白き鋼鉄のX 2
【しろきこうてつのいくす つー】
ジャンル
|
アクション
|


|
対応機種
|
Nintendo Switch プレイステーション4 プレイステーション5 Xbox One Windows (Steam)
|
発売・開発元
|
インティ・クリエイツ
|
発売日
|
2022年1月27日
|
定価
|
パッケージ版(通常版):3,980円 パッケージ版(限定版):9,980円 ダウンロード版:2,980円
|
レーティング
|
CERO:B(12才以上対象)
|
備考
|
パッケージ版はSwitchとPS4のみ存在
|
判定
|
良作
|
ポイント
|
新たな武器「ブレイクホイール」 ブリッツダッシュはやや弱体化 シリーズ屈指の到達難易度を誇る真エンド(現在は改善)
|
ガンヴォルトシリーズ
|
概要
『蒼き雷霆 ガンヴォルト』シリーズのライバルキャラ「アキュラ」が主人公を務めるスピンオフ2作目。
基本的なシステムは前作のものを引き継いでいるが、アキュラの武装の変化に伴い、操作感も多少変わっている。
また時系列こそ前作と地続きだが、ストーリーの舞台は人類が姿を消した異世界に聳える謎の塔と大きく様変わりしており、新キャラクター達のデザインも全体的にメカニカルなものになっている。
ストーリー
“白き鋼鉄のX”ことアキュラの活躍によって、
世界にひと時の平和が訪れた。
平和となった世界で、
彼は趣味の研究に打ち込んでいた。
戦いのあと、いつの間にかアキュラの手元にあったという
謎のライフル型情報端末・キーライフル。
その修復と研究を進めるアキュラだったが、研究の最中に突如、
ワームホールが発生し、アキュラたちは吸い込まれてしまう。
次にアキュラが目覚めた場所は、
“ワーカー”と呼ばれる機械生命体たちが暮らす、
砂漠の異世界だった。
アキュラは帰還のすべを探るべく、
共に飛ばされてきたRoRo、コハク、
そして新たに出会ったワーカーの少女、ヌルを連れ添い、
あらゆる知識が収められているという塔
「グレイヴピラー」をのぼり始める――
(公式サイトより引用)
前作からの変更点
新武器「ブレイクホイール」
-
アキュラの基本攻撃が銃によるショットからノコギリのようなホイールを用いた近距離攻撃に変更された。
-
接地状態ではかの紅き英雄を思わせる三段攻撃が可能。一段目と三段目はボタンを押し続けることで攻撃判定が持続するため、特に威力の高い三段目を当て続けることで敵の体力を大きく削ることができる。
-
この地上攻撃で雑魚敵を素早く連続撃破すると「クイックブレイク」となり、クードスにボーナスポイントが加算される。
-
ブリッツダッシュで敵をロックオンしている場合は、前作までのロックオンレーザーとほぼ同じ挙動のロックオンホイールによる攻撃を行う。
ブリッツダッシュ
-
前作までと異なり、今作は通常状態では一度しかブリッツダッシュを行えず、再度接地するまで発動できなくなってしまう。
-
しかしクードスが1000を超え「オーバードライヴ」モードになるとブリッツゲージが表示されるようになり、このゲージが続く限り何度でもブリッツダッシュが可能となる。
-
ゲージはブリッツダッシュを使うと時間で減少していくが、接地するかブリッツダッシュで敵や壁・床にぶつかる度に回復するため、慣れれば前作以上に
変態じみた
動きでステージを駆け抜けていける。
-
ブリッツの概念が変化したため、リロードは廃止された。これにより空中からの急降下も不可能になっている。
-
地上ダッシュは「リコイルダッシュ」という名称になり、ロックオンが不可能になった代わりに衝突した敵を大きく吹っ飛ばしたり、一部障害物を破壊もしくは動かしたりといった芸当が可能。
EXウェポン・スキル
-
最初から装備しているEXウェポンが「スパークステラー」から「アンカーネクサス」に変更された。
-
スパークステラーに比べやや癖が強いウェポンだが、使い方次第では移動や回避に役立つ。
-
シリーズ恒例の画面全体攻撃スキルは「クロスシュトローム」という名称になり、演出もよりスピーディーなものに。
-
前作では廃止されていた「ヒーリング」が復活。いつでもどこでもロロを呼び出し、体力を全回復できる。
-
使用すると強制的にクードスが清算されるが、なんと回数制限やクールタイムが一切ない。そのため、今作におけるアキュラの体力は実質的に無限と言える。
-
なお、被弾した際のダメージとノックバックを無くす「カゲロウ」や敵の弾を防ぐ「フラッシュフィールド」は廃止された。
アビリティ
-
EC(お金)を消費することで開発できる、いわゆる装備品。
-
「敵がドロップしたECが自動的にアキュラに吸い寄せられる」という便利なものから「クードスが1000溜まるごとにロロの曲が変化する」といった変わり種まで、様々な効果のアビリティが新たに登場。中にはブレイクホイールやEXウェポンの性能に影響を与えるものも。
-
前作同様に装備制限は無いため、好きなものを好きなだけ装備可能。
クードスモードの廃止
-
何度ダメージを受けてもクードスが0にならなくなった。前作までの「アパシー」モードがデフォルトになっていると言える。よって3つのクードスモードは廃止された。
DLC
-
今作では「DLC来訪ボス」と称された、他作品に登場したキャラクターと戦うことができる。倒せばボスに応じたアビリティを取得可能。
+
|
DLCラインナップ
|
ボス名
|
登場作品
|
価格
|
大鳥こはく
|
COGEN:大鳥こはくと刻の剣
|
800円 |
ヤン・ユモ
|
Dusk Diver2 崑崙靈動
|
800円
|
ジェイソン |
ブラスターマスター ゼロ 3
|
800円
|
くろな
|
ぎゃる☆がん だぶるぴーす
|
400円
|
きりん
|
蒼き雷霆 ガンヴォルト 鎖環 |
400円
|
|
その他
-
ブレイクホイールやクロスシュトロームで敵を撃破するとその敵が真っ二つに両断され、一瞬だが断面が見える。昔からのインティファンはある種の懐かしさすら感じられるだろう。ボスもしっかり叩き斬ることができる。
-
敵味方問わず、SPスキルを発動した際の一枚絵がアニメーションするようになった。特にボスの一人「ヘイル」のアニメーションは色んな意味で必見。
-
『ゼロ』シリーズよろしく、ダッシュ時に姿勢が低くなり当たり判定が小さくなる仕様が復活した。この仕様を利用して敵の攻撃を回避するシチュエーションも存在する。
-
コンフィグ画面からブリッツダッシュの操作性を『イクス』準拠のものと、『爪』準拠のもののどちらかに選択できるようになった。
-
『イクス』準拠のものは上下方向への入力判定が強く、『爪』準拠のものは水平方向への入力判定が強い。
-
アクティブホバーがアビリティからコンフィグの機能に移された。後述するハードモードでも使用できるようにするための措置と考えられる。
-
リザルトの最高ランクが「S+」から「X」に名称変更された。
-
コンフィグ画面からBGM・SEの調整が可能になった。インティ・クリエイツ製ゲームとしては珍しい仕様と言える。
-
とはいえ、今日び実装していないゲームの方が稀であるため「過去作までの問題点」と称した方が正しいとも言えるが。
-
シリーズで初めて、海外キャストによる吹き替えボイスが実装された。
-
日本語音声かつ日本語以外の言語表記にすると、「国内キャストが英語名準拠のスキルを読み上げる」という点は前作から据え置き。
評価点
2Dアクションゲームの楽しさは健在
-
一部前作から劣化した部分は見られるものの(後述)、敵を撃破しながらステージを攻略し、ボスの攻撃を掻い潜りつつ戦う爽快感は基本的に据え置き。
-
ステージ上の敵の配置は良く練られており、どうすればより速く、より多くのクードスを稼いでクリアできるか考察し、ベストなルートを導き出す過程は奥が深い。
-
従来の完全必中のロックオン攻撃のほかに、近距離特化ではあるが威力の高いブレイクホイールの要素が加わった影響で、両者を状況に応じて使い分ける駆け引きが求められるようになった。
-
ボスキャラクター達のアルゴリズムは、「特定のルーチンを繰り返す」「攻撃パターンが自機の立ち位置に影響されにくい」といった特徴が多くに見られ、過去作のボスと比べても理不尽な部分が少なく運ゲーを要求される場面も殆どない。
-
いずれのボスも、強すぎず弱すぎない絶妙なバランスにまとまっており、本作のボス戦闘はシリーズ屈指の良バランスと評価する声もある。
-
この調整が特に大きく響いてくるのが後述のハードモード。ランダム性に頼らない真っ当な強さを発揮してくるため、難しいながらもやり応えも十分感じられる内容となっている。
-
ゲーム性の先鋭化に伴い初心者お断りな難易度になっていた前作と比べると、ヒーリング回数が無限になった影響で(少なくともノーマルモードに限れば)全体的な難易度は緩和された。
シリーズ随一のオマージュ要素
-
元々同社製・あるいはカプコン製ゲームへのオマージュが多く盛り込まれてきた本シリーズではあるが、本作はシステム・ステージ構成・ボスキャラクターのアルゴリズムなどに多くのオマージュ要素を取り込んでおり、その量・密度ともに過去最高レベルだと言える。
良質な音楽
-
各BGMやロロの歌う楽曲は相変わらず質が高い。
-
ラスボス戦のBGMは歴代でも珍しい明るめの曲調なのだが、実は前作のある曲のアレンジになっており、ラスボスの正体と照らし合わせるとどこか切ない気持ちにもさせてくれる。
ゲーム内コンテンツの解禁条件緩和
-
各種ボス単独ステージを遊ぶために、前作では多くの条件を達成する必要があったが、本作ではラスボス撃破のみで全てのステージが開放されるようになった。
-
前作では予約特典に含まれていたコハクの衣装セットが、本作では特定のボスを倒しただけで開放されるようになった。
賛否両論点
過去作とのゲーム性の変化
-
前作までのアキュラと比べると、素の状態でのブリッツダッシュの使用回数に制限が掛かったほか、レーザーによる遠距離攻撃ができなくなってしまったため、人によっては「弱体化した」と評されやすい。
-
特にブリッツダッシュの使用制限はプレイフィールへの影響が強く、前作のようなハイスピードアクションゲームとして遊びづらくなってしまった。
-
前作に比べ入り組んだ構造のステージが増えたことや、耐久力の高い大型雑魚敵が道を塞いでいる場面が多いこともテンポの悪化を感じさせやすい。
-
ブレイクホイールによるアクションについても、いちいち足を止める必要があるため猶更スピード感を感じにくい。『ゼロ』でいうダッシュ斬りやジャンプ斬りといったスピード感を維持しながらできるアクションもない。
-
厳密に言うとダッシュやジャンプしながらの攻撃は可能だが、ホイールの1段目の攻撃を当てるだけなので威力が非常に低く、実際のゲームプレイにおける実用性は低い。
-
ロックオン中はブレイクホイールによる3段斬りが使えないため、ボス戦などで敵が破壊可能なオブジェクトを繰り出して攻撃した時は対処が限定されがち、という問題もはらんでいる。
-
実は「スキル選択画面を開けばロックオンは解除される」という仕様があるのだが、ゲーム中の説明は存在しない。
-
とはいえ、ブリッツダッシュ主体のアクションには「慣れれば楽しいが、慣れるまでが大変」といった特徴もあったため、ブレイクホイールによるアクションが導入されたことでブリッツダッシュの挙動に慣れないプレイヤーでも敵を切り伏せながら進むオーソドックスな2Dアクションゲームとして遊べるようになった側面もある。
-
スピード感に関しても前作に劣っているかと聞かれれば決してそんなことはなく、先述した通りオーバードライブ発動時のブリッツダッシュの挙動は前作を凌ぐものであり、条件さえ満たせば至高のハイスピードアクションが堪能できる。
-
オーバードライブを発動するためにクードスを1000まで貯めるには、ブレイクホイールによるコンボを繋いでいく必要があるため、立ち回りのマンネリ化改善に貢献している面もある。
-
裏を返せば「クードスを1000まで貯めないとハイスピードアクションを楽しめない」ということでもあり、賛否の分かれるところでもある。
-
以上のように、本作のゲーム性はアクションの多様化により2Dアクションとしては敷居が低くなりプレイングの幅が広くなった一方で、ハイスピードアクションゲームとしては本領を発揮するまでに時間が掛かるようになってしまったため、人によって好みが分かれる仕様になったと言える。
-
なお過去作のように素の状態でもブリッツダッシュを複数回使えるようにするアビリティは存在するが、使用には有料DLCの導入が必要。
ストーリー・世界観
-
一貫して「能力者と無能力者の対立」を主軸としていた従来作に比べ、突如異世界へ飛ばされるというやや唐突なシナリオ展開となり、前作の仲間キャラもロロとコハク以外はほぼ登場しない。
-
各ステージのボスを務める「墓守」と呼ばれるワーカー達も、全体的にキャラ立ちが弱く印象に残りにくい。
今までが濃すぎたとも言えるが。
-
ストーリー自体もあまり起伏のある内容とは言えず、良し悪しよりも「薄い」という印象を受けやすい。
-
前作ではアキュラ自身に敵組織やラスボスを撃破する明確な理由があったのに対し、本作のアキュラの目的はあくまでも異世界からの脱出であり、ラスボス含めて戦闘行為が副次的なものであるため、前作と比べてヒロイックさを感じ辛く、進行が淡々としたきらいが見える。
-
とはいえ本作の世界観やキャラに魅力がない訳ではなく、最終盤では意外な事実も明らかになるなど、シナリオの質自体は決して低くない。新ヒロインの「ヌル」も少し天然だが献身的で、可愛らしく好感の持てるキャラクターとなっている。
-
元々、前作発売時からシリーズ化は決まっていたが、ストーリーに関してはファンサイドからも「あのきれいに終わったところからどう続編を出すのだろうか?」と様々な予想がされており、実際に判明した際には「目的は達成されていたから自由な方向に攻められるようになった」と好意的に解釈する向きも見られた。
-
また、異世界転移とは言うが冷静に掘り下げると、そう単純な話でもないことが見えてくる。
EXウェポン「タイムフリーザー」がバランスブレイカー気味
-
画面全体を凍結させ、しばらくの間アキュラ以外の時間の流れを遅くしつつ微量のダメージを与え続けるという性能なのだが、なんとボスにも極一部を除き普通に効いてしまう。
-
敵の攻撃を避ける難易度が大幅に下がる上、隙だらけになるので攻撃し放題。さらに他のEXウェポンとの併用も可能で、弱点武器を使えば凄まじい勢いでボスの体力を削れる。
-
同じくインティ製の『ロックマンゼクス アドベント』に登場した「タイムボム」に似ている… と言うよりほぼ同じ性能を有している。あちらも同作ではバランスブレイカーとして名を馳せていた。
-
性能の高さ故に燃費は悪くゲージの回復も遅いが、回復を待つこともなく1ゲージを使い切るだけでも相当強い。敵の弱点武器を理解して併用すれば、殆ど何もさせることなく瀕死に追い込めてしまう。
-
加えて有料DLCで手に入るアビリティの中にはタイムフリーザーのゲージ消費を無効化するという衝撃的なものも存在する。これを使えばボス戦が一転してヌルゲーと化してしまう。
-
もっともボス戦が苦手な初心者への救済と取ることもできるし、他のウェポンもそれぞれに使い道が存在するため、タイムフリーザーを除くEXウェポン間のバランスはむしろ良い方である。
問題点
真エンディングへの到達条件が非常に厳しい(ver1.3.0以前)
-
本作では後述する特定の条件を満たすことで解放される「ハードモード」が存在し、それをクリアすることで真エンディングに到達できる。
-
ハードモードはノーマルモードとは別セーブデータ扱いで、OPステージからラスボス撃破までの道程を再度攻略することになる…のだが、これが初心者どころかシリーズ経験者でも苦戦は免れない程の高難易度。
+
|
ハードモード詳細
|
-
リトライが残機制になる。
-
初期残機数は2で、0になるとリトライが不可能になり、その状態でミスすると強制的にステージから抜けてしまう。当然攻略はステージの最初からやり直し。
-
レベルは1に固定され、ヒーリングは使用不可。アビリティも一切装備不可。
-
カゲロウ廃止がここにきて牙を剥く。体力の回復手段は道中のリトライマーカーに触れるくらいしかなく、ミス時の復活も封印される。DLC特典の強力アビリティにも頼ることはできない。
-
一度でも被弾すると即座にクードスが0になる。
-
前作までのクードスモード「レックレス」と同じ仕様。これによりオーバードライヴモードの発動と維持が格段に難しくなっている。
-
全てのボスがノーマルモードより強化。
-
体力が増え動きも素早くなり、攻撃もより避けづらいものに変化。弱点武器も変更されるため、ノーマルモードと同じ立ち回りが通用しない箇所も存在する。
-
とはいえ全体的な挙動がノーマルと別物クラスに変化することはないため、落ち着いて動きを読めば十分勝機は見えるレベルではある。先述した通り、難易度調整の方向性そのものはプレイヤーから評価されている。
|
-
このように凶悪な仕様が幾重にも重なり、ハイスコアどころか普通にクリアするだけでも一苦労。
-
あくまでプレイに集中しろということなのか、会話デモは終盤ステージ以外では殆ど発生せず、墓守達も無言で襲いかかってくる。シナリオの都合上拠点での会話も行えないため、人によっては寂しさや味気なさを覚えるかもしれない。
-
各ステージの道中の内容はノーマルモードと据え置きであるため、試行錯誤を繰り返せば十分クリアは可能である。しかしそこで残機制のシステムが重くのしかかってくる。
-
トライ&エラーのしやすさも評価されている本シリーズにおいてリトライを縛られるのはストレスが大きく、ゲームとしての面白さに繋がっているとは言い難い。
-
一応1UPアイテムも存在するのだが数はかなり少なく、複数個配置されているステージは1つのみ。他は1ステージに1個置いてあるかどうかといったところで、難易度の高さからくる消費量とはとても釣り合っていない。
-
結局、残機が尽きる度に最初からステージを攻略しなければならない面倒さゆえモチベーションを保ちきれず、真エンドに辿り着く前に投げてしまう人も少なくなかった。プレイヤーの足枷としか機能しなかった残機制は本モード最大の問題点だった言える。
-
流石に問題だと思われたのか、発売から約2ヶ月後にリリースされたver.1.4.0アップデートでハードモード開始時に「攻略アシスト」の使用を選べるようになった。
-
アシストをONにすると初期残機が200という破格の数字になり、ヒーリングも使用可能になる。
-
これまた極端な調整ではあるが、真エンドを見るハードルは大きく下がったと言えるだろう。
-
そもそもな話をすると、真エンディングを含むゲームモードが隠しモード扱いされていること自体に疑問を抱かざるを得ない。
-
ハードモードを解放するには「特定のアイテムを全て揃えた状態で、とあるステージの隠しエリアに入る」という条件を踏む必要があり、ゲーム内でのヒントは一切存在しない。この手のゲームで探索慣れしていないプレイヤーは条件を見つけるどころか、隠しエリアの存在にすら気が付けない可能性もある。
DLC
-
ボスと直接戦うだけのステージが追加されるだけの内容で400~800円という価格設定はボリュームに見合っていないと言える。
-
参考までに、前作における追加ボスステージの購入価格は200円、『爪』ではステージ2つセットで300円だった。
-
過去作と違ってDLC用のグラフィックを描き起こしていることや、ボイスを新録していることを踏まえると、コストが今まで以上に掛かっていることは自ずと理解できる。とはいえ、全て購入すると本作のDL版の価格を超えてしまう価格設定にはさすがに首を傾げざるを得ないだろう。
-
内訳を見るとわかるが、800円のものは他社の権利が絡んでいるのでその点も仕方がないと言えば仕方がないが…。
総評
前作が「ブリッツダッシュの使用を前提としたハイスピードアクション」とするなら、本作は「従来のアクションゲームにブリッツダッシュの要素を取り入れた」と言えるような作品。
操作性の良さや絶妙なステージ構成は据え置きだが、地上アクションの追加の代わりにブリッツダッシュの弱体化という仕様変更を加えたために、
ハイスピードアクションとして中途半端な内容になってしまっている印象は否めない。
とはいえ2Dアクションゲームとしての破綻はなく、演出面やUIの強化も合わさり、ゲームとしての総合的な完成度は十分に高いと言える。
シリーズファンや2Dアクションゲームが好きな方なら購入する価値はあると言えるだろう。
余談
-
本作の限定版特典の中には珍しく、前作+本作の内容を収録した攻略本が付属する。制作・編集はファミ通。
-
前作の内容に関してはDLCボスの攻略にまで言及されており、まさに完全版と言っても差し支えない収録内容となっている。
-
一方本作についてはネタバレを考慮したためか、ノーマルエンディングまでの全12ステージ中8ステージまでの攻略内容を収録するに留まっている。
-
本作ではバッドエンドと呼べるエンディングが存在するが、その到達条件が少々特殊であり、ラスボス戦で普通ならまずやらない操作をすることで到達することができる。
-
このエンディングに到達することで解放されるゲーム内要素もあり、どちらかと言えば一種の隠し要素として見るのが正しいと言えるか。
-
どういうわけか当たり前のようにメタファイトシリーズとガッツリ世界観を共有している。
-
これが何を意味するのかは現状では不明。
-
インティ・クリエイツはブラスターマスター ゼロシリーズを手掛けてはいるが、言うまでもなく権利関係はサン電子側にある。
-
ブラスターマスター関係については何故かあまりサン電子から言及されることが無いので、どういう状況なのかはやはり不明。
-
同様に世界観を共有している『ぎゃる☆がん』シリーズについては、くろな視点による『ぎゃる☆がん だぶるぴーす』の前日談という設定で、後に発売された『グリム・ガーディアンズ デーモンパージ』にも繋がっている。
-
神園関係者として登場した『爪』のドラマCDと異なりアキュラたちを敵視しており、前作に続き今作でも一切の言及がないノワについてのやり取りも特にない。
最終更新:2024年08月21日 01:15