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テイルズ オブ ファンダム Vol.2
【ているず おぶ ふぁんだむ ぼりゅーむつー】
ジャンル
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アドベンチャーゲーム (シリーズ内ジャンル名:ボイスアドベンチャー+α)
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ルークバージョン
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ティアバージョン
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対応機種
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プレイステーション2
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発売・開発元
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バンダイナムコゲームス
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発売日
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2007年6月28日
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定価
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6,090円
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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露骨過ぎる藤島作品贔屓 値段に見合わない内容の薄さ キャライラストの構図が歪 原作に悪影響をもたらした一部シナリオ 分割する意味なし
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テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク
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概要
内容
一言で言うと「テイルズのキャラを使ったミニゲーム集」である。遊べるミニゲームは以下の通り。
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ポーカー
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テイルズのキャラ相手にポーカーで対決。コールやレイズを採用した「対人型」ポーカーで、一人で役を作るものではない。
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ブラックジャック
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テイルズキャラ相手にブラックジャックで対決。ルールは普通のブラックジャック。
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テイルズオブパズル
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テイルズのキャラの駒を3×3のマスに配置し、ペアにして消していくゲーム。多少の運は絡むが大体実力でフォロー可能。ディストの駒が邪魔物として登場するが、これはペアの駒を消す時に横にあったら一緒に消せる。
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タイミングバトル
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特定のシナリオを読み終えると登場する。ひたすらタイミングバトルを成功させていくミニゲーム。時々ヒロインやダミーが現れ、ヒロインが表示された時に成功させるとヒロインの方を攻撃してしまい、失敗になる(最初からやり直し)。
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テイルズオブスナイパー
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ミュウを敵から守るシューティングゲーム。ルーク、クレス、ロイドの三人から一人選び、照準を動かして敵を撃ち、倒していくゲーム。三人の違いは所持アイテムで、誰を選ぶかによって難易度が変わってくる。ヘッドショットで敵を撃ち、ミュウの頭上に時々出てくる「精霊の素」を的確に取得していくのが攻略のコツ。
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もちろん成績評価のシステムもあり、ミュウを無傷に近い状態で守れたか、ミュウを誤射しなかったか、アイテム使用を少なくできたか、カーソル移動を抑えられたか、ヘッドショットをどれだけ決めたかなど、結構細かいところまで判定してくれるのでハマるとなかなか面白い。
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テイルズオブドンジャラ
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牌がファンタジア、シンフォニア、アビスの味方キャラ、敵キャラと精霊、道具、食べ物になっており、更にキャラごとに決められた「特技」が存在するオリジナルのドンジャラ。運要素がかなりきつく、ゲームバランスに難はあるが、牌の組み合わせによってさまざまなオリジナルの役が存在しており、作った役がコレクション要素として登録され、説明が追加されていく。
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キャラごとに相手に応じた反応や特殊メッセージが用意されており、最終順位によってもメッセージが変わるなど、細かい作り込みが多い。
問題点
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露骨過ぎる登場作品の隔たり
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前述の通り登場作品は藤島康介デザインの作品のみでありいのまたむつみデザインの作品及び『レジェンディア』(中澤一登デザイン)は一切なし。
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世界観で繋がりがある『ファンタジア』『シンフォニア』なら兎も角、『アビス』はこれら2作とはまったく関係が無い為、尚更作品選出に作為的なものを感じかねない。
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前作では一部のキャラは登場しなかったものの、当時の本編作品全て(『ファンタジア』『デスティニー』『エターニア』)からキャラが登場していた。
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ボリュームも少ない
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5つあるシナリオのいずれも1~3時間ほどで終わる。演出も立ち絵を移動させるだけなど所々でショボさを露呈している。
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ロードも頻繁に起こる(台詞の一つ一つに2~3秒程度の読み込みがある)。本編のようなRPGでならまだしも、ロードに時間がかかるようなジャンルではない筈なのだが。
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キャラの立ち絵がおかしい。
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全体的に男女問わずやたらガタイがよく、太っているかのようにも見える。発売前にスクリーンショットが公開された際はもっと酷く、その後指摘が多く有り修正されたのだが、それでも尚違和感が激しい。
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立ち絵だけでなく顔もおかしく、酷い物だと「見るに耐えない」といったものまである始末。
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ちなみに立ち絵は『シンフォニア』の精霊や『アビス』の六神将のデザインを担当した奥村大悟氏によるもの。六神将は「藤島氏に似せたデザイン」と発表されていたが、今作のデザインは見れば分かる通り原作とはまったく似ておらず、特にデザインに関するコメントもない。本編作品でのデザインは特に問題が無いあたり、何故本作でのみこのような形になってしまったのか。
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ティアは過去編という事で幼少期、14歳、15歳と絵が分かれているのだが14歳の時には膨らみすらなかったのに15歳では一気に巨乳になっている。あまりに違和感がある成長の仕方のため「ただ貧乳のティアが描きたかっただけだろ」などと批判されている。さらに幼少期のティアに対しては「どうです、可愛いでしょう!」というコメントを絵に添えているため「そこまでしてティアを押したいか」などと半ば呆れられている。
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立ち絵自体のバリエーションも少なく、一部シチュエーションとのかみ合っていない箇所もある。
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アビス(ティア)編において、原作で優秀な軍人とされていたティアの重要な設定が狂ってしまった。
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「(原作の)ストーリー開始時点では軍人としては初任務」「その上ヴァン暗殺のために外殻大地に出る口実が欲しいだけで、任務を遂行する気は無し」「兄のコネを使って特別待遇で騎士団に入る」「現在の部隊には入れたのは教官のコネ」という誰がどう見てもわかるような矛盾。こんな新人兵士の何処が「優秀」なのか。…それどころか、与えられた任務をまともに遂行しないどころか、自分の立場を利用して様々な独断行動を行う彼女は騎士団からすればとんだ危険因子である。
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ただし、『アビス』の項目にもあるように、原作でもティアの設定と言動は乖離が著しい。そのため、こちらの設定の方が実際に合っている、と言われる事もある。これはティア否定派だけでなく、肯定派からも「人間味がある」と言われたりも。
何れにせよ、本編作品での彼女の粗がより際立ってしまったのもまた事実である。
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『アビス』本編で名前だけ登場していた人物である六神将の1人「カンタビレ」が姿を見せているのだが、今作での描写上「本編のラスボスが何をしようとしていたのか知っていたはずなのに、ティアに全てを任せて自分は本編で傍観を決め込む」としか読み取れないという不可解なキャラクターとなっている。
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大詠師モースに嫌われており、遠方の守備隊に左遷されたと語られているが、それでも本編でまったく動いた様子が無い為あまりフォローになっていない。
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一応ティアが本編での役職に就いたのは彼女の強い推薦があったからとなっている為、そういう意味では貢献していると言えるが。
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今作では原作でコスチュームチェンジが無い『ファンタジア』のキャラクターも含めてコスチュームがあるが、何故か『シンフォニア』の「リーガル」のみ存在しない。
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因みにリーガルは原作(GC版)では唯一複合特技(他のキャラクターと協力して放つ合体技)がなかったり、続編の『ラタトスク』で「がっかり秘奥義」と評されるほど秘奥義の出来が悪かったり、お祭りゲーでの出番が殆どなかったりと不遇が際立っている。
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後年のお祭りゲー作品の例に漏れず、人気キャラとそうでないキャラの扱いの差が激しい。特に『アビス』のキャラ勢の贔屓が目立つ。
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作中で発生する「タイミングバトル」は文字通りの退屈な作業。…なのだが、ミニゲームとしてこのタイミングバトルを連続成功させなければいけない箇所がいくつもある。
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ドンジャラのゲームバランス
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使えるキャラとそうでないキャラの差があまりに激しく、アイテムを集めたプレイヤーが使う場合、最強はまず間違いなくゼロスとなっている。
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というのも、ドンジャラのやり込み要素の「役収集」はその役を完成させたうえで上がれなければ作れないため、必然的に「捨てられた牌から役を作って一気にリーチを狙える」ゼロスが強い。いわずもがな普通にプレイする時も、ライバルが積極的に捨てる「敵の牌」を9つかき集めて素早くリーチを作って上がればそれだけで圧倒できるため、他のキャラを使う理由はあまり無い。
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一応、これらが揃っていない時は牌交換がコストや敵の特技の影響で使いにくいためコレット(敵と自分の手牌を入れ替える。リーチになっている牌すらお構いなしに強奪可能)やチェスター(リーチ時に高確率でツモで上がれる)が有利な部類に入る。一方で、自分でリーチ、ツモに持って行けないキャラはかなり苦しく、特技で上がった時の点数がアップするキャラなどは高得点の役が組めるかも怪しいため、ほぼ役に立たない。
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当然のことながら、敵キャラにコレットやチェスターを入れると上記の特技を使ってくるためかなりの強敵になってしまう。また、すずを入れると特技でロン対策をしてくる、アニスを入れると的確にTPを0にされるなど、敵に渡すと目に見えて他より強くなるキャラも多い。
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一方でロイド、クレス、ルークは悲惨。この三人、なんとプレセアの完全下位互換である。またガイも「引く予定の牌が見える」効果がアーチェの特技で潰されるなど、特技のバランスは悪い。
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音楽はオープニング曲とエンディング曲(作曲はどちらも『レジェンディア』の椎名豪氏)以外全て該当作品の使いまわし。アレンジすらされていない。
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前作『ファンダム Vol.1』も同様だが、パッケージが異なるがゲーム内容は全く同じ。購入特典すら同じで、分ける意味が全くない。
評価点
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別作品のキャラの共演を楽しめる。
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他のお祭りゲーと比べるとキャラ崩壊や露骨なヘイト描写などはあまり無い為、キャラの共演を目当てにしているならそこそこ楽しめるだろう。
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フルボイスであり、『シンフォニア』のミトスや『アビス』のピオニーなどサブキャラの出番も多い。
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要所要所で表示される一枚絵のクオリティはそこそこあり、見応えがある。
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一部のミニゲームはそこそこ凝ったつくりになっており、キャラによって戦術までがらりと変わるシューティングゲームやドンジャラはなかなか楽しめる。
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特にドンジャラは「作品の垣根を越えて」に加えて「NPCキャラのユアンとピオニーも混ぜて」遊べるため、ゲームバランスや役のコンプリート難易度に難はあるが雰囲気を楽しむゲームとしては十分面白い。
総評
キャラクター人気に頼りすぎて、ゲームとしての出来が駄目になった典型的なクソキャラゲー。
何よりもボリュームの少なさが全てを台無しにしている。当然ながらファンにとって到底満足できるボリュームではなかった。演出面が光っている訳でもなく、ビジュアル面もいまひとつ、肝心のストーリーも取り立てて完成度が高い訳でもなく、BGMに至ってはほぼ使い回し…これでほぼフルプライスは明らかにぼったくりの域である。
完成度やボリュームも、本作より数千円低価格な前作よりも明らかに劣っており、ファンディスクでありながらファンの間で話題に上がることはほとんどなく、続編などの発表も現在にいたるまで一切されていない。このことからも今作がどういう立場に置かれているかがわかるだろう。
また、後の露骨な藤島作品贔屓の決定的な証拠として見ることもできる。
その後
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当作品の『ファンタジア』のキャラの立ち絵は『グレイセス』の魔法カルタに流用されている。
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後に発売された『シンフォニア』の小説作品『贖罪のクラトス』は、本作の「クラトス編」の描写が盛り込まれている。
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同じく、後に発売されたアニメ版『アビス』のドラマCDでのエピソード『ティアとリグレット』のシナリオ構成の一部が、本作の「ティア編」の下地になっている。