ADVENTURE PLAYER
【あどべんちゃーぷれいやー】
| ジャンル | アドベンチャーゲームツール |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| 発売・開発元 | フロム・ソフトウェア | 
| 発売日 | 2005年6月30日 | 
| 定価 | 3,990円 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 着眼点だけは良かった 使いにくいにも程があるスタジオ
 ソフトだけでは単なる鑑賞ツール
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概要
PSPでは非常に珍しいコンストラクションツールで、ADV作成に主眼が置かれている。
またこれまでのコンシューマ向けコンストラクションツールと違いPCとの連動で作成する形式になっており、実際のゲーム開発のような気分も味わえる。
しかし、残念なことにツールとしての出来は良くない。
特徴
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単体ではADV鑑賞ツール
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三本の短編ADVがデフォルトで入っており、単独でも遊べないことはないがボリュームは無い。あくまで作成したADVをメモリースティックに入れてインストールして楽しむのが本番。
 
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作成ツールはPC
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これまでのコンストラクションツールの弱点である「ゲーム機の入力デバイスは遊ぶためのものであり、開発には向かない」という点をクリア。
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公式サイトから専用ツール「ADVPスタジオ」と「マテリアルビューア」をダウンロードすれば、誰でも開発スタッフ気分が味わえる。
 
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発売後のアップデートは「マテリアルビューアに対応しました」のみ。
問題点
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ADVPスタジオが非常に使いにくい
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PC上だけで遊ばれてゲーム本体が売れなくなることを警戒してか、PCではテストプレイさえ不可能。また何をするにも確認のダイアログがしつこく表示される。
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BGMやSEが専用のものしか使えないのはまだしも、一々マテリアルビューアでの確認が必要。
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画像のレイヤー表示不可。背景の上に人物画像を表示させる、ということも出来ないので「無人の背景」「人物Aを配置した背景」「人物Bを配置した背景」…と延々と準備する必要がある。また画像サイズもフルサイズと四分割サイズのみ。しかもJPEGしか使えないので、画質はどうしても悪くなりがち。
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テキストのみのノベル形式は(かなり入り組んだ使い方をしない限り)作成できない。
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前提として、フラグ管理やタグなどの開発知識がなければマトモなゲームは作成できない。この手のツールによくあるビギナー仕様は存在しない。
 
評価点
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自分の脳内にあるぼんやりした「ゲームのイメージ」を形にすることができる。
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実際公式に行われたコンテストでは逆転裁判的なADVなどさまざまなオリジナルゲームが集い、自由にダウンロードして楽しむことができた。
 
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またアップローダや仲間内のEメールなどでもゲームのやりとりができるので、交流の幅も広がる。
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ADVという形式からか一本当たりのデータ量も少なく、低用量メモリースティックでも相当な数を遊ぶことができる。
 
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UMDから読み込むのがSEやBGM程度だからか、ロード時間が非常に短い。
総評
制作ツールの土台をPCに置くことでPSP用のゲームを手軽に作って遊べるというふれこみであったが、肝心の専用ツールの使い勝手のあまりもの悪さのせいで、理想からはかなり遠くなってしまった。
この手のゲームは寿命が無く延々と遊べるにもかかわらず、早々に見限られたのかそのまま放置されてしまった。使いにくさを乗り越えて開発に没頭できれば、かなりの大作も作れはするだけに、ツールとしての作りこみがお粗末にすぎたのが非常にもったいない。
その後フロム・ソフトウェアのサイトリニューアルに伴い本作のサイトも消滅し、ADVPスタジオは入手不可能となっている。現在購入した場合、内蔵の三本しか遊べないという大きな欠点が存在するため、今から手に取る意義は皆無である。
余談
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公式には記されていないものの、実はPSPのWebブラウザを使えば「メモリースティック内のhtm/htmlファイル」を読み込むことができる。
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ネット上に星の数ほどある「ゲーム風ページ」の真似をして作成した自作ファイルを、メモリースティックに保存して読み込めば…。
 
最終更新:2018年08月24日 09:08