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Wizardry 6 Bane of the Cosmicforge - (2019/06/27 (木) 15:27:19) の編集履歴(バックアップ)


ウィザードリィVI ~禁断の魔筆~

【うぃざーどりぃしっくす きんだんのまひつ】

ジャンル RPG
対応機種 スーパーファミコン
メディア 24MbitROMカートリッジ
発売元 アスキー
開発元 ゲームスタジオ
発売日 1995年9月29日
定価 12,800円(税抜)
プレイ人数 1人
セーブデータ 3個(バッテリーバックアップ)
判定 良作
シリーズファンから不評
ポイント システムを大幅改変
日本人向けに良アレンジ
再開不可能バグあり
Wizardryシリーズリンク


概要

『Wizardry #6 Bane of the Cosmicforge』(通称BCF)のSFC移植作品。
PC版は#6から#8までの3部作となっており、キャラ引き継ぎも可能だったが、SFC版は続編が出ておらず、引き継ぎは不可能である。
前作にあたる『ウィザードリィV 災渦の中心』もゲームシステムの変化はあったが、本作はもはや別ゲーと言ってもいいくらい大幅な改革がなされている。
画面構成や一部システムに『Dungeon Master』の影響が見られる。ただしあちらと違ってリアルタイム制ではない。
新システム初導入作だけあって多少粗削りなものの、これはこれで良く出来ている。
しかし、旧来のシステムで新たな冒険をしたかったファンにとっては期待を裏切る形となり、不評を買ってしまった。

ストーリー

この世には知らねばならないことがある
100と20年ほどの昔、その城には、もっとも邪悪な王と妃が住んでいた。
王は自らにならぶほど邪悪な魔法使いと手を結び、彼ら以外の邪悪なるものたちを滅ぼす魔法の戦いをくり広げた。
彼らがコズミック・フォージの存在を知ったのは、こうした戦いの最中だった。
彼らが敵の魔神を倒したとき、その最後の言葉によって、彼らはその魔法のペンの存在を知った。
コズミック・フォージと呼ばれるそのペンによって書き記された言葉はすべて現実のものとなるのだ。
彼らはこのペンを盗み出し、だれも想像すらできないほどの恐怖を宇宙の中におりこみ始めた。
しかし、ペンを盗み出すと間もなく、二人はおたがいの力をねたみ始めた。
もはや彼らは、おたがいの力を必要とはしなくなっていたのだ。
そして、おたがいの運命とこの魔法のペンの行く末を定める、最後の戦いがくり広げられた。
それが知られていることのすべてである。
城はそれ以来、住む者もなく、王、妃、魔法使い、魔法のペンがどうなったのかを知る者もない。
しかし、今、新たな冒険者たちがこの城を訪れたことによって、すべてが変わろうとしている…

新システム

  • 拠点となる町が存在しない。
    • 訓練場が廃止。ゲーム開始時にキャラメイクを行い、そのときに作ったパーティで最後までプレイする。
    • ギルガメッシュの酒場が廃止。途中でキャラの入れ替えはできない。
      • キャラクターの性格システムや友好的な敵も廃止。
    • 冒険者の宿が廃止。回復はダンジョン内で休息することによって行う。レベルアップは経験値がたまり次第、自動で行われる。
    • ボルタック商店が廃止。アイテムの売買はダンジョン内にいるNPCと行う。一度売ったものを買い戻すことはできないが、品切れになることもない。
    • カント寺院が廃止。死亡やステータス異常は呪文やアイテムで治す。軽いステータス異常なら休息でも治る。
  • 味方キャラクター関連
    • 6つの新種族が追加。また旧種族も多少パラメータが変更されている。
    • 性別システムの採用。男性は女性よりも力が2高く、魅力とカルマが1低くなっている。
    • 新職業が追加。女性専用の職業もある。
      • 新種族、性別、新職業は『ウィザードリィ外伝III ~闇の聖典~』以降の外伝シリーズでも採用されている。
      • 忍者は旧作からあったが、今作では基本的に何も装備せず素手で戦い、忍術スキルでACを下げたり、錬金術が使えるようになったりと、かなり様変わりした。
    • パラメータの「素早さ」が「器用さ」と「速さ」に分割され、「運」は「魅力」と「カルマ」に変更。
      • 「カルマ」は生まれた時点(キャラメイク時)に決定され、以後変動しない。極端に低いと色々と不幸な目に遭いやすくなる。
    • スタミナの概念が追加。行動すると減っていき、0になると行動不能になる。休息や呪文により回復する。
      • HPとスタミナはレベルアップ時に職業と生命力に応じて上がるようになり、現在レベルから算出する方式ではなくなった。
    • アイテムに重量の概念が追加。所持アイテムの合計重量が限界値の50%を超えてくると攻撃命中率が下がったり、ACが上昇したりする。
      • PC版ではキャラメイク時のパラメータで重量限界値が決定されたが、SFC版は力や生命力の値に応じて変化する。
    • 顔グラフィックの導入。種族に応じた顔が用意されているが、別種族の顔を使うことも可能。
      • SFC版では顔の自作機能もある。6つあるので6人全員の顔を作れる。何故か顔はいつでも変更可能。
    • スキル制の導入。大きく分けて武器スキル、運動スキル、学術スキルの3つに分類される。
      • 職業によって上げられるスキルは決まっているが、スキルポイント1以上にしておいたスキルは他の職業に転職しても忘れることがない。
    • 転職後のパラメータが「その職業になるのに必要な最低値」までしか下がらなくなった。その職業になるのに必要ないパラメータは、種族初期値まで下がる。
      • 例えば戦士に転職した場合、力が12、他のパラメータは種族初期値になる。
    • 前作(SFC版5)では種族値+10だったパラメータ最大値が、どの種族も全パラ18に戻った。
      • カンスト後にパラメータが上昇するスペシャルパワーを解放することで、最大20まで上げることができる。
  • 呪文体系の変更。
    • 旧来の魔法使い(魔術)と僧侶(神学)に加え、アルケミスト(錬金術)とサイオニック(精神学)が追加。
    • 呪文はレベルアップで1個を選んで覚える方式になった。高ランク呪文は各系統のスキルを高くすることで覚えられるようになる。
      • 呪文は各系統で独立しているとは限らない。例えばヒールウーンズ(回復呪文)は魔術以外の3系統のどれでも覚えられる。
    • 呪文は6つの領域(火・水・気・地・心・魔)のいずれかに分類され、MPも6系統ごとに独立している。
      • MPは旧来の回数制から数値制になった。呪文を覚えた領域のMPはレベルアップで成長していく。
    • 呪文の威力と消費MPを調節できる「パワーレベル」が導入された。
      • キャラクターのレベルに応じて、高いパワーレベルまで上げることができるようになる。
    • 戦闘中の呪文は発声術スキルが低いと発動失敗したり、逆流したりすることがある。
      • 錬金術を扱う職業は発声術を必要としない。
    • アイテムとして手に入る呪文の書を使う事でも呪文を覚えられるようになった。
      • ただし、その呪文を覚えることができる職業であることと、それなりのレベルが必要。
  • ACシステムの変更。「全体AC」と「体の各部位AC」に分けられる。
    • 全体ACは旧作と同様、攻撃の当たりにくさを表す。
      • パラメータの素早さを高める、盾を装備する、モンクや忍者が「忍術」スキルを高める、元々体が小さい*1などで全体ACは下がる。
    • 各部位ACは、その部位への攻撃の貫通しにくさを表す。貫通できないとダメージは通らない。
      • 各部位に防具を装備することで下がる。空を飛ぶ敵は頭を、地を這う敵は足を狙ってくることが多い。
      • モンスター限定で「翼」や「尾」などにACが設定されている者もいる。
  • 毒などのステータス異常に強度の概念ができた。
    • 強力なものほど自然治癒に時間がかかり、治癒呪文もパワーレベルを高めないと治らない。
      • どのくらい強力なものなのかは見た目で判別できない。
    • 「恐怖」などの行動に支障をきたすものは、強力なものだと体が動かなくなったり、勝手に逃走したりするようになる。
    • 「睡眠」や「麻痺」など行動不能になるものは、全体ACが+15になり、完全無防備になる。
    • 「石化」の場合、強度によっては即死するようになった。
      • 石化を解いても既に死んでいるため、復活が二度手間になる。生命力も二度低下する。

評価点

  • 演出の強化。
    • NPCやモンスターがアニメーションするようになり、迫力が増した。
    • PC版のグラフィックは海外向けの非常に濃いものだったが、SFC版は日本人向けにアレンジされたほか、オールカラー化や背景が付くなど視覚的にわかりやすくなった。
      • モンスターグラフィックは末弥純氏のデザインに変更されている。女性敵が裸ではなくなったが
      • 各種族ごとにデフォルトで用意されている顔グラフィックの評価も高い。それでも気に入らなければ自分で描くことも可能。
    • PC98版はBGM無しだったが、TOWNS版でBGMが付き、SFC版では羽田健太郎氏によって新たに作り直された。モンスターも鳴き声や叫び声を発するようになった。
      • ダンジョン内のBGMは静かで探索に集中できる。それに対して戦闘やイベントBGMは前作以上に重厚で荘厳なものとなり、ギャップの激しさがより緊張感を高めている。
  • ダンジョン数の増加。
    • 旧作では1つの地下迷宮を探索するだけだったが、本作では複数のダンジョンを渡り歩く方式になり、それらをつなぐ屋外マップも存在する。
    • 「地上階」の概念ができ、階層を1つずつ探索する平面形式から複数階にわたって探索する立体形式になった。
      • SFC版では階層ごとのオートマップ機能が付いて現在地の確認をしやすい。もちろん手動マッピング派の人は使わないことも可能。
  • 上記のストーリーに代表される重厚なシナリオと、味のあるテキスト。
    • ストーリーを要約すると「記された言葉が現実となる魔法のペンを冒険者たちが取りに行く」という、たったそれだけのことが数十行にも渡って長々と表記されているのである。これはWizardryの伝統でもあり、別に珍しい事ではないのだが。
    • プレイヤーの行動によってストーリーが分岐し、理解できていないと重要人物(裏ボス)を殺してしまうルートへ突入してしまう。
      • このルートだと次回作へ引き継いだときのスタートが若干不利になる。SFC版は次回作に続かないので、わざと裏ボスと戦うルートを取る人も多いが。
    • 前作からあったNPCもより個性的なキャラが増え、会話内容も独特の魅力あるものとなった。
      • 呪文でNPCの心の中を読めるようになった。内容はちょっとしたヒントだったり、ウィットに富んだジョークだったりする。
  • 謎解きが多彩になった。
    • ダンジョンマスターの影響か、壁にあるスイッチの発見、アイテムの組み合わせなどの仕掛けも用意されるようになった。
      • PC版ではNPCに伝えるキーワードが手入力方式だったが、SFC版では自動で会話する代わりにキーワードを知らないと話が進展しない。
  • SFC版ではアイテムリスト(図鑑)ができ、一度手に入れたことのあるアイテムが表示されるようになった。
    • 入手した段階では白文字で、分析すると緑文字、鑑定呪文をかけると黄文字になる。全てのアイテムを黄色にするといったやりこみもできる。
      • ルートによって二者択一のアイテムなどもあるため、コンプリートはできない。

賛否両論点

  • 呪文の名称がトゥルーワードから英単語の名前に変更された。
    • カティノ→スリープ、ディオス→ヒールウーンズ、ラツモフィス→キュアポイズン、ティルトウェイト→ニュークリアブラスト、など。
    • 名前から効果を予想しやすくなったが、慣れ親しんだ旧作呪文名から大幅に変わってしまったため、旧作ファンに叩かれる要素でもある。
  • ゲームのセーブは前作と同様、戦闘中以外に任意で行う形式で、リセットによるやり直しが効く。
    • 別パーティによる救助という概念がなくなったため、全滅した場合はセーブしたところから再開するしかなくなり、いわゆるノーリセット進行ができなくなった。
  • 休息によりダンジョン内でも回復が可能になった。
    • いつでもどこでも回復できるようになり、旧作のような「MPを節約しながら進んで引き際を見極める」から「全力で敵を倒して休息で回復してとにかく先へ進む」という様式に変貌した。
      • ただし時々休息中に敵に襲われることがあり、場合によっては睡眠状態で戦闘開始することもあるため、休息に頼りすぎると痛い目を見る。
  • 敵モンスターが宝箱ではなく、直接アイテムを落とすようになった。
    • レアアイテム集めが楽になったが、宝箱の罠を解除する緊張感がなくなった。
      • 宝箱は探索中に発見する。もちろん罠も健在。
    • 矢などの消耗品はレンジャー系の敵が落とす。ちなみに手裏剣も投獲用の消耗品になった。
    • 上位武器や防具は探索で発見した宝箱やイベントで手に入れることが多い。
      • かつての最強武器「村正」も手に入るようになった。実にあっさり確実に手に入るため、拍子抜けという声も。
    • 最強クラスのアイテムは最強クラスの敵が落とすのは変わっていないが、その確率が異様に低く、種類も多いためかなり偏りが出る。
      • 「エクスカリバー」や「ざとういちぼう」といったレアアイテムはこの方法でしか手に入らない。手に入れる頃には既に村正が数本手に入っていたりすることも…

問題点

  • 再開不可能バグの存在。(SFC版のみ)
    • 開始時のメニューに「ぼうけんをやりなおす」というコマンドがあるが、それをしたデータで既存のキャラを二人以上消し、新規キャラを作ってアイテム欄を開くとバグる。
      • 冒険を再開しようとするとフリーズし、ゲームを始めることができなくなる。
      • データを消すことも不可能になるため、この状態を解除するにはカセットを分解して電池を外すなどして強引にデータを初期化するしかない。
  • 序盤からバランスがかなり厳しめ。
    • まず敵に攻撃が当たらない。10回攻撃して1回当たるかどうか。
      • よりによって序盤はネズミやコウモリなどの小さい敵が多く出現し、余計当たりにくい。
      • 武器スキルを上げれば当たりやすくはなるのだが、最初にもらえるポイントを全て武器に振っても雀の涙。
    • 攻撃呪文は確実に当たるが、失敗することもあるし、レベル1では多くても2回しか使えない。
      • 職業によっては確実に当たる魔法発動アイテムを持っているが、1回しか使えない。しかもスキルが低いので失敗することもある。
    • 場合によっては上位ランクの敵がいきなり出現する。
      • 上位の敵には呪文を使う者もいる。攻撃呪文が後衛職めがけて飛んできたら大抵死ぬ。
    • 最序盤に復活できるアイテムが手に入るが、7回しか使えない。
      • 高額で売れるので、売って装備を整えるか、もしもの時のために取っておくかは悩ましいところ。
  • 転職をすればするほど強くなる。
    • 旧作では転職のたびに加齢するため何度も転職するのはタブーだったが、本作では加齢しないので転職のデメリットがほとんどない。
    • 低レベル帯で転職してレベル1に戻ってもすぐ取り戻せるし、それどころかわざとレベル1に戻って何度もレベルアップすることでHP・MP・呪文・スキルポイントの荒稼ぎができてしまう。
      • 転職回数を縛らないで育成した場合、最初のダンジョンが終わるあたりで最高ランクの呪文を覚えるほどの強力パーティーが出来上がってしまう
    • 転職は各キャラ1回まで、などと制限することで本来のバランスを損なわない程度に楽しむことはできるが…。
  • 種族、職業の優劣にかなり差ができた*2
    • 新種族である「リザードマン」は「魔法の扱いが苦手」という設定であり、魔法を使えないわけではないがMP回復量が他の種族よりも遅い。
      • 魅力が3(女性は4)と異常に低いため、魅力が必要な職業に就くのが非常に難しい。転職をすればするほど強くなるこのゲームに根本的に向いてない
    • 「ノーム」は旧作ではホビットと並ぶ素早さ10の種族であったが、本作では何故か器用さ8、速さ6とどちらもかなり低い。
      • かわりに信仰心が13と全種族最高値だが、僧侶になるには12で十分なため無駄振りであり、魅力も低いためロードにも向かない。新種族「ラウルフ」のほぼ下位互換と言っていい種族になってしまった。
    • 新職業「レンジャー」は不遇の代名詞と呼ばれるほどの役立たず職業である。
      • 得意武器は弓だが、このゲームの弓は欠陥武器*3である。「弓を扱う=後衛職」というイメージのせいか、防具もろくなものが装備できない。
      • レベルアップ時に役に立たない弓スキルとスカウトスキル*4に勝手にポイントを割り振られるため、盗賊技能や錬金術を伸ばす余裕が全然ない。ついでにレベルアップもロード並みに遅い。
      • 盗賊技能である「指先技」のスキルを持つ職業のうちの一つであるが、何故かそれらの職業で唯一、鍵のかかった扉を開けても指先技スキルが上達しない。
      • 長所と言えば「転職するのに全てのパラメータがそこそこ必要なため転職してもあまりパラメータが下がらなくてすむ」ということくらい。
    • 旧来の上級職「ビショップ」は僧侶と魔法使いの呪文を両方使えるが習得が遅い。本作でもそれは同様だが、本作では僧侶と魔法使いを交互に転職することで遥かに効率良く上級呪文を早期に覚えられるため、ビショップのまま育てる意義が薄い。さらにビショップの特権であったアイテムの鑑定技能がなくなり、存在意義を疑われる職業になってしまった。
      • 上級職の中ではレベルアップが早い方であったが、本作では忍者に次ぐワースト2の遅さになってしまった。おまけに上級職であることが災いし、ビショップへの転職には相当高いパラメータが必要になった。HPや攻撃力も僧侶に劣るので、無理して転職する必要もないが…。
    • 旧作ではパーティーに一人はほぼ必須だった「盗賊」が、スキル制になったため他の職業でも盗賊技能を上げられるようになり、「呪文を覚えない」という欠点だけが残る職業になってしまった。
      • 戦士も呪文を覚えないが、他に特技もないため「好きなスキルを上げられる」という特徴があり、盗賊ほど不遇ではない。特に力ボーナスがありバルキリーになれない男性にとっては便利な職業。
    • 女性だけの新職業「バルキリー」は、僧侶の呪文を覚えて戦闘力は戦士並み、おまけに本職の僧侶よりもレベルアップが早い*5という非の打ちどころのない職業となっている。
      • バルキリーの陰に隠れる形で「ロード」が不遇になった。成長も遅いし、専用装備である聖なる鎧もなくなってしまった。ちなみにバルキリーには専用武器がある。
  • 一部スキルがほぼ役に立たない。
    • 武器スキルのうち「投げる」と「スリング」は該当する武器自体が非常に少なく、新たな武器を手に入れてパワーアップを望みにくい。「弓」は種類こそ多いものの、前述通りの欠陥品。
      • これらに共通して、弾が消耗品であるため無くなると使用できなくなるし、大量に持ち歩こうにも金がかかったり、重量がのしかかってくる。
    • 「盾」スキルを上げると盾の扱いが上手くなる…わけではなく、盾でブロック(防御行動)した場合にのみ回避しやすくなる。
      • 序盤はスキルポイントが低くて役に立たないし、後半はブロックなど使わなくなる。
    • 「スカウト」スキルは前述通り発動率が100%ではなく、呪文で代用できてしまう。
    • 「早業」スキルはNPCからアイテムを盗みやすくなるが、前作と違ってクリアに必須ではなく、盗みでしか手に入らないアイテムも無く、見つかって戦闘になってしまうリスクもある。
    • 「指先技」スキルは鍵のかかった扉や宝箱を開ける特技だが、呪文で代用可。
    • 「工芸学」「書術」スキルはアイテムや巻物に封じられた魔法の力を引き出す。これも呪文を覚えてそのまま使えばよいので上げる価値は低い。
    • 「神話学」スキルを上げると不確定モンスターの名称が判明しやすくなる。名称不明でも姿はしっかり見えているので、どんな敵か判断できずに迷う事はない。
  • 一部呪文の効果が強力すぎる。
    • 旧作ではレベルの低い敵にしか通用しなかった窒息呪文や即死呪文が、パワーレベルを上げることでほとんどの敵に通用するようになってしまった。
      • ただしパワーレベルを上げるほど消費MPが大きくなる、発動失敗しやすい、逆流したら超危険と、それなりにリスクもある。
    • 敵からHPを吸収する呪文「ライフスティール」は、パワーレベルを上げるとダメージ(=吸収するHP)が指数関数的に上がっていく。
      • パワーレベル最大で放つと、呪文抵抗されなければラスボスや隠しボスも一撃必殺の威力である。当然敵に使われた場合も脅威。
    • 扉や宝箱を開ける「ノックノック」の呪文は、確率にもよるがパワーレベル最大なら全ての鍵つき扉を開けることができる。
      • 盗賊技能の「指先技」スキルが完全に不要になる。
  • 重要アイテムを捨てることができないため、持ち物欄を圧迫してしまう。
    • 鍵が必要な扉を呪文や盗賊技能でこじ開けると、鍵が余ってしまう。
      • 「銅の鍵」と「鉄の鍵」は重要アイテムではないので捨てることができるが、それ以外の鍵は全て捨てられない。
    • NPCを殺すと重要アイテムを落とすので詰むことはないが、既にそれを持っている状態だと重複して片方余ってしまう。
    • あるアイテムは4つ集める必要があるが、それを落とす敵は5匹いるので、全部倒すと1個余ってしまう。
    • アイテムを使わないと罠が発動する場面があるが、罠をくらいつつも強引に突破すると、突破用アイテムが余ってしまう。
    • 突破ルートが複数あるイベントは、ルート選択によっては突破用アイテムを使う機会がなくなり余ってしまう。
    • イベントクリアに必須なのに、クリア後も自動で廃棄されないアイテムもある。
      • SFC版では不要になったアイテムの一部をNPCが引き取ってくれるようになった。しかしそのNPCが行方不明になると当然引き取ってもらえなくなる。
    • イベントクリアに特に必要ないのに、拾ってしまったが最後、手放せなくなるアイテムもある。
      • 一部は武器として使えたりもするのだが、性能が低いため出番はほぼ無い。

総評

旧来のファンから「ダンジョンマスターのパクリ」「Wizardryは#5で終わった」などと散々に叩かれた作品。
顔グラがあるのが気に入らないとか、呪文名が気にくわないとか、システムと関係ないものまで批判する人もいる。
実際にプレイしてみればダンジョンマスターとは全然別物であり、旧作Wizardryを引き継いでいる部分もしっかりあることがわかる。
臨場感やユーザビリティの良さから、Wizardry6の移植版で最高傑作なのは間違いなくSFC版だろう。
再開不可能バグだけは擁護できないが、バグる手順さえ踏まなければ特に問題はない。
現在市場に出回っている中古ソフトは既に再開不可能状態になっている可能性が高いので、可能ならば確かめてから購入したい。


その後の展開

セガサターンでWizardry7とのカップリング作品が出ているが、

  • 難易度設定があり、「やさしい」だと戦闘で必ず味方先行、「ふつう」以上だと必ず敵先行になる
  • スカウトのスキルや探索呪文を使っていなくても勝手に隠しスイッチに100%気付く
  • 動きを遅くする呪文「スロー」がかかるとその戦闘中に一切動けなくなる
  • 発声術が必要ないはずのアルケミストが沈黙すると呪文が使えなくなる
  • 入手したアイテムを床に置くと使用回数が255になる
  • 宝箱の中身を何回でも入手可能
    など数々のバグや不具合を搭載しており、まともにプレイする事すら難しいクソゲーとなってしまっている。