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ダブルダンジョン - (2010/09/01 (水) 02:19:47) の編集履歴(バックアップ)


ダブルダンジョン

【だぶるだんじょん】

ジャンル 3DRPG
対応機種 PCエンジン(Huカード)
発売元 メサイヤ
発売日 1989年10月31日
定価 5500円
ポイント 単調でショボい
RPGと思って買ったら負け
テンポが良く、爽快感あり
「RPG要素がある迷路」と割り切れば遊べる

概要

  • 2人同時プレイができる(疑似)3DRPGというコンセプトで発売された。
  • 6段階のレベルに分かれた22のシナリオがある。レベルが高くなるほど、ダンジョンは広くなる。
  • レベル1から5の各シナリオをクリアすると、レベル6シナリオをプレイするためのパスワードが1文字ずつ表示され、これらを全部クリアするとレベル6シナリオをプレイすることができる。
  • 現在はバーチャルコンソールや携帯アプリでも配信されている。

ゲームの流れ

  • プレイ人数、プレイヤーの名前、プレイするシナリオを入力するとプロローグが表示され、ゲームが開始する。
    • どのシナリオでもレベルは1から。高レベルのシナリオでも最初はレベル相応の敵が出る。
  • 戦闘時にできることは「攻撃」「アイテム使用」である。移動すれば逃げたことになる。HP回復はアイテムで行う。モンスターのドロップ、店、宝箱で手に入れる。
    • モンスターからのドロップは1/8の確率で、所持アイテムが6個の満たんの状態では絶対にない。
    • モンスターは全て決まった位置に配置されていて、移動しない。倒した後は、初期の弱いもののみ時間がたてば復活する。それ以外はパスワードで再スタートした時に復活する(ちなみに宝箱も)。
    • ボスを含めて、全ての敵から簡単に逃げることができる。
  • 魔法は攻撃魔法のみ。MPという概念はない。アイテムを宝箱で拾うか店で買うか(かなり高価)して使用する。一定のダメージを「確実に」与えられる。何回使用してもなくならない。
    • 高レベルのシナリオの終盤のザコやボスは、かなりの確率で攻撃を回避する。だから魔法を使えるとかなり便利。
    • なお低レベルのシナリオだとまずアイテムが入手できないし、仮にあっても使う必要性が低い。
    • 敵が魔法を使ったという表示はないが、敵によってはダメージがかなりばらつくことがある。
  • 宿屋はあるが、LV20まではレベルアップするとある程度自動回復するし、回復アイテムが入手しやすいのでほとんど使用しなくて済む。
  • HP0になったら所持金をすべて失って、スタート点に戻される。
  • ボスを倒すとシナリオクリアとなり、エピローグが表示される。
    • ボスの部屋に入るには、宝箱から「ユニコーンキー」を取っておく必要がある。
  • 2人プレイ時は協力することもできるし、プレイヤー同士で戦って所持金を全部奪うことも可能。
  • データ保存手段はパスワードのみで、シナリオの中移動時であれば、ドアの前以外いつでも表示可。

問題点

  • とにかく単調でショボい。
    • BGMはオープニング・ダンジョン・店・ボス戦・エピローグの5種類のみ。どのシナリオを選んでも全て同じ。それどころか、モンスター以外の全てのグラフィックも何もかも同じ。発売時期を考慮しても、22もシナリオがあってこれは手抜きとしか思えない。
      • グラフィックの質も、発売時機を考慮しても平均水準よりは下と思われる。
    • ダンジョンには一切の仕掛けもないし、1フロアしかない。
    • どのシナリオでもやることは、モンスターを倒して経験値と金を稼いで強い装備や回復アイテムを買い、ボスの部屋に入る鍵を探し、ボスを倒すということだけである。
  • シナリオが空気
    • どのシナリオにも固有のストーリーが付いているが、ゲーム中で反映されるのはボス戦闘前のセリフだけ。他はたまにザコ敵がストーリーにちなんだもの(魔法使いに関係するシナリオであれば魔法使いが多く出るとか)になっているくらい。無論イベントなど一切ない。
    • プロローグ・エピローグは数行の文章のみ。最終シナリオをクリアしても、数行の文章が出た後(しかもめちゃくちゃ陳腐)一枚絵が出るだけ。全シナリオをクリアしても得られるものは何もないに等しい。
    • このゲームの世界は2つの月があるらしいが、もちろん世界観なんかもどうでもいいものである。
  • 単純な操作が売りの1つだが、かえって迷惑な時も
    • 武器・防具はそれぞれ一つしか持てない。(正確に書くと、初期装備と後で入手したものの2つを持っているのだが)
      • 店で現在持っているものより安いか(=弱い)同じものを買えないのはいいが、高いものを買ってしまうと、それまで持っていたものが消えてしまう。買う前に売らなければ損をする。
    • 宝箱から入手するときは、弱いものでも入手できてしまう。もちろんそれまで装備していたものは消える。
      • 中には意図的に弱い装備を入れている宝箱を置くという、意地悪をしていることさえある。開ける前に何が入っているのか確認はできるが(これは評価できる)。
    • パラメーターはHP・攻撃力・防御力・回避力・経験値のみ。このうち表示されるのはHPと経験値のみ。
  • 色違いの敵どころか「色同じ」の敵まである。名前を確認しておかないとひどい目に遭うことも。
  • 色付きのパスワードが理不尽だという意見もある。普通は水色だが、紫の文字がわずかに混じっている。
    • 紫の文字は本当に少ないし、書き写す時には○で囲むなりしておけばいいので問題なのか?と思うが。 このゲームを「RPG」として見ていると、クソゲーと言われてもやむを得ないような面しか出てこない。

評価点

  • テンポが良好で、爽快感がある。
    • ダンジョンの移動は、高速でスムーズ。
      • 迷路は決して単純なものではなく、しかもオートマッピングなんてない。それでもスムーズに移動できるので、特に低レベルシナリオならさほど苦にはならない。
    • 戦闘は早送りできるし、爽快感がある。
    • ダンジョンのBGMが1種類しかないのはいただけないが、テンポを悪くしない無難な出来である。
  • この結果、単調・単純であることが時間つぶしにレベル1や2のシナリオをプレイしてみようという動機につながりやすい。
  • プレイしながら覚えておかなければならないことは、「この敵がどのくらいのレベルで倒せるか」くらいである。
  • シナリオの空気さも「RPG要素がある迷路」と割り切れば気にならない。物は見方ということである。

まとめ

  • このゲームの単調さは、発売時期を考慮しても擁護できるものではない。BGMやグラフィックぐらい複数作っておけと。
  • それでも当時の書籍やネット検索をしてみると、クソゲー評価一辺倒でないどころか、肯定的に評価する意見も結構見られる。決して「2人同時プレイができる3DRPGだから」という、オリジナリティのみで評価されているというわけではない。
  • 斬新なシステムとか素晴らしいグラフィック・音楽・ストーリー、そういうものだけが全てというわけではなく、何か輝くものがあればそれなりに受け入れられるゲームもあるという見本ではないかと考える。