ヒューマン・リソース・マシーン

【ひゅーまん りそーす ましーん】

ジャンル パズル
対応機種 Windows/MAC OS/Linux(Steam)
iOS
Android
Nintendo Switch
Wii U(海外のみ)
開発元 Tomorrow Corporation
販売元 【Windows/MAC OS/Linux/Android/Wii U】Tomorrow Corporation
【iOS】Experimental Gameplay Group
【Switch】フライハイワークス
発売日 【Windows/MAC OS/Linux】2015年10月15日
【iOS】2016年6月1日
【Android】2016年12月1日
【Switchダウンロード版】2017年6月8日
【Switchパッケージ版】2020年3月12日
【Wii U】2015年10月29日
定価 【Windows/MAC OS/Linux】1,520円
【iOS】610円
【Android】550円
【Switchダウンロード版】1,000円
【Switchパッケージ版】6,600円
判定 良作
備考 Switchのパッケージ版は本作と続編
セブン・ビリオン・ヒューマンズ』及びガイドブック、サントラ付きのセット
ポイント プログラムでキャラを動かし、課題のクリアを目指すパズルゲーム


概要

プログラムに沿って動くキャラクターを利用し、与えられた課題の達成を目指すステージクリアタイプのパズルゲーム。
プログラムといっても実際にプログラムを書くわけではなく、用意された命令を組み合わせることでプログラムを構成していく。
課題としては「乗算」「除算」「排他的論理和」「ヌル終端文字」「素因数分解」等のある意味プログラムにおいて重要なものも用意されている。
本作は、第13回IMGAにおいて「Excellence in Innovation賞」を受賞した。また、2018年には事実上の続編である『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』が発売されている。

特徴

  • ステージごとに決められた課題を達成することでステージクリアとなる。
    • ステージは基本的に一本道であり、前のステージをクリアすることで次のステージに挑戦出来るようになる。なお、クリアしたステージは何度も挑戦可能。
      • 途中、いくつか分岐があり高難易度ステージに挑戦できる。高難易度ステージはクリアしなくても問題はない。
  • 各ステージには箱を運ぶためのキャラクターと、左右それぞれにコンベアが設置されている。左が入力値となる箱を運んでくるコンベアで、右は出力値となる箱を運ぶコンベアであり、キャラクターに入力値となる箱に一定の処理を施させた上で、課題で求められる出力値を右のコンベアに運ぶことが目標となる。
  • とはいえ、プレイヤーはキャラクターを直接操作するわけではなく、キャラクターがどのように動くかの命令を与えることしかできない。
    • 命令についても「現在の入力値を取得する」「現在持っている箱を出力する」といったシンプルなものであり、シンプルな命令を組み合わせて課題の達成を目指すことになる。
    • 肝心の命令もゲーム進行に応じて徐々に追加されていくスタイル。なお、命令についてもリアルタイムで与えていくわけではなく、最初に命令を組んで、開始した後は一切変更等ができないシステム。
  • 全ての入力値を正しく処理した上で右のコンベアに運べばステージクリアとなる。
    • ただし、入力値は毎回ある程度ランダムで選ばれるが、特定の入力値が選ばれた際に正しく動作しない命令を書いた場合は、その旨が指摘され失敗となる(その直後の入力データとしては当該正しく動作しない入力値が必ず選ばれる)。
      • なお、いわゆる永久ループの形の命令を指定した場合でも、入力値がなくなった時点で終了してくれるため、この点はエラーにはならない。
    • 誤った数値を出力してしまった場合や、出力すべき値を出力しなかった場合、その他命令動作の上でエラーを出した場合にはやはりその旨が指摘され失敗となる。
    • ある程度ステージクリアすると、命令の行数、ステップ数がそれぞれ評価されるようになり、目標値も表示される。
      • 目標値の達成は必須ではないが、ステージ毎に達成の有無は表示される。
      • 命令の行数やステップ数そのものの制約は一切ないが、目標値を目指そうとするとかなり高い発想力を要求される。なお、命令の行数とステップ数はそれぞれ両立することもあるが、両立しない場合はそれぞれのパターンの命令を作って達成する必要がある。
  • 最序盤のステージを除けば中央には一時的に箱を置くことができるカーペットが用意されている。
    • カーペットのスペースは問題毎に決められており、いくらでも箱を置いておけるわけではないが、カーペットの数の制約が問題になることは基本的にない。
    • 数値の四則演算等もカーペットに置かれた数を使わないと行えないのでどのようにカーペットに数値を置くかが重要になる。
  • 命令の作成中に上司を選択することで入力値の例とそれに対応する出力値の情報をもらうことが出来る。
    • 解法の一例と表記されるが、直接的なヒントがもらえるわけではない。
  • 作中のプロローグならびにエピローグ・各種閑話はダーク&コミカル調なディストピア(管理社会)として描かれている。
    • ある程度コンピュータに詳しい人なら既に気付いているかもしれないが、本作でやっているのは「コンピュータの初歩的な演算をわざわざ人間に実行させている」という荒唐無稽なものである。明らかにおかしい状況を世界観で保管した秀逸なフレーバーとなっている。

命令の一覧

  • inbox
    • 画面左のコンベアの先頭にある箱を手に持つ。
  • outbox
    • 画面右のコンベアに、手に持っている箱を置く。この命令を実行した後は手持ちの箱はなくなる。
  • copyfrom
    • 指定した番号のカーペットにある箱を手に持つ。カーペットにある箱はなくならない。
  • copyto
    • 指定した番号のカーペットに、手に持っている箱をコピーする。手に持っている箱はなくならない。
  • add
    • 手持ちの箱のデータと、指定した番号のカーペットにある箱のデータを加算し、結果を手持ちの箱のデータに上書きする。
  • sub
    • 手持ちの箱のデータから、指定した番号のカーペットにある箱のデータを減算し、結果を手持ちの箱のデータに上書きする。
  • bump+
    • 指定した番号のカーペットの箱の数値を1加算し、その数値のデータを手持ちの箱のデータに上書きする。
  • bump-
    • 指定した番号のカーペットの箱の数値を1減算し、その数値のデータを手持ちの箱のデータに上書きする。
  • jump
    • プログラムの指定した行数に無条件でジャンプする。
  • jump if zero
    • 手持ちの箱のデータが0であれば、指定した行数にジャンプする。
  • jump if negative
    • 手持ちの箱のデータが負数であれば、指定した行数にジャンプする。

評価点

  • プログラム初心者向けのグラフィカルな動作
    • キャラクターが命令によって動くことで、数値がどのように変化するかといったことが理解しやすい。
    • いわゆる一時メモリに相当するカーペットの数値もリアルタイムで確認出来るため、計算の過程も分かりやすい。
    • 実行中の命令はリアルタイムで確認でき、更にステップ実行で、1ステップ単位で戻すことも出来るので、想定外の結果が出た際にステップを戻すことで誤りの原因も分かりやすい。
      • また誤りが出た際にはどのように誤ったか説明されるため皆目見当が付かないという事態にはなりにくい。
    • ゲームそのものの評価というわけではないが、プログラム初心者がプログラムを学ぶという意味ではかなり分かりやすいものとなっている。
  • 上級者向けの行数目標、ステップ目標がある
    • クリアするだけなら達成しなくても問題ないが、行数目標とステップ目標があり、この目標を達成しようとするとプログラムの知識やひらめきが問われることとなる。
      • 目に見えて判断がしやすい行数目標と比べ、ステップ目標はかなり難しく、いかにして高速化するかをしっかり考えることが求められる。

問題点

  • 詰んだ時の救済策はない
    • 本作はステージ構成が一本道であり、ステージスキップ等は出来ないため、ステージがクリア出来ない場合には文字通り詰みとなってしまう。
    • 基本的にゲーム内でヒントが得られることもなく、上司に話を聞いても基本的には攻略に関係ない話ばかりである。
    • 論理的な思考力が求められるため、当てずっぽうでクリアするということは難しい。ひらめきさえあればクリアできることもあるが、少なくとも適当にやってクリアというのはまず見込めない。

総評

プログラムをテーマにしてはいるが、使える命令はシンプルであるためプログラムの知識がない人でも少し遊べば十分ルールは理解できる。
記述したプログラムがどのような動きをするかもキャラクターによって表現されるので、初学者のプログラム学習にも利用できなくないし、誤りが生じた際もその原因を分かりやすく教えてくれるため、修正がしやすい。
クリアは難しくない、という上級者であればどのようにすれば更に効率化を図れるか考えることで長く遊ぶことが出来るだろう。

余談

  • 2018年に本作の続編ともいうべき『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』がPCとSwitchでリリースされている。
    • 一応、続編というポジションだが、こちらは単純な命令で課題のクリアを目指すのに対し、『セブン・ビリオン・ヒューマンズ』は命令が高度化しており並列処理がテーマになっているため、ゲーム性には結構な違いがある。
    • 2020年3月12日に続編を含めたパッケージ版『ヒューマン・リソース・マシーン デラックス「初めてのぷろぐらみんぐ入門セット」』が発売された。
      • パッケージ版には解説本とサントラが付属している。
  • 本作のサウンドトラックはTomorrow Corporationのウェブサイトで無料で聞くことが可能である。

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最終更新:2024年01月03日 10:08