リトルマスター2 雷光の騎士
【りとるますたーつー らいこうのきし】
ジャンル
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シミュレーションRPG
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対応機種
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ゲームボーイ
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発売元
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徳間書店インターメディア
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開発元
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ツェナワークス
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発売日
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1992年3月27日
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プレイ人数
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1人
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定価
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4,200円
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判定
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良作
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ポイント
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リトルマスターの正統続編 当時のゲームボーイソフトとしては破格のボリューム
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リトルマスターシリーズ リトルマスター ライクバーンの伝説 / リトルマスター2 雷光の騎士 / リトルマスター~虹色の魔石~
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概要
ゲームボーイより発売されたリトルマスターの続編。
前作でもあったモンスターの合体や、愛嬌のあるキャラクター群、バラエティに富んだマップ等はそのままに、あらゆる面でボリュームアップが図られている。
次回作に当たる『リトルマスター~虹色の魔石~』は、SFCで発売された為、ゲームボーイ版としては最終作である。
内容
ストーリー
勇者リイムと仲間達の活躍により、黒魔龍ゲザガインは倒れ、ラクナマイト大陸に平穏が訪れた。 そして、1年の歳月が過ぎたある日。ライナーク国王リチャード3世はリイムを呼び出し、魔物たちが再び活発な動きを見せ始めていることを告げる。その原因は1年前の襲撃の際にバベルの塔にあったサンクリスタルが破壊されたせいだという。
3つに分かれ散り散りになったサンクリスタルを塔の最上階へ納めよ。国王の命を受け、リイムは再び冒険の旅に赴く。
リイムたちはまだ知らない。それが新たなる戦いの幕開けであることを……。
(Wikipediaより引用)
システム
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基本的なシステムは前作の記事を参照。
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変更点は以下の通り。
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オートセーブの導入
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前作でも中断セーブはあったが、本作では一度の行動毎にオートセーブされる仕様となっている。
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レベルの上限が16に引き上げられた
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これにより、序盤からPTに入っているユニットも合体せずとも終盤前辺りまで育成を楽しむことができるようになった。
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経験値の入り方に変更があり、与ダメージが大きいほど経験値が入りにくくなっている。強力なユニットは上げにくく、弱いユニットは上げやすい。攻撃力が高めのモーモーなどは終盤でもMAXに行かないことも。
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宝箱の追加
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マップ攻略を彩る要素として宝箱が登場した。
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宝箱のある座標まで移動し、開けることで一度だけアイテムでステータスアップが可能。
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アイテムによるステータスアップは合体後も引き継がれる。
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ただし、中身が空だったり、場合によってはミミックである場合もある為、開ける際には要警戒。
評価点
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ボリュームの増加
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前作の全15章に対し、本作のシナリオの数は34章と大幅に増量されている。
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これは同ハード同ジャンルとしては3年後に発売された『第2次スーパーロボット大戦G』の分岐分を含めたシナリオ数と並ぶ程である。
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ただしルート分岐は無いため、クリアまで34章全てクリアすることとなる。
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魔物ユニットも増加
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仲間にできる魔物ユニットも前作の16体から25体と増加。
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前作から未登場となった魔物も多少いるが、その分新たな魔物も増加している。
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僧侶の少女、タムタムが新たに仲間となった。
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タムタムは味方ユニットと2マス以内に隣接すれば5回に限り最大HP分回復が可能。そのため、魔法陣以外にも回復手段が追加された。
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また、敵からのダメージを受けると、そのマップに限りレベルに応じて魔物ユニットへと変身する。変身後は回復は使えないが、他のユニット同様攻撃が可能となる。ただし他の魔物ユニットのように合体はできない。
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変身対象は出現する魔物だが、LV15を超えると限定ユニットのぬいぐるみ(モーモーの着ぐるみをまとった姿)になることも。可愛いらしい上に非常に強い。
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因みに本作における唯一の女性ユニットである。
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一部ユニットの新規ドット描きおろし
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前作ではリイムはリアル調の頭身であったが、本作では世界観に合わせて可愛らしくなった。また、魔剣ガラバーニュ入手後に行うモーションも非常にかっこいい。
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モーモーは、レベルに合わせて新モーションを行うようになるが、波動拳や昇竜拳といったパロディも詰め込まれている。
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マップギミックの豊富さは前作譲り。
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全34章それぞれ様々なギミックが採用されており、同じようなギミックが出るのはほぼ皆無。強いていうのであれば精霊界で似たギミックが登場する程度。
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BGMはどれも高クオリティ。
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作曲者は前作と同じやまだゆうじ氏でGBの8bti音源でありながらそれぞれマップに合ったBGMが流れる。
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シナリオ1、シナリオ9、シナリオ17のBGMは本作において高い評価を得ている。
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続編物として王道的なストーリー
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前作の魔王ゲザガイン討伐後の話となっており、サンクリスタルを復活させ、魔王復活を阻止する為に戦う勇者軍の話が繰り広げられる。
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ストーリーは王道的だが、波乱が待ち受けており、勇者軍の状況が二転三転と変化していき、中だるみを感じさせない。
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また、前作であった事柄も必要に応じて説明されてあるため、未プレイでも問題なく入り込めるシナリオとなっている。
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オートセーブの導入
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これにより、隙間時間にいつでも再開できるようになった。
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また、卑怯ではあるが、敵の必殺一撃等最悪な結果が出た際にリセットして無かったことにするといった裏技も存在する。
問題点
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魔物のリストラ
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これは致し方無いことだが新規の魔物が多数登場している一方、本作では未登場の魔物が存在する。
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好きだった魔物が本作で登場しなかったことに涙を飲んだプレイヤーもいる筈。
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特に本作で復活を遂げた四天王はバンピーのみと寂しいものとなっている。
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ただし四天王と取って代わる新たな敵との戦いは前作とも引けを取らない熱い展開となっている。
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序盤はSRPG初心者には厳しめ
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本作はバベルの塔でしか再戦できず、それまでは若干シビアな戦闘が繰り広げられる。
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特にシナリオ3「たつまきパニック2」は凶悪。前作でもあったように、毎ターン竜巻が吹き荒れ、敵味方問わず必ず1体は飛ばされるギミックとなっているが、本作では大半が海地形となっており、横幅1マスの狭い通路を跨ぎ、ボスの元まで辿り着くといったマップとなっている。
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敵ユニットは遠隔攻撃ができるラビットマン、地形を無視できる空ユニットのペリカンマン、攻撃力の高い海ユニットのスカルパイレーツがうじゃうじゃおり、運悪く竜巻で敵陣の中心に飛ばされてしまえば、狭い通路も相まってリイムであろうが一溜りもない。
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一応全滅の際のペナルティはリイムの経験値消失のみである為、何度も食らいつけばいずれはゴリ押しでもクリアできるレベルまで上げることは可能。
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一方でバベルの塔到達により、再戦による稼ぎが可能なシナリオ4以降は打って変わって易しめの難易度となっている。
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必殺の脅威
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確率は低いが、出ると本当に必殺の一撃で相手を倒してしまう。有利に働く事もあるが、どんなに弱い敵の攻撃を受けても即死する可能性があるというデメリットのほうが遥かにでかい。
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深刻なのが主人公の相棒的存在であるモーモー。戦闘能力は高いが直接攻撃しかできないため常に即死の危険があり、消極的な戦いを余儀なくされてしまう。前作のパワフルさはどこへやら……。
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尚、主人公のリイムに対しては必殺が発生しない仕様になっているので、これが原因で理不尽にゲームオーバーになるということは無い。
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バグ
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進行的に致命的なバグはないが、通常プレイでも陥るようなバグは存在する。
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特にシナリオ6のバグは高確率で発生する。
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一定ターンでスカルパイレーツが湧く墓を破壊するマップとなっているが、ある墓を破壊せず、数ターン放置すると何故かその位置にスカルパイレーツが湧かず、代わりにモーモーがワープし、立ち絵もバグる。
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進行上は影響はないが、マップ攻略上において多少の誤差が生じる場合があるので、一応問題点とする。
総評
続編としてはシステム面で目新しい要素が若干薄いが、当時のゲームボーイソフトと比較してボリューミーな内容となっている。
だからといって水増しされた要素はほとんどなく、中だるみを感じさせない為、昔のSRPGに触れてみたい人にはおススメの1作となっている。
ただし、『ライクバーンの伝説』や『虹色の魔石』と同様にVC等による配信は一度もされていない為、中古ショップやフリマアプリ等で探す必要がある。
最終更新:2022年03月29日 09:09