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スーパーロボット大戦コンプリートボックス - (2022/02/14 (月) 20:19:38) の編集履歴(バックアップ)


本項ではプレイステーションソフト『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』、
およびその分売・システム微調整版であるPS版『第2次スーパーロボット大戦』『第3次スーパーロボット大戦』『スーパーロボット大戦EX』を併せて解説します。
(いずれも 不安定 判定)


スーパーロボット大戦コンプリートボックス

【すーぱーろぼっとたいせんこんぷりーとぼっくす】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 プレイステーション
メディア CD-ROM 2枚
発売元 バンプレスト
開発元 ウィンキーソフト
発売日 1999年6月10日
定価 7,140円
プレイ人数 1人~2人
備考 後に各2,100円で分売(後述)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント F同様敵が強い
F同様宇宙が苦手
F同様踏み込みが足りん!
F以上に金が足りん!!
精神を鍛え直せ!!!
DISC2目当てで買うのもあり?
スーパーロボット大戦シリーズ



第2次! 第3次! EX!
伝説の3部作が、最新システムで蘇る!



概要

入手困難なFC『第2次スーパーロボット大戦』、SFC『第3次スーパーロボット大戦』&『スーパーロボット大戦EX』の3作をプレイステーション向けにリメイクし、1つのディスクに収録したコンピレーションソフト*1

上記のキャッチコピーなのだが、肝心のその「最新システム」が様々な問題点を抱えていた『スーパーロボット大戦F』準拠だったため、FC版/SFC版におけるゲームバランスが歪んでしまう事態となった。

なお、3作を収録したディスク1と、収録されている3作のシナリオフローチャート等が閲覧出来るモードやボイス編集機能がある『HISTORY OF SUPER ROBOT WARS』が収録されたディスク2に分かれている。


問題点(3作共通)

はじめに

  • 本作のキャッチコピーは「最新システムで蘇る」であるが、実のところ『第3次』のパラメータに『F』のシステムを強引に当てはめただけである
    運動性以外の機体性能・武器の性能・敵機からの獲得資金に至るまで、使用できる部分はほぼ全てにおいて本作に使い回されている。
    当然、『F』と従来作ではシステム的に異なる部分が相当数存在するが、その「異なる部分」同士の辻褄合わせが殆ど行われていない。
    これにより危ういながらも保たれていた各オリジナルのゲームバランスが崩壊、『F』以上にトチ狂ったバランスへと変貌してしまった。

基礎システムについて

  • オリジナルのSFC版『第3次』は、簡単に言えば(パイロット攻撃力+武器攻撃力+α)-(敵装甲+α)という計算式であった。
    現行のスパロボと違って与ダメージの基準はあくまでパイロットの攻撃力であり、武器攻撃力はそれに追従する形である。
    そのためビームサーベルやバルカン等、低威力でも高命中補正を持っていれば、最強武器と同等かそれ以上の有用武器として多用された。
  • しかし本作は『F』と同じ武器攻撃力にパイロット攻撃力を乗算する形となり、またパイロット攻撃力も『F』から大幅に下げられた。
    この計算式の変更と、射撃と格闘に分離した影響が合わさり、敵味方共に与ダメージが大幅に低下するという事態を招いてしまった。
    与ダメージを上げるために武器改造を施そうにも、後述する深刻な資金不足で思うように改造できない。泣きっ面に蜂である。
  • 本作で再構築された『第2次』『EX』も、この「『第3次』の数値で制作した『F』」を基にされている
    このため『第2次』『EX』共にオリジナルとは完全に異なるバランスへと変貌している。詳しくは個別項目を参照されたし。
  • 基礎システムは『F』と同様であるため、同作のPS版で指摘された「戦闘アニメスキップ不可・ロード時間が長い」という問題点も引き継いだ。
    上記のダメージデフレで敵1機の撃墜に時間が掛かる事も相まって、1回の戦闘・1話のクリアに非常に時間が掛かるようになってしまった。

精神コマンドについて

  • 覚える精神コマンドの効果は基本的にSFC版『第3次』がベースになっており、『F』準拠のシステムに合わせた調整は殆ど施されていない。
    それどころか、精神ポイント消費量や習得ラインナップまでもが『第3次』がベース。おかげでゲーム性と嚙み合わないという事態が相次いだ。
  • SFC版『第3次』は、AIが自動で敵ターン中の味方の行動を決定する。現行スパロボのようにプレイヤーが任意に選ぶ事はできない。
    このため大半のパイロットが、ある程度被弾する事を前提にして、HP回復コマンド「根性」「ド根性」を覚えるよう設定されていた。
    一方本作は、プレイヤー側が任意に敵ターンでの行動を選択できるようになっているため、「根性」「ド根性」の重要性は下がっている。
    それにも関わらず、SFC版『第3次』同様に多くのパイロットが「根性」「ド根性」を習得する設定のままになってしまっている。
    この影響で、「集中・ひらめき・魂*2」等の重要コマンドを習得するリアル系パイロットが『F』『第4次/S』より激減してしまった。
    特にアムロやカミーユ等のエースパイロットは、『F』と同じ感覚で使っていると悲惨な事になる。
  • 『F』『第4次』は敵ステータスの確認に専用精神コマンド「偵察」が必要だったが、各オリジナルでは無条件に確認が可能であった。
    しかし本作ではこの辻褄合わせが殆ど行われていないため、「偵察」を習得できるパイロットはごく少数に留まってしまっている。
    特に『第3次』では開始時点で誰も習得していないため、「敵のステータスを調べて対策を考える」というSRPGの基本すら不可能になった
  • 敵を1機だけ引き付ける「挑発」が加わったものの、敵全員にダメージを与えて待機を解除させる「激怒」がなくなっている。
  • 各パイロットの精神ポイントは『F』よりもかなり少なく設定されているのに、精神コマンド消費量は『F』と全く同じ。
    おかげでパイロットによっては、序盤ではまともに使う事すらできない。『F』の経験値還元システムも削除されたため無駄が出やすい。

獲得資金について

  • 例によって獲得資金もSFC版『第3次』の流用。これによって大量の問題点が生まれてしまう事となった
  • SFC版『第3次』はまた武器改造の概念がなかったため、雑魚からの獲得資金が少なく、ボスや戦艦からのそれは多いという設定であった。
    一方で本作は武器改造ができる上に与ダメージが低いため、SFC版『第3次』以上の獲得資金が求められる事は普通に考えても必然である。
    しかし本作はSFC版『第3次』とほぼ同じ獲得資金。これのせいでただでさえ高い序盤戦の難易度が大幅に上がる事となってしまった。
  • SFC版『第3次』は「幸運*3」の習得者が比較的多く、また消費量も低かったため、序盤からでもコツコツ資金を稼ぐ事が可能であった。
    しかし『F』で効果が「幸運」「努力」に分割され、更に本作で大半の「幸運」習得者が代わりに「努力」を習得するようへと変更。
    これにより「幸運」習得者及びその使用機会が大幅に減少、実質的にSFC版『第3次』よりも総獲得資金が下がる事になってしまった
    この問題は『第2次』『EX』にも深刻な影響を与えており、特に獲得資金の多い敵が殆ど出現しない前者では顕著となる。
    本作の深刻な資金不足を助長し、難易度を大幅に引き上げた決定的要因の一つと言えるだろう。
  • オリジナル版に搭載されていたインターミッションでのユニット処分が削除されてしまったのも資金不足の原因の一つとなっている。
    機体の処分時に僅かではあるが資金を獲得できたため、多少なりとも経済面での支えになっていたのだが。

改造の仕様について

  • 武器改造に掛かる費用と、改造による攻撃力の上昇値が妙におかしい。主に『第2次』『第3次』の問題点である。
    本作は基本的に「有用武器ほど上昇値が低い割に改造費が高く、弱い武器ほど格安で攻撃力を伸ばせる」という不可解な設定になっている。
    例えばF91は、前者と後者をフル改造した際の攻撃力が殆ど変わらない。弾数や消費EN等も考慮すると、後者を改造した方が効率が良い事も。
    勿論「各武器で改造費が異なる」という仕様自体は他作品にもあるが、「高いのに伸びが悪い」という仕様は本作くらいにしか見られない。
    しかし『第3次』後半は一部MSの最強武器であるファンネルがほぼ必須のバランスなので、高い改造費用&低い上昇値に我慢しつつ改造するはめに。
    上記の「オリジナルよりも資金を稼ぎ辛い」という問題も、この仕様が更なる逆風となる。
  • 機体改造については、「フル改造ボーナスによる上昇値が改造による上昇値と同等以上」という珍現象が起こっている。
    改造の上昇値は『CB』の機体性能に合わせた数値に設定されているのに対し、何とフル改造ボーナスは『F』と同じ数値のまま
    例えば「装甲はフル改造で+500、フル改造ボーナスで更に+500」「ENはフル改造で+80、フル改造ボーナスで更に+150」と設定数値が極端。
    とは言え前述の通り改造資金が全く足りないので、フル改造できるユニットは非常に限られており、救済措置にもなっていない。

クリティカル補正について

  • 本作の武器・機体性能は基本的にSFC版『第3次』がベースだが、同作には存在しないクリティカル補正が新たに設定されている。
    しかし本作のクリティカル補正は、補正の概念が導入されたSFC版『EX』がベースとなっておらず、±0~-20%のものが殆ど。
    +10%以上の補正がある武器は、MSや戦闘機のバルカン・機銃系と、スーパーロボット系の一部の武器のみである。
    敵の強さも相まって『F』と比べてクリティカル発生率が極端に下がっており、難易度を上げる原因の一つになってしまっている。

特殊技能・特殊能力・敵の強さについて

  • 『F』や他作品と違って雑魚パイロットが妙に強い。能力値も高い上、レベル1からシールド防御や斬り払い等の特殊技能を持っている。
    オリジナルと違ってシールド防御や斬り払い等を持っているのなら、当然その違いを埋めるための辻褄合わせが必要になってくる。
    その辻褄合わせが先述の「集中」「必中」にあたるのだが、上記の通り大半のMS系パイロットはこれらを習得しない。
  • 『F』のシステムなのでパイロットの性格システムが存在しており、敵を倒せば倒すほど主に敵ネームドの気力も上がる仕様となっている*4
    やはりこちらも精神コマンドがSFC版準拠のせいで、強敵の撃破に有用だった精神コマンド「脱力・挑発*5」を持つパイロットは皆無に等しい。
    これもまた、主にボス戦においてただでさえ高い難易度を大幅に引き上げる要因の一つである。
  • 敵ユニットの強さも同様で、こちらが先述の資金不足と強力なMS不足に苦しめられている時に、高性能ユニットを次々に投入してくる。
    敵ユニットの思考パターンも『F』仕様に変化しており、イベントでしか使用してこなかったMAP兵器をガンガン使ってくる。
  • SFC版『第3次』にはまだ特殊技能の概念がないため、敵味方共にシールド防御や斬り払いができず、ファンネルを誰でも使用できた。
    しかし本作で特殊技能…つまりはニュータイプ技能も導入され、同技能保持者しかファンネルを使えなくなった。実はこれが非常に痛い
    『第3次』のファンネルは命中補正が非常に高く、「攻撃力は高いが回避/命中は微妙」というタイプのキャラだと大活躍が望めた。
    本作では技能の導入によって、回避/命中でも差を付けられるため、非ニュータイプのキャラは殆どが2軍落ちという事態となってしまった。
    SFC版では非ニュータイプでも活躍の機会があった事を考慮すると、この技能の導入はあまりに相性が悪かったと言わざるを得ない。
  • Iフィールド等のビームバリアは、大ダメージによって貫通可能になったが、大半の終盤ボスが持つビーム吸収は依然として不可能なまま。
    そのため、Ζガンダムやビギナ・ギナといった最強武器がビーム兵器の機体は、一級MSでありながらSFC版同様に2軍落ちしやすい*6
    一応、Ζガンダムは最強武器の改造の幅が大きく、攻撃力がMS最強になるが、射程・燃費・命中補正の点で結局ファンネル搭載機に大きく劣る。

まとめ

  • 元々破綻していた『F』のシステムに、SFC版『第3次』の数値を安易かつ強引に当てはめ、その調整も怠った結果が上記の通りである。
    勿論『第3次』も決して優れた完成度ではなかった。しかし、全体版挑発とも言える「激怒*7」の存在、Iフィールドの圧倒的防御力*8、MAP兵器の範囲と使い勝手の良さ*9等があり、それらを上手く駆使すれば苦しい展開が打開できるという、高難易度ながらも意外にバランスは取れていた。
    しかしこれらを考慮せず、安易に数値とシステムだけを合わせた結果「オリジナルの良さを潰した上でそれぞれの短所が絡み合う」という、蘇るどころかゾンビのような作品へと仕上がってしまった。
    当然これは『第2次』『EX』も同様であり、オリジナルとはかけ離れたゲーム性へと変化し、その変貌ぶりも悪い方向へと向かってしまっている。 オリジナル版と同じ戦略は通用しないため、同名の別ゲームと割り切ってプレイするしかない。

ディスク2について

  • ディスク2の「バーチャルスタジアム」というモードでは、スパロボでは類を見ない2P対戦ができる。
    これ自体はスパロボシリーズ内では珍しいモードなのだが、本編のシステムをそのまま使っているため待ちが圧倒的に有利となっており、プレイヤー同士が独自にルールを設定しないとまともな対戦にならない。特に命中系精神コマンドを使うと目も当てられなくなり、リアルファイトへの突入は必至。
    自分で使用している部隊の他にサンプル軍団も用意されているが、強さがばらばら。ボス軍団に至ってはネオ・グランゾンを筆頭としたボスだらけで、ハンデなしでは勝負にすらならない。
  • 定番のキャラクター大事典及びロボット大図鑑はディスク2に収録されているのだが、内容の充実具合に差がありすぎる。
    具体的に言うと、事典&図鑑が初めて搭載された『第4次』以降にも登場するキャラと、『EX』に登場した数々のオリジナルキャラはかなり充実しており、読み応えがある。
    その一方で、『第2次』『第3次』にしか登場しないキャラは非常に簡素な記述で終わっているものが多い。酷いものは殆ど悪口状態の場合すらある。
    例えば『ゲッター』の巴武蔵は「柔道が得意なゲッター3のパイロット。」のたった1行。3番手とはいえ、仮にも主役チームの一員に対してこの扱いは酷すぎる。
    『第4次』や『F』の頃からの誤字修正なども一切行われていない。
  • 本作でボイスが収録されたキャラも多数存在するが、流石に量が多すぎたのか全体的に低音質であり、『F』で収録したキャラと比べると瞭然。
    』で収録済のひびき洸やハサウェイ・ノアに至るまで、音質が悪くなっている。

評価点(3作共通)

  • グラフィック・ボイス関連の大幅な向上。
    • 『F』に存在したコン・バトラーVの合体ムービーは本作でも見られる。『F』では未参戦だったライディーンのムービーも本作では見る事が可能。
    • 『F』で好評だった顔グラフィックの変化は本作でも健在。既存キャラは勿論、本作でのみ登場するララァや洸、コープランダー隊等も変化するようになっている。
      • また、既存キャラのエマやスレッガーも変化するようになった他、敵キャラであるマシュマー、ジェリド等にも用意されている*10
      • 正確にはPS版『F』からの話だが、SFCのものを流用していたためにドットが粗かった魔装機神系のキャラの顔グラフィックも修正され、見栄えがよくなっている。
    • 『F』の特徴であったDVEがいくつか追加された。
      • 特に見物なのが、ガルマが特攻するDVE。最後がちゃんと「DCに栄光あれーーーっ!」と、スパロボでの所属勢力を叫ぶ台詞になっている。
  • 反撃を行う際に、武器を選べるようになった。
    • 要するに第4次以降のシステムになったということだが、FC、SFC版ではこれができなかったため、改善点の一つといえる。
  • オリジナルキャストの都合による代役声優の起用も本作で本格的に始まり、『F』のように声優の都合で登場キャラクターが選別される事は無くなった。
  • 『F』にあった残り精神ポイントによる経験値入手システムが削除。このシステムが気になって精神コマンドの使用をためらうことはなくなった。
  • MAP兵器を使う際、機体とパイロットの組み合わせが原作通りだと、大変格好いいカットインが挿入されるようになった。
    • 具体的には、ブライト+戦艦のハイパーメガ粒子砲、クワトロ+百式、ガトー+GP-02A、コウ+GP-03デンドロビウム、魔装機神系等である。
    • しかしΖΖガンダムには何故か存在しない。ΖΖが何をしたというのか…
  • ディスク2の『HISTORY OF SUPER ROBOT WARS』が意外と面白い。
    • 収録された3作のシステム説明、シナリオフローチャート、オリジナル版のプレイムービーが閲覧できる。当時の『スパロボ』を知らない人には非常に興味深い。
    • 各キャラの戦闘ボイス等を、自由に並べ変えて編集し再生したりできるボイス編集モードがある。ハマる人はこれだけで1日潰せるほど。
    • 従来スパロボシリーズ同様、収録されている3作のキャラクター大事典やロボット大図鑑、カラオケモード等が閲覧できる。当然本作にしか登場していない機体やキャラクターの事も載っているので、それらを見るのも面白いだろう。
    • 魔装機神関連の設定資料も充実している。魔装機神ファンは押さえておいて損はない。
      • ここに収録されているムービー集ではSDサイズながらゲッターやコン・バトラーの変形・合体を3DCGで再現したムービーを見られる。なぜか『第3次』では原作取り込みのムービーが流れるため、地味にここでしか見ることが出来ない。サイバスターの変形ムービーは貴重だろう。
    • おまけとしてこのディスク専用のエンディングスタッフロールも収録されているのだが、登場するロボと同じポーズを取った各スタッフが紹介されるというシュールなものになっている*11。なお、OPムービーもディスク1と2で別々のものになっている。
    • カラオケモードのアニメーションもこだわっており、「ブレストファイヤーで溶ける機械獣」「オーラ斬りで縦に真っ二つに分かれてから撃墜される」など専用の撃墜演出が見られる。これが本編で使われていれば少しは評価も上がっただろう。
  • 発売当時はすでにFC、SFCから次世代ハードへの移行が進んでおり、元ゲー未経験者が収録3作品を手軽に遊べる手段としては評価できた。
    • もっとも、仕様上の理不尽さに攻略で挫折する人が多く、元ゲー自体をクソゲーだと勘違いしてしまう人も生み出してしまったが…。

第2次スーパーロボット大戦

発売日 1999年12月2日
定価 2,100円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載
配信 ゲームアーカイブス:2011年1月26日/800円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 分売に当たり獲得資金が1.5倍に
バランスの悪さはそのまま
+ 参戦作品一覧
  • 機動戦士ガンダム
  • 機動戦士Ζガンダム
  • 機動戦士ガンダムΖΖ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • マジンガーZ
  • グレートマジンガー
  • UFOロボ グレンダイザー
  • ゲッターロボ
  • ゲッターロボG
  • 魔装機神サイバスター*12

特徴(第2次)

  • 2機の隠しユニットの追加
    • FC版でショップがあった場所に特定ユニットを待機させると、隠し機体として「Gアーマー」「クィン・マンサ」を入手できる。
      Gアーマーは数少ない本作オリジナルの要素。クィン・マンサについてはFC版でも登場したが、入手条件が変更されている。
  • 仲間になるユニットの変更
    • 途中で離脱したゲッターQ・テキサスマック・ボスボロットは最後まで使えるよう変更されている(このうちゲッターQは条件付きユニット)。
      • ゲッターQは全体的に性能が低く戦力外レベルなのに対し、テキサスマックは武器の性能がそこそこ優れ二人分の精神コマンドが使えるため、それなりに使える部類に入る。
    • オリジナルでは途中で離脱したアフロダイAはダイアナンAとなって帰ってくる。
  • 一部敵ユニット・パイロットの変更
    • 『第2次』で敵として登場すると矛盾するクェスはラストバタリオンからいなくなっている。
    • 最終話に登場するラカンは乗機がゲーマルクから原作で乗っていたドーベン・ウルフに変更されている(『第2次G』でもゲーマルクのままだった)。
  • 説明書には、『第4次』などから文面を流用しているため「シナリオクリア後に分岐が出現することもあるから」とあるが、実際はFC版同様追加シナリオや『第2次G』のような展開になる分岐要素は存在しない。

問題点(第2次)

  • 3作で最も深刻な資金不足
    • 先述したように本作は、システムが違いすぎるため「Fのシステムを掛け合わせた第3次」で別物に作り直されている。
      これの最大の問題点は、敵の配置がほぼそのままでありながら、『第3次』の「雑魚からの獲得資金が少なくボスや戦艦からは多い」が本作にまで適用されている事にある。
    • 敵配置に殆ど変化がないため、高額の資金を持つボスや戦艦系の敵が滅多に出現せず、満足な改造が殆ど行えない。こんなツメスパロボのようなゲーム性で中盤以降まで進めなければならない。
    • このため、高額資金に目が眩んでフォウを説得せず撃墜するプレイヤーが多数生まれてしまう事に。
      サイコガンダムの獲得資金は20000と高額で、更に後述の通りフォウは数MAP後に離脱するため、撃墜した方がメリットが大きい。
  • 要塞マップではFC版通り戦艦が出撃不可。また飛行ユニットが飛行できない(FC版では飛行グラフィックこそないが飛行扱いだった)。
    これのせいで一部のユニットの使い勝手が悪くなり、また場合によっては補給が困難になる。「最新のシステムで蘇る」はずでは?
    • 『第2次』は最終シナリオが要塞マップなため、ゲッタードラゴンが地上Bの影響を受けて弱体化してしまう。
      消費気力もENも低いポセイドンの大雪山おろしを改造する方が、そこに至るまでの道のりも楽になる部分もある。
      • もっとも地上Bでも攻撃力はシャインスパークの方が上であり、大雪山おろしは宇宙や空相手には使えないという欠点がある。
        安定したボス狩りとして前者を使い、後者はあくまでも雑魚狩り用とするのか、雑魚・ボス問わず両者併用かは好みの問題だが。
  • SFC版には機体性能の概念がなくレベルのみであったため、1st世代であるRX-78でも特に他MSと比べて弱いという事はなかった。
    しかし本作は、CB版『第3次』からのデータ流用の都合から2軍MS並みの性能しかなく、ゲーム開始時点で既に厳しい戦いを強いられる。
    先述した隠し要素のGアーマーを入手すると多少はマシになるが、あると便利というよりは無いとかなりキツいというレベル。
    上記のゲッタードラゴンもそうだが、安直にデータを流用した結果、原作にはない問題点が発生してしまっている。
  • 開発スタッフはこのCB版『第2次』を本作の入門用としており、大味ではあるが難易度は比較的低い。
    敵パイロットのレベルが低めで、敵ユニットも殆ど改造されないので、先述のデフレも相まってあまり高いダメージは受けない。
    敵ユニットの出現総数が全体的に少ないため、敵軍の総攻撃に押し潰されて右往左往する危険性も少ない。
    • その代わり、こういった味付けが施された結果、戦略性が薄いかなり大味なゲーム性に変わってしまっている。
    • 先述の通り本作は獲得資金が非常に少ないため、敵が殆ど改造されない分こちら側も満足に改造を行えない。
      他のスパロボとは違い、どの機体や武器を改造しどう運用するかといったプレイは、本作ではかなり後半まで行いにくい。
      精神コマンド関連の問題や両軍のダメージデフレの影響も相まって、お互いにHPを削り合うという単調な消耗戦になりやすい。
    • 敵パイロットのレベルが低めにされている分、自軍パイロットのレベルも上がりにくい。
      本作で最もレベルの高い最終ボスですら32しかないため、甲児やプルに至っては精神コマンド「熱血」すら覚えられない事となる。
      通常プレイでは到達できないような習得レベルに設定された精神コマンドは昔からよくあるが、このCB版『第2次』は特に多い。
      2回行動も誰もできないため、複雑に考えなくて済む分、シミュレーションRPG・戦略性の面では相当味気なく感じられる。
      『第2次G』は味方を育てやすく、精神コマンドの充実に合わせ、最終ボスのレベルは60で2回行動もするように調整されていた。
      話数が少なめのSFC版『EX』も、序盤パイロットの初期レベルが比較的高めの10台に設定されていたりと、上手く調整されていたのだが…。
    • 更に、敵機の総数が少ない分、パイロットの気力を上げにくい問題もある。
      ゲッタードラゴンは気力制限130・攻撃力2500という全ユニット最強の武器を装備しており、ボスや強敵の撃破には欠かせない。
      これを使用するため、終盤は必然的にドラゴンで敵を倒す事が多くなるため、ますます他に経験値と気力が回らなくなる悪循環に陥る。
      本作で気力制限140のサイバスターの最強武器・コスモノヴァを使った事のあるプレイヤーはまずいないだろう。
  • 『第2次』に関しては、『第4次』のシステムに準拠したバランスや資金・仲間の離脱に関して調整が入ったリメイク版の『第2次G』が先に発売されていたにもかかわらず、それらの要素が反映されていない部分が多い。
    • 『第2次』は他のシリーズに比べても仕様が異なる部分が多いため、『第2次G』ベースのリメイクを要望する声もあった。
    • 『第2次G』のララァ・胡蝶・フォウ・ミネルバXは仲間にできれば最後まで使えたのに対し、本作ではオリジナル通り数話で離脱する。前述のゲッターQは条件次第で最後まで使えるのだから意味が分からない。オリジナルを尊重したいのかしたくないのかはっきりしないところである。
      • 離脱したキャラは『第3次』で離脱したことを前提にシナリオを組まれている所があり(ララァが少し微妙だが)、その辺の兼ね合いもあると考えられる。
    • ステージ毎に挟まれる会話イベントも基本的にオリジナル版とほぼ同じであるため、非常に薄く感じられてしまう(酷い時には一言二言の会話だけで終わる)。オリジナルの再現と言われればそれまでだが、加筆修正があってもよかったのではないだろうか。
      • 例外の一部として、『マジンガーZ』のローレライは侍口調の武人キャラから原作通りの口調に修正されており、若干話の展開も異なる。
    • 以降の作品との矛盾等もほとんど解消されていない。
      • 黒い三連星やカクリコン、ライラは『第2次』で死亡扱いになったにもかかわらず『第3次』以降にも普通に登場するのだが、本作でも死亡扱いが修正されていない。
      • 特に一番酷いのはレコア関係。『第2次』でシロッコの部下だったはずなのに『第3次』で味方として登場し条件を満たすとシロッコに拐かされて裏切るという意味不明なことになっている。
    • 『第2次G』における『Gガンダム』や『Vガンダム』に関する要素やシナリオ分岐が無いのは流石に仕方ない。
  • 一方でキャプテンラドラ関連やEDのリューネ関連など、一応『第2次G』を反映している部分も無いわけではない*13
    • グレートマジンガー・ゲッターロボG・νガンダムの3機は、FC版では「アーガマに不具合発生→先行した部隊が戦闘中に自軍戦艦がネェル・アーガマにパワーアップして増援で現れる→着艦してマップ上で乗り換える」と言う盛り上がるイベントが用意されていたのだが、本作では何故かイベントが『第2次G』準拠となっており、「マチルダが持ってきた機体にマップ終了後に乗り換えるだけ」という少々味気ない展開になってしまっている。そんなところを『第2次G』準拠にしなくても…
      • もっとも機体とパイロットが紐づけされていて直接的なパワーアップとなったFC版と違って乗り換えとなる為、改造が引き継がれるゲッター以外は機体性能が下がって弱くなってしまうこともあり、仕方ない面もある。

第3次スーパーロボット大戦

発売日 1999年12月22日
定価 2,100円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載
配信 ゲームアーカイブス:2011年1月26日/1,000円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 分売に当たり獲得資金が1.5倍に
バランスの悪さはそのまま
+ 参戦作品一覧
  • 機動戦士ガンダム
  • 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
  • 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
  • 機動戦士Ζガンダム
  • 機動戦士ガンダムΖΖ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • 無敵鋼人ダイターン3
  • マジンガーZ
  • グレートマジンガー
  • UFOロボ グレンダイザー
  • ゲッターロボ
  • ゲッターロボG
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV
  • 勇者ライディーン
  • 魔装機神サイバスター

問題点(第3次)

  • 先述したように本作は、『第3次』の数値に『F』のシステムを掛け合わせるという、極めて雑な手法によって開発されている。
    これによって、上で述べた計算式の変化によるダメージのデフレ、「幸運」保持者の減少、総獲得資金の減少、精神コマンドの調整不足によるシステムとの嚙み合わなさ、満足に行えない武器改造といった大量の問題点が噴出。
    その結果、今なお据え置きスパロボ史上最高とも呼ばれるほどに高難易度のゲーム性へと変貌してしまった。
  • SFC版では強力なユニットに仕上がっていたGP-03デンドロビウムは、リメイクに伴う仕様変更で悲惨な目に。
    • ビームバリアの仕様変更でビーム兵器への絶対的優位性が下がり、計算式の変化でただでさえ低い攻撃力が更に強調されるようになった。
    • 特にSFC版で重宝されたMAP兵器「マイクロミサイル」は、『F』仕様になったため攻撃範囲が狭まり、更に弾数が半分にまで低下。
      しかもダメージ計算式の関係で与ダメージが大幅に低下したため、よほど資金を投入して改造しないと使い道を見出しにくくなった*14
  • 同じくSFC版で強力だったΖΖガンダムは、リメイクに伴う弱体化…とは別の謎の弱体化修正を受けており、冷遇が激しい。
    与ダメージのデフレが顕著な本作において、頼みの綱のMAP兵器の攻撃力が一気に500も低下した他、命中補正も20下げられている。
    更に最大ENも20下げられており、「EN消費行動*15を僅かでも行うとMAP兵器を撃てなくなる」という不可解な調整が施された。
  • SFC版における百式のMAP兵器は、攻撃範囲が非常に広い反面、その命中補正が自軍ワースト2の85しかないという味付けであった。
    しかし本作では攻撃範囲が『F』仕様にされてしまったため、性能はほぼそのままに幅1マス・射程7へと大幅な弱体化となった。
    一応「改造次第で2発撃てる」「クレイバズーカが使える」という特長があるが、本来の長所を補えるほどではない。
  • ENと弾薬を回復させる補給装置は、SFC版は「最大射程3・最大3回まで使用可能」、『F』では「最大射程1・回数制限なし」となっていた。
    一方本作では「最大射程1・最大3回まで使用可能」と、両作品の悪いとこ取りとなっている。
  • 本作の『第3次』に登場するラカン・ダカランが、何とレベル40でニュータイプ技能を習得する。
    • これは終盤でゲーマルクに搭乗するので、恐らく彼にファンネルを使用させるためのゲーム的な処置と思われる。
      しかし原作のラカンはニュータイプでも何でもなく、強化人間になるための手術も受けたといった設定・描写等も特にない。
      こんな原作を無視した調整をするのなら、「自軍の全ガンダム系パイロットにもニュータイプ技能を付けてほしい」という不満も多い。
    • また、前述の通りPS版『第2次』ではわざわざ乗機が原作に合うよう変更されているのに、『第3次』では原作無視の設定を追加するという改変の統一感の無さも指摘されている*16
  • ドライセンやベルガ・ギロス、ゲーマルク等の敵MSがSFC版から大きく強化されている。
    • ドライセンのトライブレードやベルガ・ギロスのショットランサーが、今作ではP兵器*17になっており、対処が困難になった。
      特にトライブレードは、SFC版の+60%という高い命中補正はそのままに、遠くから一気に距離を詰めて放ってくる脅威の武装へと変貌*18
      「最新システムで蘇る!」がキャッチコピーの本作であるが、その最新システムによって凄まじい強敵を生み出してしまった
    • ベルガ・ギロスは他の武器性能もマジンガーZと同等、機体性能に至ってはあらゆる面でマジンガーZを超えており、特に装甲は2倍以上
    • ゲーマルクも高い装甲とHPを持っている上に、ファンネルの射程がSFC版と同じ10、そこに技能補正が上乗せされて実に11もの射程を誇る*19
  • 味方の2回行動可能レベルが全体的にSFC版より遅くなっている。その一方アポリーなど、異常に早くなっているパイロットも一部存在する。
  • 先述した敵の雑魚パイロットの強さを最も体感できるのも本作。特に中盤以降に現れるバイオロイド強化兵は攻撃力がアムロやクワトロよりも高い
    • しかもバイオロイド兵士・バイオロイドエリート兵・バイオロイド強化兵・DC強化兵は、全員もれなく当時存在しなかった斬り払いとシールド防御持ち。ファンネルを使う場合は射程外から攻撃しないと切り払われてしまう。しかもDC強化兵とバイオロイドエリート兵に至っては技能レベル2である*20。おまけに終盤では全員例外なく2回行動してくる。そのくせバイオロイド兵士系は人工知能よりも獲得経験値が少ない。ここまでくると最早ただの虐めである。
  • これらのように、敵にとって有利な変更点が多い上に、敵の配置はほぼ変化がなく、結果的にSFC版より難易度は大きく跳ね上がった。
  • 様々な要因で高難度化していながら、隠しMAP『ラグナロク』への到達条件が総ターン数419ターンから350ターンへと大幅に減らされている。
    • 1ステージ平均にしてSFC版が約11ターンに対して、『CB』は約9ターンと2ターンも削減しなければならない計算になる。
      そもそも隠し要素であるため、必要とする総ターン数は明示されておらず、SFC版と同感覚でプレイしているとまず達成不能になる。
    • 恐らくサブパイロットの精神コマンド使用や反撃の任意選択が可能等を考慮した上での処置なのだろう。こういう調整だけは抜かりがない。
      しかし実際には、進めやすくなるどころか大幅な難易度上昇を招いたのは上記の通り。つくづく開発者の思惑が空回りしている。
  • プレイヤーに不利なイベントの追加
    • ライディーンのゴッドボイスに、SFC版には無かった「7回以上使うと最終ステージに出撃できなくなる」というペナルティが追加された*21
      SFC版は強力な武装と資金を得られる反面、追加ルートだと遠回りな上に総ターン数がかさむ…という調整で利点・欠点を釣り合わせていた。
      しかし本作では欠点2つになってしまい、追加する意義が大きく薄れた。使用条件が厳しいため、7回以上使う事が稀なのが救いではあるが。
  • 『ラグナロク』のネオ・グランゾンにもイベントが追加。開始時に「気合」が掛かるので相手の気力110からのスタートとなる。
    しかもHPが一定以下になるともう一度「気合」を使った後、味方フェイズ中でも問答無用でMAP兵器をぶっ放してくる。
    極めて命中率・威力が高いため、一工夫しなければ勝つのは難しいだろう。
    • 追い打ちをかけるようにユニットに特殊技能が追加され、HP回復(大)を所持するようになったため、SFC版の様にターン消費でダメージ蓄積させて撃破というスタイルがほぼ不可能になった。

評価点(第3次)

  • 洸がSFC版では覚えなかった熱血を覚えたり、コン・バトラーVが5人分の精神コマンドを使用可能になったのは改善点と言える。
    マジンガーZのブレストファイヤーの地形対応もさり気なく改善されている。どの道中盤以降は戦力外であるが…。
  • 先述の通り本作の補給装置は『第3次』と『F』の悪いとこ取りだが、おかげで「相互に補給し合って経験値を稼ぐ」事が可能になった。
    尤も、これができるのは中盤のごく一時期である。攻略本では「今の内にやっておけ(意訳)」等と書かれていた。
  • 終盤に発生するカミーユ精神崩壊イベントは、本作では複数のカットインで構成された豪華なものとなり、再現度が急上昇した。

スーパーロボット大戦EX

発売日 2000年1月6日
定価 2,100円
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載
配信 ゲームアーカイブス:2011年1月26日/1,000円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 分売に当たり獲得資金が1.5倍に
バランスの悪さはそのまま
+ 参戦作品一覧
  • 機動戦士ガンダム
  • 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
  • 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
  • 機動戦士Ζガンダム
  • 機動戦士ガンダムΖΖ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • 聖戦士ダンバイン
  • マジンガーZ
  • グレートマジンガー
  • UFOロボ グレンダイザー
  • ゲッターロボG
  • 戦国魔神ゴーショーグン
  • 魔装機神サイバスター

特徴(EX)

  • マサキ・リューネ・シュウの章の3本立て。マサキとリューネの章を両方クリアすると、隠しシナリオとしてシュウの章が出る形になっている*22
  • SFC版と同様にISS(詳細はSFC版を参照)を採用しており、クリアした章のISSを引き継ぐと、その選択肢等が別の章に反映される。
    シナリオ展開はSFC版と同じだが、攻略面は後述のナグツァート等、本作独自の調整でSFC版で可能だった事が不可能になる等の点もある。

問題点(EX)

  • サイバスターやグランゾン等の主役機をはじめ、序盤から強力な味方ユニットが多いため、上記2作よりは比較的マシなバランスである。
    とは言えあくまでマシなだけであり、『第3次』の数値に『F』のシステムを掛け合わせた事による弊害は、依然として奥深くまで食い込んでいる。
  • 精神コマンドは上記2作から調整が入り、中にはバーニィが「熱血・必中・幸運・努力」を覚える等改善されたキャラも存在する。
    上記2作では誰も習得しなかった精神コマンド「魂」も、ごく一部のキャラながら習得するように変更されている。
    一方で改悪というか最早嫌がらせも数多く、アムロは「ひらめき」を、カミーユは「熱血」を、クワトロは「集中」を忘れている。何故よりによって主役を…。
    • ただしアムロが「ひらめき」を、クワトロが「集中」を覚えないのは、SFC版『EX』の再現である。
  • ユニットの性能差について。
    • 例えば、サイバスター等はSFC版を意識したような攻撃力に調整されたのに対し、マジンガーZは上記2作と同じMS以下の攻撃力のままである。
      更にマジンガーZは、SFC版にあった武器「パンチ*23」が削除されている。SFC版では十分強い機体だったが、本作では削りと壁が関の山。
    • 『ダンバイン』のショウは、原作主人公かつエースでありながら、何故か自軍聖戦士で最弱の格闘値に設定・調整されている。
      このため、SFC版及び『第4次/S』や『F』で見せた爆発力が大幅に薄れてしまっている。特に経験者は従来作との差が一目瞭然だろう。
    • ΖΖガンダムは最大ENが上記2作の200から180に下げられ、EN無改造ではMAP兵器を撃てないという更に酷い調整が施された。
      確かに「ΖΖガンダムの初期ENが180」というのはSFC版の再現なのだが、SFC版のハイメガキャノンは消費EN100である。
      機体性能だけをSFC版『EX』から流用して、武器性能はCB版『第3次』から変化なし…というより一層の雑な調整となっている。
      //最初はシナリオの関係で敵に回っているため、敵の時に移動後にMAP兵器を撃たれる心配がなくなったともとれるが…。
  • 上記の変更もあって、一部の章の難易度が激化している。
  • マサキの章は、総合的な難易度自体は「やさしい」に相応しいと言える、本作の中では難易度表記に比較的合った章である。
    • ΖΖガンダムやF91といった強力な面子が加入するため、ユニットやゲームバランス等に問題こそあるものの、そこまで難しくはない。
      また、本作ではオーラバトラーの妖精の精神コマンドを使えるようになったため、その恩恵を大きく受けた事も幸いしている。
      ただし与ダメージのデフレの影響により、終盤手前のヴォルクルスの相手が非常に面倒臭くなったという弊害もある。
  • リューネの章は難易度表記自体は「ふつう」だが、正直言って本作では特に難しい。
    • サイバスターは強化されたのにヴァルシオーネは何故か弱体化された上に、加入機体の大半がリアル系で火力不足に悩ませられる。
      ビーム吸収を所持しているボスも多いため、MSはνガンダムやドーベン・ウルフといった一部の機体しか殆ど役に立たない。
      • SFC版の主力MSは、「Ζガンダムは高火力だが射程が短くビーム吸収の影響を受ける」「νガンダムは長射程かつビーム吸収の影響を受けないが火力が低い」という差別化をしていた。しかし本作では『CB版第3次』からの流用によって、どっちも似たような火力になってしまい、結果として射程が短くビーム吸収の影響も受けるΖガンダムが思いっきり割を食っている。しかも先述の通りカミーユが熱血を忘れる始末…*24
      • また、SFC版はズサ・ハンブラビ・ザクIII改・ドライセン等も攻撃力2000超えの武器を所持しており、脇を固める機体として十分に活用できた。しかし本作では『CB版第3次』と同じ雑魚MS程度の攻撃力しかないため、火力不足に一役買ってしまっている。マサキの章は元々ザクII改やガンダムMk-II等の二軍MSしか加入しないため問題はなかったが、リューネの章だとモロに響く。
    • そのため主な攻撃担当は、ゲッターロボG及び条件付加入のバストールのみとなってしまった。
      そのゲッタードラゴンも序盤で仲間になるという性質上、CB版『第2次』『第3次』より弱体化されている。
      バストールも火力面では問題ないが、他章のオーラバトラーよりも遠距離攻撃が苦手で、オーラバトラーメインの戦略を取りづらい。
    • その一方で敵はやたら強い。上述したドライセンのトライブレードや強化デモンゴーレムの雄たけび等、命中率補正が異常な武器の所持者や、前述の強化デモンゴーレムや戦闘獣や移動要塞など、凄まじい耐久力を誇る敵も健在。
    • 最終話に至っては、大ボスの取り巻きとして『第2次』のボスユニットであったヴァルシオンのバーゲンセールとも言うべき編成である。ラスボスも高火力・長射程・重装甲(バリア付き)・全方位マップ兵器の揃った強敵であり勝つのは困難。間違いなく各章の最終話の中で一番難しい。
      • 上記のものは『EX』から健在ではあったが、主役勢の精神コマンドの改悪やダメージデフレ化によってこちらの攻撃力が落ちているため、結果的に難易度の向上に繋がってしまっている。
        この問題点がモロに響くのが15話「セブ神殿を守れ」。このマップはターン制限がある上に耐久力の高い敵がわんさか出撃しておりSFC版でも屈指の難所だったが、本作では前述の攻撃力低下の煽りを受け、さらに難易度が上がっている。「ここで詰んだ」という報告も数多い。
        一方で抜け道がないわけではなく、MAP奥に陣取って動かないボスクラスの敵ユニットを精神コマンドの「挑発」で誘い出して袋叩きにするという戦法を取ることはできる。
    • 上記の「セブ神殿を守れ」を通過しない*25、マサキと合流するルートの最終話は、ボスの取り巻きが2回行動でMAP兵器をガンガン撃ってくるヴァルシオン改。ただ、このルートだとラスボスがマサキの章と同じであり弱いので、集中攻撃で一気にクリア出来るのが不幸中の幸い。
  • シュウの章は難易度表記は「難しい」だが、殆どのマップをグランゾン1機に無双させればクリア可能なので、リューネの章よりは難易度が低い。
    この章に限っては「挑発」等の精神コマンドが加えられた事、グランゾンの相対的な防御力強化によりSFC版より易しくなったという印象が強い。
    • ただしSFC版と同じく一部のマップではグランゾンが使用できないため、あまりに頼りすぎるのも考えものではある。
      また「ノルス奪取」では与ダメージ低下により移動要塞の撃墜が難しく、ここで撃墜できないとヴォルクルス登場マップで苦労する事になる。
    • 隠しコマンドでネオ・グランゾンが使える点もSFC版と同じだが、その性能はHP60000/装甲1600/攻撃力6000という凄まじいもの。
      言うまでもなくこの機体だけで敵を蹂躙可能だが、散々述べた通り本作のバランス自体がおかしいため、使った方がストレスを溜めずに済む。

その他

  • 長距離武器として頻繁に使うリニアレールガンのグラフィックにスピード感がなくなっている。
    • SFCではレーザーみたいにも見えるのを変更しようとしたのかもしれないが、エネルギー弾のようなものを飛ばす見た目になってしまった。
  • ナグツァートの無敵モードが超強化されている。
    • SFCでもHP65000に毎ターン30%(19500)回復という恐ろしい耐久力を持っていたが、装甲が350しかないため頑張れば落とすこともできた。
      しかしリメイク版ではHPと毎ターンの回復こそ変わらないものの装甲が6400にまで増えている上に運動性300、間接攻撃無効、MAP兵器無効、ビーム吸収と、一人だけ『F完結篇』から来たような強さになっている。

総評

「伝説の作品が蘇る!」という触れ込みで発売された本作だったが、好評とは言えない『F』のシステムを無理やり当てはめた結果、FC版/SFC版にはない様々な問題が浮上してしまい、正真正銘の復活とはとてもいい切れたものではないチグハグな出来と化してしまった。

戦闘面に非常に粗が多いためプレイするにはかなりの辛抱が必要だが、それなりの戦略手腕を求められるので「今時のヌルいスパロボには飽きた!」という人には向いているかもしれない。


余談

  • ニュータイプ化で物議をかもしたラカンはDisc2用に設定された精神コマンドが「ひらめき・必中・集中・熱血・根性・魂」という強力なラインナップ。
    勿論Disc1では敵パイロットなので使用される事はない*26が、自軍の貧相な精神コマンドと比較すると不公平さを感じてしまう。
  • 本作の『第3次』に登場するDCエリート兵・強化兵の戦闘ボイスは、全て中村秀利氏が当てたものに統一されている。
    • これによって『F』で散々ネタにされたボイス「踏み込みが足りん!」は、本作では残念ながら聞く事ができなくなってしまった。
      そのため、後半でのDC側の兵士は、全てエリートぶった偉そうな口調の兵士の声しか聞く機会がなくなってしまう。
      DISK2の『HISTORY OF SUPER ROBOT WARS』には小杉十郎太氏の声が収録されている他、DC兵士は4種類声が用意されているというのに…。
  • 「バーチャルスタジアム」の部隊について
    • 「ボス軍団」という部隊が2つあるが、1つは上記の本物のボス軍団でもう1つはマジンガーチームが全員ボスボロットに乗っているお笑い軍団である。
    • ネオ・グランゾンはボス軍団だと上記の性能なのだが、邪神軍団にいる方は縮退砲の攻撃力がSFC版『第4次』と同じ18000になっている。
  • 『CB』発売の半年後、各作品の獲得資金のみ1.5倍に調整されたものがバラ売りで販売された。
    • ゲーム内容はほぼ同じだが『CB』と分売版のセーブデータに互換性はない。
    • 2011年1月26日から、単品版のみゲームアーカイブスで配信されている。
      • 価格は『2次』が800円、『第3次』『EX』が各1,000円と高めだが、ロード時間が短くなっている(PSV>PSP>PS3の順で短い)のは嬉しい。
      • 残念ながらCB版に付属していた『HISTORY OF SUPER ROBOT WARS』は無い。
    • 変更点が「1.5倍の資金」のみというといまいち恩恵が無いように感じるが、1周で獲得できる総資金は段違いになるので、序盤からどんどん改造できる。幸運を上手く使えば更に稼げる。フル改造ユニットを5~6体並べるのも夢ではない。
    • そのため体感難易度はCB版とはまったく別物になると言っても過言ではない(特に第3次)。これからプレイを検討している方は余程の拘りが無い限り単品版をオススメする。
      • そうは言っても大本がCB版であることには変わりないので、多少遊びやすくなったとは言えどゲームバランスは依然難ありではある。
  • DISC2のボイス編集は『F/完結編』のボイスを流用しているため、マサキには本作未登場の『機動武闘伝Gガンダム』の主人公・ドモンの名を呼ぶボイスが収録されている。
  • α』の中断のメッセージの中には、リュウセイが本作について宣伝している触れたものがある。
    • こっちを中断してる間、俺は(本作を)プレイさせてもらうぜ」といった内容なのだが、戦闘の息抜きにプレイするには明らかにキツい難易度なのだが大丈夫なのだろうか?