Hotline Miami 2: Wrong Number
【ほっとらいんまいあみつーろんぐなんばー】
ジャンル
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トップダウンシューター
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対応機種
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Windows/Mac/Linux(Steam/GoG) プレイステーション4 プレイステーション3 プレイステーション・ヴィータ Android Nintendo Switch Xbox One
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発売元
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Devolver Digital
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開発元
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Dennaton Games Abstraction Games
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発売日
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【Win/Mac/Linux】2015年3月10日 【PS4/PS3/PSV】2015年3月11日 【Android】2015年8月4日 【Switch】2019年8月19日 【One】2020年4月7日
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定価
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1,480円(Steam)
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配信
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各プラットフォームにて配信中
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備考
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『PayDay2』で使えるマスクDLCが付属 Steam限定版は『PayDay2』でジャケットを使用可能にするDLC付属
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判定
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良作
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ポイント
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前作『Hotline Miami』からストーリー性や雰囲気が向上 高評価を受けたサウンドトラックの質も量も向上 マップクリエーターモードやハードモード追加によりボリュームも向上 ただ一つ、肝心なゲームデザインだけが劣化
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Hotline Miamiシリーズ Hotline Miami - Hotline Miami 2: Wrong Number
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概要
幅広いメディアから多大な高評価を受けた『Hotline Miami』の続編。
もともとは『Hotline Miami』で謎となっていた一部を解き明かすためのDLCとなる予定だったが、ストーリーがより広大化し、そのまま1つの続編となった。
そのため、前作のリリースから3年の時が経ってようやくリリースされた。
特徴
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ストーリーや難易度は前作クリア済みが前提。
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難易度は高く、ストーリーも複雑なため前作をプレイしていないと理解できないだろう。
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ただクリアするだけでなく、前作のパズルアイテムを集めた上で真エンドを開放した後にプレイするのが望ましい。ストーリーへの理解度が高まるだろう。
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本作のストーリーはストーリーは前作から2年後の出来事を主に扱っていくが、時には前作からまた過去のお話も語られる。
ストーリー
1989年のロシアンマフィア壊滅から2年・・・
動物たちのマスクを被った、前作主人公、「ジャケット」を筆頭とした「マスクマニアック」達の巻き起こした事件は、メディア、警察官、一般人、無法者、多くの人々において幅広い影響を起こした。
そんな更に狂気を増したマイアミで、ジャケットに影響を受け、第二第三の大暴れを企む「The Fans」、ロシアンマフィアの立て直しを図る「ザ・ソン」とその部下「ヘンチマン」、マスクマニアックによる事件を追う「イヴァン」、そして謎の「マイアミの切り裂き魔」とそれを追う「パルド刑事」・・・ジャケットを巡る様々な人々が新しい風を起こそうとしていた。
ジャケットを巡るその過去と今をつなぐ、さらなる大量殺人の火蓋が、ここに切られることとなった…。
評価点
よりブラッシュアップされた高品質なサウンドトラック
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前作のM.O.O.N.やPerturbatorなどに加えて、Carpenter BrutやMegadriveなどの新たなアーティストが参加し、よりサウンドトラックの質や量もブラッシュアップされた。
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アーティストが増えた分、曲の数も前作の23曲から60曲にまで大幅増加。個々のマップに新たなサウンドトラックが実装されている豪華ぶりである。
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中でも、Carpenter Brutの"12nd Scene Death Wish"で流れる「Roller Mobster」の人気は非常に根強い。
前作の謎を補完しつつよりブラッシュアップされたストーリー
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前作の謎に満ちたサイコ・サスペンス的な内容はさらに進化。
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ストーリーは前作と時間系列にて前後、またはその中間に配置されている複数の主人公(総勢13人)による群像劇で、謎を補完しつつより壮大となった。
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また、前作でなじみのキャラクターたちの過去が明らかになることや、伏線を回収される事で、前作を遊んだプレーヤーであれば、より感慨深く感じるであろう。
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それでも全ての謎が明らかにされるわけでなく、また新たに謎を残しつつ進むので、ミステリアスな独特な雰囲気も健在。考察のしがいはより上がった。
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それぞれのキャラクターには犯行の動機に狂気もあれば、やむを得ず戦うもの、大した理由もなく戦うものも、さまざまである。なかでも、悲劇的ながらよく練られたストーリーである「ソルジャー」と「リヒター」の物語の人気は高い。
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あまり言及されないが、鬱要素は本作のゲームプレイに反してかなり強いので精神的に余裕のあるときに遊ぶのが望ましい。考察関連記事もクリア後、じっくり読んでいけばプレイ中よくわからなかったとしても理解できるだろう。
没入感が高まる演出
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前作においてドット絵と楽曲で表現される毒々しい演出が成す没入感が評価されたが、その毒々しさは本作でパワーアップ。
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ラストステージのより恐怖感を煽るトリップ演出や、切なさを煽る『Magic Sword - The Way Home』、激しく、プレーヤーに先へ進むことを煽る『Carpenter Brut - Le Perv』などの楽曲による毒々しい演出はプレーヤーにより高い没入感を与えてくれる。
より丁寧になったドット絵
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前作でも強烈だったドット絵のクオリティはさらに向上。
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マフィアの飛び出る内蔵、人体欠損表現、ダメージリアクションはど派手に強化され、見ごたえが上がった。
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処刑アニメーションもプレイアブルの増加に伴い増えていった。様々なキャラでプレイして処刑アニメーションを見ていくのも楽しみ方の一つだろう。
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それだけでなくUI面においても前作を超える派手なビジュアルクオリティを実現している。
マップエディター機能の追加(Steam版のみ)
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SteamWorkshopを介したマップ公開、ダウンロード機能を介して、様々なプレーヤーが作ったマップがプレイ可能に。
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中には、オリジナルの番外編ストーリーや、ifストーリー、はたまたほぼ別物のゲームにしてしまうものなど、その幅は広く、ゲーム性に飽きない限りいくらでもユーザー作成コンテンツをダウンロードして遊ぶことができる。
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おまけに本編では使えない初代『Hotline Miami』プレイアブルのジャケット、バイカーの2人でプレイが可能にもなった。
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もちろん作ることも可能だが、操作性は直感的でなく少し敷居は高い。
その他いくつかのUIの改善
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キャンペーンモードでは4シーンごとに1Actごとで選択できるため、やり返したいマップを探すのに少し便利になった。
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すべてのテキストは右クリック長押しでスキップできるようになったので、リプレイのときまた見返す必要が無くなったと細かい改善も多い。
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設定画面で操作設定が少し変更しやすくなった、解像度が起動時のランチャーじゃなくゲーム内から選択できるようになったとその痒い面でも手が届く用になったのは地味ではあるが良い改良である。
賛否両論点
増えたボリューム
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本作は前作の「ボリュームが少ない」という指摘を受け、ボリュームが増加。
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前作のジャケット&バイカー面すべて含めた19チャプター+2ボーナスチャプターから、25チャプター+1ボーナスチャプターへ増加された。ハードモードを含めると、マップの数は2倍となる。
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そのため、平均5時間クリアに要した前作から、8.5時間に増加(howlongtobeat.com調べ)。ボリュームはインディーズとしては合格点以上だろう。
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しかし、上昇した難易度や、広くなったマップなどで積んでしまう人も増えたため、一概に良いとは言えない点である。
急展開のエンディング
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オムニバス形式でそれぞれの人物の暴力と悲劇が描かれる本作、数多くの難しいステージを乗り越えて全てのステージをクリアした後に迎えるエンディングは決してカタルシスをもたらすものではない。雑な終わり方と見るか、この内容をもって完結に相応しいと見るかはプレイヤー次第である。
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ネタバレ注意
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一言で言えば爆発オチ。バッドエンディングにも見える内容だが、前作のようなエンディング分岐などは存在しない。ハードモードでも意味深な描写と詩が追加されるのみ。あくまで本作がシリーズ最終作であることを強調する内容である。
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条件を満たせば到達できる隠しステージも存在するが、ここでも特に重要な描写があるわけではない。
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問題点
クオリティの下がったマップデザイン
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本作のゲームプレイを語る上で最も批判されている点。
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初代『Hotline Miami』ではただ難しいだけじゃない、じっくり考えて行動すればアクションが苦手でもクリアできるパズルゲーム的な面と、多少の腕前は必要ではあるが暴れたい人のために銃で撃ちまくれるアクションゲーム的な面を兼ね備えたマップデザインが高く評価された一因であったが、本作ではそのパズルゲーム的な側面はかなり弱くなっている。
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アクションゲーム的な側面が強くなり、敵からの銃を使った攻撃が激しくなったため、打撃武器のみで攻略しょうとすると苦しい目に合うだろう。
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ガラス越しや画面越しからの意地悪な攻撃も多く、11th Scene - Dead Aheadなどではかなり苛烈を極めている。
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マップデザインが非常に広くなったのもその問題に拍車がかかる。
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…とここまで色々書いているが、初代『Hotline Miami』を真エンドまでやり込めるほどプレイできる人であれば、さほど苦でない難易度ではある…とはいえ、せっかく良いストーリーがあるのに、追うのにも難易度が高いがため挫折してしまう人も多い。
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イージーモードがあれば…と思う人も少なからず存在し、事実デベロッパー2人も共に「ハードモードなんて実装しないでイージーモードを追加しておけばよかった」と後悔を後にNoclipでの10周年インタビューで語っている。
マスク要素の縮小
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前作においては、自分のプレイスタイルに合わせてTony、Don Juanなどといった好きなマスクを選ぶ、集めるという楽しみがあったのに、本作ではその要素が「The Fans」「ジェイク」「ソルジャー」「ザ・ソン」のみにとどまっており、その要素はかなり縮小された。
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苦手なマップが存在する際、マスクなどを選択できない特定のキャラ場面で突破するのがかなり苦しくなった。
キャラの性能差
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マスクを交換できず、基礎性能も比較的弱いまま仕方なく戦うことになる「リヒター」はまだいいとして、武器を拾えず、銃の弾薬が厳しい「ソルジャー」や、銃火器を基本拾えない「イヴァン」など、縛り要素的な要素が強い操作キャラがやや多い。
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面白さにつながってたり、前作の「バイカー」のように、その分マップが小さかったり、任意的なやりこみ要素であればよかったのだが、本作はマップも敵の強さもその分対して変わらないので、純粋に「面白くない」と評する人も多い。
調整が雑なハードモード
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本作にはクリア後のやりこみ要素の特典として、ハードモードが存在するが、難易度は非常に高いのは良いとして、かなり雑。
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マップの上下反転、ロックオン無効化、銃火器のマガジン容量縮小+投げるたびに弾数減少、敵の増加というかなり厳しい縛り。とくにロックオン無効化はエイムがしにくい家庭用ゲーム機勢ではかなり厳しい縛りだろう。
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しっかり考えて攻略しないと詰んでしまうポイントもかなり多く、パズル要素とアクション要素が悪い意味で合わさったかなり残念な調整になっている。
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あくまでやりこみ要素なので、興味のない人はスルーできるのが幸いだが…。
ストーリーの時間軸が分かりづらい
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本作は群像劇ゆえ前作のイベントから2年後、その前、はたまた同時並行のイベントを取り扱うため、チャプター開始時に毎回現在のストーリーの時間と日にちを示してくれるが、これが頻繁に変わるため自分の中で整理できてないと混乱しやすい。
日本語非対応(PC版のみ)
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データ内部には日本語は存在しているものの、何故か前作と違ってModなしでは日本語が標準では有効化出来ない。
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ストーリーを追うならば日本語を選択可能にして、フォントを日本語対応にする日本語化MODは必須。
総評
難しくはあるものの親切で幅広い対応ができるゲームデザイン、かといってかなり不気味な演出が話題となった『Hotline Miami』の続編。
しかし、蓋を開けてみれば前作の丁寧さはどこへやら、アクションゲームとしては決して悪くはないのだが、荒削りな出来栄えになってしまった。
そのため、本作をガッカリゲーと評する人もいるにいるが、とはいえそれ以上にストーリー、サウンドトラック、演出などはガッツリ強化されており、本作も前作とはベクトルが多少違うが十分良作と言えるだろう。
難易度が前作以上に高く、決して幅広い人におすすめできるものではないが、アクションシューターの腕に覚えがあるならば決して損はしないだろう。
余談
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サブタイトルの「Wrong Number」は「間違い電話」を意味する。
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あるキャラクターのストーリーでも重要な意味を持つ「間違い電話」だが、本作を総括した副題としては意味深なものである。
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オーストラリアでは、本作は序盤のレイプシーンの影響で販売不可能となってしまった。
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そのため、本作の開発であるJonatan Soderstromは、オーストラリアでは入手できない人向けに、海賊版ユーザーにもバグ修正パッチの対応を行っている。
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一応、本作のオプションで性的な内容をカットするオプションも存在したため、おそらくオーストラリア向けでこのような対応を行う予定だったとみられる。
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本作のスペシャルエディションを購入すると入手できる『Payday2』の『Hotline Miami』関連DLCは家庭用ゲーム機では別で『Hotline Miami』を購入する必要がなく、『Payday2』本編を買えば無料でついてくる。
最終更新:2025年03月13日 23:04