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ドラゴンボールZシリーズ - (2022/03/22 (火) 12:22:41) の編集履歴(バックアップ)


このページではPS2/GCソフト『ドラゴンボールZ』と、その続編『Z2』『Z3』の紹介をしています。
判定は『Z』『Z2』が「なし」、『Z3』が「良作」です。



ドラゴンボールZ

【どらごんぼーる ぜっと】

ジャンル 対戦格闘

対応機種 プレイステーション2
ニンテンドーゲームキューブ
発売元 バンダイ
開発元 ディンプス
発売日 【PS2】2003年2月13日
【GC】2003年11月28日
定価 7,140円
廉価版 PlayStation 2 the Best
2004年9月16日/2,940円
判定 なし
ポイント 原作再現は良好
ストーリーはセル編まで収録
見所は多いifストーリー
セルリン

概要

据え置き機では『ドラゴンボール FINAL BOUT』から6年ぶりとなるドラゴンボールのゲーム*1
原作『Z』のサイヤ人編からセル編までを収録している。
OPムービーはドラゴンボールZの初代OPをフルポリゴンで再現したものとなっており、ストーリーモードも極力原作を再現している。
ちなみに、本作のみゲームキューブ版も発売されている。

+ オープニングとプレイ動画

基本的なシステム

  • 本作のシステムの基礎は続編である『Z2』以降も受け継がれている。
  • □ボタンでパンチ、△でキック、○で気功波、×でガード。
  • □+△、もしくはコンボの締めに相手を吹っ飛ばすチャージ攻撃が出せる。タメ中は一発分のアーマーが付き、最大までタメるとガード不能になる。
    • チャージは×(ガード)でキャンセルできる。相手を吹っ飛ばさずにコンボを続ける、フェイントをかける、チャージ中の被弾を防ぐなどに使える。
      • 説明書には載っておらず、裏技的な存在だが、本作のシステムを踏襲した作品は全てこのチャージキャンセルが可能なため仕様である。
  • 自分と相手のチャージ攻撃がぶつかり合うとバーストモードに移行。レバガチャして勝った方がダメージを与えられる。
  • 格闘攻撃は方向キーを加えることで性能が変化する。
  • □+×で投げ。
  • □+△+×で変身。
  • ボタン同時押し技が多いが、LボタンとRボタンがショートカットキーになっている。
  • 地上ダウン寸前に×で受け身。
  • ×+↑で画面奥、×+↓で手前に軸移動。
  • ×+←←で気溜め。
  • 一部のステージ端で相手を吹っ飛ばすと演出に移行し追加ダメージを与えられる。
    • 天下一武闘会ステージではリングアウトとなり失格してしまう。
  • 各キャラクターの技などは手に入れたスキルを装備する事によって使えるようになる。
    • 一切スキルによるカスタマイズが入らない、基本的な技が搭載されているだけのキャラも使える。
    • 技だけでなく、仙豆のような回復アイテムや、気力の減少を抑える効果のスキル、変身できなくなる代わりに常時気力MAXになるスキル、特定スキルを入れないで対戦すると両者ともに体力が減少するスキルなど、スキルの幅もかなり広く、ここだけでも戦略性がある。
    • また、同じ技のスキルを二つ以上入れるとその技の攻撃力が強化されるなどの仕様もある。
  • クリア後には隠しモードが開放される。
    • Z1ではミスター・サタンを使用してのスコアアタックである『レジェンドオブミスターサタン』が隠しモードとなる。

評価点

  • 原作の名場面を再現しているなど、原作再現が良好。
    • また『もしもベジータが仲間思いだったら』『もしもセルがクリリンを吸収してしまったら』といったギャグ路線シナリオもある。
  • ストーリーモードのCGムービーの再現度が非常に高く、今でも語り草になっている。
    • オープニングムービーはテレビアニメのものを再現している。サイヤ人編~フリーザ編のものだけではなく、人造人間編のものも再現。
      • ゲーム本編のCGモデルそのままでTVアニメOPムービー再現という点では『北斗の拳 世紀末救世主伝説』を思い出すが、あちらはゲームに合わせてアレンジが施されていたのに対し本作はTVアニメのものをほぼ完璧に再現している。
        ちなみに、本作プロデューサーはその『北斗の拳 世紀末救世主伝説』と同一である(後述)。
  • プレイヤーキャラは隠しキャラを含めて23人と多い。またドドリアやラディッツ、17号、ヤムチャなどが格闘ゲームで使用可能になったのは本作が初でファンを喜ばせた。
    • 上記の通りミスターサタンも使用可能。しかもZ戦士と渡り合えるなどゲーム補正もあるとはいえ原作より露骨に強い。
    • 意外なキャラクターが使えるようになるという部分は後の『スパーキング』シリーズに通ずる点がある。
  • 一部のキャラは2Pカラーで衣装が変わるのだが、そのチョイスがかなり凝っている。悟空はセルゲーム編で着ていた私服姿、ヤムチャはフリーザが地球に襲来してきた時に着ていた私服姿など等。

問題点

  • 格闘ゲームとしてはやや大雑把なシステム。
    • 上段・下段の区別がなく、ジャンプも存在しない。これは後のシリーズでも踏襲される。
      • ガードクラッシュは存在するため、崩しはチャージキャンセルなどを利用してとにかく攻めまくって強引に割るか、投げということになる。
    • 各キャラのコマンド表も基本的に似たり寄ったりであり、コマンド自体も単純なものが多い。
      • キャラゲーだし、格闘ゲームが苦手な人にはこのくらいがちょうどいいかもしれないが…。
    • またチャージキャンセルの存在が厄介で、様々なコンボを構築できるが、ひたすら長いコンボも作られ長い時間相手を拘束することになる。本作にはコンボ抜けの手段がないため、延々殴られ続けることに。
      • チャージキャンセルを覚えるとゲームの遊び方はがらりと変化するだろう。
  • スキルを装備しなければ技や変身が使えない。
    • これ自体は別に悪いわけではないが、キャラごとに技が多いため使いたい技を使えないことも多い。
    • 挙句、投げ技すらスキル扱い。
    • 上位の変身スキルを装備するには、下位の変身スキルを装備しなければならない為に余計にスペースを食う。特に肝心の主人公である悟空が顕著。
  • 必殺技のコマンドが「□→□→□→□→○」などであるため、パンチやキックを挟まなければ必殺技を出せない。
    • 技のコマンドは基本的にボタンの単調な組み合わせで出来ている。格ゲー経験者には退屈に感じるかもしれない。
    • ○で出せる通常気功波も一発ずつしか撃てないので、遠距離戦は殆ど出来ない。
  • 変身するには気力ゲージを貯める必要があるが、これを貯めるのに少し骨が折れる。
    • 例えば、本作で悟空が超サイヤ人になるには気力ゲージが5本も必要。狙って変身するよりは普通に戦ったほうが早いかもしれない。
    • しかも超サイヤ人に変身した後は気力が物凄い勢いで減っていく。
  • (↑と関係して)パワーアップ形態時に必要気力ゲージを下回った状態でダウンすると形態が解除されてしまう。
    • 超サイヤ人に変身するのに厳しい割には、解除はあっという間である。
  • ストーリーがセル編までしか収録されていない。
    • ブウ編の要素は隠しキャラでグレートサイヤマンが使えるぐらいである。
  • グラフィックの質(ポリゴンモデルやエフェクトなど)が低い。
    • 本作のキャラのモデルはまるでクレイアニメ。発売当時の2003年の作品としてもやや見劣りするグラフィックであった。キャラ造形の再現度自体は非常に高いのだが…。
    • 後発のGC版ではトゥーンシェーディングによって幾分かグラフィックは良くなっている。
  • 通常攻撃や必殺技のモーションの使いまわしが多く、一部ではキャラのイメージと食い違っている。
  • 敵の戦法が汚い。
    • 常にガード状態(どちらかと言えばガードボタン連打状態)または、ダッシュ攻撃を連続して使ってくる。投げ技は高確率ではじかれる。
    • ダッシュ攻撃で対抗するという方法もあるが、少しでも攻撃の手を緩めるとボコボコにされる。どうしろと…

ドラゴンボールZ2

【どらごんぼーる ぜっとつー】

ジャンル 対戦格闘
対応機種 プレイステーション2
発売元 バンダイ
開発元 ディンプス
発売日 2004年2月7日
定価 7,140円
廉価版 PlayStation 2 the Best
2004年9月16日/2,940円
判定 なし
ポイント グラフィックは大幅に進化
システムは前作とほぼ同じ
ゴタン、ヤム飯、クリーザ

人気を博し、製作された続編。前作には出なかったブウ編のキャラクターも登場している。

概要(2)

  • OPが本作オリジナルのものとなった。テーマソングもアニメのOPを担当した影山ヒロノブ氏が歌っているため雰囲気にかなり合っている。
    • ちなみに『Z2』のOPは『Z3』で見ることも可能。
  • レンダリングが原作の雰囲気を再現した『ドラゴンシェーディング(いわゆるマンガシェーディング)』となった。
  • 前作のストーリーモードに代わってボードゲーム感覚でゲームを進めるドラゴンワールドモードが登場。
  • 隠しモードとして特殊な条件下で戦う『バビディの宇宙船』が追加。
  • さらに隠し要素としてドラゴンボールのセルフパロディ作品である『ネコマジン』のキャラクター・クリーザが使えるようになる(フリーザの別カラー扱いだが)。またドラゴンワールドモードの隠しステージの背景に他のネコマジンキャラが多数出演している。

評価点(2)

  • OPがオリジナルアニメ。
    • 一部の作画が怪しいと言われることもあるが、全体的なレベルは高く、演出もド派手。後述の『Z3』より好きという人も多い。
  • ドラゴンシェーディングの導入によりグラフィックの質が向上した。
  • 究極技の演出がかなり派手になった。
  • 魔人ブウや界王神、ビーデルなどブウ編キャラが参戦した。
    • ブウに至っては善・悪・純粋と3キャラ用意されている。
    • それに伴い、戦闘中にフュージョンやポタラでの合体ができるようになった。
      • フュージョンは時間制限があるものの気力無限、ポタラは時間制限無しだが気力は普通と差別化されている。
  • 一部必殺技が「方向キー+○」でも出せるようになり、前作よりは遠距離で戦えるようになった。

賛否両論点(2)

  • 原作で悟空の想像として登場したサタンと悟空がポタラ合体したゴタン、完全オリジナルのヤムチャと天津飯のフュージョン戦士であるヤム飯、フリーザやセルやベジータやヤムチャ&天津飯を吸収した悪ブウ(排球拳や操気弾など吸収した相手の技もきちんと使える)など悪乗りの産物の隠しキャラクター。
    • ヤムチャ&天津飯を吸収すると何故か弱くなる。さすがに失礼な気がしないでもない。
    • 爆笑したプレイヤーも多いが、結局のところ不評だったのか『Z3』では登場していない。
    • 折角の新要素「合体」をゴテンクスとベジットだけのものにしたくなかった、なんて事情もあったかもしれない。
    • なお、ヤム飯は後の『ドラゴンボールフュージョンズ』にて再登場を果たしている。

問題点(2)

  • 前作から一部のキャラがリストラされた。
    • 孫悟飯(幼年期)、ザーボン、ドドリア、19号がリストラされている。
      • ただし、19号はほぼ同性能のドクター・ゲロ(20号)に交代したと言えなくもない。
    • フリーザとセルは最終形態(完全体)しか使えない。但し常時変身状態である事を意識した調整がされており、初期攻撃力が他のキャラよりも高いが、気力が常に減少し続ける仕様となっている。*2納期までにモデルの製作が間に合わなかったのだろうか?
  • 基本的にシステムは前作とほぼ同じ。やはり荒削り。
    • 必殺技の簡略コマンドはあるが、通常攻撃からキャンセルで簡易入力必殺技はできない。
    • 相変わらずモーションや必殺技の使い回しも多い。
  • メインモードであるドラゴンワールドモードが不評。
    • 基本的に原作再現だった前作とは違い、今作では終始悟空が主人公であり、原作とはかけ離れたストーリーが展開される。(例として人造人間編、何の脈絡もなく突然ドクターゲロ(人造人間20号)が現れ、19号ではなく栽培マンを5匹連れて追いかかってくるというもの。さらに、未来からトランクスが来ない)
    • パッケージ裏では「物語は自分で作り上げろ!」という謳い文句が書かれているが、実際はそこまでの自由度はハッキリ言って無い。
    • 各ターン1マスしか動けないため非常にテンポが悪い。
  • 何故か青年トランクスが超サイヤ人2になれる。これまた何故か『Z3』でも引き続き変身可能。*3
    • 後のアニメ『超』では超サイヤ人2になれるようになったため逆輸入と言えなくもない。
  • スキルを買うためにはゼニーが必要となり、ゼニーを稼ぐために天下一武道会モードに入り浸ることになり易い。
  • バグが多い。ある操作をするとスキルを勝手に獲得できるバグや、人造人間17号・18号・セルの必殺技「エネルギーフィールド」を挑発でキャンセルすることで暗転中の時間停止のまま自分だけ動けるバグ(通称「ザ・ワールド」*4)など、ゲームの進行に影響を及ぼすものも多い。
  • 必殺技が簡易コマンドで出せるようになったはいいが、CPUがこれでもかと言わんばかりに必殺技を使ってくるようになった(いわゆる「ぶっぱ」)。むしろ隙ができると思う人もいるかもしれないが、必殺技名を叫んでいるときは暗転状態で操作不可のためガード以外防御手段はない。
  • 必殺技の一部にアナログスティックを回転させてアクションゲージをためる、画面に表示されたキーを左に表示されたものから順番にミスせず押すなどの行為(いわゆるQTE)が必要になったものもある。
    • この判定に失敗すると技の威力が落ちたり技で相手の体力を0にしようとしても必ずギリギリ残ったりスーパーゴーストカミカゼアタックや操気弾のように自爆してしまうものもある。
    • 特に面倒なのは相対入力(プレイヤーが互いに入力して優劣を決めて成功・失敗の判定を下すこと)。表示されるボタンのうちどれかを入力し違うボタンなら成功になるものと、アナログスティックの回転でゲージの長さを競い長い方が勝利になるものがある。せっかくコマンドを決めて技を当てても、最終的な威力や技の成功がジャンケンやさらなる互いのプレイヤーの入力で決まってしまうのは、プレイヤーへの負担が大きすぎる。

余談(2)

Vジャンプの企画で『ドラゴンボールZ2V』という特別なソフトが抽選で2000名に配布された。
最初から全スキル開放状態、通常版にはいないクウラが使える(フリーザのコンパチ)が、セーブ・ロードができない。


ドラゴンボールZ3

【どらごんぼーる ぜっとすりー】

ジャンル 対戦格闘
対応機種 プレイステーション2
発売元 バンダイ
開発元 ディンプス
発売日 2005年2月10日
定価 7,140円
廉価版 PlayStation 2 the Best
2006年3月2日/2,940円
判定 良作
ポイント グラフィックもシステム面も進化
アニメオリジナルキャラの追加
さりげにスパーキングと連動

Zシリーズ第3作。全体的な完成度が高まり、劇場版やGTなどのアニメオリジナルキャラも登場する。

概要(3)

  • ドラゴンシェーディングに更に磨きがかかり、テカりが加わるなど完成度が高まった。
  • 各キャラクターのストーリーを楽しめるドラゴンユニバースモード。
    • シナリオそのものは紙芝居で一部オリジナル展開を加えているが、基本的に原作をなぞっており、さらにキャラごとにシナリオが用意されている上戦闘の結果などでシナリオに分岐が発生するため、かなりの種類の物語が遊べる。ボイスも多数収録されている。
    • また、シナリオ進行は舞空術で世界中を飛び回って目的地に到達することで行われるようになった。道中に寄り道ポイントも用意されている。
  • 大幅に改良されたバトルシステム。
    • キャラクターごとに基準気力値が設定された。
      • これにより、各キャラクターは対戦中、気力が決められた基準値まで徐々に回復するようになった。
    • 変身が解けるのが気力1本未満でダメージを受けたときに変更された。また、今作で変身が追加されたフリーザ・セルや新キャラのクウラなど変身が解けないキャラもいる。
    • 気功波が連続して出せるようになった。
    • 究極技の成否に関係する疲労ゲージの追加。
    • 互いに飛び道具技を発動したときに「気弾バースト」が発生するようになった。双方で左・右スティックを回転させて入力を行い、相手の気弾を押し切ったほうが勝利して大ダメージを与えられる。
    • 「本気中の本気」を再現したハイパーモード。
      • ハイパーアーマーが付き、究極技が撃てるようになる。その代わり発動中は気力が徐々に減少し、疲労も激しい。
    • 相手の攻撃に合わせてガードボタンを押した際に「避け」が発動できる。気力ゲージを消費するが、ガードより隙が少ない。
    • 同時に方向キーを相手方向に向けて押すことにより「見極め」が使える。気力を消耗して相手の背後に回り、コマンドによってはそこから「見極め攻撃」が出る。
    • 相手をふっ飛ばした際にできる追い討ち攻撃の追加。
    • ハイパーモード中に追い打ち攻撃のコマンドで「ドラゴンラッシュ」に移行。
      • QTEが入り、成功すれば相手に追い打ち。最大3回までで、スキルによっては最後まで成功させた場合に技演出が出る。
    • 体術スキルの削除・アイテムスキルの追加。
  • 隠しモードではキャラクター育成モードであるドラゴンアリーナモードが追加。
    • 育てたキャラクターはパスワードにより、プレイヤー同士で戦わせることもできる。
    • 後に発売された『ドラゴンボールZ Sparking!』にて本作で育てたキャラを持ってくることも可能。

評価点(3)

  • 今作もOPがオリジナルアニメで、主題歌も引き続き影山ヒロノブ氏が歌っている。
  • 前作からキャラ数が増加。変身・合体を数に入れなくても実に38体が使える。当時のドラゴンボールゲーム作品では歴代最多。
    • フリーザやセルはちゃんと第1形態なども使える。特にフリーザは第1作ではムービーのみの登場だった第2・第3形態が初めて使用可能となった。
    • 劇場版やGTのキャラの参戦。『Z2V』にて先行参戦したクウラや劇場版屈指の人気キャラであるブロリーも勿論登場。更に初代アニメの少年期の悟空もサプライズ的な形で参戦した。
    • そしてTVSPで登場し非常に人気が高かった、悟空の父・バーダックが参戦したのはファンを驚かせた。
    • また、前作までCPU専用キャラだった栽培マンとセルジュニアもプレイキャラに昇格した。
      • この2人はライフゲージ一本につきワンキャラとなり、一本減るごとに次のキャラが登場するという特殊な仕様となっている。
  • メインであるドラゴンユニバースモードは前作と比べ自由度が向上している。
    • 過去のドラゴンボールのゲームでこれだけ世界を広く自由に移動できるように描写したことはなく、まさに世界中を飛び回れる快感を楽しめる。
    • この「マップを飛んで移動し、目的地にたどり着くことでシナリオを進める」方式は、後の『Sparking!』シリーズでも採用されている。
    • 全体マップは鳥山氏監修の設定資料集をベースに作成されているなど手を抜いていない。
  • グラフィックのさらなる向上。陰影とテカりがよりくっきりしている。
  • 究極技の演出がもっと派手に。既存の物も若干手直しされた。
    • 特に「地球規模の爆発→演出後は地形が崩壊したステージで戦闘」という流れはCMで使われたこともあり話題を呼んだ。
    • また劇場版の要素も入ったため、悟空はヒルデガーンに放った技「龍拳」が初めてゲームで採用された。
    • 『Z2』『Z3』の演出は大分好評だったのか、アーケードのデータカードダスで脈々と使いまわされることになる。
  • ドラゴンラッシュの演出も原作再現度が高く迫力もあり評価が高い。
  • 戦闘システムが改良され、より遊びやすくなった。
    • 瞬時に相手の背後に移動する「見極め」、吹っ飛ばした相手への追い打ち攻撃、かめはめ波のような光線系必殺技がぶつかった時になる「気弾バースト」など、よりドラゴンボールっぽい要素が増えた。
    • 特に「見極め」は食らい中にも出せる仕様のため、これが追加されたことで永久パターンからの脱出も可能になった。
      • しかし、見極めはノーリスクで出せるわけではなく、消費ゲージ量3本とコストがかなり高い。また見極め不可能な攻撃の存在や見極めからの攻撃をさらに見極めで返すことも可能なことから、ただ乱発していれば勝てるという代物でもない。これによって駆け引きも必要となった。
    • 技の仕様が大きく変更されたことでQTEがほぼ排除されている。絶対入力はゴテンクス、ゴジータ、超サイヤ人4ゴジータへのフュージョンのみ。相対入力はドラゴンラッシュとベジットへの合体、多くの究極技での「自分と敵がアクションゲージをタイミングよく3回止めて、最終的なゲージ量の優越で技の成功・失敗を決定」というものだけである。
  • スキルの付け替えのみだったカスタマイズ要素に、直接ステータスを弄れる育成モードを加えたことでより長く遊べるようになった。
  • ドラゴンアリーナでパスワード入力するとピッコロ大魔王、長髪のトランクス、天使の輪が付いた悟空が出現する。
    • パスキャラはプレイヤーが育てられる限界値よりもかなり強く設定されている。

問題点(3)

  • リストラされた一部のキャラが復活せず。
    • 復活したキャラもいるものの、ザーボンとドドリアが結局復活しなかったのは不可解である。ドラゴンユニバースにて存在が触れられているだけに尚更そう感じる。
  • Z仕様の悟空やベジータが、GTの超サイヤ人4に変身する。
    • 原作ではありえない設定であり、変身した途端に衣装がZからGTのものに変化するのも違和感がある。
    • 後に発売されたスパーキングシリーズやゼノバースシリーズでは、ZとGTは別キャラ扱いになっている。
  • 改良したと言っても、やはりシステムの基本部分は変わらない。
    • とはいえ、見極めなどの存在から純粋な対戦ツールとしての完成度は雲泥の差である。
  • ドラゴンラッシュは運任せになりがち。
    • CPU戦では完全に運だが、対人戦でも最終的には「画面に表示された2つのボタンのうちどちらか一つを入力」なので、勝率2分の1であいこが存在しないじゃんけんをすることになる。また、見てるだけの時間がそこそこ長い上に一回の対戦のなかで複数回発生しがちなので、テンポを損ねている。
  • 前作よりは減ったが、まだまだ使い回しが多い。
    • 特にドラゴンラッシュは4パターンしかない。「各キャラに4パターン」でなく「モーション自体が4パターン」である。一応、悟空・ベジータ・ピッコロ・サタンはカスタムスキルでフィニッシュが専用技になり、ゴテンクスも専用技を持つ*5
    • 何故かフリーザ第3形態のみ原作再現で独自のフィニッシュが用意されている。
    • パンチやキックといった通常攻撃のモーションも使い回しだらけ。後に発売されたスパーキングシリーズやゼノバースシリーズのような原作の動きを再現したモーションもほとんど無い。
  • 演出が派手になったことにより、ムービーの時間が長くなってテンポが悪くなった。
  • 前作同様、スキルを買うために天下一武道会に入り浸ることも多い。
  • スキル種類の変更により、すべての技が使える能力スキル『限界突破』が一部のキャラを除き、無用の長物と化してしまった。
    • ただし、今作の場合は必殺技のダメージが「スキル重複<限界突破装着」なので、一概に弱いとは言えない。*6
  • キャラバランスはもともとあってないようなものだが、やはり崩壊していると言っていいほど悪い。
    • 前作までと比べて究極技を使えるキャラが大幅に増えたものの、悟天やラディッツなど一部のキャラは終始究極技が無いまま。悟天は一応、フュージョンがあるが…。
      • これらのキャラは原作にそれらしい描写がなかったため仕方ないと言えなくもないが、後に発売されたスパーキングシリーズやレイジングブラストシリーズは全キャラに究極技が搭載されている。例外的にバーダックのみはオリジナルの究極技「スピリットオブサイヤン」が用意されている。
      • ただ、ガチ対戦になると相対入力のせいで安定しない究極技よりも通常の必殺技をコンボの締めに使うことが多いため、究極技がないキャラでも戦うことは十分可能である*7
    • 原作で強いキャラはステータス面でも露骨に強キャラ。カスタム無しでガチ対戦は無謀。
      • 一時期、公式サイトにてカスタムキャラによるネットランキングが開催されたが、上位は超一星龍でほとんど溢れかえっていた事からも窺える。*8
    • ヤムチャが栽培マンの自爆を喰らうと即死するなど、ネタ的な原作再現とはいえ厄介なものもある。*9
  • なぜかベジータの究極技がファイナルフラッシュではなく「ビッグ・バン・アタック」である。(ビッグ・バン・アタックよりもファイナルフラッシュの方が強い、他のゲームでもビッグバンアタック<ファイナルフラッシュになっている。)
    • 原作を読んだ人はかなり違和感を覚える。
    • なお、このシリーズでは一作目からビッグ・バン・アタックの方がファイナルフラッシュよりも上位の必殺技として扱われている*10
    • ただし、Z3では発動条件の仕様上ファイナルフラッシュの方が総合ダメージとしては強い。*11
  • 売りにしているはずの劇場版&GTキャラがちょっと少ない。
    • 劇場版のキャラは2人、GTのキャラはなんと1人。(一応追加キャラの変身や悟空とベジータのスーパーサイヤ人4も含めればもっといるが…)
      • 劇場版やGTにあまり関係ない追加キャラもいる。その後に発売された『ドラゴンボールZ インフィニットワールド』では劇場版&GTキャラが増えたが、こちらの評価は賛否両論である。

総評(全体)

原作の雰囲気をムービーによって大きく再現したシリーズである。
肝心のゲーム部分は『Z3』に至るまで大雑把なものではあるものの、原作が好きな人ならば買って損はない作品であると言える。
操作が簡単で分かりやすいので、ゲーム初心者にもオススメできるし、特に『Z3』ならマニアックな仕様を理解すれば上級者の対戦ツールとしても楽しめるだろう。
現在に繋がるDB人気を盛り上げた立役者の一つとしてもいい。


余談(全体)

  • 海外では『Dragon Ball Z Budokai』のタイトルで発売されている。ナンバリングも『Budokai 2』のようになっている。
  • 原作では名前がついた技は少なく、ゲーム作品では多くの技に汎用名、あるいはオリジナルの技名が付いている。その名称は作品によってまちまちで、本作でも新たな名称が設定された技が多い*12
    • 「ジャイアントストーム」*13、「ライオットジャベリン」*14といった感じに、概ねそのキャラのイメージに合わせた技名が多い。実は「デスビーム」も本作が初出*15
    • そんな中、ラディッツは「ダブルサンデー」「サタデークラッシュ」「エキサイティングイヤー」といった感じに、曜日をはじめとした月日に関する単語が含まれた技名が設定された。
      • 恐らくアメリカでの放送の際、ピッコロに手本を見せてやろうと言うシーンの吹き替えで創作されたものが元になったものと思われる。
      • 原作ではゴテンクスが「マグナムサンデー」という技名を叫んでいるが、あちらはお菓子(sundae)から取られており、他にも「ウルトラミサイルパフェ」「ハイパープラズマショートケーキ」という技名も叫んでいる。
  • 本シリーズで作曲を担当したのはSFCのドラゴンボールのゲームにも関わっていた山本健司で、TVアニメ版とは雰囲気が異なる曲調のものが多く用いられているが、TVアニメ『ドラゴンボール改』で彼の楽曲に盗作疑惑が持ち上がった際に本シリーズについても検証され、いくつか洋楽などからの盗作疑惑が上がっている。
    • 例として2作目の主題歌「くすぶるHeartに火をつけろ」はB'zの「ギリギリchop」にイントロ・曲調等が酷似している。
    • あくまで疑惑にとどまっていたのだが、あまりにもメロディがそのまますぎる上に『改』について東映アニメーション公式が楽曲の盗作を認め差し替えたこともあって、ファンの間ではほぼ間違いないという見解が固まっている。
    • 前述した海外のHDリマスター版ではBGMが差し替えられた。
  • 2002年頃からの原作完全版の刊行などといったリバイバルブームの流れもあってか、売上はシリーズ累計150万本以上。
    • とはいえ本作は元々そのブームを見越しての開発ではなく、開発そのものは2000年ごろからのスタートであり、本来第1作も2002年夏の発売を予定していたものだった。
    • これはプロデューサーの内山大輔氏が入社当初からドラゴンボールのゲームに携わってきたことや過去に上述した『北斗の拳 世紀末救世主伝説』をヒットさせた実績もあり、『北斗』と同様に懐かしさで売れることを期待していた、という経緯からきている。
      だが内山氏をはじめとする開発陣は「いいものを作れば評価される」と ジャンプ編集部に無許可で本作を製作 していたことで、その結果ジャンプ編集部から呼び出しを受け、かつての鳥山作品の担当編集として知られる鳥嶋和彦氏によって直々に「ちゃぶ台返し」ならぬ「ボツ」を喰らう羽目になり、その後懸命に説得して作り直すことで発売にこぎつけたという(→参考)。
      • 鳥嶋氏は当初の本作の開発を「ニセモノ」「海賊版」とバッサリ切り捨てた上で本作の不許可の大きな原因を「作品の研究不足」「キャラが似てない」ことにあると主張、それを受けた開発陣はアニメのモーションなどを原作を参考に研究して作り直し、再度見せた際に改善されたと評されたという。