梨汁アクション! ふなっしーの愉快なおはなっしー
【なしじるあくしょん ふなっしーのゆかいなおはなっしー】
ジャンル
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梨汁アクション
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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メディア
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3DSカード/DL
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発売元
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サクセス
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開発元
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セブンスコード
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発売日
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2015年4月30日
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定価
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4,800円(+税)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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セーブデータ
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1個
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判定
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なし
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ポイント
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ふなっしー版ワギャンランド ゲームバランス調整が雑
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概要
船橋市のマスコットで梨の妖精である「ふなっしー」を題材とした横スクロール式アクション。
倒せない敵を気絶させて足場にしたり、ボスとミニゲームで対決する等『ワギャンランド』のオマージュとみられる部分が多い。
あらすじ
リフレッシュのために妖精界に戻ったふなっしー。しかし、妖精界を統べる「なしがみさま」が魔女に拉致されてしまった。
時空を超えて逃げ回る魔女を追いかける先々、魔女の被害者である奇々怪々な人物と出会い共に戦うことになる。
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ステージ構造
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7,8程度のステージから構成されるエリアが5つ用意されている。
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「なしがみさま」が道しるべにと落としていった「なし」を拾いつつ、制限時間内に右へ右へと進んだ先にあるゴールにたどり着くことが目的。
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ゴールにたどり着けばそのステージはクリアとなり、次のステージへと挑戦できる。ステージを全制覇すると次のエリアが解放される。
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ステージをクリアすると自動的にセーブされる。
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ふなっしーのとれる行動
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Bでジャンプできる。長押しで飛距離を若干調整できるほか、空中でさらに押し続けることでヘドバンしながら滞空できる。
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Aで向いている方向に「梨汁ブッシャー!」攻撃を仕掛ける。
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梨汁は敵を倒すことはできないが、浴びせた敵を一定時間気絶させる。
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この間触れてもミスにならないほか足場としても使える。
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気絶している敵にさらに梨汁を浴びせると、気絶から回復するまでの時間を延長できる。
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敵のタイプ
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亀:足場を左右にゆっくり徘徊する。接触した梨を破壊するタイプが存在する。
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鳥:空中をゆっくり上下に移動する。
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蛙:一定の周期で飛び跳ねる。左右には移動しない。
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犬:こちらに気付くとふなっしーと同程度の足の速さで寄ってくる。
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エリアが変わると、カラーリングが変化するが能力は据え置き。
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その他ギミック
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ステージには局所的に強風が吹いていることがある。
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横風だとそのまま立っていても横に流される。上下の風だとジャンプした時の飛距離に影響がある。
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乗ると一定時間後に落下する足場もある。
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点数
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落ちている梨(1個=100点、3個=1000点)、ゴールした時の残り時間(100点/秒)でポイントを計算する。
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新記録が出ると教えてくれる。
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ミスとリスタートについて
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ふなっしーに体力の概念は存在せず、基本は一発アウト形式。穴に落ちると1ミス。出会う敵に触れても1ミス。
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桃を拾うと虹色のオーラを身にまとい、1回だけは敵に触れてもミスにならなくなる。(この状態で穴に落ちたらミスとなる。)
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ペットボトルがおいてある所はチェックポイントであり、ここを通過するとミスした際のリスタート地点にできる。
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1ステージで4回までミスできる。4ミスするとステージをあきらめるか、ステージの最初からやり直しするかの選択を迫られる。
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ミニゲーム
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魔女のマークが書かれているエリアの中間点や最終点のステージでは魔女とミニゲーム対決することになる。
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対決方式は、アクションとは打って変わってボタン操作によるミニゲームによるもの。どのお題で対決するかはルーレットで決定する。
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ゲーム終盤になると難易度が若干上昇する。
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お題
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全5種類。
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焼けたかな? 焼肉あわせ
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トランプゲームの神経衰弱とルールが似ている。
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ふなっしーと魔女がターン制で、金網の上で焼かれる12枚の焼肉をひっくり返し、神経衰弱の要領で絵柄が揃ったら得点。得点したらつづけてめくることができる。
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焼肉の焼け加減が絵柄の役割を担っている。絵柄の種類は「全く焼けていない」から「炭化寸前」までの4段階。
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ターン経過によって、肉が燃え尽きたり焼け具合が一段階進んだりする。
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梨拳! かわらブレイク
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ぶんしーん! ゴールキーパー
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いずれもタイミングよくAボタンを押すゲーム。かわらブレイクでは、拳で割れる瓦の枚数に影響しこの枚数を魔女と競うことになる。ゴールキーパーでは魔女のシュートを止められるか否かに影響する。
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スマッシュ! 梨ころがし
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「なし」をパックにして、魔女とエアホッケーで対決する。先に何点取れるか競う。
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マレットはスライドパッドで左右にのみ動かせる。
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GO! GO! ふなっしーカート
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加速するにはAボタン連打。減速するにはBボタンは長押し。
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魔女が水袋を投げて妨害してくるので、速度調節しながら時間内にゴールを目指すことが目的。
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おまけ要素
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EXステージ
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クリア後に各エリアに1つずつ設置される(計5つ)。ただし、そのエリアに隠されている「なしコイン」をすべて集めないと挑戦することが出来ない。
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「なしコイン」は各ステージに3個ずつ隠されている。
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EXステージの難易度は配置されたエリアにある他のステージと同程度。
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ゲームセンター
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魔女との対決のミニゲームをプレイできる。
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「ラクラク」「ホドホド」「ゲキムズ」の難易度が用意されている(ゲキムズはゲーム本編では遊べない)。
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難易度が上がると、クリアのためのノルマが厳しくなる、勝負回数が増えるといった変化がある。
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クリアしたことのある最高難易度がスタンプで表示される。なお本編でクリアしたかどうかは反映されない。
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ふなっしーメモ
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特定のステージをクリアすると、船橋市の名所や特産品、家庭の味といったPR情報が閲覧できるようになる。
問題点
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アクションゲームとしてはかなりワンパターン
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アクションらしいアクションが「ジャンプ」、敵を気絶させるための「梨汁ブッシャー!」以外に存在しない。嫌でも倒せない敵にぶつからないように、足場から落ちないようにジャンプする、というワンパターンなゲームになる。
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20年以上前の『ワギャンランド』と似ているところが多いが、ふなっしーができることはワギャンよりも少ない。
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強引なマップ配置
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難易度を低くしないためなのか、足場や敵の配置が全体的に厭らしい。エリア3以降顕著になる。
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ふなっしーの攻撃の死角である頭上、または斜め下の範囲に敵がちょうどぶつかるように配置されていることが多い。
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ロングジャンプしなくてはならない場所で空を飛ぶ敵がいたり、ふなっしーがギリギリ2人分入れるような狭い足場の上を敵が闊歩したりする。
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風が強力でふなっしーが流されやすい。敵の方は全く風の影響を受けないため、上述のような空の敵・狭い足場の敵がいるところに横風から煽られるだけで難易度が激増する。
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ゲーム中盤のエリア3ステージ6、エリア3ステージ9はこれらの特徴が頻繁に登場し、ゲーム全体を考慮しても難易度が異様に高い。
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空中を浮遊する足場が動く向きを変える際に減速しない。また移動範囲が変に広いこともあり軌道が読みづらいことも。
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カメラの範囲はふなっしーの周囲を映せるように固定されているので、行く先の足場や敵の様子を下見できない。
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ふなっしーのセリフに平仮名が多すぎる
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ふなっしーの独特な喋り方を再現するための演出だと思われるが、ふなっしーのセリフはほとんど漢字が使われない。物語の頻出ワードとして「ふなばし(船橋)」「はし(橋)」「なっしー(語尾)」があるためやや読みづらい。
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オリジナルキャラのデザイン
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アンデルセン童話、グリム童話をどこかマヌケに改変したキャラが、船橋市の名所をメルヘンチックに改変した舞台に登場する。
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「まじょ」という本作オリジナルの敵キャラが全編に渡って活躍してくるが、いまいち世界観になじめていない。船橋市とも、ふなっしーの故郷の妖精世界からも逸脱したキャラ設定なうえ、とくに出自が明らかになるわけでもない。
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ある意味、このハチャメチャさがふなっしーらしさともいえるかもしれないが。
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ボリュームがいまいち値段不相応
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アクションができるステージは40程度は用意こそされているのだが変化がない。
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終盤になるにつれ敵や足場の配置が多少いやらしくなっていく程度であり、敵の強さやふなっしーの出来るアクションが増えていくといったことがない。
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EXステージもまわりのステージと特に難易度が変わらない。解放条件のコインも少し寄り道すれば見つけられるため、開放した、クリアしたからといって特に達成感がない。
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身もふたもないことかもしれないが、ミニゲームの内容もいちいちゲームに収録してまでプレイさせる必要があったものなのかは疑問。特に操作性にオリジナリティがあるわけでもないしルールも薄い。下手をするとFCに収録されたミニゲームにすら劣る可能性もある。
評価点
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ふなっしーのキャラゲーとして
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シナリオ中はボイスなしだが、アクションパート中のふなっしーは、非常にハイテンションに叫びまわってくれる。
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背中のチャックから水分補給する、滞空するためのアクションとしてヘドバンするなど、ファンをニヤリとさせる原作再現的な演出もある。
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日本テレビ系列の『うわっ! ダマされた大賞』でふなっしーが爆破ドッキリにかかった、という出来事をわざわざ日本テレビに協力を仰いで再現してくれている。
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HPで閲覧できるレベルの内容ではあるが、船橋市のトリビアをまとめたゲームとしては多少のオリジナリティは発揮できている。
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基本的な部分
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一応、アクションとしての根底部分はしっかりしている。
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プレイするうえで色々と不便で殺風景なところは多いが、「走る」「跳ぶ」「梨汁ブッシャー!」を駆使したアクションと見れば、ふなっしーの設定をきちんと守った上でのゲーム化とは言える。
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梨汁ブッシャーをしている時、ダメージを受けた時のボイスもご本人によるもの。
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ふなっしーの移動に合わせて背景もきちんと動く。背景のうち遠い物体ほどゆっくり、近い物体ほど早く動くところは細かいといえる。
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ミニゲーム時にアニメ演出はしっかりつくってある。
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シナリオをいつでも見返す機能がある。
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ほんの一工夫かもしれないが、クリア後にありがちな一気にゲームがさびしくなるという事態を和らげてはいる。
総評
ワギャンランドからの劣化が多い殺風景なアクション、勢いだけですぐに終了してしまうシナリオ等、とにかくゲームとしての問題は多い。ふなっしーのハイテンションが拝める、ということ事体がキャラゲーとしては最大の長所なのかもしれない。総じて全体としてなんとか商品としては成立しているといったところか。
余談
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2015年の発売から4年経ち、ふなっしーが日刊ゲンダイの「あの人はこうしている」に登場。テレビに呼ばれないのではなく、自分から引いたとなっている。
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また、「船橋市非公認キャラクター」だったが、市の発行物にノーギャラで登場する等、テレビから離れても活躍している。
最終更新:2022年05月07日 09:40