伝説のスタフィー3
【でんせつのすたふぃーすりー】
ジャンル
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マリンアクション
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売元
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任天堂
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開発元
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トーセ
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発売日
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2004年8月25日
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定価
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4,571円(税別)
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プレイ人数
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【GBA】1~4人 【WiiU】1人
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セーブデータ
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3個(FRAM)
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レーティング
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CERO:全年齢(全年齢対象)
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周辺機器
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GBA専用通信ケーブル対応
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配信
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バーチャルコンソール 【WiiU】2016年4月6日/702円(税8%込)
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備考
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スタフィー&スタピーの大きなキラキラシール付
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判定
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良作
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ポイント
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スタフィーの妹「スタピー」が初登場 やや鬱気味のストーリー トラウマ級のラスボス
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伝説のスタフィーシリーズリンク
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概要
『伝説のスタフィー』シリーズ第3作にして、GBA版最終作。
基本システムは前2作から大幅な変化はないものの、今回はスタフィーの妹「スタピー」も登場している。
物語
大きな海の空高くにある国テンカイは、2度にわたるスタフィーの奮闘によって強敵「オーグラ」がつぼに封印され、平和な日々にあった。
しかしある日、またも嵐に襲われ、そして聞こえる謎の声。同時に一筋の稲光が落ち、つぼは粉々に割れてしまった。
高笑いとともに逃げていくオーグラ。
スタフィーの父であるテンカイの王パパスタは、スタフィーとその親友キョロスケにオーグラを追うよう指示するも、2人は動揺して動けない。
だがそこへおてんばな子供が現れる。スタフィーの妹スタピーだった。
「ワルモノはやっつけに行かなあかんやんか」と2人をテンカイから突き落とす彼女。3人の旅が始まった。
(Wikipediaより引用)
システム
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前作同様のマリンアクション。前作に引き続き、一つのステージがいくつかに分割されている。
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今回は、スタフィーだけでなく妹のスタピーを操作して進める場面が登場している。1周目はギミックでの交代を除けばどこでどちらを使うかは固定だが、2周目以降は自由に切り替え可能になり、ステージもそれを前提に進めることになる。
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スタフィーは強力なスピンアタックを習得でき、2段ジャンプで機動力が高い。またりゅうせいアタックで真下に向けて強烈な一撃を放てる。
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スタピーはハイハイで狭いところに入れ、壁ジャンプで移動可能。ただし、スピンアタックは初期状態のまま強化されることはない。
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乗り物は4種類。旧作のきぐるみの他、せんすいかん、パカラ、ホッピングが登場。
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集めた「しんじゅ」で装備アイテムを購入し、スタフィーを着せ替えるシステムはそのまま登場。今回はスタフィーとスタピーそれぞれ個別にいじれる。
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ちなみに装備アイテムに制限は一切無いので、スタフィーの女装、スタピーの男装も可能である。
評価点
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前作以上にバリエーションに富んだマップの数々。
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今回は霧に満ちた謎の街、南国情緒あふれるジャングル、活火山など旧作以上に個性的なマップが多い。
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ギミックや登場する敵のバリエーションも多い。当然、いきもの図鑑のやりこみ要素は健在なのであちこち探して珍しい敵キャラを発見したい。
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ステージ総数は前作に比べやや減っているが、一つ一つのステージが長めになっているので体感的プレイ時間はあまり変わらない。
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新アクションを駆使して進むステージの構造もよく作り込まれている。
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また、今作では前作で谷を越えるためだけのアクションだった「りゅうせいアタック」の活躍の機会が増え、「りゅうせいアタック」のみでダメージを与えられるボスが登場したり、敵や頑丈なブロックを貫通し、ラスボスに対する唯一のダメージ源となる「りゅうせいアタック改」が登場するなど、大幅に改善された。
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前作はやや簡単すぎた感があるが、本作は多少難易度が上昇している。
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それでも、アクションゲーム全体で見れば概ね優しいレベルで、妥当な範囲で落ち着いたところ。
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2人のプレイヤーを入れ替えて進む形式故に兄妹で協力して進めている感が強く、スタフィーシリーズとしては新感覚。
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中盤以降はギミックの解除も2人で協力して行うので、うまく入れ替えながら進めることになる。
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前作までは1人プレイ専用だったミニゲームはいずれも対戦形式になっており、通信ケーブルを介して最大4人まで対戦できるように。さらに、ゲームキューブを用いて対戦することも可能。
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今回のストーリーは今までのどこかほんわかした雰囲気を覆す衝撃の展開を迎える。
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スタフィーシリーズでは初となる、明確な死者が発生している。それだけにインパクトも強く、兄妹の絆を描いていく演出もあり全体的なストーリーの完成度は高め。
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ただしコミカルな場面も今まで通り豊富なので、イメージが全く異なるわけではない。
賛否両論点
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クリア後は大型の真珠が大量に配置されるようになる。これによりお店での買い物が楽になる反面、真珠はライフ回復アイテムも兼ねているため多少厳しめなステージであっても真珠の回復によるゴリ押しが通用してしまう場面も多い。
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もっとも本シリーズ自体難易度はやや控えめなのもありゲームバランスに影響を及ぼすほどの要素ではないのだが。
問題点
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前作まであった「まほうセット」「リューン」に相当するシューティング形式の乗り物がなく、ややバリエーションに欠ける。
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「せんすいかん」は2周目から魚雷が撃てるようになるが、強制スクロールでもない上に登場する敵は2種とも攻撃的ではないためあまり魚雷の必要性はない。
暗い場所を照らし出すのがメインの役目であり、どちらかというと初代に登場したもぐらタンクに近い存在である。
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前作と同様、『1』では初期習得していたアクション「ムササビジャンプ」が初期状態では使用できない。
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ただし、前作では3ステージ目まで習得不可だったのに対し、今作では1ステージ目で教えてもらえるようになっているため、一応改善はされている。
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シリーズ最凶と称せられるラスボス「イーブル」。
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ストーリーにおいても、前作までの大ボスであったオーグラを従えるなど強大な存在として描かれているが、実際に戦う際も非常に手強い。
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そもそもラスボス三連戦の最初の相手であるオーグラ改の時点で前作までのオーグラを軽く上回る実力。パターン化出来ない分、イーブルよりキツイという意見もある。
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オーグラ改の強さについて(攻略法含むネタバレあり)
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攻撃パターンはひっかき、吸い込み、回転レーザーの3種だけとシンプルだが、ひっかきとレーザーの事故率が高い。
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ひっかきは画面外に手を飛ばしてから爪を開いて薙ぎ払う物。横に薙ぎ払うタイプは攻撃範囲が画面の半分ほどとかなり広く、そこそこ早いのもあって被弾しやすい。
場合によっては上半分を払う物と下半分を払う物が同時に来るため、すれ違うように避けることになる。
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吸い込みは画面中央にスタフィーを引き寄せる物。オーグラ改の目の上側にいけば吸い込まれずに済むので、対処は簡単。
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回転レーザーは時計の針のようにレーザーを回転させる。時折動きが逆になるのも含め、9面ボスの「ムーガ」の物と同様。
急な反転に被弾しやすく、後半では連発してくるのもあって、この攻撃で涙を呑んだプレイヤーも多数。
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ちなみに、オーグラ改の
体の下部分の先端が地面に付いている時
のレーザーは、画面上部の隅が
安置になる
。
こちらから狙えるものではないが、小ネタ程度に。
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そして、この攻撃を凌ぎながらオーグラ改の目にスピンアタックを15回(3回で1ダメージを5セット)当てなければならない。
2周目ではさらに強化され、撃破するのにスピンアタックを
25回
(5回で1ダメージを5セット)と一気に硬くなる。
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二戦目の相手はイーブルだが、この時点では最初のボスであるボンボーンより弱いと言われる程度。だぶるじゃんぷの使えないスタピーで挑むとちょうどいい難易度とも。
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ただし3のボスでは唯一、倒した際にスタフィーたちが息切れするシーンがなかったり、キョロスケにも「大したことない」と言われる辺り、開発側が意図的に弱くしている可能性が高い。
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が、その後真の姿を解放したイーブルと戦うことになるのだが、こちらは尋常ではなく強い。
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イーブルの極悪な強さについて(攻略法含むネタバレあり)
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ステージは左右に水場が配置された非常に縦長のステージ。
主に水中を動くことになるが、実際には空中、地上、水中あらゆるフィールドを駆使してイーブルと戦うことになる。
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まずイーブルは非常に固く、スピンアタックレベル3でも傷一つ付かない。
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ダメージを与えるには「りゅうせいアタック改」をぶちこむしかないのだが、ブースターを使ってスタフィーと同じ高度を維持しているため、上空から落ちないと使えないりゅうせいアタック改は通常状態では絶対に当たらない。
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腰にあるブースターを破壊してイーブルを落とす必要があるが、スピンアタックレベル3を2回当ててようやく壊れる。
しかも普段はイーブルの手が邪魔なので、イーブルが真横へパンチを撃ってくる瞬間ぐらいしかろくなチャンスはない。 無理に突っ込めば掴まれて投げ飛ばされる。ダメージは無いがピヨピヨになるので追撃が入りやすい。 それが左右両方にあるうえ、体力が減ると攻撃手段が増える(パンチの頻度が減る)ためさらに隙が少なくなる。 左右のブースターを壊し、上からりゅうせいアタック改を当ててようやく1ダメージ。これを5回繰り返す必要がある。
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攻撃パターンも非常に多彩。
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真横へのパンチをはじめ、手から雷弾をばら撒く、雑魚召喚、上空から火柱を落とすなど、実に多彩な攻撃パターンを持つ。しかも他のボス同様体力が減るとさらに攻撃が激しくなる。
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手からの雷弾は、勢いよく腕を振って弾を3発投げる物。スピンアタックで相殺はできるが、シンプルに弾が速い。体力が減ると両手で投げてくるため弾数が倍になる。
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召喚技は卵からスライムのような雑魚を呼び出し、スタフィーに纏わりつかせる。ダメージは無いが触れると動きがかなり遅くなる。
スピンアタック複数回で振りほどけるが、ひっつかれるタイミング次第では追撃必至。
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上空からの火柱は、画面外に移動しスタフィーめがけて火柱を落とすもの。照準と発射音でタイミングは分かりやすいので、スピンアタックレベル3かダッシュで横にかわす事。
ちなみに下に降りて歩くだけでも回避可能なので、イーブルの攻撃では圧倒的にぬるい。
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そして、イーブルの体力残り1、ブースターを片方破壊し残りにもダメージを与えた状態(つまりイーブルを本当の意味で追い詰めた状態)まで持ち込むと、最後の大技を解禁。
上空に離脱した後、
画面の横幅いっぱいの巨大な光の玉
を落として潰しに来る。 どう頑張っても回避不可能な代物だが、玉に順番に表示される15カ所のターゲットを全て攻撃することで叩き返すことが可能。 ただし、制限時間の関係上ほぼ1ミス=終了。要求される操作精度はシリーズ屈指。 しかも対処に失敗すると押し潰されて1ダメージ+
イーブルのブースターが直ってしまう
ので、この攻撃に対処できなければ勝ち目は無い。
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もちろんスタフィーの体力は他のボスと全く同じ5。ノーミスで追い詰めても終盤のラッシュで一気に削られることも多く、最後まで全く油断できない。
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ここまで読めばわかる通り、イーブル戦は集中力との戦いにもなる。今までのボス戦とは桁が違う長丁場の戦いになるため、余計に最後の光の玉が危険な攻撃になるのである。
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「任天堂のアクションゲーム史上最強のラスボスは?」という質問には間違いなく名前が挙がるレベルの強敵である。
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コイツの極悪さは、倒さないとゲームがクリアできない&一応子供向けなのにこの難易度という2点も大きいのだが。
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また、イーブルは別にしても、4面ボスの「ペンゴッド」、9面ボスの「ムーガ」も通常ステージボスにしては強すぎると言われることもある。
総評
GBAスタフィーシリーズの有終の美を飾るにふさわしい良作。
シナリオの完成度の高さに加えて、アクションとしてもキチンと作り込まれている。
ただし、本当に子供向けか疑うレベルで強いラスボスはいまだに語り草になっており、良くも悪くも本作を象徴する存在になっている。
余談
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『ワリオシリーズ』からワリオがゲスト出演している。しかもスタフィーに「りゅうせいアタック改」を伝授するという割と重要な役目。
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「ワリオぼうし」「メイドインワリオ」「ハナとヒゲセット」がきせかえのアクセサリーとして登場している。
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ちなみに、『メイド イン ワリオ』での本シリーズを題材にしたプチゲームは、全作品含め一度も登場していない。共演しているのに……
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7面では、初代にボスとして登場した「バンキロス」が再びボスとして登場する。
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全シリーズ皆勤の「ボンボーン」、GBAシリーズの宿敵「オーグラ」の2者を除けば、唯一ボスとして再登場したキャラクターである。
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本作のCMソングは後に中田ヤスタカプロデュースによりブレイクする事になるPerfumeが担当していて、時折ファンの間で話題になる事も。
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本作の公式サイトに『のりもの』というページがあるのだが、その中の一つ「せんすいかん」の画像で、何故か敵ではない
テンカイヘイシが魚雷で撃たれている
。
マップが暗くなっていないことも含め開発中の画像だったのだろうが、テンカイヘイシが的になっている理由は不明。
最終更新:2024年10月20日 18:46