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SILENT HILL: HOMECOMING - (2020/04/03 (金) 11:56:17) の編集履歴(バックアップ)


SILENT HILL: HOMECOMING

【さいれんとひる ほーむかみんぐ】

ジャンル ホラーアドベンチャー
対応機種 Xbox360
プレイステーション3
Windows
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 Double Helix Games
発売日 2008年9月30日
レーティング ESRB:M(17歳以上対象)
備考 国内未発売
判定 なし
SILENT HILLシリーズリンク


概要

世界中で高い評価を得ているホラーアドベンチャー『SILENT HILL』シリーズの続編。
元々は日本で開発されていたシリーズだが、本作は完全に海外のデベロッパにより製作されている。
北米・欧州で先行発売され、発祥の地である日本でも発売が予定されていたがなんと中止となってしまった。
そのため現在本作をプレイするには輸入版を手に入れるしかない。言語はもちろん英語で日本語字幕は存在しない。
なお、PC版であれば非公式だが日本語パッチをあてることで日本語化が可能。


ストーリー

主人公アレックス・シェパードは軍の任務で負傷し病院に入院していたが、弟ジョシュア・シェパードの失踪を知り、故郷シェパードグレンに帰郷する。
しかし数年振りに訪れた故郷は人影がなく、道路が所々崩れているなど異様な雰囲気に包まれていた。
アレックスは母親や幼馴染と再会しジョシュアの行方を探す内に、異形のクリーチャーや地獄のような世界に遭遇する。
やがてシェパードグレンとサイレントヒル、そして自身に関わる因縁に巻き込まれていくことになる…。


特徴

  • 本作では、シリーズでお馴染みの霧に包まれた街「サイレントヒル」だけでなくその隣町「シェパードグレン」も物語の舞台となっている。
  • 海外制作であるためか、戦闘の難易度は非常に高い。
    • 本作では弱攻撃と強攻撃が存在し、組み合わせによってコンボが発生する。クリーチャーごとに有効なコンボを見つけ出さないと雑魚相手でも苦戦は必至。
    • 従来シリーズでは銃を構えると自動でエイムしてくれていたが、本作では手動でエイミングする必要がある。ヘッドショットでダメージ増加等TPSの要素が強い。
    • またドッジ(回避)というアクションがあり、これを上手く利用して敵の攻撃をかわし隙を突いてコンボを叩きこむ必要がある。
    • それに反して謎解きの難易度は非常に低い。義務教育レベルの英語力があれば問題なく解ける。
  • シリーズ恒例のマルチエンディングを採用
    • これまでのシリーズと同様にマルチエンディングを採用している。分岐は単純で、数回ある2択の選択肢をどう選んだかによって5通りのエンディングを迎えることになる。
    • これまた恒例のギャグEDであるUFO EDも存在。
  • 2』に登場した人気クリーチャー「三角頭」こと“レッドピラミッドシング”の再登場。
    • 本作では“ブギーマン“の名称で登場する。
  • 本作の発売に先立って公開された、映画版「サイレントヒル」の要素が逆輸入されている。
    • 雪ではなく灰が降っている、地面からマグマが覗いている等、街の雰囲気が坑道火災によりゴーストタウンになった映画版のものになっている。
    • 裏世界へ変貌する際、本作では床や壁が剥がれて空中に舞い上がっていく映画版の演出が採用されている。
    • ブギーマンが映画版同様大量の蟲を引き連れている。

評価点

  • グラフィック
    • PS3/XBOX360のゲームとしてはそれほど美麗なグラフィックというわけではないが、裏世界や精神病院などのおぞましい雰囲気は非常によく感じられる。
    • クリーチャーの外見も見ているだけで不安になる秀逸なデザイン。ただし種類は少ない。
  • 音楽
    • これまでのシリーズ同様、山岡晃氏が担当しており、相変わらず雰囲気にあったサウンドで評価は高い。
  • シナリオ
    • 基本的なプロットは主人公アレックスが失踪した弟ジョシュアを探すというものだが、中盤辺りからサイレントヒルと教団が深く関わってきてシリーズファンにはにやりとする場面も。
    • 本編ではあまり饒舌にストーリーが語られず、大量に用意されているメモを読んでいくことで背景が見えてくる作りになっている。
    • EDについてやブギーマンについての考察等、良く言えばプレイヤーに想像の余地を残している。悪く言えば投げっぱなし。

賛否両論点

  • 戦闘の難易度の高さ
    • 概要で説明したように、海外制作であるためか戦闘の難易度がこれまでのシリーズと比べて非常に高い。
    • 特にニードラー、サイアムといったクリーチャーは回避を駆使して戦う必要があり、アクションの苦手なプレイヤーには厳しい。後半になるとこいつらが複数匹同時に出てくる場面も。
    • これまでのシリーズのように銃弾を無限に持つことができない。
      • 本作では銃に装填できる弾数の2倍までしか銃弾を所持することができない。そのため銃弾の総数がわからない初回プレイではついつい銃弾をケチってしまい、結果的に難易度が上がってしまう。
  • 映画「ジェイコブスラダー」に酷似したシーンがある。
    • 冒頭アレックスがストレッチャに固定されて精神病院を移動するシーンは「ジェイコブスラダー」の1シーンそのもの。
      • もともとサイレントヒル自体「ジェイコブスラダー」の影響を受けていることは想像に難くないが、本作はあまりにもそのまま。
      • とはいえ、海外製作のゲームにはこのような映画やドラマのオマージュと思われる描写は良くあることなので、受け取り方次第ではある。
  • 過激なグロシーン
    • 海外製作ということもあり一部過激なグロシーンが存在する。
      • 最初のステージである病院からして、裏世界には(グラフィックはそこまでリアルでないとはいえ)縦に真っ二つにされた死体があったりする。
        全体を通して、従来作よりは直接的な残虐表現が多めである。

問題点

  • 大量のバグ
    • 大小あわせて様々なバグが存在する。以下に代表的なものを列挙する。
      • なにか調べるときに表示される「Examine」表示が消えずに残り続ける。
      • 画面に表示されるボタン表示と実際に押すボタンが一致しない。
      • ムービーから切り替わる時に暗転したまま表示が戻らない。
      • ボタン連打でフリーズ。
      • ラスボス戦でなぜかラスボスが消えてしまいクリア不可に。
    • 特に有名かつ100%発生するのがPS3北米版におけるボタンバグ。
      • 初期設定で×ボタンに二つのアクションが振られている等ボタン配置がおかしくなっている。
      • キーコンフィグで「Restore Default」を実行すれば正常な配置になるが、ゲーム再開時やムービー後などにまた初期のおかしい配置に戻ってしまう。その度にキーコンフィグを実行する必要があり非常に煩わしい。
      • 一応手動でキーコンフィグすればクリアまで再発することはない。
      • 100%再現するのでちょっとテストプレイすれば気付きそうなものなのだが…。
  • 全体的に動作がもっさりしている
    • ドアを開けるときに少しでもずれているとドアを開けてくれないなど操作性はあまりよくない。
  • 三角頭の扱い
    • シリーズの人気キャラの三角頭だが本作ではイベントシーンでちょっと登場するのみで戦闘は発生しない。
      • 日本版のパッケージでは三角頭が単独で描かれているものになる予定だったようだが…これではパッケージ詐欺である。
    • 尚、本作の実質的な次回作『SILENT HILL: DOWNPOUR』では開発者はこの件について「HCの犯した過ちのひとつ」とし、『DOWNPOUR』に三角頭を登場させない事になったという。
      • 『DOWNPOUR』にもブギーマンは登場するが、三角頭とは全くの別物となっている。『Book of Memories』でもこの二体は区別されていた。
      • しかし同作のギャグエンドには本来の三角頭がちゃっかり出演していたりする。
  • UFOエンドについて
    • 従来ほどのはっちゃけは無く、かなりあっさり。本編の流れからすると十分おかしい展開だが、今までのようなぶっ飛んだ内容を期待すると拍子抜けする。
    • それだけならともかく、今回は「二周目以降に○○する」と言った特殊な条件ではなく他のエンディング同様に選択肢で分岐するため、一周目でいきなりこのエンディングを迎えてしまう可能性もある。

総評

海外制作となった本作。戦闘難易度などが洋ゲーに合わせ上がった部分もあるが、概ねこれまでのシリーズと似た雰囲気で安定してプレイできる。
ただ進行に支障をきたす多数のバグと過激なグロシーンが存在するので、プレイの際は細心の注意をしよう。

余談

  • タイトルの「HOMECOMING」とは「帰郷」の意味で、主人公アレックスの帰郷から始まる物語である事を示している。
    • しかし本作自体はシリーズ発祥の地である日本において発売中止となり、タイトルの「帰郷」が果たされなかったという皮肉な結果に。
  • 日本版の発売が中止となった理由については公式曰く「日本の市場に合った製品にならなかった」ということらしいが、特にその大きな一因は「残酷過ぎる描写」にあると思われる。
    • 映画版「リベレーション3D」のパンフレットでは、「元々日本で受け入れられるかどうか危ぶまれていた上に、ローカライズ中に重大かつ致命的なバグが発覚したため、バグ修正の労力が期待される売上と釣り合わないと判断され発売が見送られた」という旨のコメントが記載されている。
    • PC版については現在SteamでDL版が配信されているが日本からは「おま国」のため購入不可。しかし、海外の一部販売サイトでは日本からのSteamキー購入並びに認証自体は可能と言う報告も上がっている。また、前述の日本語化MODも適用可能。