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「GUN-DEC」(2023/06/09 (金) 06:12:13) の最新版変更点
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「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「カーチェイス・銃撃戦の具体的な説明」「総評の補強」です。
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*GUN-DEC
【がんでっく】
|ジャンル|アクション&br;一部縦スクロールシューティング|&amazon(B000068IAD)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|サミー|~|
|開発元|エイコム|~|
|発売日|1991年4月26日|~|
|定価|6,000円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|ハードボイルド&br;コンティニュー無制限|~|
//「忍者龍剣伝リスペクト」は根拠に乏しいので、COでここに置いておきます。
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#contents(fromhere)
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**概要
西暦2139年を舞台にしたハードボイルドアクション。~
ムービーや色々な内容のステージとともにドラマが展開される。
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**ストーリー
(説明書より引用)~
> 時はAD2139年。地球では、すべての国境が廃止され、人類は満ち足りた生活を送っていた。しかし一方では、犯罪の凶悪化・拡大化も世界規模で進んでいた。裏の世界を支配するための組織間の抗争は、止まることを知らず、ますます過激の一途をたどっていた。武器の密造、売春、麻薬、殺人といった犯罪が暗闇にうごめいていた。そんな悪の組織に敢然と立ち向かう命知らずの特捜刑事たちがいた。――その名は“VICE”。~
突然、ハート(VICE)の車にクリス(VICE)から無線連絡が入った。その内容は『ルート246・エリアDの立入禁止区域に進入車がある』というものだった。ハートにとっては進入車の追跡などは、毎日の日課の一つ。一種のショータイムに過ぎない。逃走車を運転していたのは、いつものことながら極度のジャンキーであった。しかし、そこには今までに類を見ない二点の事実が存在していた。まず一点は、ジャンキーの左手が、まるで野獣のような体毛と鋭い爪を持ち備えていたことである。もう一点は車内から発見された特殊な銃である。この銃は今までに確認されているいかなるタイプの密造銃とも異なるタキオン粒子砲であることが、後の分析の結果で判明した。その他は、ジャンキーが使用していた薬物は、100%化学合成のコークで、2・3年まえから市場に出回り始めたものであることが分かった。ハートはコークの出所を確かめるようクリスに頼み別れた。背後に潜む不気味な影。わずかな手掛かりをもとに、ハート(VICE)の捜査が始まった。
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**登場人物
-ハート・ブラバム
--主人公。ルート246エリアDから通報を受け早速急行。これが壮絶な戦いの幕開けとも知らず…。
-クリス・フォーセット
--ヒロイン。作中では敵にさらわれてしまう。
-ソフィア・コイズミ
--ハートとは別行動をとる、捜査情報を提供してくれるなどしてくれる。
-謎の男(メラニー・フォーラ)
--バイオテクノロジー社、BEDA社世界最大の企業の元締め。世界の支配をもくろむ。
--30年前の事を仄めかす。
-ハマー
--謎の男の配下。ハゲ頭。登場はオープニングのみ。
-キム・ロン
--もしかしたら妖術を使うのではないかと噂されている。
-リース大尉(ジェフ・リース)
--かつての戦友だが牙を剥いて来る。
**ゲーム内容
-基本仕様
--横スクロールがメインだが、縦に、全方向スクロールもあり、更にカーチェイスや銃撃戦までもが用意されている。
-アイテム
--雑魚敵を倒すとコインや肉などの回復アイテムを落とす事がある。
--コインは通貨という扱いではなく、100枚集めると1UP。
-武器
--サーベル。回数は無制限、リーチは短いが威力は高い。
--ブラスター。射程が長いが弾数制限あり。銃撃戦でも多用する。
--ボム。投擲武器。爆発で大ダメージを与える。
**評価点
***世界観
-本作のハードボイルドは本当に良く練りこまれている。
-舞台も、夜の市街地、中南米のリカルド地域、滝、密林、列車など盛りだくさん。
-ストーリーもゲームが進むにつれ色々と明らかになっていく、最後の締めくくりも渋い。
***ゲーム性
-2Dアクションは非常に高品質。敵配置もよく考えられていて、いやらしく、それでいて理不尽ではない塩梅の難易度となっている。
--武器のひとつのサーベルはリーチは短いが前方、後方、上方と広い攻撃判定を持ち、また隙も少ないのでかなり使い勝手がいい。また、雑魚敵の耐久力が低く、サクサクとゲームを進める事ができる。その他、この手のゲームとしては珍しくしゃがんだまま移動する事が可能。スピードが落ちる事といった事も無いので、しゃがんだまま敵に近づきそのまま撃破といった事もでき、回避と移動を両立できるのでかなりスピーディかつ快適。これらの要素が相まって、敵をドンドンとなぎ倒しながら素早くゲームが展開する、爽快なプレイングを提供してくれている。
--ブラスターやボムの弾はかなり多めに入手可能。武器をケチる必要は無いので、多彩な攻撃手段でステージを攻略していく事が可能。
--巨大なボスも多数用意。どれも中々嫌らしい行動パターンを持つが、パターンを掴めばかなり楽に攻略する事ができ、場合によってはノーダメージで勝てる事も。攻略のし甲斐と上達を実感できるつくりとなっている。また、ファミコンにありがちな画面が黒地という事もない。
-カーチェイスも用意、更にはボス戦も。
--カーチェイスとはいったものの標的を捕まえて終わりといったものではなく、ショットを撃つことが可能でそれを用いて妨害してくるザコ敵を倒して行ったり、上述にある様なボス戦もショットで撃破するという内容となっているので、どちらかと言えば縦スクロールのシューティングに近い内容といったものとなっている。
-銃撃戦は、奥からの射撃、手前では近接戦など。ボス戦はなくある程度進むと終了。
--画面が自動スクロールしていく中、妨害してくる敵を倒して行き、最後まで耐え抜ければクリアとなる。「オペレーションウルフ」や同じファミコンで言うなら「マッドシティ」のガンシューティングステージに似た内容となっている。ただしこちらは上述にある様にボス戦は無く、敵の攻撃に耐えつつ進んで行けばクリアとなる。
-無限にコンティニューをする事が可能。シーンによっては死んで覚えるといった難しい箇所もあるので、ありがたい仕様である。
***演出
-豊富なデモシーン
--いたるところにムービーが入り盛り上げてくれる。
--独特のセリフ回しも好評である。
--そのハードボイルドなセリフ回しの例
---オープニングシーンにおいて侵入車の追跡の指令を受けて追跡を開始する際の一言~
「さぁ、ショータイムのはじまりだ!」
---オープニング終了後の仲間との会話を物陰から伺う人物に気づいての一言~
「誰だ?隠れてないでご対面といこうじゃないか!?」
---事件の手がかりが中南米のリカルド地域にあるとの情報を得ての一言~
「それじゃシーズンには少し早いがリカルドまでバカンスに行くとするか!」
---ラストステージ、黒幕の元に辿り着いたハート。「ここまで来るのに随分時間がかかったようだね」との挑発的な言葉に対しての一言~
「おかげであんたとのデートに遅刻しちまいそうになったぜ!」
-ゲーム内容
--多重スクロール、炎の波形表示、更に雷で一瞬暗くなる演出など盛り込まれている。
--カーチェイスでは、宙に放り上げられた物体が立体感を出す。
***BGM
-ステージの曲、ムービーの曲、ボス戦の曲が何曲もあり、質も高い。
--楽曲はビック東海の『[[突然! マッチョマン]]』、『[[まじかるキッズどろぴー]]』、ジャレコの『燃えろ!!ジュニアバスケット Two On Two』などを手がけた横山清氏が担当している。
//**賛否両論点
//-忍者龍剣伝の影響
//--ムービーシーンでは作風、アクションでは鳥が突き落とす目的で飛来してくるなど、色々ともじった疑いが濃厚である。
//上記だけでは他作品のリスペクトの根拠に乏しいのでCO。
**問題点
-イロモノな敵が多い。中南米ステージから登場する忍者などはいい方で、四つん這いで移動するパンク風の男、キョンシー、火炎弾を放ってくる道士風の敵、弾を放ってくる頭がジャックオーランタンな敵などが存在、シリアスな世界観に若干水を差してしまっている。
-主人公の体力は多く、また回復アイテムも出るので敵からのダメージには打たれ強いが、攻撃を受けた際にノックバックがあるため、敵の攻撃を受ける→そのまま穴に真っ逆さま、という『[[悪魔城ドラキュラ]]』のような展開がよく起こる。後半ステージでは嫌らしい敵配置が増え、穴も多くなるのでなおの事である。
--ただし、理不尽に感じる場面はそれ程無い。敵配置を覚え出現したら即、敵を撃破、または敵弾を回避するといった事を心掛けていけば、十分突破できる箇所ばかりである。
-贅沢を言えば、ムービーで瞬きや口パクをして欲しかった。
//本家にはあったのに。
//「本家」の指すものが不明確なためCO。
-フォント
--本格的ならば平仮名カタカナのみでは物足りない。とはいえ、1ドット漢字は打ち方が複雑なためかキャラや背景グラフィック面に回されたので、仕方のない部分であり、海外版でも大文字のみで小文字はない。
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**総評
ハードボイルドSFの世界を、あらゆる形でファミコンに集約した逸品。~
良質なアクションを中心に、カーチェイスにガンシューティングといえる銃撃戦も搭載。そしてファミコン作品屈指のハードボイルドな展開をデモシーンとともに体験することが出来る。続編を意識した内容で終了してしまっているのは惜しいところではあるが、それもまた本作のハードボイルドな物語を強めてくれているとも言える。~
後述にある様に、現在は『Nintendo Switch Online』における配信のおかげてプレイしやすい環境となっている。本作でハードボイルドなストーリーに浸って来てほしい。
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**余談
-ステージ3の背景に「回以己矛」と書かれている看板があるが、音読みすると「エ・イ・コ・ム」。要は本作を開発したエイコムの事を指している。
-海外NES版のタイトルは『Vice: Project Doom』となっている。~
日本版との違いはデモ画面の彩色程度であり難易度の変更もない。
--そして『[[Nintendo Entertainment System – Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』にて海外未発売の『[[ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会]]』と差し替える形でまさかの配信となった。
-日本版も2020年7月15日より『Nintendo Switch Online』で配信。上記『Vice: Project Doom』共々、発売元のサミーがセガと合併している関係で「セガがパブリッシャーのファミコンソフト」が配信されるという今となっては珍しい形になった。
-後にメガドライブで『ディープスキャナー』のタイトル名で続編が発売される予定だったが、ほぼ完成していたにもかかわらず発売中止になってしまった。
--元々はメガCDの発売リストに掲載されていた『ヴァイス2』((先述の通り、ヴァイスはGUN-DECの海外タイトル名で、開発者によると他に『スーパーヴァイス』のタイトル名を挙げていたので、どっちも仮タイトルだった可能性がある))として開発されていたらしく、通常のROMに変更された上に「某美少女アクションゲームとタイトル名が被る」という理由でタイトルが変更されたようである。
--当時の雑誌上では画面写真1枚のみしか掲載されていなかったが、1993年に両国国技館で開催された「遊星セガワールド」でプレイアブル出品されており、それによると通常のサイドビューアクションの他に『ナイトストライカー』((ちなみにメガCD版『ナイトストライカー』も当の「遊星セガワールド」で初お披露目されていた))チックな水上や夜景を舞台にした3Dシューティングパートが用意されていた模様。
--近年発売されることの多い「復刻版ミニゲーム機」には「スターフォックス2」の様にお蔵入りになってしまっていた作品やミニゲーム機に合わせた新作が収録されることも多い。上述の様にほぼ完成していたということもあるので、何らかのかたちで続編も日の目を見ることを望むファンは少なくはないのではないかと思われる。
-本作のパッケージ絵(ページ冒頭の画像)は''映画『ダイ・ハード2』の1シーンを服装以外ほぼトレース''と肖像権がまだ大らかな時代であった事を考えても凄まじい物。
--上記の「Nintendo Switch Online」での配信では流石にパッケージ絵を使用とはいかず、代わりにタイトル画面が選ばれる処置が施された。
-隠れた良作ということもあってか、ゲームセンターCXにおいても挑戦ソフトとして採用されたこともある。主人公ハートのカッコ良さに有野課長も「シャレてるな〜!」と絶賛。最終面のコンテニューの仕様に苦しめられるなど、手こずる場面も少々あったものの、サポートADのアドバイス等もあり夕食前にクリアと順調に挑戦成功となった。ということもあり、「ガンデック、課長にしてみればほんの夜メシ前ですね!」との一言で締め括られていた。なお、割と順調に成功したためなのか、2023年現在でもDVDには収録されていない。
--上述にある様にパッケージ絵が思いっきりアレなので課長もパッケージを見て「ダイ・ハードかな?」と発言していた。
-現在は高値で取引されており、ソフト単品でも数千円、箱説付きなら1万越えになっている。
「[[修正依頼]]」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「カーチェイス・銃撃戦の具体的な説明」「総評の補強」です。
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*GUN-DEC
【がんでっく】
|ジャンル|アクション&br;一部縦スクロールシューティング|&amazon(B000068IAD)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売元|サミー|~|
|開発元|エイコム|~|
|発売日|1991年4月26日|~|
|定価|6,000円|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|ポイント|ハードボイルド&br;コンティニュー無制限|~|
//「忍者龍剣伝リスペクト」は根拠に乏しいので、COでここに置いておきます。
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#contents(fromhere)
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**概要
西暦2139年を舞台にしたハードボイルドアクション。~
ムービーや色々な内容のステージとともにドラマが展開される。
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**ストーリー
(説明書より引用)~
> 時はAD2139年。地球では、すべての国境が廃止され、人類は満ち足りた生活を送っていた。しかし一方では、犯罪の凶悪化・拡大化も世界規模で進んでいた。裏の世界を支配するための組織間の抗争は、止まることを知らず、ますます過激の一途をたどっていた。武器の密造、売春、麻薬、殺人といった犯罪が暗闇にうごめいていた。そんな悪の組織に敢然と立ち向かう命知らずの特捜刑事たちがいた。――その名は“VICE”。~
突然、ハート(VICE)の車にクリス(VICE)から無線連絡が入った。その内容は『ルート246・エリアDの立入禁止区域に進入車がある』というものだった。ハートにとっては進入車の追跡などは、毎日の日課の一つ。一種のショータイムに過ぎない。逃走車を運転していたのは、いつものことながら極度のジャンキーであった。しかし、そこには今までに類を見ない二点の事実が存在していた。まず一点は、ジャンキーの左手が、まるで野獣のような体毛と鋭い爪を持ち備えていたことである。もう一点は車内から発見された特殊な銃である。この銃は今までに確認されているいかなるタイプの密造銃とも異なるタキオン粒子砲であることが、後の分析の結果で判明した。その他は、ジャンキーが使用していた薬物は、100%化学合成のコークで、2・3年まえから市場に出回り始めたものであることが分かった。ハートはコークの出所を確かめるようクリスに頼み別れた。背後に潜む不気味な影。わずかな手掛かりをもとに、ハート(VICE)の捜査が始まった。
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**登場人物
-ハート・ブラバム
--主人公。ルート246エリアDから通報を受け早速急行。これが壮絶な戦いの幕開けとも知らず…。
-クリス・フォーセット
--ヒロイン。作中では敵にさらわれてしまう。
-ソフィア・コイズミ
--ハートとは別行動をとる、捜査情報を提供してくれるなどしてくれる。
-謎の男(メラニー・フォーラ)
--バイオテクノロジー社、BEDA社世界最大の企業の元締め。世界の支配をもくろむ。
--30年前の事を仄めかす。
-ハマー
--謎の男の配下。ハゲ頭。登場はオープニングのみ。
-キム・ロン
--もしかしたら妖術を使うのではないかと噂されている。
-リース大尉(ジェフ・リース)
--かつての戦友だが牙を剥いて来る。
**ゲーム内容
-基本仕様
--横スクロールがメインだが、縦に、全方向スクロールもあり、更にカーチェイスや銃撃戦までもが用意されている。
-アイテム
--雑魚敵を倒すとコインや肉などの回復アイテムを落とす事がある。
--コインは通貨という扱いではなく、100枚集めると1UP。
-武器
--サーベル。回数は無制限、リーチは短いが威力は高い。
--ブラスター。射程が長いが弾数制限あり。銃撃戦でも多用する。
--ボム。投擲武器。爆発で大ダメージを与える。
**評価点
***世界観
-本作のハードボイルドは本当に良く練りこまれている。
-舞台も、夜の市街地、中南米のリカルド地域、滝、密林、列車など盛りだくさん。
-ストーリーもゲームが進むにつれ色々と明らかになっていく、最後の締めくくりも渋い。
***ゲーム性
-2Dアクションは非常に高品質。敵配置もよく考えられていて、いやらしく、それでいて理不尽ではない塩梅の難易度となっている。
--武器のひとつのサーベルはリーチは短いが前方、後方、上方と広い攻撃判定を持ち、また隙も少ないのでかなり使い勝手がいい。また、雑魚敵の耐久力が低く、サクサクとゲームを進める事ができる。その他、この手のゲームとしては珍しくしゃがんだまま移動する事が可能。スピードが落ちる事といった事も無いので、しゃがんだまま敵に近づきそのまま撃破といった事もでき、回避と移動を両立できるのでかなりスピーディかつ快適。これらの要素が相まって、敵をドンドンとなぎ倒しながら素早くゲームが展開する、爽快なプレイングを提供してくれている。
--ブラスターやボムの弾はかなり多めに入手可能。武器をケチる必要は無いので、多彩な攻撃手段でステージを攻略していく事が可能。
--巨大なボスも多数用意。どれも中々嫌らしい行動パターンを持つが、パターンを掴めばかなり楽に攻略する事ができ、場合によってはノーダメージで勝てる事も。攻略のし甲斐と上達を実感できるつくりとなっている。また、ファミコンにありがちな画面が黒地という事もない。
-カーチェイスも用意、更にはボス戦も。
--カーチェイスとはいったものの標的を捕まえて終わりといったものではなく、ショットを撃つことが可能でそれを用いて妨害してくるザコ敵を倒して行ったり、上述にある様なボス戦もショットで撃破するという内容となっているので、どちらかと言えば縦スクロールのシューティングに近い内容といったものとなっている。
-銃撃戦は、奥からの射撃、手前では近接戦など。ボス戦はなくある程度進むと終了。
--画面が自動スクロールしていく中、妨害してくる敵を倒して行き、最後まで耐え抜ければクリアとなる。「オペレーションウルフ」や同じファミコンの作品で言うなら「マッドシティ」のガンシューティングステージに似た内容となっている。ただし本作の方は上述にある様にボス戦は無く、敵の攻撃に耐えつつ進んで行けばクリアとなる。
-無限にコンティニューをする事が可能。シーンによっては死んで覚えるといった難しい箇所もあるので、ありがたい仕様である。
***演出
-豊富なデモシーン
--いたるところにムービーが入り盛り上げてくれる。
--独特のセリフ回しも好評である。
--そのハードボイルドかつ独特でイカしたセリフ回しの例
---オープニングシーンにおいて侵入車の追跡の指令を受けて追跡を開始する際の一言~
「さぁ、ショータイムのはじまりだ!」
---オープニング終了後の仲間との会話を物陰から伺う人物に気づいての一言~
「誰だ?隠れてないでご対面といこうじゃないか!?」
---事件の手がかりが中南米のリカルド地域にあるとの情報を得ての一言~
「それじゃシーズンには少し早いがリカルドまでバカンスに行くとするか!」
---初の銃撃戦が始まる際に現れた敵集団に向かっての一言~
「上等だ!とことん俺のことが嫌いらしいな!?」
---ラストステージ、黒幕の元に辿り着いたハート。「ここまで来るのに随分時間がかかったようだね」との挑発的な言葉に対しての一言~
「おかげであんたとのデートに遅れちまいそうになったぜ!」
-ゲーム内容
--多重スクロール、炎の波形表示、更に雷で一瞬暗くなる演出など盛り込まれている。
--カーチェイスでは、宙に放り上げられた物体が立体感を出す。
***BGM
-ステージの曲、ムービーの曲、ボス戦の曲が何曲もあり、質も高い。
--楽曲はビック東海の『[[突然! マッチョマン]]』、『[[まじかるキッズどろぴー]]』、ジャレコの『燃えろ!!ジュニアバスケット Two On Two』などを手がけた横山清氏が担当している。
//**賛否両論点
//-忍者龍剣伝の影響
//--ムービーシーンでは作風、アクションでは鳥が突き落とす目的で飛来してくるなど、色々ともじった疑いが濃厚である。
//上記だけでは他作品のリスペクトの根拠に乏しいのでCO。
**問題点
-イロモノな敵が多い。中南米ステージから登場する忍者などはいい方で、四つん這いで移動するパンク風の男、キョンシー、火炎弾を放ってくる道士風の敵、弾を放ってくる頭がジャックオーランタンな敵などが存在、シリアスな世界観に若干水を差してしまっている。
-主人公の体力は多く、また回復アイテムも出るので敵からのダメージには打たれ強いが、攻撃を受けた際にノックバックがあるため、敵の攻撃を受ける→そのまま穴に真っ逆さま、という『[[悪魔城ドラキュラ]]』のような展開がよく起こる。後半ステージでは嫌らしい敵配置が増え、穴も多くなるのでなおの事である。
--ただし、理不尽に感じる場面はそれ程無い。敵配置を覚え出現したら即、敵を撃破、または敵弾を回避するといった事を心掛けていけば、十分突破できる箇所ばかりである。
-贅沢を言えば、ムービーで瞬きや口パクをして欲しかった。
//本家にはあったのに。
//「本家」の指すものが不明確なためCO。
-フォント
--本格的ならば平仮名カタカナのみでは物足りない。とはいえ、1ドット漢字は打ち方が複雑なためかキャラや背景グラフィック面に回されたので、仕方のない部分であり、海外版でも大文字のみで小文字はない。
----
**総評
ハードボイルドSFの世界を、あらゆる形でファミコンに集約した逸品。~
良質なアクションを中心に、カーチェイスにガンシューティングといえる銃撃戦も搭載。そしてファミコン作品屈指のハードボイルドな展開をデモシーンとともに体験することが出来る。続編を意識した内容で終了してしまっているのは惜しいところではあるが、それもまた本作のハードボイルドな物語を強めてくれているとも言える。~
後述にある様に、現在は『Nintendo Switch Online』における配信のおかげてプレイしやすい環境となっている。本作でハードボイルドなストーリーに浸って来てほしい。
----
**余談
-ステージ3の背景に「回以己矛」と書かれている看板があるが、音読みすると「エ・イ・コ・ム」。要は本作を開発したエイコムの事を指している。
-海外NES版のタイトルは『Vice: Project Doom』となっている。~
日本版との違いはデモ画面の彩色程度であり難易度の変更もない。
--そして『[[Nintendo Entertainment System – Nintendo Switch Online>ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online]]』にて海外未発売の『[[ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会]]』と差し替える形でまさかの配信となった。
-日本版も2020年7月15日より『Nintendo Switch Online』で配信。上記『Vice: Project Doom』共々、発売元のサミーがセガと合併している関係で「セガがパブリッシャーのファミコンソフト」が配信されるという今となっては珍しい形になった。
-後にメガドライブで『ディープスキャナー』のタイトル名で続編が発売される予定だったが、ほぼ完成していたにもかかわらず発売中止になってしまった。
--元々はメガCDの発売リストに掲載されていた『ヴァイス2』((先述の通り、ヴァイスはGUN-DECの海外タイトル名で、開発者によると他に『スーパーヴァイス』のタイトル名を挙げていたので、どっちも仮タイトルだった可能性がある))として開発されていたらしく、通常のROMに変更された上に「某美少女アクションゲームとタイトル名が被る」という理由でタイトルが変更されたようである。
--当時の雑誌上では画面写真1枚のみしか掲載されていなかったが、1993年に両国国技館で開催された「遊星セガワールド」でプレイアブル出品されており、それによると通常のサイドビューアクションの他に『ナイトストライカー』((ちなみにメガCD版『ナイトストライカー』も当の「遊星セガワールド」で初お披露目されていた))チックな水上や夜景を舞台にした3Dシューティングパートが用意されていた模様。
--近年発売されることの多い「復刻版ミニゲーム機」には「スターフォックス2」の様にお蔵入りになってしまっていた作品やミニゲーム機に合わせた新作が収録されることも多い。上述の様にほぼ完成していたということもあるので、何らかのかたちで続編も日の目を見ることを望むファンは少なくはないのではないかと思われる。
-本作のパッケージ絵(ページ冒頭の画像)は''映画『ダイ・ハード2』の1シーンを服装以外ほぼトレース''と肖像権がまだ大らかな時代であった事を考えても凄まじい物。
--上記の「Nintendo Switch Online」での配信では流石にパッケージ絵を使用とはいかず、代わりにタイトル画面が選ばれる処置が施された。
-隠れた良作ということもあってか、ゲームセンターCXにおいても挑戦ソフトとして採用されたこともある。主人公ハートのカッコ良さに有野課長も「シャレてるな〜!」と絶賛。最終面のコンテニューの仕様に苦しめられるなど、手こずる場面も少々あったものの、サポートADのアドバイス等もあり夕食前にクリアと順調に挑戦成功となった。ということもあり、「ガンデック、課長にしてみればほんの夜メシ前ですね!」との一言で締め括られていた。なお、割と順調に成功したためなのか、2023年現在でもDVDには収録されていない。
--上述にある様にパッケージ絵が思いっきりアレなので課長もパッケージを見て「ダイ・ハードかな?」と発言していた。
-現在は高値で取引されており、ソフト単品でも数千円、箱説付きなら1万越えになっている。