*イナズマイレブン3 世界への挑戦!! スパーク/ボンバー/ジ・オーガ
【いなずまいれぶんすりー せかいへのちょうせん すぱーく/ぼんばー/じ・おーが】
ジャンル
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収集・育成サッカーRPG
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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2048Mbit DSカード
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発売・開発元
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レベルファイブ
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発売日
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スパーク/ボンバー:2010年7月1日 ジ・オーガ:2010年12月16日
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定価
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各4,980円
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判定
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良作
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ポイント
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今度の舞台は世界 前作よりスケールダウンするがボリュームはさらにアップ 反面、スカウトとGP・TPの極端な調整が問題 悪化したシステムとゲームバランス
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イナズマイレブンシリーズリンク
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概要
「エイリア学園」との戦いが終わった数ヵ月後、
主人公・円堂守達はサッカー世界一を決める戦い「フットボールフロンティア・インターナショナル」に日本代表として挑戦する…
『ジ・オーガ』はあくまで劇場版を意識したバージョンであり、いわゆる完全版とは少々趣が異なる。
あらすじ
世界一を決める「フットボールフロンティア・インターナショナル」へチームを作るため招集された円堂たち。雷門中の一員、日本各地で出会った仲間たち、敵であったエイリア学園のメンバーや初めて出会う見知らぬ選手が集まりできたイナズマジャパンが結成された。
久遠道也監督の下、イナズマジャパンが世界に挑む!
特徴・評価点
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世界大会に特化したシナリオ
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過去2作以上に相手選手もスポットが当たり、試合以外の部分でもストーリーに絡む他、時によっては共闘までするなど良きライバルとして強く描かれている。
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大会を巡る陰謀などもありつつ、やはり大会をメインとしたシナリオとなっている。
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初期シリーズの最終作なだけあって集大成とも言える面も多い
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プレイヤーのチームであるイナズマジャパンは、円堂などの主要メンバーや小暮などの『2』で仲間になったメンバー、ヒロトや不動といった敵として戦った選手などオールスターと言える程の選手が集まっている。
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瞳子とは別の方向性でクールな監督・久遠や新たなヒロイン冬花といった日本側の新キャラクターも多い。
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また決勝戦の相手となるとなるラスボスのチームはある意味でラストにふさわしい人物が監督を務めており、メンバーもこれまで仲間になったキャラクター達をモデルにしている。
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世界大会をモチーフとした国際色豊かな選手たち
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各国代表のユニフォームは実際にW杯や五輪で使われるものをアレンジしたもの。
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必殺技のネタも豊富になり、オーストラリアの選手が使う「グレートバリアリーフ」、イタリアチームが使う「カテナチオカウンター」などその国ならではのものが登場。
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実際に世界を旅する訳ではないが、本戦の舞台となるライオコット島は本戦出場国の街並みを再現しており疑似的に世界を旅することが出来る。
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もちろん各国の選手もスカウト可能。作成するチームに個性が増した。
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本編ではリーグの関係で登場しなかった国の選手もスカウトできる。
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過去作選手の説明文も一新。特に御影専農の説明文は洗脳が解けた『2』でも洗脳されたままの説明文であったため評価が高い。
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前回ゲスト出演した「ヒデナカタ」こと中田英寿は所属していたローマのクラブチームをリスペクトし、イタリア代表キャプテンとしてストーリーにも出演する。ちなみにCMにも出演していた。
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もちろんスカウトも可能、相変わらず難易度は高いが。
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そして、『1』は神を自称するドーピング選手、『2』は宇宙人を自称する強化兵士が登場したが、今作は天使、悪魔、未来人、そして魔王が登場する。
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必殺技の進化具合が試合中に表記されるようになった
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「改」や「G2」まで進化した技を試合中に使用すると赤文字で表記されるようになった。
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最終進化までさせると「真」や「G5」の文字が青文字になる。
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技の性能として「シュートチェイン」が追加
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シュートをシュート技で繋げて威力を上げるというもの。ただしパス扱いなのかオフサイドを取られることがある。
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新システムとして「必殺タクティクス」が追加
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チーム共有のTTPを消費して複数人で行う必殺技。
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技によって自陣か敵陣かで使える場所が異なる。中にはコーナーキックからそのままゴールを狙う技も。
賛否両論点
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増えすぎたスカウトキャラ
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前述の通りキャラの総数がかなり増えたにもかかわらず、仲間にできるのは前作と変わらず100人までである。
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しかも、ストーリー上外すことのできないキャラが増えたため、自由に仲間にできる選手の数は前作よりも減ってしまっている。
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さらに、そのキャラの大半は強力な選手と言い難いため、ガチ対戦をするなら枠は更に減ってしまう。対戦抜きにしても、単純に自分の好きなキャラを集めてるだけですぐに枠が埋まってしまう。
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『ジ・オーガ』では、外せないキャラがさらに三人も増えている。うち二人は任意加入なので無視することも可能だが、残る一人は追加シナリオを進める上で必ず仲間にしなければならない。
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この枠の少なさが後述するガチャスカウト、2→3スーパーリンクと相性がとても悪い。
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GP・TPに関するやや極端な調整
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GP・TPの最大値が前作と比べ大幅に減少し、また消費量が上がった為バーニングフェーズやアイテム(一試合につき3回まで)を使うタイミング、選手交代などの工夫が必要になった。
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前作までと違ってGPは少ない選手やストーリーだとポジションによっては前半で切れる、TPは好きな様に必殺技を連発しづらくなり、選手と技の組み合わせによっては1回しか使えない、なんてこともあり不満はあった。
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ただしストーリーではアイテムの使用制限が無いためお金さえ稼げば問題はなくなる。
問題点
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強力過ぎる一部のスキルと必殺タクティクス
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スキル「ぞくせいきょうか」はなんとコマンドバトル時、属性が有利な場合テクニック値が2.5倍になる。
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このようなチート性能であるため大会上位者はほぼ全選手に覚えさせているプレイヤーがほとんどだった。 ちなみに前作では1.1倍だったため、非常に極端な調整といえる。
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ただし、無条件で発動するスキルではないため属性を意識したプレイングが重要になること、多少弱くとも倍率にものを言わせて好きな選手を採用できるなどから、好意的なプレイヤーも少なくはなかった。
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必殺タクティクスでは敵陣に7人で上がりGK以外の敵選手を行動不能にする「アマゾンリバーウェーブ」、自陣に入ったボールを奪ってゴールライン付近まで8人で上がる「サークルプレードライブ」等のバランスブレイカーな技が存在する。
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つまり「敵陣ペナルティエリア内まで攻めたのに気付いたら8人が自陣のゴール前まで攻め込んでいた」なんてこともある。
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後半のスペシャル対戦ルート内では「サークルプレードライブ」を使う相手が非常に多く、なかなか得点できない。
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使いにくすぎる新機能、シュートチェイン
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本作から追加されたテクニック、「シュートチェイン」。特定の技を持った選手がシュートレンジ内にいると、味方のシュートを後押しするようにシュート技を重ねて撃てるというものであるが、再度ボールに触れるためかオフサイドラインを越えているとオフサイド判定を出されてしまう。当然と言えば当然だが、せっかく高いTPを使ってもシュートがチャラになってしまう。チェインする前にオフサイドラインを割っているか表示されないのも不親切なところ。
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では、この使いにくさに見合ったロマン砲的な威力があるかと言うと微妙。それどころか、半端に弱い技でシュートチェインするとチェイン前より威力が落ちる。
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ストーリーでの試合中のイベント
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一部の試合では試合開始後いきなりボールを奪われ数秒(ゲーム中では2~3分)で失点してしまう。大ボスだけならまだしも、この失点イベントはかなりの試合で挿入される。
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ラスボス戦も自軍からスタートするのだがボールを奪われる描写すら無く、いきなり相手にシュートを打たれ0分で失点するアニメが挿入される。理不尽を通り越して笑うしかない。
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アジア予選決勝での対韓国戦は、お互いに新必殺技のお披露目を兼ねた強制得点、強制失点の応酬といった展開になっており、特にテンポが悪い。本作発売前に日野氏が雑誌インタビューで「韓国戦は本作でも特に盛り上がる」といった内容の発言をしていたのもあってか特に評価が低い。
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ゲーム本編がアニメのシナリオに影響を受け過ぎている故の問題点でもある。
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スカウトシステムの更なる劣化
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『2』同様一度エンカウントしたことのあるキャラしかスカウト出来ないことに加え、ゲーム内ガチャで引き当てなければならないという効率の悪いものになってしまった。
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ストーリーとスカウトシステムの矛盾
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代表入りに対して苦労する、あるいは努力しても選ばれなかったキャラの描写があるのだが、それとは関係なしに一般キャラは加入する。収集要素のあるゲームであるため仕方のない事ではあるが「あのキャラクターを差し置いて一般キャラを入れるのは気が引ける」という意見もある。
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ただせっかくスカウトしてもストーリー上の試合では特定のキャラがいなければならず、あまり活躍の場が無い。また前2作とは違い最初から16人揃っているので「メンバーが足りないからスカウトしよう」とはならず、スカウトシステムが人によっては使うことのないものとなってしまうことも。