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Star Wars: X-Wing

【すたーうぉーず えっくすういんぐ】

ジャンル STG
対応機種 MS-DOS
Windows95
Mac
発売元 LucasArts
開発元 Totally Games
発売日 1993年2月28日
判定 良作
ポイント 本格派のSWスペースコンバットシム
三次元空間で行うドッグファイト
奥深く悩ましい、電力分配システム
先進的な『iMUSE』によるBGM機能
スター・ウォーズシリーズ


ストーリー


A Long Time Ago, in a Galaxy Far, Far Away...
遠い昔、遥か彼方の銀河系で…


「ヤヴィンの戦い」から遡ること1年前。

圧制を敷く銀河帝国を打倒すべく結成された反乱同盟軍は、いまだ戦力に乏しい状況を打開すべく新たな機体を求めていた。

同じころ、銀河帝国による接収と国有企業化の計画を察知した宇宙戦闘機開発企業・インコム社の設計チームが反乱軍へと亡命。

彼らによって持ち込まれたXウイング・スターファイターはトゥルカナの戦いで多大な戦果を挙げ、帝国艦隊に衝撃を与える。

しかし、それを知ったパルパティーン皇帝は反乱分子を叩き潰すべく「ストライク・フィアー」作戦を実行に移すのだった。


反乱同盟軍の新米パイロットである キーヤン・ファーランダー は新型機Xウイングに乗り込み、同盟軍艦隊の作戦に参加。

恐るべき虐殺を決行しつつある帝国軍の旗艦「インヴィンシブル」を止めるべく、熾烈な戦いに身を投じていく。



概要

ルーカスフィルム傘下のゲームスタジオであるルーカスアーツにより発売された、同社最初のスターウォーズ作品。
その名の通り、スターウォーズシリーズを代表する機体であるXウイングを主軸としたスペースコンバットシムとなっている。
映画第1作『新たなる希望』より少し前の銀河を舞台に、新人パイロット「キーヤン・ファーランダー」たちの活躍を描く。

開発を担当したのは、既に第二次大戦を題材としたフライトシムで絶大な評価を得ていたローレンス・ホランド率いるTotally Games。
過去作で培われた作風が受け継がれており、SWフランチャイズでは過去に類を見ない重厚なフライトシムとして構成されている。



ゲームシステム

ゲーム概要

  • 全3チャプター、合計38ミッションで構成された、スターファイターに搭乗して戦闘を行うシューティングゲーム。
    • レジスター画面で自由にパイロット(セーブスロット)を作成でき、そのパイロットごとに進捗が管理される方式。
  • ミッションはそれぞれ3つの区画に分かれており、自由に選択できる方式。
    • Proving ground は基本操作を習得するための訓練ミッション。機体ごとに個別に用意されている。
    • Historical simulator は過去の戦いを再現したシミュレーター。クリア済みの任務にも再挑戦できる。
    • Tour of duty は本作のメインシナリオ。同盟軍パイロットとして実戦に参加し、さまざまな任務をこなす。
    • このほか、機体のスペックを確認できるデータベース部屋なども用意されている。
  • 体力は耐久力+シールド制で、過剰な破損や衝突により破壊される。
    • 安全装置により脱出することは可能で、助かった場合は反乱同盟軍の回収部隊に拾われて帰ることに。
    • しかし、帝国軍の領域下で撃墜されて生き残ると今度は彼らに拘束されてしまい、そのパイロットは拘束状態となってしまう。
      いつでもハイパースペースジャンプ(Hキー)で離脱できるので、不利な状況に追い込まれたら逃げて再挑戦するのも手。
  • 操作できる機体は主にXウイングだが、ミッションによってはAウイングやYウイングに乗ることに。
    • また、拡張パックでは『ジェダイの帰還』のBウイングを操作することも可能となっている。

基本操作

  • 宇宙戦闘機シムに存在する基礎的な操作(スロットルによる加減速、ジョイスティックによる旋回、武装切り替えなど)のほか、 電力分配システム という一風変わったシステムが搭載されている。
    それぞれの分配はキーボードのファンクションキーで割り当てが変更できる。
    • 割り当てられる電力量は常に一定で、どれかのパラメーターを増やすためには別のどれかを減らさなければならない。
      しかし3つとも宇宙空間戦闘には無くてはならないものであり、臨機応変に割り当てを変更するには高い戦略性が求められる。
  • レーザー
    • 赤色で表示されたパラメーター。
      これに回す電力が足りないと消費されたレーザーがリチャージされず、やがて残弾がなくなり撃てなくなってしまう。
      艦載機とのドッグファイトを行う上では妥協できない要素。
  • シールド
    • 緑色で表示されたパラメーター。
      機体の周囲に展開するシールドで、敵からの攻撃を割り当てた量に応じて防ぐ。こちらも撃ち合いには重要な要素。
      また、シールドの量を前方や後方に集中させたりも可能。
  • エンジン
    • 青色で表示されたパラメーター。
      宇宙空間はとにかく広大なので、当然ながら推進力にもそれなりの割り当てが必要となる。
      これが足りないと敵に追いつけなかったり、間に合わずに作戦が失敗したりする。

勲章

  • 各ミッションでは、プレイヤーの戦績に応じて勲章が与えられる。
    過去に取得した勲章は、ミッション選択画面で確認が可能。



評価点

過去シリーズと比べ、圧倒的に奥深くなったゲームシステム

  • 本作より前の時代にも数多くのスターウォーズを題材にしたシューティングゲームが登場してきたが、基本的に無限に撃てるレーザーを撃ちまくり、TIEファイターを一方的に撃墜して回るようなものばかりであった。
    それに対し、本作は弾切れやシールド配分、推力不足に頭を抱えながらも三次元空間を飛び回って戦闘をするという、一段階上のリアルなスターウォーズ体験ができるシステム。
    これまでの第二次大戦モノで培われてきた計器、スイッチ、レーダー、パラメーターなどの『それっぽい演出』の数々により、本物のパイロットのような感覚を味わえる。

非常に高品質なグラフィック

  • 3Dポリゴンがようやく使えるようになってきたばかりの時代にしては、グラフィック面はかなり力が入っている。
    それぞれの3Dモデルにはテクスチャこそないものの、それぞれの機影はファンであればシルエットでそれと分かるような形状。
    • また、フロッピーディスク媒体であることを考えると驚異的な量のカットシーンも含まれている。プリレンダリングCGと実写取り込みを巧みに組み合わせた、違和感の少ないリッチなムービー表現も本作の見所のひとつ。
    • 常に見ることになるコクピットからの視点も適度に作りこまれており、臨場感たっぷり。
      機体ごとに計器の配置が異なり、Sフォイルの開閉スイッチを押すとちゃんと画面右下のランプが連動したりと、ファンであればにやりとする表現が盛り込まれている。

臨場感溢れるBGM

  • 当時ルーカスフィルムが複数タイトルで導入していた、シームレスにBGMが切り替わるインタラクティブミュージック技術『iMUSE』を搭載。
    • 音源自体はMIDIだが、本家でジョン・ウィリアムズが作曲した名曲たちをリスペクトしたBGMが臨機応変に戦闘を盛り上げる。

ちゃんとした外伝ストーリー

  • 同時代のスターウォーズゲームは原作無視の超展開が盛り込まれることが少なくなかったが、本作は小説『スローン三部作』以降の外伝シリーズの流れを汲んだ本格的な拡張世界作品として生まれているため、きちんとスターウォーズ・ユニバースに沿った展開が続く。
    • Xウイングの戦いでは避けては通れない『ヤヴィンの戦い』ももちろん収録。主人公のキーヤンが『新たなる希望』で名もなきゴールド中隊のYウイングのパイロットとしてルークたちレッド中隊の攻撃を援護していた…という、ファンには嬉しい内容。
    • なお最終ミッションで彼がデス・スターを破壊しているように見えるが、公式の戦略ガイドでは実際にはこのミッションだけ操作キャラクターがルークになっているという説明が為されている。

賛否両論点

複雑すぎる操作システム

  • 真に迫った操縦システムの代償として、とにかく機体制御を覚えるのが難しいと言われるのが本作。
    フライトスティックだけでなく、キーボードを右から左まですべて使って各種計器を操作しなければならない。
    • 特に厄介なのが電力配分システムで、 レーザーに電力を供給するのを忘れたまま弾切れで発砲できなくなる のは本作を触った誰しもが通る道。
    • 結局後のシリーズではこれらは徐々に簡略化され、『出撃!ローグ中隊』などのシンプルな3Dシューティングにその座を譲ることとなった。
      本作と同様のシミュレーター的なゲーム性は一旦途絶え、2020年の『スコードロン』まで復活することはなかった。



問題点

高すぎる難易度

  • 基本操作の難解さもさることながら、一部ミッションの難易度が非常に高い。
    また、どのミッションも個別に目標が設定されており、プレイヤーはブリーフィングでの作戦説明を聞いてそれに従わなければならない。
    • 結局、後にアップグレードされたWIndows版では一部ミッションに調整が入り、多少マシな難易度に修正されている。

テンポが悪い

  • 名前入力からミッション選択画面までほとんどのメインメニュー画面が反乱軍の旗艦『ホーム・ワン』の内部という扱いになっているのだが、いちいちドアを開け閉めしたりする必要がありテンポがよろしくない。
    • また、ゲーム失敗やミッション選択などでも毎回微妙に長いカットシーンが再生されるため、各種任務を気軽に再挑戦できるとは言い難い。

地上戦がない

  • 93年ともなるとまだスペック的な都合で巨大な構造物や複雑な地形を描画することはできなかったため、ミッションはほぼすべて宇宙空間での艦隊戦。
    『帝国の逆襲』などで印象的な活躍をしていた、惑星ホスのスノースピーダーなどを操作できる機会はない。
    • デススターのトレンチ・ランでは一応地表は描かれるが、テクスチャはなくのっぺりした風景になってしまっている。
    • 結局、フル3Dの本格的な地上戦が描かれるのは数年後の『帝国の影』や『出撃!ローグ中隊』までおあずけとなった。



総評

これまでにない硬派で本格的なスターウォーズのフライトシム として生まれ、原作ファンのみならずフライトシム愛好家からの支持も得た作品。
その複雑な操作性と高い難易度はとっつきにくいものの、「Xウイングを飛ばす」という没入感溢れる体験は93年の時点で既にほぼ完成している。
また外伝作品としてのシナリオの出来も良く、本作で活躍したキーヤンは後のシリーズにおける重要キャラクターのひとりとなった。

本作の高い評価とベストセラーを受けて、ルーカスアーツは後に帝国視点の『TIE fighter』など複数の続編も展開。
シリーズ以外の他コンテンツにも少なからず影響を与え、スターウォーズのゲーム作品を語るうえで重要な一作となった。



余談

  • 移植・配信
    • 拡張パックとして、ヤヴィンの戦い後を描いた『Imperial Pursuit』と『B-Wing』が展開された。
    • また、93年当時の オリジナルフロッピーディスク版 、94年に再販された コレクターズCDエディション (続編『TIE Fighter』のエンジンを使用した微リマスター)、98年に再販された Windows95スペシャルエディション (三作目『X-Wing vs. TIE Fighter』のエンジンを利用した再リマスター)などなど、シリーズを重ねるごとにゲームエンジンを更新されて長期間復刻販売されている。
      これも本作が持つ高いファン人気の証左と言えるだろう。
    • 現在は、これらをひとまとめにしたものが各種配信サイトで販売中。
      実際に攻略できるかはともかくとして、購入すること自体は気軽にできる。
最終更新:2026年07月08日 22:11