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ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド - (2016/06/05 (日) 07:08:33) の編集履歴(バックアップ)
ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド
【じょじょのきみょうなぼうけん ふぁんとむぶらっど】
ジャンル
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波紋疾走アクション
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対応機種
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プレイステーション2
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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アンカーエンタテイメント
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発売日
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2006年10月26日
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定価
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6,800円(税抜)
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分類
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クソゲー
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ポイント
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再現しすぎてテンポ悪化 溢れる原作愛以外の全てが足りない
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ジョジョの奇妙な冒険関連リンク
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概要
1987年から現在まで今なお連載が続いており、ファンも非常に多い漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第一部『ファントムブラッド』をゲーム化した作品。
ジョジョのゲーム化と言えば第三部を題材としたカプコン製の対戦格闘ゲームが知名度・評価共に高いが、その後PS2でリリースされた同じくカプコン製の第五部を題材としたゲームは、評価点もあるものの人気の高いストーリーやバトルが省略されていたりすることもあり、ファンからの評判は芳しくなかった。
そんな中、再現度が妙に高い第一部冒頭のムービーをひっさげて本作は現れた。ファンは当然期待していたのだが……スマンこりゃバンナム製だった。
長所
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前述の冒頭ムービー(「族長(オサ)! 族長! 族長!」のシーン)もそうだが、全体的にムービーやキャラクターモデルなどの再現度は高い。
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声優も有名どころを使っており、かなり頑張っている。
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ディオ役の緑川光、ツェペリ役の小山力也、スピードワゴン役の小野坂昌也などはハマリ役とされている。
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原作に登場するほとんどのキャラクターを網羅している。
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名脇役スピードワゴンを操作できるステージもある。
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スピードワゴン以外にもジョジョの師匠であるツェペリ、ツェペリと同じ波紋使いであり有名なネタで知られるストレイツォが操作できるステージもある。
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隠しモードではラスボス・ディオを操作できる。
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使用可能なキャラクターの中には、警察官やアダムスさんなど、「コイツが使えて誰が喜ぶんだよ」というキャラまでいるマニアックぶり。しかも挑発や攻撃を受けた時の音声が笑いを誘う。
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条件を満たせば、最後の船のシーンが「ジョナサンと完全復活を果たしたディオの最終決戦」になる、という本作オリジナル展開が見られる。
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原作愛は満点。かつてジョジョゲーでは高評価だったPS版のスーパーストーリーモードのごとく、とにかく第一部のエピソードは完全再現している。ジョジョの特異なポージングもゲームとして取り入れられている。豪快な打撃は波紋ならではの爽快感。
短所
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あまりにも原作そのまんまであるため、テンポが非常に悪い。
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「原作漫画をそのまま台本にしているのではないか」と思うぐらいにきっちりやっている。
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漫画原作の作品であるのでその姿勢自体は別によいのだが、それがかえって仇になってゲームとしては残念な出来に。
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演出はショボい。漫画から紙芝居(良く言えばスライドショー)にクラスチェンジしたと言ったほうが正確かもしれない。
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そしてその紙芝居の観賞時間がプレイ時間の7割を占める。
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原作に忠実過ぎて、演出ではなく台詞の尺を稼ぐためにスローモーションになったり、一時停止したりするのは日常茶飯事。
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ジョナサンとディオのボクシングのシーンでもスローモーションが使われているが、その後ろには通常の速度で応援を続ける観戦者が見える。せめて動きを止めろ。
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CEROの配慮のためか、ツェペリさんが真っ二つにされるところやディオが両断されるシーンなどは、紙芝居のコマが切られるだけであり、原作を見ていないと何が起こったのか判断しにくい。
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他にもジョジョの師匠となるツェペリさんが、なぜ石仮面を追っているのかといった重要なエピソードが削られており(「私は何十年も石仮面を追っている」という台詞だけ)、中途半端な部分も見られる。
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ゲーム自体の内容はどうかというと、ハッキリ言って悪い。
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操作性が極悪(下記にもあるようにロックオンなどがないため攻撃が空振ることが多い)
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カメラワークも悪い(死角からいきなり敵が出てきてフルボッコにされることも)
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ゲームバランスも極端(後述)
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と三拍子揃っている。難易度設定も存在しない。
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とにかく序盤の難易度が高い。
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最初の敵として出てくるいじめっ子2人は負け前提のステージなだけまだマシだが、その後も妙に高い敵の攻撃力に怯えつつ、常時ガードしながらカウンター攻撃を繰り返す作業感の強いステージが続く。
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しかし、ストーリーがある程度進み波紋を習得すると、今度は一気に難易度が低下する。
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コマンド入力によって、ジョジョ立ちとして知られるあの独特なポーズを取ることができ、それにより攻撃力増加や回復速度上昇等様々な恩恵を得ることが可能となる。
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ポージングを使わずとも、R1溜めで繰り出せるズームパンチがかなり強いので、溜めながら逃げてズームパンチの繰り返しで残りのほとんどのステージはクリアできる。
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どっちにしてもほとんど繰り返しだけの作業ゲーであることは変わらない。ひたすら地味。
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覚醒技(超必殺技)があるのだが、技を最高の威力で出すためには、発動技を当てた後に「スティックをひたすら回転 → ボタンをひたすら連打」という、何度も出すと非常に疲れる仕様になっている。
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覚醒技のムービーがかかる際は背景が七色の変な模様に変化。目に悪い配色である。
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ストレイツォの覚醒技にいたっては、連続蹴りを入れている間中「容赦せんせんせん…」と連呼するネタみたいな技に…。
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ゾンビをパンチで殴り倒す作業に慣れた頃に、初見殺しの水中ステージ+黒騎士ブラフォードがやってくる。
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後半ではここだけ異常に難しく、敵の攻撃パターンをしっかり読んで反撃を入れていく必要がある。無双をやっていたと思ったら、覚えゲーだった。何を言っているのか(ry
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またこの戦い、原作では「剣は使わん! これは勇者としての決闘だ!」と水中では一切剣を使わなかったブラフォードが平然と剣を振り回してくる。
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スピードワゴンは波紋は使えないので当然厳しい……と思いきや、R1で繰り出せるハンマーの溜め攻撃がかなり強いので問題ない。ちなみにゾンビの倒れる演出が波紋を食らって消滅する時と同じである(要するに使いまわし)。
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ズームパンチもそうだが、下手にR2で覚醒技を出すよりもR1溜めで攻撃した方が効率がいい。またR2技は空振りでも一々ムービーがかかるため、時間的にも苦痛になる。
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ちなみに本作最強の敵は、黒騎士ブラフォードでもタルカスでもディオでもなく、前述の最初に出てくるいじめっ子2人である。
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ジョナサンの場合は最初の負けイベントでしか登場しないので問題無いが、隠しモードのディオモードではこいつらを子分にするために敵として戦い、勝利しなければならない。
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原作での強敵は、出てくるころにはプレイヤーもそれなりにパワーアップしているのでまあ対抗できるのだが、いじめっ子2人のステージのプレイヤーは無力。しかもシステムの不全もあり、この時点の能力で2人を相手にするのは本当にディオと戦うよりはるかに厳しい難易度。片方を殴ってるともう片方が見えない位置から見えない角度で殴ってくる。両方を同時に倒す方法は皆無で、運まかせ。やってみればわかる難易度。
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ファンの間では、「俺たち(開発者)がクリアできない難易度に調整されている」と言われている。
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俺たちができないことを平然とやってのけないとディオとは認めてくれないらしい。
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隠し要素はステージクリアによって得られるポイントの蓄積によって解禁できる。
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そのため、必然的にクリアしやすいステージを何度も繰り返すことになる上、ゲーム内容自体も作業なので非常にダルい。
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また、得られるポイントはステージ評価によって増減するが、ステージ評価の記録は保存されないので新記録を狙うといった楽しみ方もできない。
総評
古き悪き(というか今現在も全く成長していないが…)バンダイのキャラゲーがそのまま現代に蘇ったかのような内容であり、原作未見者は元より、原作ファンにもおすすめできない作品となっている。
ただ、紙芝居ではあるが原作の再現だけはちゃんと出来ている方なので、ゲームとして捉えなければ少しは価値があると思われる。少なくとも原作再現という観点だけで見れば、どっかのコブラチームよりはいい仕事をしている。
なお、本作ではよくファンにネタにされる誤植「何をするだぁーッ!」が正しく「何をするんだぁーッ!」に修正されているのだが、2周目に入ると修正前の台詞になる(ちゃんと声優の台詞も変わる)。
この部分を「解っているファンサービス」として評価する向きもある。
結局こうなってしまったのは、原作愛だけはあったが他のすべてが追いついていなかった……というのが真相なのかもしれない。
上にも書いているが、誰得キャラが使える一方でメジャーなキャラもしっかり抑えてあり、特にジョナサンとディオに関しては、攻撃手段が違う差分がかなり多い。差分まで含めた場合、今作で操作可能なキャラの数は40を超える。全5巻で比較的登場キャラが少ない第一部でこれだけのキャラが使えるのはかなりのもの。しかし惜しむべき事に、今作には『対戦モード』と言えるものが無く、自由にキャラクターを使うことはできないし、友達と遊ぶこともできない。もし導入していれば少しは評価も上がっていただろう。ネタゲーとしては。
PVだけは声優の熱演もあり本当にいい出来であるため、これに騙されて買った被害者も続出した。
先に述べている通り声優の演技は評価が高い為、「ボイスを聞きながら原作を読む(=ドラマCD代わりにする)のが一番の楽しみ方」と言われる事も。
余談
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今作は発売して2ヶ月ほどでAmazonでは価格が暴落、新品が6割引という値段にまで落ち込んでいた。
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パッケージ絵は荒木先生が新たに書き下ろしたジョナサンとディオのイラストが使われているが、当時とかなり画風が変わっているためにほぼ別人に見える(このゲームに限った話ではないが)。また、本作を予約して買うと、「荒木飛呂彦インタビュー」を収録した特典DVDがもらえた。
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ちなみにTVCM(15秒と30秒)も収録されている。内容は多くのエキストラが「だるまさんが転んだ」でジョジョ立ちを行うというもの。
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サイバーコネクトツーの松山洋氏は『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』の製作をするキッカケとして「2007年に『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』というクソゲーがありまして」という事で本作をプレイして企画を持ち込んだとのこと(参考リンク)。