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チョコボの不思議なダンジョン2 - (2013/11/21 (木) 10:02:51) の編集履歴(バックアップ)


チョコボの不思議なダンジョン2

【ちょこぼのふしぎなだんじょんつー】

ジャンル ローグライクゲーム
対応機種 プレイステーション
発売・開発元 スクウェア
発売日 1998年12月23日
定価 6,800円
分類 良作
ファイナルファンタジーシリーズリンク

概要

『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズの2作目。前作からちょうど1年後に発売された。
前作のコミカルな雰囲気から一変、シリアスなCMとストーリーで前作からのプレイヤーを驚かせた。
この物語を進めていく事によって、パッケージイラストの意味が分かる事になるだろう。
主人公のチョコボと、パートナーのモーグリは前作を彷彿させるような性格ではあるが、前作とのストーリー上での接点は無い。

なお、前作は北米で発売されていないものの、『Chocobo's Dungeon 2』というタイトルで北米でも発売されている。

特徴

  • 前作で穴の多かったTATBは廃止され、新たに改良を行ったTATB2(ターンアクティブタイムバトル2)が採用された。「ATB」とは付いているが、本作のTATB2はリアルタイムではなく、よりターン制に近いものとなっている。
    • 本作ではチョコボ自身のATBバーは存在せず、敵にのみバーが表示される。敵と遭遇すると、敵のATBバーには左から少し伸びた緑のバーが表示される。この緑のバーはチョコボの行動ターンを示し、実際の時間経過では変化しない。チョコボが1回行動するごとに緑のバーの長さの分が赤色に変わり、敵のバーが全て赤色で埋まると敵のターンとなり、敵が攻撃を行う。バーが長いほど強力な攻撃を行ってくる。これにより前作のバーをリセットして一方的に攻撃ということができなくなった。
  • 新要素として、モンスターにレベルの概念が加わった。
    • 他のモンスターを倒す・仲間キャラを倒す・レベル関連の実やカードを蹴られる・レベルが上がる技を使用するなどの条件を満たすとレベルが上がり、より強力なモンスターになる。モンスターのレベルは全種族3で固定。
    • 手ごわい相手になるが、経験値がその分増えているし、中には上位のモンスターしか落とさないレアアイテムなどもあるため逆手に取ることも可能。
  • 今回の冒険の拠点となる村には、同社の『スーパーマリオRPG』のモンスタウンよろしく、FFシリーズでもおなじみのモンスター達が住んでおり、どのキャラも個性豊か。前作同様、ダンジョンで手に入れたアイテムを彼らにあげる事で、村がどんどん発展していく。
    • 一応彼らを助けなくても、シナリオはクリアできる。
  • 物語の中盤から、村に倒したモンスターや、魔石で出現させた召喚獣の像が展示されるモンスターギャラリーが開館する。
  • FFシリーズおなじみで、前作では召喚獣としての存在だったバハムートが、『FF1』以来となる重要キャラとして登場した。
  • 本作のみ、ダンジョンに入る時には仲間キャラが1人同行するようになった。
    • モーグリ・シロマ・シド(+?)がストーリーの進行によって入れ替わりで同行してくれる。それぞれ特殊能力も持っており、モーグリは時々敵からアイテムを盗んでくれる、シロマは1フロアで一回だけピンチの時に回復してくれる、シドは話しかけると地雷を設置してくれる。
    • 頼りになるが、倒されると倒したザコモンスターがレベルアップしてしまうので仲間のHPには常に気を配る必要がある。
    • オプションの設定で協力プレイも可能。2Pは仲間キャラを操作することになる。ただし特殊能力は使えない。
  • 今回もチョコボの装備はツメ、クラ、首輪だが、今回ツメとクラに「耐久度」の概念が追加された。使用し続けると耐久度が減り、0になると壊れてなくなってしまう。
    • この耐久性が緊張感を生んでおり、戦略要素の向上に一役買っている。また耐久力を回復させる手段もいくつか用意されているので、どうしても壊したくないツメ・クラもずっと使い続けることが可能。
    • 装備品が壊れることはデメリットだけではなく、合成等で作った熟練度の高いツメやクラが壊れると、さまざまな力を秘めた「ハネ」に生まれ変わる。
    • なお、いらないハネは、村でゴットンに渡す事で、枯れかけた御神木がどんどん元気になってゆく。
  • 石や空のボトルも装備する事ができ、L1ボタンで蹴る事ができる。
  • 新たな本として難しいシリーズが登場。「小難しい」は状態異常系の魔法が使用でき、「難しい」は攻撃魔法・補助魔法が使え、「超難しい」ではアルテマなどの強力な魔法が放てる。但し魔法に応じたハネが無いと「ランダム」しか選べない。「ランダム」だと自分の頭にタライが落ちてダメージを受けることが多いため真価を発揮し難い。
  • 前作までの火(ファイア)・氷(ブリザド)・雷(サンダー)・風(エアロ)に加え、地の属性が登場。地属性の魔法を使えるクエイクの本も登場した。
    • 地属性が武器についた「ホリーのツメ」は、壁を攻撃した時に「つるはし」のように掘ることが可能。壁の中に埋もれたアイテムまで辿り着いたり、障害物を消したりすることができる。
    • 反面、前作にあった無属性の本のディムとシャインは削除された。
  • 前作にも登場したFFおなじみの召喚獣も健在。今回も魔石で呼んで、敵に大ダメージを与えてくれる。種類は前作より減った。
    • また、召喚獣のハネも存在し、ダンジョン内で使用すると、仲間キャラとして同行してくれる。戦闘力は非常に高いが、呼び出すとチョコボの元気が大幅に減少し、ターンによる元気の減りも早くなってしまうというデメリットもある。召喚獣が倒されると、魔石使用時と同じ効果を発動させて、ハネごと消滅してしまう。
  • ポーション等を使うと残る「空のボトル」。前作同様の泉の水を汲むのにも使えるのに加え、モンスターに止めを刺す時にこれを投げて倒すと、モンスターのエキスが手に入る。このエキスは普通に飲んで効果がある物から、合成にいい結果を出してくれる物まである。
    • 「空のボトル」の与えるダメージは4で固定なため、敵のHPを上手く調整する必要がある。このため一部の敵のエキスの入手がとても困難。
  • 「しおり」のアイテムが大幅に種類が増加しており、前作の帰還アイテムであったテレポカードもテレポのしおりに変わっている。
    • またダンジョン内でセーブするには「記憶のしおり」が必要となり、1回セーブするごとに一枚消費するため前作と違い気軽にセーブができなくなっている。
  • ダンジョン内でのお店が、シレンシリーズと同じ方式になった。店番はなんと死神。もちろんあのハイリスクハイリターンなあの行為を行う事も可能…

評価点

  • 前作以上にストーリーを重視して作られており、後半になると展開はシリアスなものへと向かっていく。
    • 本作を皮切りに、チョコボシリーズではストーリーにポップな雰囲気に似合わぬシリアスな展開を混ぜ込むことが見られるようになった。
  • ストーリーもさる事ながら、BGM・合成システムなども前作に負けず劣らずの高評価。
    • そのストーリーのヒロインである白魔道士のシロマは、その容姿や性格、連れて行った時の活躍から、シリーズ屈指の人気キャラとなっている。
    • なお、スタッフによると彼女は『FF5』のレナがモチーフらしい。原作をやった人は、デブチョコボとの会話でニヤリときたかもしれない…
    • 音楽ではEDでのBGMの演出が特に好評。また物語の中盤では、チョコボのテーマでは無い、FFシリーズ不屈の名曲が…!
    • なお、タイトルの割には、チョコボのテーマ(またはそれのアレンジ)がそんなに使われていない(オープニング、やられ時、死神、ラスボス戦)
  • フルCGのムービーシーンがふんだんに取り入れられており、本家FFにも勝るとも劣らない迫力かつ美しい。
  • クリア後の要素が、前作以上に豊富。これまでにクリアしたダンジョンを特定の仲間1人でアイテム持込禁止で行く「復活ダンジョン」と、モンスターが最高レベルの「ひみつのダンジョン」がプレイできる。
    • 復活ダンジョンの難易度は本編と比較して高く、前作から挙げられていた「ヌルすぎる」という不満にある程度応えてくれるものとなっている。
      • 復活ダンジョンはあくまでオマケだが、仲間の一人がクリア後としては珍しくシナリオが描かれている。
    • ひみつのダンジョンは、階層こそ無限で無いものの、登場する敵は全てレベル3であるため難易度は高い。また途中で前作にも登場した超強力モンスターが出現する。ボスは前作にも登場した意外なあのキャラクターが…

問題点

  • この作品を語るうえで、外せない問題点…それは、 リサイクルバグ(別名:耐久度0バグ) の存在である。
    • 具体的に言うと、 装備品(ツメ&クラ)をリサイクルボックスに入れた回数、ダンジョンで死亡し落とした装備を回収しなかった回数、装備品を蹴って消滅させた回数などの合計が一定以上になると装備のパラメータがおかしくなる 現象の事である。
      • 消滅させた装備品のデータがきちんと破棄or上書きされず、蓄積され続けてしまうことが原因であると推測される。
    • さらに、一度発生してしまうと通常のプレイでは正常な状態に戻すことができない。
    • そのため、 リサイクルボックスにはツメやクラを絶対に入れない、全滅は極力回避する、ツメ&クラを捨てる場合は絶対に蹴らない(地面に置いて捨てる) ことを推奨。詳しくはこちら
  • キャラクター達が、全体的に前作と比較してややデフォルメされたアニメ的なタッチのグラフィックになっているため、前作のほうがよかったというプレイヤーもいる。
  • 自分のレベルが高すぎると、ハネで召喚したバハムートやオーディンといった上級クラスの召喚獣の攻撃力がオーバーフローを起こしてしまい、攻撃力がとても低くなってしまう。原作での活躍っぷりが形無しである。
  • 「プチメテオ」の魔法が、かなりのチート。小隕石を3~5落とすのだが、ダメージ量は[画面に表示された数値]x[隕石が落ちた数]なため計威力はアルテマさえを上回ってしまい、その真価はボス戦で猛威を振るう。
  • マスク族モンスターの最高地位に位置する「デスマスク」。通常では登場せず、ギャラリーに追加させるにはラストダンジョンで現れた下位のマスクにツヤ出しカード等を投げてレベルアップさせてから倒すといいが、うっかりシナリオクリアすると、復活ダンジョンで出現させるのが困難になってしまう。
  • アイテム蹴りの攻撃がミスすることがある。
    • これ自体は普通に思えるが、困ったことに味方に当てた場合でもミスすることがある。このため味方を回復しようとしてアイテム蹴ったら損をしてしまったなんてことも。
  • 復活ダンジョンの仕様がやや不便
    • ダンジョンに入る際「アイテムは持ち込めない」と表示されるのだが、アイテムを所持したままダンジョンに入ると持っていたアイテムは全て消滅してしまう。そのため復活ダンジョンに入るたびに倉庫で預けるなり、店で売るなりして持ち物を整理する必要がある。
  • こちらのレベルを下げる敵や罠があるが、実は下がるのはレベルだけでステータスは変化しない。逆用することでいくらでも強化できる。

総評

前作の不評があってか総売上は52万本と落ちてしまったものの、システムが向上したことで前作の不満点はほぼ解消され、正当な進化を遂げた作品。
バグが有るもののそれを差し引いてもゲームとしては総合的によくまとまっており、十分遊べる出来。
特にストーリーとキャラの評価が高いため、本作をシリーズ最高傑作として挙げるファンも少なくない。

その他

  • コロコロコミックでは『チョコボのふしぎものがたり』のタイトルで漫画が連載されていた。
    • 余談ながら作者は同誌でハードな高校野球漫画や超能力をテーマにしたホラー漫画を描いており、世界観をよく表現した可愛らしい絵柄のチョコボの漫画の連載に驚いたファンも少なく無かった。
  • 今回も「不思議なデータディスク」が付属していたが、ムービー以外で収録されていたのは、『ブレイヴフェンサー 武蔵伝』のパワーアップデータだけであった。
    • 一部のBGM、最初のボスの容姿等、『武蔵伝』を意識した場面が見られる。音楽担当が同一人物だからだろうか。
  • PSNのゲームアーカイブスで本作が600円で配信されている。
    • 残念ながらリサイクルバグは修正されていない。しかし公式サイトや解説書の冒頭には注意書きされており、スタッフの配慮が伺える。