に移動速度が速いため回避が難しく慣れるまではフェーズ0をクリアも難しい。
赤い敵が撃つ誘導ミサイルと敵基地で現れて扇状に多数ミサイルを撃つミサイルランチャーが凶悪。特に後者は出現タイミングを予測した上で出現とほぼ同時に回避行動を取らなければミサイル回避不能になって被弾ミスが確定するほど。
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その上ミス後はアーマーが装備されるようなことはなく飛行形態で復帰となるため、アーマードッグが遠い箇所でミスしてしまうと連鎖的に残機を減らされてそのままゲームオーバーになりかねない。
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STGとしては、バミューダトライアングルに代表される「ほぼ不可避の攻撃を巨大判定高耐久の自機で耐えながら回復しつつ敵を殲滅する」タイプ。本作の回復は一度無防備(被弾で一発アウト)な状態を経るためある程度の戦略性を求められる。とにかく飛行形態でいる時間を短くするのが攻略のコツ。最奥部は飛行形態の場合は進入しやすいが、ロボットの場合門を通る必要がある。
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空中物は無限湧きする上、地上物も破壊後一定時間で修理されてしまう。
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視点が真上のため、ロボット感が伝わりにくいうえ、なんか小さく見える。なおアーマー形態では常に歩きである。
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人型ロボットなのに格闘攻撃が無い。この時代のアクションシューティングで格闘攻撃が無いのは普通だとも言えるが…。
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後年の『奇々怪界』では飛び道具の「お札」以外に格闘攻撃に当たる「お祓い棒」が存在する。
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敵にも同型の人型ロボットが登場するが、こちらも攻撃方法は自機と同じで、やはり格闘攻撃はない。
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自機の耐久面の設定・仕様で疑問に感じる点がある。
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耐久力、弾によるダメージ量は妥当と言えば妥当だが、建造物に衝突で即破壊されてしまう巨大ロボットって…。
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戦車だったら踏み潰しで高得点、建造物には進入不可だったら、巨大ロボットらしくかつ妥当な仕様になっていたかもしれない。
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『ゼビウス』より後発なのにこれといったボスが存在しない。
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設定上は赤いコアを持った地上物がボス(所謂マザーコンピューター)なのだが、通常地上物のコアが赤くなっただけなので盛り上がりに欠ける。
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敵基地では自機のコピーである「ブラック・アイザック」が出現するが、専用の演出は出現時のファンファーレのみでライバルっぽさは薄い。
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一応グラフィック自体はゼビウスを上回っている。
総評
前述の通り難易度の高さと、トップビュー視点のロボゲーな点で何かと損しがち。ただ、ロボット形態の自機を堪能できる事くらいしか評価できる点が…。
そんな評価故か、現在は多くのプレイヤーからゲーム内容云々を差し置いて「Captain Neoの初出作品」としか扱われていないのは言いようが無い。
家庭用移植
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タイトーメモリーズ2 下巻(2007年3月29日発売)
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唯一の移植。なお、タイトーメモリーズシリーズにおけるダライアスシリーズは『II』から『G』まで収録されているが、『初代』は諸事情で収録されず、間接的だが初代ダライアスのBGMだけタイメモに収録されたとも言える。
余談
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なぜいきなり『II』なのかと言うと、初代は『ログイン』等で紹介はされたものの、お蔵入りになってしまったからである。
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なお、タイトル及びデモ画面で使われている「キャプテン・ネオのテーマ」は元々初代で使われる予定だった楽曲。
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後に『ダライアス』の宇宙洞窟ステージで同曲がアレンジされて収録された後、現在はZUNTATAの楽曲「Captain Neo」として親しまれている。
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しかしこの『II』も出荷数が少なかったのか基板には相当なプレミアがついており、基板の入手は困難を極める。
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自機のアイザックはタイトー作品に何度かゲスト出演を果たしている
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アイザックアーマー・ファイター共に「バブルボブルシリーズ」の『レインボーアイランド』のワールド6「ロボットアイランド」に「あいざっくん」と「あいざっくん・へっど」として登場。あいざっくんの方はシャトルパンチで攻撃してくる。ボスは「すーぱーあいざっくん」である。
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『クイズ地球防衛軍』ではアイザックアーマー形態が「MSアイザック」の名前で登場。対怪獣戦のサポートメカとして使用することができ、攻撃力と防御力両方が上昇する強力な効果を持つ。
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『ハレーズコメット』では終盤ステージの敵としてアイザックアーマー形態に似た外見の敵が現れる。
最終更新:2022年11月15日 13:29