スペースインベーダーズ 復活の日
【すぺーすいんべーだーず ふっかつのひ】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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PCエンジン
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メディア
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2MbitHuカード
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発売元
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タイトー
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発売日
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1990年3月3日
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定価
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5,900円
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配信
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バーチャルコンソール(終了) 【Wii】2008年12月2日/600Wiiポイント
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判定
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なし
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ポイント
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元祖移植(本家)+アレンジ収録(分家)の豪華版 なかなか頑張っている新生インベーダー(分家) クリアへの道はアイテム次第? (分家)
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スペースインベーダーシリーズ
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概要
1990年にタイトーからPCエンジンにてリリースされた『スペースインベーダー』関連作品の一つ。
説明不要の超ヒット作である元祖の移植に加え、同年にアーケードにてリリースされた『マジェスティックトゥエルブ』をベースとしたPCE限定の新規アレンジ『スペースインベーダーPLUS』の二本立て収録となっている。
ゲームタイトルにおいて、元祖は「本家」、アレンジ版は「分家」と表示されている。
一人プレイ専用と本家は原作同様にエンドレスループ制、分家は全7話で各話は複数のパートに分けられている。
主なルール
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本家に関しては原作と全く同じなので、ここでは省略させて頂く。ちなみに二つあるボタンは両者共にショットに使用する(どっちのボタンでも効果は同じ)
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通常はカラーバージョンのみしかプレイできないが、裏技で白黒バージョンでのプレイも可能。
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分家に関する操作は、十字キー左右で自機の左右移動、ボタンは各自、ショットボタンとアイテムボタンに使用する。アイテムボタン以外の操作方法は原作と全く変わっていない。
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ショットは原作同様、直進型ショットを画面内に一発しか撃てない。しかし、原作に比べるとショットの隙が大幅に軽減されている影響で速くショットが撃てるようになっている。
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特定のアイテム(下記)を取得しエネルギーがある状態でアイテムボタンを押すと、強力なウエポンを放つ事ができる。どのウエポンにもエネルギーに限りがあり、それが尽きると使用できなくなる。
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通常はショットボタンは手動で押さなければいけないが、とある裏技を使用すればボタン押しっぱなしのオート発射ができる。もちろん連射パッドを使用すれば同等のオート発射となる。
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基本的なルールは原作と全く同じで、画面内にいるインベーダーを倒せば次のパートに進み、すべてのパートを終わらせればその面はクリアとなる。第3話まではパート3、第4話からはパート4まである。また、こちらのショットを敵弾を相殺させる事ができるのも原作同様である。
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このゲームは分岐制を採用しており、同じ面でも進み方によっては別の構造になる仕組みとなっている。分岐条件は前の面のスコアを奇数か偶数かのどちらかでクリアするかによって決まる。但し、第一話と最終話に関しては完全に固定されており、どのルートで進もうが最終話は同じである。
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分岐詳細
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第一話
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反撃
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奇数
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偶数
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第二話
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星の叫び
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月面の死闘
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奇数
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偶数
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奇数
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偶数
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第三話
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木星の引力
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土星の月
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ここはどこ?
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奇数
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偶数
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奇数
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偶数
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奇数
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偶数
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第四話
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苦戦
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銀河の腕
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太陽の兄弟
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大海戦
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奇数
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偶数
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奇数
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偶数
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奇数
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偶数
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奇数
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偶数
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第五話
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未知の惑星
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激戦区
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黒い星
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未知の惑星
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激戦区
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奇数
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偶数
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奇数
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偶数
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奇数
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偶数
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第六話
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瞳の中の宇宙
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戦友の歌
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瞳の中の宇宙
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戦友の歌
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最終話
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決戦!
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面によっては自機が「AIT-50特殊戦車(以下戦車)」「AIF-73CA戦闘機(以下戦闘機)」のどちらかの操作となる。機体セレクトは一切できない。両者のショットはほぼ同性能だが戦車のほうが弾の横幅が広いため命中させやすく戦闘機の弾は幅が狭いので敵の間を素通りしやすい。また一部下記の入手できるアイテムに相違がある。
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特定のパターンを満たすと出現する、画面上部にて左右に飛来するUFOを破壊すればアイテム出現のチャンスとなる。但し、UFOの中央部にショットを当てないと、UFOが破壊されるだけでアイテムを落とさないので要注意。以下その詳細。
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詳細
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名称
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装備
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詳細
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バスター・レーザー1(BL1)
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戦車
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自機真上に貫通性のある直進型レーザーを放ち、ボタン押しっぱなしでレーザーを撃ちっぱなしにできる(もちろんその間もエネルギーは消費され続ける)
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バスター・レーザー2(BL2)
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戦闘機
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BL1と同じ効果だが、こちらはキー左右でレーザーの向きを変更できる。
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スーパー・イナズマ・アタック(S.I.A)
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戦闘機
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自機真上に戦闘機が体当たりし、触れた敵をすべて破壊する。1回使用する度にエネルギー40消費(5回使用可能)。
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ホーミング・ビーム(H-BEAM)
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共通
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敵にサイトが表示され、標的を確実に仕留めるビームを放つ。サイト表示の敵を破壊した場合は別の敵にサイトが移行する。1回使用する度にエネルギー10消費(20回使用可能)。
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ファイアー・フラワー・レーザー(FFL)
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共通
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自機前方に貫通レーザーが放たれた後にシャワー状にて画面広範囲にレーザーが下に降り注ぐ。1回使用する度にエネルギー全消費(1回使用可能)。
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ハイパー・レーザー(H-L)
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共通
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横一列にいるすべての敵を同時破壊する。1回使用する度にエネルギー100消費(2回使用可能)。
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リカバー・シールド(RECOVER-S)
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共通
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シールドのストックが2増える。
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ハイパー・シールド(H.SHIELD)
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共通
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自動的にエネルギーが消費され、その間は自機が完全無敵となる。敵の体当たりも防ぐ。
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タイムストップ(T-STOP)
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共通
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自動的にエネルギーが消費され、その間は敵、及び敵弾の動きが停止する。
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RECOVER-S以外のアイテムのエネルギー数はすべて200で固定されている。また、特殊ウエポンにてUFOを破壊すると、そのウエポンと同じアイテムが出現、取るとエネルギー数が200にリセットされる(200が上乗せされる事はない)と説明書に記載されているが実際にこれができるのはBL1とBL2のみで、FFLはUFOに届かない、H-BEAMはUFOが攻撃の対象にならない、H-LはUFOをすり抜けてしまう、S.I.AはちゃんとUFOに当たるものの他のアイテムが出てしまうこともある、となっていて偶然同じものが出る以外では補充はできない。
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自機にはシールドが搭載されており、初期シールド数は2(最大は9)、残機数は4となっている。各面をクリアするとシールドは1、残機は2のストックが上乗せされるボーナスがある。また、特殊ウエポンを残したままでラウンドクリアしても、次の面にウエポンは一切引き継がれない。
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敵弾ダメージをもらうと自機のシールドが1消費され、シールドが0の状態でダメージをもらうとミスとなる。また、インベーダーが自機と同じ位置の最下部に侵略し、自機に体当たりされても1ダメージをもらうが、即死ミスにはならない。
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原作にあったトーチカは本作には存在しないが、ラウンドによってはそれに近い存在の障害物(自機や敵弾を消す)が存在する。また、自機の視覚が遮られ意図的に視野が見え辛くなるラウンドも存在する。
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一応はライフ+残機制だが、本作は少々残機の存在が特殊である。
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自機がミスしてしまうと画面移行後に「再出撃」か「退却」のどちらかの選択が迫られる。「再出撃」を選ぶと残機数が1消費され、ミスした面のミスしたパートからの再戦が可能で、「退却」を選ぶとゲームオーバーとなる。この画面表示は実質のコンティニューであり、残機数と銘打っているものの実際のこれはクレジット表示の意味合いである。すなわち本作は厳密にいえば完全ライフ制で一般的な残機制ではない。もちろん、残機数が0状態だと強制ゲームオーバーとなってしまう。
評価点
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ゲーム起動直後にてタイトーのロゴの一部分がくるくる回転しながら表示されるクレジットや、分家モードのオープニングデモにてワイヤーフレームで描かれた機体が滑らかに動くシーンが地味に凄い。PCEでこんな描写ができるのかと驚かされる事は必至だと思われる程。
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分家だけではなく、本家(原作)もプレイできる奮発さ。この辺はお買い得感が強い。
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本物の原作とは多少相違があるらしいが、それでもプレイ感覚は原作そのものとなっており、原作ファンからすればこれだけでも美味しいソフトであろう。
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メインであろう分家の出来も侮れないレベルで、普通に楽しめる完成度。
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各パートは非常にテンポ良く攻略でき、さくっと先のパートに進める軽快さである。このテンポ感は極めて快適であり、アレンジものにありがちなもっさり感は無縁といえるだろう。
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分岐の存在によりプレイの幅が広く、何度でも楽しめる配慮がなされている。テンポの良さも相まって、繰り返しプレイしたくなるような中毒性があり、なかなか止められない(もちろん良い意味で)困った状況に陥りやすい。
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各話には専用の題材が表記されているが、何気にセンスの良さを感じるものとなっている。
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第一話「反撃」を筆頭に第三話「ここは どこ?」 第六話「瞳の中の宇宙」などを経て、最終話「決戦!」で締めくくられる。直接ゲームを関わる部分ではないが、なかなか洒落た題材である。
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PCE相当にグレードアップしたグラフィックとBGMも極めて評価高し。顔ぶれが増したインベーダー達は、憎らしくも愛着が沸いてくる存在となっている。残念ながらサウンドテストは不可能なのが悔やまれる。BGMを手掛けているのは当時の音楽制作会社であるCUBEのメンバーによるもので、当時まだ同社の新入社員だった岩垂徳行氏もそのうちの2曲手掛けている。
問題点
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本家(原作)において収録されているバージョンはカラーと白黒(裏技)しかなく、アップライトやセロハンは収録されていない。
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もっとも、2バージョンが収録されているだけでも十分だし、後にPCEにて4バージョンが全部収録された『スペースインベーダー The Original Game』もリリースされているので、大した問題ではないだろう。
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実のところ、分家の敵バリエーションはそんなに多くなく、先に進むと大体は敵弾と発射速度が増すだけの難易度の差でしかない。
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分家における敵弾の種類は直線一方向(速い弾と遅い弾がある)と左右斜めニ方向(角度が2種類ある)しかなく、ボスに該当する敵も存在しないので、流石に何度もプレイしていくうちにマンネリ感を覚えてしまうのは避けられないところ。ラウンドによって敵の外見が変わったり、敵の動きが微妙に違ったりする場面もあれど、行動パターンはほとんど似たようなものばかりである。
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評価点で述べた通り、進行テンポが良く短時間でクリアできるので、だれる程の問題ではないのが救いではある。
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アイテムの出現法則がランダムであるが故に、若干攻略に運が絡む場合もある。また、的確にUFOの中心部にショットを当てないとアイテムを落とさないので、特に激戦地においてはアイテムのチャンスを逃してしまいがちで死亡フラグに陥りやすい。
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第四話以降は全体的に敵の猛攻が凄まじく、ショットオンリーでの攻略は極めて困難であり、アイテムを頼らないと安定したクリアが望めない恐れを孕んでいる。
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第六話「戦友の歌」の難易度が異次元レベルの鬼畜さ。この面に来てしまうとどんな熟練者でも詰む恐れすらあるといっても過言ではないレベル。
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インベーダーの動きが筋違いになるため、縦の敵を連射で一掃するのが困難。
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とにかくちゃんとテストプレイしかどうかも疑わしい激戦区となっており、熟練者曰く「クリアしたければ戦友の歌だけは絶対通るな」と言わしめる程の存在。
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しかも、第六話は「戦友の歌」と「瞳の中の宇宙」のどちらかしか存在しない。すなわち、計画を立てずに第六話に進んだ場合、「戦友の歌」ルートに進む確率は50%という計算となってしまう。これを知らずに進んでしまえば待っているのは越えられない地獄という事に…。
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たとえ「戦友の歌」を避けても、もう一つの面「瞳の中の宇宙」も暗闇で視界が遮られる高難度面である。あくまでも「戦友の歌」が狂っているだけであって、「瞳の中の宇宙」でも十分難関である。
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ミス後の再出撃は初期同様にシールド残数2、特殊ウエポンも持っていない状態でのスタートなので、高難度面の場合は同じパートで再ミスをやってしまう可能性がある。上記の「戦友の歌」での再出撃は即効で沈没させられる確率がほぼ100%である。
総評
アレンジだけでも魅力なのに、原作も丸々一本付けてのリリースという太っ腹さに感服させられる一作。
アレンジの出来もしっかりしており、本当の意味で一粒で二度美味しいソフトに仕上がっている。
しかし、逆に解釈すれば原作を削ってでもアレンジをより作り込めば、さらにクオリティが上昇した可能性もあったかもしれないと思うのは贅沢な意見なのだろうか?
余談
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本作とPCE版『The Original Game』ともにバーチャルコンソール配信されていたが、現在はサービス全体が終了しており、3DSやWiiUでの再配信もされていない。
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本作の方が低価格でWiiの使用容量が少なく、それでいて遊べる専用限定アレンジが存在する関係上、よほど原作にこだわらない限りはこちらが費用対効果が高かった。
最終更新:2024年12月07日 15:37