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ガンスタースーパーヒーローズ - (2013/10/15 (火) 19:11:36) の編集履歴(バックアップ)


ガンスタースーパーヒーローズ

【がんすたーすーぱーひーろーず】

ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 セガ
開発元 トレジャー
発売日 2005年10月16日
価格 5,040円
分類 微妙リメイク
黒歴史
ポイント 原作レイプ
ゾルゲール哲が元会社のいう事を全く聞かなかったが故の出来
そしてさらなる絶望はTFVIへ……


概要

メガドライブで発売された名作アクションゲーム『ガンスターヒーローズ』の(一応)続編。通称『ガンスパ』。
ディレクターはセガのゾルゲール哲(以下ゾルゲ)、開発は前作に引き続きトレジャーが担当した。以前このコンビ?が手掛けた『ASTRO BOY・鉄腕アトム -アトムハートの秘密-』は良作と誉れ高く、期待する声も多かったのだが…。

評価点

  • グラフィックの職人芸ぶりは健在。
    • 相変わらず多関節キャラがグリグリ動くので見ていて飽きない。他にもラスタースクロールや回転機能も随所で使われているため、演出面はかなり良い。
  • 操作性やキャラクターの挙動は快適で、アクション性はぼちぼち。
  • 画面の明るさを3段階で変更ができる。

問題点

  • 公式で完全新作を謳っておきながら、実際の内容は初代ガンスターの焼き直しリメイク。ゲーム構成から登場人物、大まかなストーリーラインまで殆ど一緒。
    • リメイクならリメイクで、最低限オリジナルのゲーム性が保たれていれば良かったのだが、以下にある様に様々な面で劣化してしまっている。
  • セガのゲームをモチーフにしたステージがあり、いくつかのステージの途中に入っているのだが、これが全く面白くない。完全にテンポを阻害している。
    • フリッキーステージは脈絡もなくいきなりひよこを集めさせられるため、かなりの違和感が。
    • アフターバーナーステージとギャラクシーフォースステージは画面を360度グルグル回転させるため、とても目が回る。また、敵は画面奥や手前から襲ってくるが、自機と同じラインに来たときしか攻撃は当たらないので苦労する。
    • 特に問題なのがサンダーブレードステージ。自機が大きく動きが遅い、道が狭くて身動きが取りづらい、敵弾が速い、とプレイヤーに不利な要素のオンパレード。さらに、ダメージを受けたり壁にぶつかると動作不能のモーションに入るが、この時は無敵状態でないので連続で攻撃をくらい、身動きができなくなってしまうことがある。地上弾が当たりにくく、地上の敵を残してしまうことによってこのようなケースになりやすい。イージーやノーマルならまだ良いが、ハードだと何も出来ずにそのまま即死するケースが多い。
      • はっきり言ってこのステージだけ難易度が異常。満遍なく難易度が高いならともかく、このステージだけが明らかに飛び抜けている。本当にテストプレイしたのだろうか。
    • そもそも元がトレジャーのゲームなのに、何故セガのゲームをモチーフにしたステージを入れる必要があったのか…?
  • 武器システムがかなり簡略化されている。メガドラ版では拾った武器を組み合わせることにより、合計14種類ものショットが使えたが、今作では初期装備の3つの武器しか使えない。レッドとブルーそれぞれの固有武器が一つずつ、共通武器が二つで合計してわずか4種類。
  • 重要なアクションであった投げの削除。新たにソードとバズーカが追加されたがあまり使えない(特にソード)。
    • 旧作の投げは、敵の投げた爆弾を投げ返してぶつけるといった爽快なアクションも可能だったが、今作のソードで爆弾を攻撃するとその場で爆発するためほぼ回避不能となる。
  • ライフが0になった瞬間にほとんど演出も無しにゲームオーバー画面に飛ぶため、自分が何故死んだのかが分からない。上記のサンダーブレード面で特に顕著。
    • 加えてその場でコンティニューできず、ゲームオーバー画面→スコアランク→メーカーロゴ×2→OPデモ→タイトル画面→メニューと経由しなければならないため、再開するにも無駄に手間が掛かる。一応、ソフトリセットすればタイトル画面まで飛ばせるので多少マシになるが、それはそれで別の手間である。ちなみに旧作では普通にコンティニューが可能だった。
  • 完全な必勝パターンが存在するので興ざめする一部のボスと中ボス。また、旧作から激しく劣化したボスも何体か居る。
    • ピンキーローダーに至っては弾も撃たずアームも出さず、左右に移動して時々ジャンプするだけ。弱点の横に乗ってしまえば相手は何も出来なくなる。
    • ラスボスのゴールデンシルバーは、旧作では飛び回る4つの秘石との同時攻撃を仕掛けてきたが、今作では画面中央に陣取って微動だにしない。その代わり秘石の攻撃が非常に激しくなり、回避するのが困難になった。ただ、一部を除いてダメージは雀の涙(ノーダメージのものもある)のためさほど難易度は高くない。どう考えても難易度調整の仕方を間違っている。
  • 大型ボスのドットの解像度がなぜか低く、うっすらモザイクがかっているように見える。
  • シナリオは『アトムハート』の時と同様にゾルゲが手掛けているのだが、評価は今一つ。
    • 使用キャラクター(レッドかブルー)と難易度(イージー・ノーマル・ハード)の組み合わせによってストーリー展開が若干変わり、ハードでクリアする事で初めて物語の全容が分かる、という作りなのだが…。
      + ネタバレ注意
    • 作中に登場する「トレジャーストーン」が他のトレジャー作品のキャラクターの意志を持つ存在だったり、「この世界はゲームだ」と気づく人間が出てくる等、メタフィクションな展開になる。「ガンスターでやる必要性がない」「意味がよく分からない」と一部批判の声が上がった。
    • 主人公の一人であるレッド(前作とは別人)は設定上は少女となっているのだが、声や口調がやけに男らしい上にゲーム中ほとんど女扱いされないため言われないと分からない。下手をすると言っても信じてもらえないレベル。正直変更しても上手くそれを活かせていない。
      • 一応、もう一人の主人公であるブルーだけはちゃんと女扱いしているのだが、エンディングにおけるブルーの「ちっ! 大好きだぜ、レッド!」という台詞に対するレッドの返答は「おうよ、行こうぜ! オレ達はガンスターズだ!!」。色気も何も無いどころか返答になっているかどうかすら怪しい。知らない人が見たらホモカップル扱いされそうである。

ゾルゲによる開発への影響

  • 開発スタッフの一人であるはん氏*1は後に自身の同人誌にて、本作の開発にあたってゾルゲがかなりの強権を振るった事を暴露している。
    • セガ作品モチーフのステージの追加、当初は前作と同様の熱血少年だったレッドの女性化など、自分の意見をゴリ押し。一方で、トレジャー側の意見はどれだけ言っても全く聞き入れなかったらしい。
    • はん氏の絵を「売れない」と本人の目の前で批判した挙句、独断で自身の友人であるかねこしんやをイラストレーターとして起用。これに関する実際のユーザーの反応は「はん氏の方が良かった」という声が多く、完全に逆効果だった。
      • 後に発売されたサウンドトラックのジャケットは、はん氏が描いている。結局何がしたかったのか…。
    • こういった事が重なり、トレジャー社内の士気がゼロになってしまったとの事。自分達のデビュー作を目の前で好き勝手にレイプされれば当然だろう。
  • ゾルゲが「自分が大好きだから」という理由だけでよく使っている文字「新篆体*2」が、広告イラストなどで使われている。どう考えてもトレジャーがそんな文字を入れる事を許可するとも思えないので、これもゾルゲの独断と思われる。
  • 因みに、「ガンスパでの一件がきっかけでゾルゲはトレジャーから出入り禁止を喰らっており、未だにその事を恨んでいる」との噂もある。
    • ゾルゲの自画自賛記事ではないかとして一時期騒ぎを起こした『アトムハート』の記事では、トレジャーの仕事が完全に無視されていたが…。

総評

 一応アクションゲームとしてはそれなりに遊べる出来であり、ハイクオリティなグラフィックなど見所も無い訳ではない。しかし、「スーパー」とは名ばかりな前作の焼き直しでしかない内容に加え、蛇足感漂う粗雑な追加・変更要素、サンダーブレード面や一部ボスに見られる明らかな調整不足など、前作と比べると作り込みが甘い点が目立つ。その為、ガンスタファンからは「期待外れ」「これまで心がけていた進歩という部分が全く感じられない、歴代ワーストの完成度」等、厳しい評価を受ける事となってしまった。トレジャーも途中でタイトルを『ポケットガンスター』に変えようとしたそうだが*3、このスケールダウン加減ならそれも納得である。
 こうなった最大の原因は、やはり前述したゾルゲの横暴という事になるだろう。『アトムハート』ではまだ意見が言える環境だった様で、ゾルゲの書いた変な仕様書をトレジャーが一から作り直したりしているのだが、その時の事が気に入らなかったのか、あるいは「トレジャーの意見なんか聞かなくても面白く出来る」という自信でもあったのか…。いずれにせよ、開発を統括する立場の人間の態度として大いに問題ありと言わざるを得ない。
 それでも、当時は現行ハードで遊べる唯一のガンスターという代替品としての価値もあったのだが、翌年には前作が他のトレジャー作品とのカップリングでPS2に移植され、更にその後バーチャルコンソールやライブアーケードにも移植された為、今となっては代替品としても機能しない、正真正銘の劣化リメイクという位置に落ち着いてしまっている。

余談