このページでは、PC版『Wizardry #6』及び、その移植であるSFC版『ウィザードリィVI 禁断の魔筆』について扱います。
判定はいずれも「良作」「シリーズファンから不評」です。
【うぃざーどりぃ しなりおしっくす べいんおぶざこずみっくふぉーじ】
ジャンル | RPG | ![]() |
対応機種 | IBM-PC、国産PC他多数 | |
開発元 原語版発売元 |
Sir-Tech | |
発売日 | 1990年8月6日 | |
判定 | 良作 | |
シリーズファンから不評 | ||
ポイント |
システムを大幅改変 敵も味方も即死ゲー 進行不可能バグあり |
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Wizardryシリーズ |
ナンバリングタイトルの第6作(*1)にして、シナリオ8まで連綿と続く「新ウィザードリィ三部作」の始まりの作品である。
これまでのシステムを一新し、「もはや別ゲー」と言ってもいいくらいの大幅な改革がなされた。
画面構成や一部システムに『Dungeon Master』からの影響が見て取れるが、あちらと違ってリアルタイム制ではない。
この世には知らねばならないことがある。
100と20年ほどの昔、その城には、もっとも邪悪な王と妃が住んでいた。
王は自らにならぶほど邪悪な魔法使いと手を結び、彼ら以外の邪悪なるものたちを滅ぼす魔法の戦いをくり広げた。
彼らが「コズミック・フォージ」の存在を知ったのは、こうした戦いの最中だった。
彼らが敵の魔神を倒したとき、その最後の言葉によって、彼らはその魔法のペンの存在を知った。
コズミック・フォージと呼ばれるそのペンによって書き記された言葉はすべて現実のものとなるのだ。
彼らはこのペンを盗み出し、だれも想像すらできないほどの恐怖を宇宙の中におりこみ始めた。
しかし、ペンを盗み出すと間もなく、二人はおたがいの力をねたみ始めた。
もはや彼らは、おたがいの力を必要とはしなくなっていたのだ。
そして、おたがいの運命とこの魔法のペンの行く末を定める、最後の戦いがくり広げられた。
それが知られていることのすべてである。
城はそれ以来、住む者もなく、王、妃、魔法使い、魔法のペンがどうなったのかを知る者もない。
しかし、今、新たな冒険者たちがこの城を訪れたことによって、すべてが変わろうとしている…
(SFC版ストーリーより抜粋)
TRPGからスキルの概念を輸入し、また呪文も探索要素に合わせて追加・整理されたが、本作の時点ではまだまだバランスが良いとは言えない。
簡単にまとめると、
「有用なスキル・呪文はとことん有用で、最優先でポイントを振ってやっとゲームについて行ける一方、不要なスキルは役立たずのフレーバー要素でしかなくポイントの無駄。」
となる。
旧来の「レベルを上げて強力な装備を揃える」と言う単純明快なシステムに限界が見えていた時期でもあり、スキルによりキャラクターの成長にバリエーションを持たせる、構想だったのであろうが、初心者は適当にポイントを割り振った結果中途半端なキャラだらけで詰まってしまう一方、中級者以降では取るべきスキルが限られているため(縛りプレイでない限り)パーティー内の全キャラが同じようなスキル・呪文を持った万能キャラだらけになってしまう。
本作以降の外伝作品・Wizライク作品において、本作の種族・職業・呪文が輸入される一方、スキルポイントシステムが導入された作品が皆無であることから、本作(および#7・#8)におけるシリーズファンからの評価がどう言うものであったかが窺える。
+ | 強種族・強職業 |
+ | 弱種族・弱職業 |
+ | その他、特筆すべき種族・職業等 |
発売当時、ウィザードリィのファンを賛否両論真っ二つに分けた作品。
システムの刷新を行った結果、旧来のシステムに馴染んだファンにとっては期待を裏切る形となり不評を買ってしまってはいるが、実際にプレイしてみると、旧作Wizardryの良さを引き継ぎつつも強化された部分もしっかりあることがわかる。
本文中で縛りプレイについて触れたが、旧作では「一つのパーティーでハクスラを繰り返す」ことに対して、本作では「様々な条件でクリアを目指す」ことがやり込みとなっている。
転職縛りや初期職業縛り、少人数旅など、それぞれの条件でプレイの戦略が大きく変わるため、決してやり込めないとか奥が浅い作品ではない。
ただ、続編の#7が#6以上に賛否の分かれる(否の割合が多い)作品になってしまったため、#6についても再評価やリメイクの機会に恵まれない作品になってしまっている。
【うぃざーどりぃしっくす きんだんのまひつ】
ジャンル | RPG | ![]() |
対応機種 | スーパーファミコン | |
メディア | 24MbitROMカートリッジ | |
発売元 | アスキー | |
開発元 | ゲームスタジオ | |
発売日 | 1995年9月29日 | |
定価 | 12,800円(税抜) | |
プレイ人数 | 1人 | |
セーブデータ | 3個(バッテリーバックアップ) | |
判定 | 良作 | |
シリーズファンから不評 | ||
ポイント |
日本人向けに良アレンジ 再開不可能バグあり |
シナリオ6のSFC移植作品。
日本人向けに良アレンジを施した「わかっている」作品ではあるが、残念ながら続編の移植には至らず、引き継ぎは不可能である。
新規アイテム・モンスター・ダンジョンの追加などは行われてはいないが、「アスキー製ウィズに望んでいる変更」及び「オリジナルの時点で発覚していた不具合やバランス調整ミスの修正」が随所に見受けられる。
ゆえに、SFC版における変更点がそのまま評価点へとつながっている。
SS版がダメすぎることとオリジナルからの改良点が多いことから、シナリオ6をこれからプレイする、というのであれば一番おすすめできる作品ではある。
前述の不具合は起きてしまうと致命的だが、知っていれば回避はできるので行わないようにしよう。
*1 本作及び次回作Crusaders of the Dark SavantのPC版にはナンバリングは振られておらず、#6のナンバリングはSFC移植に伴って振られている
*2 石化および死亡から復活する度に特性値の「生命力」が-1されるため、生命力が1の状態で死亡もしくは石化すると復活できなくなり実質的なロストと言える。わざと行わない限りまず遭遇しない事態であるが。
*3 最強装備が殆どだが、職業によっては別のレアドロップに最強装備がある
*4 隠しステータスとして「MP回復力」があり、『冒険開始時の職業が魔法使い・僧侶・ビショップ・アルケミスト・サイオニックのいずれか』『冒険開始時の種族がフェアリー』『初期ステータス割り振りで生命力が16以上だったキャラ』はMP回復速度が早くなるボーナスが付く。参考HP:https://adams-wiki.com/wizardry6-syosinsya
*5 戦闘で取得した総経験値をパーティ人数で山分けする方式のため、一人旅では成長速度が6倍になる
*6 呼吸をしていない霊体や魔法生物の様な相手には通らない。また終盤の敵は確率での耐性を持っている。
*7 呼吸をしていない敵やアスフィクシエイションへの耐性がある敵にも通るが、消費MPがアスフィクシエイションの数倍と言う高コスト。
*8 一つだけ、ノックノックでは非常に開けにくい扉が存在する。そこは指先技で突破するほうが時間的に楽。なお、この扉の鍵をジャムってしまった場合、ノックノックで開けるしかなくなる。
*9 敵は殆ど複数パーティかつ確率で回避されるため、攻撃呪文そのまま撃った方が効率的である
*10 SFC版では手に入れないと先に進めなくなったので詰む事はなくなった。
*11 命中箇所が頭・胴・腕・脚・足の5カ所存在する
*12 PC版では胴体しか存在しない
*13 さらに捨てられないイベントアイテムが多かった
*14 PC版では再指定されなかったので、1ターンで攻撃できる敵の数に限界があった。
*15 そして、Wizプレイヤーには性癖がマップ埋めと言うマッパーが非常に多い。
*16 あるアイテムのSPを使うと4回になるが、レベルアップするとまた3回に戻ってしまう。