機動戦士ガンダム
【きどうせんしがんだむ】
ジャンル
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シューティング
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対応機種
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アルカディア
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発売元
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バンダイ
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発売日
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1983年
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プレイ人数
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1人
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判定
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クソゲー
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ポイント
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劣悪な操作性と攻撃しづらさ ボーナスでしかないシャーのザク 公式からも忘れられる始末
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ガンダムシリーズ
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概要
バンダイ・アルカディア専用の『機動戦士ガンダム』のゲーム化作品。
バンダイ・アルカディアとはアメリカでエマーソンラジオから発売された「Arcadia 2001」を日本用にバンダイから1983年3月25日に発売されたゲーム機。
アルカディアには多くのバージョン違いが様々な企業から世界中で販売されており、ゲームソフトの多くは他国でも販売されていたが、本作『機動戦士ガンダム』はバンダイから日本専用で発売されたものとなっている。
特徴
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プレイヤーはガンダムを操作して、ビームライフルを使用してジオン軍の敵機を撃破する、シューティングゲーム。
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プレイヤーが操作するガンダムは8方向に移動でき、ビームライフルも8方向に撃てる。
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パターン1とパターン2の二つのステージがある。
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パターン1ではガウとドップとマゼラアタックと戦う地上戦。ドップを全滅させれば次のパターン2へと移行する。
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パターン2ではムサイとザクとシャーのザクを撃破する宇宙戦となっている。ザクを一定数以上撃破すればパターン1へ戻る。
問題点
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劣悪すぎる操作性
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まず全体的にレスポンスが悪く、ガンダムを思い通りに操作できない。敵や敵の弾を避けるのすら一苦労する。
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ビームライフルも画面上に一発しか撃てない仕様となっており、撃ち漏らすと次の攻撃が放てない。
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そして、ジオン軍の敵機(特にドップとムサイ)もガンダムと同じく上下左右+斜め方向の8方向に動き回るため、前述したガンダムの操作性の悪さも手伝いとにかく弾を当てづらい。
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理不尽な復帰・撃破の仕様
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本作には復帰時の無敵時間というものがなく、ガンダムの復帰地点に敵や弾があるとリスキルされてしまう。
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更に撃破直後の爆破モーション中にすら無敵判定が無いらしく、爆破モーション中に連続で攻撃を食らうと、残機が更に減るという理不尽仕様。
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ほぼボーナスでしかないシャーのザク
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パターン2では、シャア専用ザクこと「シャーのザク(原文ママ)」も一応出てくるのだが、スピードは普通のザクと全く同じ。
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それだけにとどまらず、他のザクと違い弾を一切撃たない。しかも倒した時の得点はザクが20に対してシャーのザクが100と、もはや殆どボーナスキャラでしかない有様。
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しかも、このシャーのザクは無限湧きする。何体倒しても何度でも再登場する。
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グラフィックも悪め
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アルカディアはATARI2800などと同期で、ファミコンよりも前に発売された第二世代据置ゲーム機であるため、ある程度は仕方ないにしても、グラフィックはあまり良くない。
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登場する機体のグラフィックは全体的に小さく、説明が無ければどれが何の機体なのか判別しづらい。
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メインカラーが原作と同じガンダム・ザク・シャーのザクはまだしも、ドップが青黒かったり、ガウやムサイが黄色だったりするので、説明なしでの判別はかなり難しい。
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たった二つしかないステージ
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ステージは特徴にて記したパターン1とパターン2をひたすら繰り返すだけ。容量の都合もあるかもしれないが、かなり物足りない。
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その他
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説明書やパッケージ裏には、マゼラアタックが地上から攻撃を仕掛けると書かれているが、実際にはそのようなことはなく、弾を一切放たないまま横に動くだけ。
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説明文のミスなのかゲーム側のバグなのかは不明だが、どちらにしろ間違いであることには違いない。
評価点
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一応の原作再現
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タイトル画面にはガンダムのイラストがそれなりのクオリティで描かれている。
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BGMも主題歌である『翔べ! ガンダム』のメロディーがそれなりに再現されている。
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というか、本作にはキャラゲーらしい要素がこれくらいしかない。しかもそれなりと書いた通り、タイトル画面のガンダムは本来の顔と比べて絶妙に細っぽいし、BGMも音の数がちょっとだけ違ったりと、本当にそれなりの再現度。
曲に関しては、アルカディア版『ドラえもん』と比べれば再現されているほうだが。
総評
LSIゲームやPC用ゲームを除いた初の家庭用ゲーム機でリリースされたガンダムゲーだが、その出来はかなりお粗末。
後年バンダイはクソキャラゲーをいくつか生産していくが、ある意味本作がその元祖と言ってもよいかもしれない。
余談
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本作はファミコンよりも前に発売されたため、いわば初の家庭用ゲーム機でリリースされたガンダムゲーなのだが、2016年に開設された公式サイトでは本作を差し置いて『機動戦士Ζガンダム ホットスクランブル』がガンダム初のビデオゲームソフトとして扱われていた。(参考リンク)
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しかもそちらでは1986年発売の『ホットスクランブル』から数えて「ガンダムゲーム30周年」とまで書かれている始末。完全に本作は忘れ去られている。
最終更新:2025年09月19日 00:51