キャンドルちゃん
【きゃんどるちゃん】
ジャンル
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3Dアクションゲーム
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対応機種
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Xbox One PlayStation 4 Nintendo Switch
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メディア
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ダウンロード
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発売元
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【One】E-Home Entertainment Development 【PS4】Beijing Jiao Dian Chuang Yi Digital Technology 【Switch】indienova
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開発元
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Spotlightor Interactive
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発売日
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【One】2017年2月1日 【PS4】2018年10月17日 【Switch】2019年10月3日
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定価
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【One】1,296円 【PS4】1,695円 【Switch】1,480円
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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1個
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象) |
判定
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良作
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ポイント
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ギミックに富んだゲーム性 小粒ながらも起承転結のしっかりしたストーリー
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概要
中国のインディーデベロッパー、Spotlightor Interactiveによる『Candleman』の日本版タイトル。中国語タイトルは『蜡烛人』。
1本のロウソクに2本の足が生えたキャラクター「キャンドルちゃん」を主人公として操作する、3Dアクションゲームとなっている。
ろうそくの火がないと視認できないような暗い道、ろうそくの火に反応するギミックや障害物をかいくぐりゴールまでたどりつくことを目標としている。
システム
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全部で12の章に分かれている。
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各章につき、3~5のステージを攻略することになる。
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ストーリーは1本道であり、ステージ開始時やクリア時にムービーが入ることがある。
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ゴール地点(光が泉のように湧き出るような場所)にたどりつくとそのステージはクリア。
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操作
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キャンドルちゃんがとれる行動は移動する、ジャンプする、点火するの3種類のみ。
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ジャンプは1段までしか出せないが、ボタンを長押しすることで飛距離を稼ぐことが出来る。
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点火
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自分の体を消費して火をともす。
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導火線といった可燃物や、置いてあるロウソクを着火できる。
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ロウソクの光に反応して、何かしらの動きをする植物も登場する。
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基本的なルール
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累計で10秒間火を点していると1ミス。
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奈落の底や水深が深いところに落下したり、トゲに触れると1ミス。
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その他、ブロックなどにつぶされたり自身の身の丈よりも大きな火に焼かれると1ミス。
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太いロウソクに火をともすとそこがチェックポイントとなる。
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1ステージにつき残機は10個。ミスした際はチェックポイントからの再開となり、すべて失うとステージセレクト画面からやり直し。
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各章の特色
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第2章
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周期的に変化する足場を渡っていく必要がある。夜の光が差し込んみ時折あたりが明るくなることがある。
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第3章
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ボイラーの火がもれ出る場所がある。火に焼かれると1ミス。
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第4章
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ロウソクの火に反応してトゲのある花が咲く。花は照明代わりにもなるが近づきすぎると1ミス。
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第5章、第6章
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植物を足場に進んでいく。植物は周期的に水面を浮き沈みしたり、こちらの光に反応して近づいてきたりする。
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第7章
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周期的に石柱が動くステージ。石柱につぶされたりすると1ミス。時には足場にして進む必要もある。
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また光で照らすことで実体化するクリスタル状の足場も登場する。
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第8章
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火をともしている間は実体が消失するといった不思議な物体が登場。影で存在を間接的に認知できるほか鏡にもうつる。
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足場を維持するためにあえて火をともさずにいる必要があったり、トゲを消失させるためにあえて火をともし続けなくてはならないケースがある。
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お化けのような敵がゆっくり追いかけてくる。ろうそくの火をともせば一時的にひるませられる。
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第9章
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歯車をぬって上へ上へと進んでいく。なおこのステージだけボス戦が用意されている。
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第10章
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青白い電球が登場。この光に照らされていると、ロウソクの寿命がすみやかに削られてしまう。
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光に照らされたキャンドルちゃんにむかって突進してくる化け物も登場。つかまると1ミスになるが、青白い電球に導いて破壊してもらうことも可能。
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第11章
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薄い氷で覆われた川の上を散策する。
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薄い氷はこちらが長く乗っていたり、ロウソクの火を近づけると解けてなくなってしまう。
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第12章
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爆竹、打ち上げ花火、気球に着火して駆使することで、上へ上へと進んでいく。
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爆竹、打ち上げ花火は何回でも着火可能。向いている方向にロケットのように発射できるタイプと、大砲のように花火を発射するタイプがある。
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前者は足場にして移動することが可能。後者は障害物を破壊したり、残留した花火に乗ることでキャンドルちゃんを浮遊させる効果がある。
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気球はこちらを乗せつつ一定高度まで上昇していくが、スティック操作である程度進路を操作することが可能。
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評価点
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簡単だが奥が深いゲーム性
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単に火をともすだけの簡単なゲーム操作方法をしているが、章によっては火をともすことで起こる出来事が多様に変化していく。単調なゲームとはなっていない。
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最序盤は、いかにロウソクの体を消費せずに明かりをともし、暗い足場を視認していくだけである。
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しかし中盤以降から火をともすことで様々な反応を示すギミックが登場する。火をつけることでとげを生やす植物がいたり、襲ってくる怪物がいたりと、むしろ不利になったり失敗につながるケースも出てくる。
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特に8章の鏡の世界では、その他にも目には見えないが影として見える障害物や足場を見つけて動いていく必要があり、変則的なアクションゲームが楽しめる。
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複雑な操作は必要なく、難易度も全体的に低め。
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第12章のパズル性
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爆竹と花火発射台は動かすことが出来る。またキャンドルちゃんの火だけでなく、近くにあった爆竹・花火に反応して連鎖的に点火することもできるので、どの向きに設置してどういった順番で点火すればゲームを先に進められるのか、試行錯誤の余地がある。
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ストーリーの構成
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起承転結がしっかりしている。
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キャンドルちゃんが冒険するだけのストーリーであるが、なぜ旅立つことにしたのかという理由付けに始まり、どんでん返しがあり、最後には今まで歩んできた道を振り返る。
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光の表現
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全体的に暗い地形は多いものの、グラフィックは良好。木や紙、植物の質感は正確に再現されている。
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カラフルで化学的な蛍光を放つ植物たち、無機質で冷たい光を放つ灯台や電球、ほの暗くも暖かい光を放つ気球など、光の表現が多様。
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エンディングは光をつかったとある演出があるが、キャンドルちゃんのいままでの行為が報われたような印象を持たせてくれる。
賛否両論点
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アクションが2つしかないこと
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基本的にキャンドルちゃんは、ジャンプと点火しかできない。アクションゲームとしてはとっつきやすいゲームではあるが、やりこんで味がでるような内容ではない。
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点火することで発生する様々な出来事にどう対処していくか、というのが本作の本質になっているといえる。
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暗闇が多いこと
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7割方の地形は暗闇に包まれている。ゲームの一種のスパイスとして機能はしている部分ではあるが、地味だったり陰気くさい印象を抱くプレイヤーはいるかと思われる。
問題点
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カメラアングルが固定されていること
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カメラアングルは、キャンドルちゃんがどこに立っているかで常に決定される。プレイヤーの都合で見回したりできない。
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足場の視認性は悪かったり狭かったりするため、思っていた場所と違うところに着地して踏み外してしまったりといった事故が起こりがち。
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序盤は作業的である
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無駄に広いマップに張り巡らされた細い足場を動き回るだけなゲームになりがち。足を踏み外さないようにするところにしかゲームとしての面白みが見出しにくい。
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トゲのある植物の配置が意地悪な場合がある。少し操作を間違えただけで触れかねないようなギリギリの配置が散見される。
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やりこみ要素が弱いこと
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収録されているやりこみ要素としては、寄り道してすべてのロウソクに光をともせるかといったところ。
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収集要素が乏しくゲームをひととおりクリアしたらすることがなくなる。もっとも効率よくプレイしても2時間程度は遊べるので、ボリューム自体は価格相応とはいえるか。
総評
火をともしてジャンプするだけといった簡単な操作システムが特徴。火をともすことで起こるさまざまな状況に対処する必要があり、変化に富んだゲームとして楽しめる。
また小粒ではあるが、起承転結のしっかりとしたストーリーも同時展開されておりプレイした後の達成感は大きい。
最終更新:2024年03月23日 15:55