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ナイツオブザラウンド 円卓の騎士 - (2018/04/24 (火) 07:34:56) の編集履歴(バックアップ)


ナイツオブザラウンド 円卓の騎士

【ないつおぶざらうんど えんたくのきし】

ジャンル ベルトスクロールアクション
対応機種 アーケード(CPシステム)
販売・開発元 カプコン
稼働開始日 1992年
プレイ人数 1~3人(同時プレイ可)
判定 なし
ポイント ガード、大斬り操作マスター必須


概要

アーサー王の伝説『円卓の騎士』をモチーフにしたベルトアクションゲーム。
戦乱の嵐が吹き荒れるイングランドで、全土の支配を企むアーロン軍に、アーサー、ランスロット、パーシバルの3人の騎士が立ち向かうという設定。
しかしデモで語られている聖杯探索や聖剣の事は、ほとんどゲームに関係しない。

システム

  • HPゲージ&残機制。全7面。
  • 使用可能なキャラクターは以下の3人。3人まで同時プレイ可能だが、同キャラ使用はできない。
    • アーサー:バランス型の剣士にして主人公。しかし実は意外と性能的に癖が強く、特に重要な技である大斬りがリーチこそあるものの、技の出が一番遅く隙が大きいのが痛い。使いこなすまでには慣れが要る。
    • ランスロット:スピード型の剣士。欠点らしい欠点が少なく、むしろ彼こそバランスタイプと呼ぶべき性能。三人の中では最もクリアが楽と言われている。
    • パーシバル:パワー型の斧使いの戦士。なのだが、実は歩く速度は3人中一番早く、レバーを素早く横に2回入れることで一人だけダッシュすることができるため、パワーとスピードを兼ね備えているといってもいい。ただしリーチが短い技が多く、そこを補っていく必要がある。
  • 8方向レバー+2ボタン(攻撃、ジャンプ)で操作。基本的な操作体系は『ファイナルファイト』に準ずるが、以下のように本作独自の操作が幾つかある。
    • 本作は剣劇アクションなので、プレイヤー側に掴み技、投げ技は存在しない。
    • 「進行方向と逆方向のレバー入力+攻撃ボタン」で、一定時間ガードをする事が出来る。
      • ガード中は進行方向からダメージを受けない上、敵の攻撃をガードすると一定時間無敵となる。
      • ただ、ガード中は動けず、また進行方向以外の方向からの攻撃に対しては無防備。さらにガードし続けて相手の攻撃を受け止められなかった場合、疲れて2秒間も完全無防備になってしまう。なので、闇雲に使えばいいというものではない。
    • 「進行方向のレバー入力+攻撃ボタン」で「大斬り」を出すことが出来る。
      • 通常攻撃よりも隙が大きい代わりに威力も大きい。本作の通常攻撃は威力が小さく、連打しても敵の体力をさほど減らせないため、大斬りは必須ともいえる。
      • 出し方にクセがあり、「レバーを入れた後少し遅れて攻撃ボタンを押すのがコツ」である。この旨はインストカードにも記載されている。
    • また、3人のプレイヤーキャラクターはそれぞれ得意技を使うことが出来る。
    • なお『ファイナルファイト』譲りのメガクラッシュもあるが、体力消費量がゲージの約7分の1と多く、気軽に使えるものではない。
  • 面によっては馬に乗って闘うことも可能。
    • 騎乗中は移動や攻撃の速度が上昇し、専用攻撃を出すことができる。威力はまあまあ。
    • 騎乗中はザコ敵があまり攻撃してこなくなるため、かなり一方的に攻撃できる。
      • 馬を失ってしまうと、とたんに難易度が上昇してしまうので、上手く馬を失わずに立ち回れるかもポイント。
  • 同社の『ザ・キング・オブ・ドラゴンズ』と同じくレベル制を採用している。
    • 得点を稼ぐと一定得点ごとにレベルアップし、体力が全回復すると共に攻撃力も上がる*1
    • レベルによって外見も変わり、武具が豪華になっていく。
  • 設置物や宝箱などからは様々なアイテムが出る。
    • 主に出るのは財宝(得点アイテム)や食べ物(回復アイテム)など。
      • 大きな財宝や食べ物は、攻撃を加えることで分割できる。そのまま拾うより分割して全て拾ったほうが得点/回復量が多くなる。
    • 特定のポイントでは低確率で残機UPアイテムが出現。スコアエクステンドが無い本作においては唯一の残機を増やす手段である。
  • 同種の敵を倒していくと最大で4倍までスコアが上昇する。
    • 本作はレベルアップによるプレイヤーの強化に重点を置かれているタイトルの為、これと得点アイテムの分割はほぼ必須のシステムではある。

評価点

  • グラフィックとBGMは中世欧州ファンタジーの世界観を表現出来ているとして評価が高い。
    • ただ、後半戦になると明らかに世界観を間違えている日本の鎧武者「村正」(6面ボス)や時代設定を無視したロボットの「アイアンゴーレム」(7面中ボス)が登場し、中世欧州とはかけ離れた世界になってしまう。
  • ボス戦の際に画面下部に体力の内訳が表示される様になった。
    • これまでのカプコン製ベルトアクションにおけるボスや中ボス格の敵の体力ゲージは、その他の雑魚敵と同様にプレイヤー体力の下で小さく表示されていた関係で緑や白といった別の色に統一にせざるを得ず視認性に若干の難があったが、本作のボス戦では画面の下部にボスの体力ゲージがデカデカと表示される様になり、ボス体力の推移が分かりやすくなった。
    • カプコンベルトゲー史では厳密には『天地を喰らう』や『ザ・キング・オブドラゴンズ』の2作でも使用されていたのだが、本作で『ファイナルファイト』タイプの表示形式との合流を果たした事により、次回作に当たる『天地を喰らうII 赤壁の戦い』や『パニッシャー』等のタイトルに引き継がれた他、従来の表示形式を採用しているタイトルも同様に体力の推移をわかりやすい表示へシフトしていった事から、ボスの体力関連で進展が見られたのは大きいだろう。

問題点

システムの作り込みの甘さ

  • 操作性が悪い。おそらく本作一番の問題点。
    • 「ガードを駆使し、ガード後の無敵時間を利用して敵に反撃する」ことを前提にしたゲームバランスのため、ガード操作が的確に出来ないようだと1面ボスを倒すことすらおぼつかない。
    • しかし肝心のガードがかなり出しにくく、「後ろへ攻撃」に化けることも多々。また大斬りもガードほどではないが出しにくい。
      入力自体に気を使わなければならない 気を使っても出にくい 出ないと被ダメージ確定 という、仕様が悪い方向に連鎖してしまっているアクションゲームが楽しいだろうか。
    • ガードや大斬りは「レバーとボタン同時」となっているが、同時と判定する時間が非常に短い。特にガードは同時判定より振り向きを優先する、という超問題有り仕様なため裕度時間はほぼゼロ。ただ「ボタンが先でも同時と判断する」点に付け込む隙がある。よってコツとしては、レバーニュートラルから攻撃ボタンを押し、ボタン押しっぱなしのまま攻撃モーションが出る前にレバーでキャンセル、のつもりで微妙にレバーを遅らせれば少しはマシになる。だが結局、裕度数フレームの出掛かりキャンセルを毎度のアクションでやるということで、一々気を使いすぎて疲れる。当時のカプコンベルトアクションの伝統である2ボタンの操作系にこだわり過ぎたあまりの弊害と言えるだろう。
  • 同種の敵を倒していくとスコアに倍率が掛かるシステムも、戦闘の自由度が下がるという理由で不評だった。
  • 他、ステージクリア時にレベルアップしないと恒例のステージクリア時の体力回復が無くなる事がある。

その他問題点

  • 難易度は高い。
    • 1面ボスからしてリーチの長い攻撃を繰り出してくる。
    • カプコンのベルトアクションでは半常識の「初心者殺しの強い2面ボス」は本作でも健在。
      • 馬に乗って登場するため、攻撃を加えて落馬させないと厳しい。しかし馬から下ろしても素早くトリッキーな動きでプレイヤーを大いに苦しめる。
    • 中盤以降は攻撃範囲が広いメガクラッシュを当然のように使ってくるボスキャラクターもいる。
  • 残機が増えにくい。
    • 先述のように残機UPアイテムを取らなければ増えないが、これは特定のポイントで低確率で出現するのみ(即ち1個も出ないこともある)。
    • 一方、回復については回復アイテムの他に道中でのレベルアップによる全回復もある。

総評

ベルトアクションの新たな可能性を模索した本作ではあるが、特徴となる操作のハードルの高さのためさほど客付きは良くなかった。 そこを乗り越えられるなら、普通に遊べる出来なのだが…


余談

  • プレイヤーキャラクターの一人であるパーシバルは、キャラクター選択画面やLV11まではおかっぱ頭でヒゲの無い顔であるが、LV12になった途端に何の説明もなくスキンヘッドのヒゲ面に変わる。
    • 一応、キャラクター紹介デモやインストカードのイラストで事前に描かれてはいるのだが。
    • 他のキャラクターでクリアしたときエンディングで彼だけ違和感があると思った人もいるだろうか。
  • スマートフォンのiOS用向けアプリで展開された『魔界村』シリーズ作品『魔界村 騎士列伝』、『魔界村 騎士列伝II』では、プレイヤーキャラクターとしてアーサーの他にランスロットとパーシバルと本作を意識したネーミングのキャラクターが登場している。

家庭用移植

  • SFC版(1994年6月10日)
    • 敵配置の変更や一部演出のカット、最大同時プレイ人数が3人から2人に減少しているが、その他の内容は業務用とほぼ同一。グラフィック、BGMも良好。
    • ガードが1ボタンで済むようになっており、かなり操作性が改善されている。
    • だがオプションはキー設定と3段階の難易度設定しかできず、残機数の設定もできない。
  • PSP『カプコン クラシックス コレクション』(2006年9月7日)
    • オムニバスソフト中の一作品として、業務用をほぼ忠実に再現した本作が収録されている。
      • しかし説明書に重要アクションの大斬りとガードの操作方法が書いておらず、コレクションモードでインストカードを見ないとやり方が分からなくなっている。
    • また忠実移植が故にか、SFC版にあったガードボタンのような操作改善は取り入れられていない。当然、操作性の悪さ、そしてそれがゲームを楽しむことを阻害するのも忠実に移植。
    • サブゲームのスロットである絵柄を揃うとチートモードが可能となり、最初からレベルMAXなどにできる。またコンティニュー無制限なので、遊びやすくはなっている。ただもっと追加・修正すべき箇所が…