「ゾイド 邪神復活! ~ジェノブレイカー編~」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
ゾイド 邪神復活! ~ジェノブレイカー編~
【ぞいど じゃしんふっかつ じぇのぶれいかーへん】
ジャンル
|
RPG
|
|
対応機種
|
ゲームボーイカラー(全GB共通)
|
発売元
|
トミー
|
開発元
|
ウィル
|
発売日
|
2000年8月4日
|
定価
|
4725円
|
分類
|
クソゲー
|
ポイント
|
アニメ準拠のゲームなのに登場ゾイドの大半が旧ゾイド
劣悪な戦闘バランス
図鑑コンプリートバグ
登場ゾイドのラインナップは非常に豪華 ゾイドのおまけ
|
ゾイドシリーズリンク
|
-
当時リニューアルされた組み立て玩具・ゾイド(通称新ゾイド)を原案としたアニメ・コミックのキャラクターが活躍するRPG。ストーリーはゲームオリジナル。
-
上記の通り登場キャラは当時放映されていたアニメに基づいており、登場ゾイドも当然アニメで活躍する新ゾイド目白押し、かと思われたが…
問題点
-
ターゲットが不明確
-
本作における一番の問題点はここである。
-
登場ゾイドは、アニメに出ていない1982年発の、いわゆる旧ゾイドの方が圧倒的に多い。オルディオスやガンギャラドといった人気の旧ゾイドからガルタイガーだとか、いどうトーチカのようなドマイナーなゾイドも多数出現する。
-
しかし、ゲームの時系列前にアニメに登場した旧ゾイド以外のゾイドは「サーベルタイガーとセイバータイガー」等の名前違いと「アーバイン仕様コマンドウルフ」等の旧ゾイドのアニメキャラのカスタム機を除けば「ジーク・シャドー・ブレードライガー・ジェノザウラー・ストームソーダー」しか存在せず、多くの敵キャラを用意しなければいけないRPGとして旧ゾイドを出したことは決しておかしい判断ではない。
-
スキルやパーツも「ダンカンのちすじ」のように旧ゾイドにちなんだものが多い。
-
メインターゲットであるはずの当時の小中学生は完全においてけぼりである。
-
全体的にテンポが悪い
-
敵ゾイドとのエンカウント率が高め。移動速度が上がる「ホバーボード」を使っている時はエンカウント率がさらに上がる。
-
ザコ敵のレベルは自軍パーティのレベル平均に合わせて上昇する仕様。そのためどんなに自軍のレベルを上げても楽にザコを倒せない。また、「にげる」の成功率がかなり低く失敗すると1ターン無駄にしてしまう。そのため、その辺のザコ相手に全滅させられることも珍しくない。
-
一応平均レベルに依存するため、わざと低レベルのゾイドを戦闘不能状態でパーティに加え「平均レベルを下げる」戦術が通用する。
-
その反面、ボスは弱い。ジェノブレイカーよりわらわらと出てくるその辺のザコのほうが断然手ごわい。
-
ダンジョンは入るたびにランダムでマップが変わる仕様。もちろん階段の場所なんかも毎回違うため、ダンジョンを進むのに時間と労力がものすごくかかる。さらに各ダンジョンには戦闘でスタン効果のある階やダメージを負う階があったり、先に進むのに特定のスキルを持ったゾイドが必要な場面がある。
-
深く潜れば潜るほどマップが広がっていき最終的には8*8画面を超えていくことになる。マップ表示機能がないため自力でマッピングしないと延々と迷うことすらある
-
こんらんやスタン効果がかなりうっとおしく、エンカウントが高くにげるの成功率が低いこともあってダンジョン攻略のテンポがかなり落ちる。効果は次の階に行くまでの間だけだが、階段が見つからないと詰む可能性もある。
-
この特殊効果の出る階もランダムで決まり、深い階層ほど高確率になっていくためテンポの悪さに拍車がかかってしまっている。ただし階段前でセーブし特殊階が来たらリセット回避することは可能。
-
状態異常を回避するスキルのついた装備アイテムは存在するが、どうしても他の強力な武器と比べると攻撃力は落ちる。ゾイド一体につき追加装備枠は4つまでなので、状態異常回避を優先すると、道中のザコ敵に苦労するハメになる。
-
ランダムでイベントが起こるZ印のアイテムが落ちているのだが、滅多に手に入らないレアな武装が手に入ったり、キングゴジュラスなどのレアゾイドとの戦闘が発生し仲間にするチャンスが訪れるので前述したお助けキャラも含めて広大なマップ探索する楽しみが少なからずある。
-
仲間にしたゾイドが消滅するバグがあり、図鑑コンプリートはほぼ不可能。
-
消滅するたびに再度捕まえるを繰り返すことで図鑑コンプリートは可能だがコンプリートしてもすぐにバグで仲間ゾイドが消滅するのでたちが悪い。
-
ストーリーがかなり薄い
-
拠点が1つで、攻略対象の塔が5つある。塔は30階まであるのだが、ストーリークリアまでは10階までで、それ以降はクリア後のやりこみ要素である。
-
主人公のライバルのレイヴンはストーリーの本筋に関らず、殆ど喋りもしないというファンサービスの為の顔見せ程度の出番しかない。(「レイヴンの姿をした何か・主人公が見た幻」レベルの存在)
-
最もこのゲームのストーリーはアニメ「無印ゾイド」と続編の「GF編」の間にあった話という位置付けで、レイヴンは無印の時点で主人公に撃破されて生死不明状態となり、何年間も消息が分からなかったがGF編で再び主人公の前に現れて…というキャラなので派手に暴れられない事情はある。
-
アニメ等の他の媒体ではラスボス級の扱いのデスザウラーが中ボス扱い。デスザウラーはそれに対抗できるゾイドを捕獲しに行くイベントが用意されているが、タイトルになっているジェノブレイカーは完全に前座扱いでただの噛ませ。
-
もっとも下記のスキルのため中ボスにあるまじき強さを持ち、下手をすればラスボスよりも強いと言われることも。
-
戦闘バランスの悪さ
-
基本的に敵への命中率がかなり悪い。一応命中率を上げる補助技もあるが、装備していなければザコ戦で詰む。それに加え、敵飛行ゾイドへの命中率が輪をかけて低い。
-
対空パーツを付ければ、飛行ゾイドとは戦いやすくなる。ゾイドの世界観で飛行ゾイドは地上ゾイドに対して強い設定なので、そこを再現している。
-
ペガサロスという小型飛行ゾイドが序盤の強敵。ザコ敵で一度にわらわら出てくるが飛行ゾイドでしかも小型なので余計に攻撃が当たらない。ペガサロス自身の性能は低いので致命傷は受けないが、大量に何度もエンカウントするので力尽きてしまうことが多い
-
飛行ゾイドは飛行ゾイドの塔に纏まって出てくる為、念入りな飛行ゾイド対策はその塔の攻略時のみ必須。後はパーティに1体対空技を持っている奴が居れば何とかなる。
-
反面、中ボスのデスザウラーだけが持つ「ヘルジャジメント」という技が反則的な性能を誇る。命中率威力ともに高く、一度にすべての敵に攻撃可能。当たれば大抵の敵を一撃で倒せる(ただ、たまに与えるダメージが0になるときもある)。しかも消費エネルギーは0(他の必殺技級の武器は大抵100前後消費する)。このデスザウラーはある手段を踏むと仲間にできる特殊なゾイドでおそらく、ボス仕様のステータスのままなのだろう。
評価点
-
BGMはそこそこ良い。
-
旧ゾイドファンなら思わず唸る、豪華な登場ゾイドの数々。それだけに容易に図鑑が埋めれないのが非常に残念である。
-
初回限定版と第二次出荷版にはオリジナル成型色のコマンドウルフのキットが付属していたこと。
総評
数々の旧シリーズのゾイドや小ネタの存在は評価できる。特に、雑誌の作例のみのゾイドであるクレーンザットンやアウェアキャット、クラフトゲーターなどはこのゲームにしか出てこないのではないだろうか。また、少数だが戦闘用に改造される前の野生体ゾイドや公募によって誕生したオリジナルゾイド、ディープフォレストゴジュラス、ブレードコングなど、上げればキリが無いほどの超レアゾイドが多数登場している。
しかし、本作は対象層のズレっぷりと、そのズレを踏まえて楽しもうとしたユーザーにも追い討ちをかけるバグなどが、総合的な出来の残念さに拍車をかけている。
余談
-
攻略本がペラペラ。しかも8割ほどがデータ集であり、ストーリー攻略は8ページだけだった。
-
すべてがランダムダンジョンなのでRPGの攻略本の大半を占めるダンジョンマップを載せる事ができず、自然とページ数も薄くなってしまった。
-
もっとも、ダンジョンに関するオブジェクトの解説、ダンジョンを進む為に必要なスキルと覚えるゾイド、隠しパスワード、隠し連携攻撃の出し方、各パーツの覚える技と、登場する全ゾイドがイラスト付きで載っており眺める分には中々楽しく、攻略本として必要な情報は全て載っている。その上でペラい、というあたりが「本作ならでは」である。