ポケモン+ノブナガの野望

【ぽけもんぷらすのぶながのやぼう】

ジャンル シミュレーション
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 2048MbitDSカード
発売元 ポケモン
開発元 ポケモン
コーエーテクモゲームス
発売日 2012年3月17日
定価 5,524円(税別)
プレイ人数 1人(通信プレイ時2人)
セーブデータ 1
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント ポケモン×戦国ブショーの異色のコラボ
SRPGとして取っ付きやすい作り
『信長の野望』要素は薄い
ポケットモンスターシリーズ
信長の野望シリーズ


概要

子供を中心に世界的に人気のシリーズ『ポケットモンスター』と、歴史物のゲームで知られるコーエーテクモゲームスのまさかのコラボによって生み出された作品。
両企業の社長が共にお互いのシリーズのファンで、仲が良かったために実現したとのことである。
ポケモン側からすれば初の戦略SLGであり、コーエーテクモゲームス側からすれば最後のDS作品となっている。

ストーリー

舞台は「ランセ地方」。ここには17の国が存在し、ポケモンと心を通わせることができる「ブショー」達が覇権を争っていた。
ランセには、「17の城を手に入れた時、ランセの伝説が蘇る」という言い伝えがあり、ブショー達はそれを目指してイクサを繰り返している。
主人公は、ハジメの国のブショーリーダーとして、ランセの滅亡を目論むといわれるノブナガを筆頭とするブショー達と、イクサを繰り広げていく。


特徴・システム

イクサ

  • ゲームは基本的にポケモン同士をマス目の上を動かして戦わせる「イクサ」がメイン。『タクティクスオウガ』などと同様、オーソドックスなクォータービューのSRPGである。
    • 原作同様、最大で6vs6のバトルで、タイプ相性や特性などの要素も原作通り。ただし技はポケモンごとに一種類に固定されている。
    • パラメーターも、HP・こうげき・ぼうぎょ・すばやさ(命中率に影響)に簡略化されている。
    • 各ポケモンはトレーナーではなく「ブショー」が指示を出しているという設定であり、ブショーごとに「ブショーパワー」というサポート能力が存在、1戦に1回だけ発動可能。
    • 勝利条件はマップによって異なり、敵全滅の他、旗(拠点)を取ると勝利になるマップも存在する。
  • 敵の城に攻め込み、イクサに勝利すると自軍の領土が広がる。これを繰り返してランセ統一を目指すのが基本的な目的となる。
    • また『信長の野望』の内政要素として、イクサに出なかったブショーは、領土の中で訓練をさせたり、道具を買うための金を稼いだりできる。
    • 面倒な場合やよくわからない場合は、効率は下がるが「おまかせ」で自動消化させることも可能。長い間何もさせないと不満を訴えて離反したりする。

登場ポケモン・ブショー

  • 登場ポケモン・ブショーは共に200。
    • ブショー側は主人公と『戦国無双』シリーズでお馴染みのクノイチのみオリジナルキャラクター。固有のグラフィックなどが設定されたブショー(通称:ユニークブショー)のデザインは『戦国無双3』がベース。
      固有のグラフィック・台詞が設定されていないモブ(通称:モブショー)にも、戦国時代の人物の名前がつけられている。
    • ポケモン側は当時の最新作『ブラック・ホワイト』までのポケモンから選出されている。
  • ブショー自身にもステータスがある他、ユニークブショーは、条件を満たすと「ブショー進化」が起こる。
    • 基本的にはベストリンクポケモンとのリンク値を一定以上にすることで発生。進化することによって、ステータス底上げ・固有のブショーパワー習得・グラフィックの変更などの恩恵が得られる。

スカウト

  • イクサ及び訓練で出現したブショーを条件を満たして倒すと、自軍に「スカウト」し戦力として使える。
    • 条件は「弱点を突いて止めを刺す」「そのポケモンから自軍の誰もダメージを受けずに倒す」「4ターン目以内に倒す」のいずれかを満たすこと。
    • ただし敵がユニークブショーの場合は、以上のいずれかの条件と同時に「自軍のユニークブショーで止めを刺す」という条件も満たさないとスカウトできない。
    • また敵軍の領地がまだ残っている場合は、条件を満たしてもそこに撤退するだけでスカウトできない。
  • また訓練でブショーがいないポケモンに対しては「リンク」(流れてくるマーカーに合わせてタイミングよくボタンを押すミニゲーム)を行い、成功するとそのブショーのポケモンとして使用できる。原作における「野生のポケモンをゲットする」要素にあたる。
    • ブショー毎にリンクできるポケモンや得意なタイプには適性がある。またリンクできるポケモンはブショーの「うつわ」の数だけ。
  • ブショーとポケモンの絆は「リンク値」として表現され、この数字が大きいほど戦闘力が上がっていく。原作におけるレベル・経験値に相当する。
    • イクサをこなすことでリンク値が上昇していき、一定数を超えると進化するポケモンもいる。
    • 前述のブショーの適性はポケモンの最大リンク値に反映される。モブショーなら、得意でないタイプなら高くとも50%程度までしかリンク値を上げられないので成長がそこで頭打ちしてしまうが、得意なタイプのポケモンとは70%ほどまで上げられることが多い。ユニークブショーなら相性が良ければ90%を越えるポケモンが複数存在。
    • 各ブショーには、リンク値を100%まで上げることができる「ベストリンクポケモン」が1種族だけ存在。例外は一部のユニークブショー。
      • リンク値が100%になると「次ターン攻撃不可」「自分の能力ダウン」などの技のデメリットを消し去れることもあるため、ただのステータス強化に留まらない。

シナリオとエピソード

  • ゲームを開始するとまず「ランセの伝説」というメインシナリオをプレイすることになる。
    • 「ハジメの国」のブショーリーダーとなった主人公と相棒のイーブイ(中盤以降に好きな進化先に進化可能)は、序盤は自国の領土を守るためにイクサを続けるが、次第にランセ統一を巡るイクサに巻き込まれていくというストーリー。
    • 「ランセの伝説」自体のボリュームはそれほど多くなく、テンポの良さも含めて早ければ10時間程度でクリア可能。
  • エンディング後は、様々なブショーを主人公として「エピソードモード」が開放される。
    • エピソードモードの数は30以上。その種類も4国を制覇するだけで終わる短いものから、ランセ統一を目指す長編、ポケモンやブショーを集めることがクリア条件なものまで様々。
    • さらに特定のブショー16人分のエピソードをすべてクリアすると、(「ランセの伝説」の)主人公を主人公とするエピソード「ランセの英雄、2人」が開放される。
    • 「ランセの英雄、2人」のクリアまで目指すならかなりのボリュームとなる。このため、本作はしばしば「メインストーリー(「ランセの伝説」)をクリアするまでがチュートリアル」と称される。
  • エピソードモードでは、新たなエピソードを選択するたびにスカウトしたブショーやリンク値はリセットされ、エピソードごとに設定された初期値からのスタートとなる。
    • ただし、一度スカウトしたブショーのポケモン情報は保持されるため、各エピソードのプレイ中にブショーとポケモンをリンクさせたり進化させたりしておくと、他のエピソードで仲間にした際に有利になる。

タイプ

  • ポケモンのタイプ、技のタイプ、タイプの相性は本家準拠になっている。
+ タイプごとの特徴
  • ほのおタイプ
    • 属しているポケモンが多い。技の範囲が広く、威力もそれなりに高くて扱いやすい技が多いのが特徴。不利なじめんタイプやいわタイプの技を覚えてるポケモンは多く無い為、本家以上に活躍が期待できる。溶岩の上を歩ける。
  • くさタイプ
    • 属しているポケモンが多く、単タイプのポケモンも多い。移動範囲が広い。すばやさが早いポケモンが多いため、総じて技の命中率が高い傾向がある。そして範囲も広い技が多い。しかし、技の威力がどれも低め。強い技は攻撃力が下がるなどのデメリットが付いて回る。
  • みずタイプ
    • 属しているポケモンが多い。弱点がでんき、くさタイプしかないので耐性面は優秀(でんき、くさタイプ共に強い技は扱いにくいので、そういった意味でも優秀)。
    • 水の上を歩くことができる。
  • あくタイプ
    • 属しているポケモンはそれなりにいる。
    • 耐性面は優秀なのだが、エスパータイプの技を喰らわないという恩恵はさほど大きくない(エスパータイプのポケモンがあまり強くない為)。
  • いわタイプ
    • 属しているポケモンはそれなりにいる。タイプ複合のポケモンが多い。鈍重なポケモンが多く、移動範囲が狭く、技の命中率が低いという扱いにくいタイプ。しかも弱点も多い。
    • ただし、いわタイプの技は追加効果(急所にあたる、動きを封じるなど)が発生しやすい。また、数少ないひこうタイプに強いタイプでもある。
  • エスパータイプ
    • 属しているポケモンはそれなりにいる。
    • どくタイプに効果ばつぐんが取れるのは非常に大きな強みといえる。(じめんタイプでも取れるが、じめん技を使えるポケモンはとても少ない)。
  • かくとうタイプ
    • 属しているポケモンは少ない。総じて攻撃力、技の威力共に高く、タイプ相性に関係なく大ダメージを与えられることも少なくない。ただし、技の範囲は狭いものが多い。
  • こおりタイプ
    • 属しているポケモンは少ない。鈍重なポケモンが多い為、いわタイプと特徴がやや似ている。そして弱点が多い。
    • ただ、ドラゴンタイプに強いのは非常に魅力的。 カイリューやガブリアス相手であれば4倍弱点が取れる為、真価を発揮するかもしれない

評価点

戦略SLG・SRPGとしてとっつきやすい作り

  • お馴染みの『ポケモン』のキャラを使っていることをはじめ、システムはシンプルで複雑な要素も無く、ユニットの出撃数が少なめで1戦あたりの所要時間も短いため、戦略シミュレーションに馴染みのない初心者でも気軽に安心してプレイできる。
    • 一方で、ポケモンごとの能力に応じた陣形を考えたり、マップの地形に応じた戦術が必要とされるなど、戦略性も十分に存在する。本編同様タイプ相性が重要なため、ステータスが強力なユニット1体でのゴリ押しも通用しづらい。
    • 本編中では、敵が弱すぎるor強すぎるといった事態に陥りにくく、最後まで程よく歯ごたえを感じながら進められる。
  • イクサ中でもポケモンや技のタイプ・攻撃範囲などをメニューを開かずに確認できる。相性も攻撃前にわかるため、ポケモンの相性に自信がなくてもプレイしやすい。

高品質なグラフィック

  • DS後期の作品だけあり、立ち絵のブショー&ポケモン、イクサ場でのSDサイズのポケモンのドット絵、どちらも高品質な出来。
    • 特にポケモンのイラストは公式画の雰囲気を崩さないまま、原作とは一味違った躍動感あふれるポーズや豊かな表情の評価が高い。
    • ブショー進化後の立ち絵も、ベストリンクポケモンを意識したデザインに変化すると凝っている。特にランマルの立ち絵は必見。
    • 原作では青年だった秀吉の子飼い三人組(石田三成、加藤清正、福島正則)は小生意気な少年キャラにデフォルメされており、こちらも好評。
      • 余談ながら、設定資料集でしか見れなかった兜を取った政宗の姿も限定的ではあるが見ることが出来る。

賛否両論点

良くも悪くもポケモン本編に準拠している点

  • タイプ相性はもちろんのこと、個体値、技の性能(威力、反動など)、進化方法(リンク値=本編のレベルと言って差し支えない)など、当然のように準拠されているのだが、おかげで様々な問題が生まれてしまった。
    • タイプ複合による恩恵が少ない
      • 攻撃の面で見ると、タイプが複合であっても、本作の仕様上技は1つしか使うことができない。なのでどちらかのタイプが実質無駄になるという残念な感じになってしまった。また、進化することで技のタイプが変わるポケモンも僅かながら存在する(ジヘッド→サザンドラ、サイドン→ドサイドン、クヌギダマ→フォレトスなど)。強いタイプの技に変更されるポケモンがいる一方で、サイドンの様に進化すると微妙なタイプの技になるポケモンもいる。 その為、不公平感がある。
      • 防御の面で見ると、本家とさして変わらないが…。 進化してタイプが追加されるポケモンは、何故か4倍弱点持ちが多かったりする(コイキング→ギャラドス、リザード→リザードンなど)。攻撃技のタイプが変わるならともかく、そんなこともない為、攻撃技のタイプは変わらないくせに、弱点が増えるという風に感じてしまう。
      • ただ、飛行タイプが追加された組は移動マスが増えたりする為、デメリットばかりという訳ではない。
      • また、エンペルトやドラピオンの様に防御面が優秀になるポケモンもきちんといる。
    • 技の性能が本作に合っていない物がある
      • 後述されている「技の範囲が狭い」ものの他、技の威力が低かったり、技の反動が大きい技が結構多い。最大で6vs6・移動の手間がある・ターン制限がある、これらを考えると、「本家の性能をそのまま引き継いでバランスを取る」というのは、とても無理がある。

クリア後の「エピソードモード」の仕様

  • 主役級の各ブショーの個別エピソードをプレイできるのだが、完全独自のエピソードは主人公のみ。後は数人で同じエピソードを別視点から遊んだり、主役を変えて同じルールでプレイするだけの使い回し。
    • そのため、主人公を除いた固有ブショーが36人もいるのに対し、エピソードは実質9種類のみ。途中からは同じエピソードの繰り返し作業となってしまう。
      • 前述通り、主人公のエピソードを開放するには特定のエピソードをクリアする必要があるが、そこに辿り着くまでにだれてしまうことも。また一部のブショー進化や伝説ポケモン出現の条件となっているエピソードも存在する。
      • もっとも、各自の初期領地や所持ポケモン・敵の強さはそれぞれ異なるため、エピソードごとにある程度異なる戦略を取る必要は出て来る。ミツヒデEPでの対ノブナガ専用セリフなんてのもあったりする。
    • それなりにストーリーがあって楽しめる「シノビの戦い」や「ミツナリトリオの喧嘩」はまだしも、他のエピソードではブショー同士の絡みが少ない。
    • ケイジ、オクニ、ランマルのエピソードは期間限定配信のみ。それぞれ一ヶ月程度と期間も短く、取り逃してしまうと他に入手方法はない。
      • 内容は例によって使い回しなので、配信限定にする意味を感じられない。これによってコレクションのコンプリートに影響が出るわけではないが。
  • 前述の通り、新たなエピソードを始める毎にリンク値や仲間のブショーの状況がリセットされてしまうので、RPG的にコツコツレベルを上げたりマイペースにポケモンを集めるプレイには向かない*1
    • このあたりはSRPGというよりも、様々なシチュエーションで勝利を目指す戦略ウォーシミュレーションの要素が強い仕様と言える。
  • 敵の強さやタイプなどがきちんと調整されている本編と違い、クリア後シナリオは強制イベントによって無理やりバランス調整を行っているものがある。
    • シナリオ中に存在する城の過半数を獲得すると、シナリオによって「敵軍の戦力が上がる(通称ガバイトイベント)」or「敵軍の侵略頻度が上がる」イベントが発生するのだが、前者のイベントが非常に厄介。
      • 具体的に言うと、敵のブショー全ての戦力がこちらの主力部隊並になる。数人しかブショー&ポケモンを育てていないと、防衛もままならない状態となる。
        ただし、イクサ場のギミックを利用したり、適切なタイプ相性での編成によって対処することは不可能ではない。
    • 自軍の主力部隊によるゴリ押しを防ぐための対処だと思われるが、敵軍の戦力の上がり方を調節するなどの方法はあったはずである。
      • 無理やり対処しているにもかかわらず、敵軍の最後の国を攻める頃にはまた自軍が圧倒的に強い状態になりやすい。
    • また、相手のAIは弱め。範囲技に仲間を巻き込む、仕掛けを起動して自滅などなどで、ステータスの高さでゴリ押ししてくる印象が否めない。上述のシナリオ使い回しも合わせて、作り込みの甘さを感じてしまうこともあるだろう。

状態異常の影響が非常に大きい

  • 状態異常の種類は、ポケモンに準拠して「どく」「もうどく」「やけど」「ねむり」「こおり」「まひ」「こんらん」「ひるみ」の8種。ひるみだけは他7種と重複する。
    • ただのスリップダメージである「どく・もうどく」、かかりにくい「ねむり」「こんらん」は大したことがないのだが、他の状態異常が凶悪。
      • 1ターン行動不能の「ひるみ」・数ターン行動不能の「ねむり」「こおり」といった行動不能系は言うまでもない厳しさ。
      • 「まひ」はランダム行動不能に加えて素早さ低下(=命中率ダウン)、「やけど」はスリップダメージに加えて攻撃力が低下するのも非常につらい。
    • いずれも本家『ポケモン』と似たような効果なのだが、6vs6かつ陣営別のターンに別れて動く本作上では影響力がもっと大きく、かかってしまったポケモンは半ばお荷物状態になってしまう。
    • 本家と違い、状態異常専門の補助技は「さいみんじゅつ(ねむり状態にする)」のみなので戦略に組み込みにくい。ラッキーヒットで敵を追い込む分には爽快だが、敵のマグレでこちらの目論見を崩されたという悪印象の方が強く残りがち。
  • ポケモンごとに1つ持ち物を持てるため、対策アイテムで治すことは可能。また、特性やブショーパワーの一部には自分や味方の状態異常を防いだり、治したりできるものがある。
    • ただし、「こんらん」を治す道具だけはなく「ひるみ」は特性による対策しかできない。

厄介なステージギミック

  • 上手く使えば自軍を有利にできる要素ではあるが、ランダムでダメージを与えたり、ポケモンを数ターン行動不能にしたり、思ったように移動できないといった、ストレスの貯まる嫌がらせのようなギミックのステージも幾つか存在する。
    • よく上げられるのは、小さい移動床とワープポイント(しかもターン毎にワープ地点が切り替わる)ばかりで非常に移動しづらい「ゲンム」、道を塞ぐ石像と触れると状態異常になる人魂が毎ターン動いて邪魔をする「ミタマ」*2、監視カメラに見つかると強制的に移動させられる「フクツ」あたり。

問題点

ポケモン間の格差が大きい

  • まずは移動力の差が顕著。通常は3で、鈍重なポケモンは2、素早いポケモンは4。2のポケモンは他のポケモンと比べて使い勝手が大きく劣ってしまう。
    • 移動力の基準もおかしい。見るからに鈍足そうなドサイドンやギガイアスが2なのはまだ理解できるが、翼を持ち高速で飛行する設定を持つカイリューなども2。
      反対に、クロバットやゾロアークなど身軽そうなポケモンは元々の移動力が4な上に、特性でさらに移動力が伸びる。
    • これだけなら別のポケモンに乗り換えることで解決するのだが、特定ブショー専用の伝説ポケモンが移動力2だと悲惨。具体的にはイエヤスのレジスチル。
      • 他にも、ウジヤスが最大リンク値90%以上の最終進化系は全て移動2。というか伝説を除いた岩タイプ最終進化系は移動2しかいないため不遇気味。
  • 飛行タイプや特性が浮遊のポケモンは、『ファイアーエムブレム』の飛兵よろしく地形をほぼ無視して移動ができる。
    • しかし、水場や崖を越えるのはおろか、移動力さえあれば穴まで飛び越えていくことも可能。段差も無視できるし、タイプごとに影響を受ける地形も関係ない。ほとんどのイクサ場で有利に戦える。
    • 更には相手ポケモンも飛び越えられる。
      • 本作にはポケモンの向きという概念があり、敵の側面や背後から攻撃するとダメージが上昇する。これらのポケモンは背後をとることが容易なため、結果的に攻撃力も高いことになる。
    • スピアーは「グラフィックの上ではどう見ても飛んでいるのに、飛行タイプでも浮遊特性でもないせいで『じしん』に当たる」というネタを本家から持つのだが、本作では川に流される、落とし穴に嵌るなどの仕掛けによってネタ性が加速することとなった。
  • 技の格差も酷い。本作では1ポケモンにつき1個しか技が設定されていないため、その技の性能によってポケモンの強弱が左右されやすい。
    • 強い技は広範囲に連続攻撃を仕掛ける「ほのおのうず」や、高火力広範囲の「だいもんじ」、直線3マス攻撃で命中率も高い「れいとうビーム」「りゅうのはどう」など。
      よって、これらの技を持つゴウカザル、シャンデラ、ヒヒダルマ、ラプラス、サザンドラなどが強いということになる。
      • 使える技の数を増やしたり、変更可能にするという案もあったようだが、ゲームが複雑になりすぎるため没となったとのこと。
  • 反対に、威力が低い・範囲が狭いなどの弱い技を持つポケモンは使いづらい。正面1マスにしか攻撃できないような、本家での低レベル習得技はまだマシな方である。
    • 例えばドサイドンの「がんせきほう」。威力だけならゲーム中でもトップクラスで、耐久力が高くない相手はタイプ相性でダメージを半減されても一撃で倒せるほどなのだが、それを差し引いても使いづらい。
      • 攻撃範囲は正面3マス先の1点のみ。ドサイドンは素早さが低いので命中率も低く、また命中したら反動で次ターンは攻撃できないというリスクまで持つ。
      • ドサイドンの移動力は2であるため、敵に密着されると「反対方向に2マス後退する」ことでしか反撃できない。ましてや、「周囲8マス技などで斜め方向から攻撃される」「移動力低下の追加効果がある技を受ける」などの状況に置かれると反撃することすら不可能になってしまう。これらの技がなくとも、複数のポケモンで進路を塞げば反撃不可能な状況を簡単に作り出せる。
      • 先述した通り、複雑+厄介なギミックのある城も多い為、戦う場所によっては本当に使い物にならない。特に足場の狭いゲンム、フクツ、敵が広範囲に移動するフブキ、ツバサ辺りでは操作するのが難しい。
      • 自軍で運用する際のデメリットというよりは、常にドサイドンを連れている敵のシンゲンをハメる際に使われる事が多かったりするが……。
    • デンリュウとレントラーが持つ「かみなり」も、がんせきほうと同じ攻撃範囲で命中率が低い。攻撃時の反動はないので比較するとマシな部類に当たる。
      • 進化前のモココとルクシオは周囲8マスの「ほうでん」なので進化したらむしろ弱くなる。本家ポケモンで「かみなり」と高威力・低命中が共通している技である「だいもんじ」「ふぶき」「ハイドロポンプ」はどれも広範囲に攻撃できるため、より肩身が狭い。
    • フォレトスの「ジャイロボール」は、正面2マスに体当たりなのはまだいいが、技の効果が原作同様「相手より素早さが低いほど威力アップ」。このため相手よりリンク値が高い(=ステータスが高い)ほど弱くなってしまい、大抵の場合ダメージが1にしかならず、進化さずにクヌギダマのまま使うのを推奨されてしまうほど。
      • 素早さが低ければダメージが上がるが、本作は「素早さ=命中率」なので今度は低命中率に泣かされるというなんとも残念な性能。
    • 他には、「ゆめくい」で眠っている相手にしか攻撃できないムシャーナも不遇。相手を眠らせる特性や仲間の補助がないと攻撃することすらできない。
    • これらのポケモンのうち、ドサイドン・レントラー・フォレトスはユニークブショーのベストリンクポケモンとなっているのがタチが悪い。
    • そもそも本作は素早さの高さで命中率が決まるのだが、遅いポケモンの攻撃は同等な強さの相手にもなかなか当たらない。特に岩ポケモンは、使える技も元々低命中の技ばかりなので輪をかけて酷い。
  • SLGでは後方支援や特定の条件下でのみ役立つユニットがいるのはよくあることだが、本作は自軍が6ユニットしかいないことや、キャラゲーとしての側面もあることから、こういった使い難いポケモンがいるのは問題点と言える。
    • そもそも、フォレトスに関しては特定の条件下という度合いを超えた弱さ。
  • とはいえ、ポケモンの強さに尋常でない差があるのも本家と同じであるため、仕方ない部分もある。

UIの問題点・要素の説明不足

  • 最低限の機能は備えているのだが、ブショーの整理や検索の機能に乏しく、領地やブショーが増えてくると管理が大変。
    • 各ブショーが所持しているポケモンも、現在使用している1匹のみしか検索の対象にならない。
  • 訓練場以外に数種類の施設が存在し、城ごとに組み合わせが違うのだが、それを一覧で確認できる場所はない。任意の施設の場所を覚えていない場合は、逐一各地の城を選択しないと確認できない。
    • 訓練で出現するポケモンも一覧に表示されないので、いちいち各城を回って確認する必要がある。
  • ポケモンのステータスやブショーパワーは上画面で簡易表示されないので、いちいち「しょうさい」コマンドで別画面を開かなければならない。
    • メニュー開閉をはじめ操作に対するレスポンスが全体的にやや遅く、ゲーム全体のテンポは良い方ではない。
  • イクサ場の詳細や敵配置は戦闘突入前に確認できず、自軍の初期配置も変更できない。
  • 各ブショーのリンク可能・ベストリンクポケモンは、訓練でポケモンと遭遇してみるまでわからない。得意なタイプから目星を付けることはできるが、2つ持つブショーはむしろ総当たりの手間が増える。
    • レア出現のポケモンや、エピソード限定出現のブショー&ポケモンも多いため、1つのエピソードを延々と行えば揃うわけでもない。
    • 分岐進化するイーブイ系は主人公のみのベストリンクだが、同じく分岐進化するキルリアとユキワラシは、どちらの進化系がベストリンクとなるか判断が不可能。外したら進化前とリンクし直しな上、場合によっては進化アイテムも無駄になる。
    • 加えて、レアポケモンが出る大量発生や、進化用の道具を売ってくれる商人などのイベントの発生はランダム。運が悪いと何ターン待ってもお目当てのポケモンと出会えない。ブショーの出現もランダムである。
    • パスワードの入力によってレアポケモンを出現させることはできる。1セーブデータで1度のみとデメリットはあるが、これなしでコレクションのコンプリートは至難の業。

登場ポケモンの偏り

  • 発売時期の関係で『BW』が優遇気味。全200匹のうち70匹ほどと3分の1を占めている。『金銀』『ルビー・サファイア』のポケモンはどちらも20匹ほど。
    • 最初に貰えるポケモン3種、通称「御三家」は『BW』のが3種類とも登場しているのに対し、『金銀』のは1匹も登場できていない。
  • 伝説ポケモンの選出も中途半端。ごく限られたブショーのみしか伝説のポケモンを扱えない関係である。
    • 『BW』でのゼクロムとレシラムは両方登場できているが、グラードンに対するカイオーガ、ディアルガに対するパルキアは未登場。
    • 3匹セットになっているものから1匹しか出ていない組が3つもある。この関係で『金銀』からは1匹も伝説のポケモンが出られていない。

『信長の野望』要素が薄い

  • 『信長の野望』とのコラボという名目であるが、実質的に本作のメイン要素はSRPG部分であり、『信長の野望』の特徴である内政要素(兵糧、内政、定期的な収入、敗北のデメリット等)は大きく簡略化されているため、「国取り型の戦略シミュレーション」としての要素はかなり薄い。
    • 収入は定期的なものこそないが金稼ぎは楽に可能、敗北して兵がいなくなればコレクション埋めの阻害になるなど、SLGに不慣れであろうポケモンからのユーザー向けにシンプルな設計にしたともとれるが、戦略性の深さを求める信長ユーザーとしては不満足なところ。
    • ブショーのデザインも前述した通り『信長の野望』シリーズではなく『戦国無双3』がベースなので、ある程度知名度がある武将でも『戦国無双3』に出てない武将はモブ*3か未登場*4になってしまっている。
    • また、なぜか島左近(サコン)、柴田勝家(カツイエ)、前田利家(トシイエ)、浅井長政(ナガマサ)は『戦国無双3』に登場しているにもかかわらず、モブにすらなっていない。
      • この内左近は主君である石田三成(ミツナリ)が子供化した事の余波、勝家と長政は史実ではお市(オイチ)の夫であったのでヒロインとしてのオイチのイメージを損ねないため、利家は勝家と関係が深いためと推測されている。

育成の難易度が高いポケモン・ブショーがいる

  • 今作のポケモンは、ほとんどが「一定のリンク値に到達すると進化」というシステムが採用されている。これは原作ポケモンの「レベルを満たすことで進化」に非常に似ているのだが…
    • 倒した数だけリンク値(原作では、経験値)が上昇するというのも原作とさして変わらないが、それを稼ぐのが原作よりも幾分難しくなっている。=育成が難しい。
      • リンク値が低ければ敵を倒した時に上昇するリンク値も多いものの…すばやさが低い(命中率が低い)上に、技の威力も低いことが多い為、敵を倒すのが難しい。またHPも低い為、こっちが反撃を喰らって倒される可能性すらある。(倒されてしまうと、入手できるリンク値は非常に少なくなる)。
      • リンク値が高いポケモンは、倒せる可能性は高いものの、上昇率が低いという逆の問題を抱えてしまう事態に。
    • 早い段階で進化するポケモンであれば、上述の問題点はさほど気になるものではないが、メラルバや600属と呼ばれるドラゴンタイプの系統などは進化が遅い為に、長い間その問題に直面することになる。
      • 特にキバゴ、ミニリュウ、モノズなどは技の威力こそ40固定なものの、命中率が低く、エピソードも中盤になってくると戦力として使い物にならない。その為使われることが少なく、リンク値が上がらなくなってしまう。
      • だいたい50%前後で1回目の進化を迎えるものの、そこまで行くとエピソードも終盤になっていることが多く、他にもっと強いポケモンがいる可能性が高い。
      • 最終進化まで(だいたい70%前後)させるには、「積極的に使う」か、あえて「エピソードを終わらせずに鍛え続ける」かのどちらかしかないと言える。
      • いずれも非常に性能が高く、他のエピソードにも進化形態は引き継げるので労力に見合っているという見方もできるが。
    • また、ベストリンクポケモンが使いにくい故に、進化が大変なブショーも一部存在する。特に多く名が上がるのが「シンゲン」と「ヨシモト」。ベストリンクポケモンはいずれもドサイドンとフォレトスで、前述してある通り、この上なく使いにくい。
      • ブショー進化はポケモンの進化と違い、戦力にそこまで大きく関わらないというのも悩みの一つである(進化させたほうがいいことに越したことはないが)。要するに労力に見合ってない。

道具について

  • 本作は本家ポケモンで使われている道具に加え、本作オリジナルの道具も多数存在する。しかし…
    • 本作ではポケモン1匹につき、1つしか道具が持たせられない・使うことができないという仕様になっている。そのため「強化系の道具」と「回復系の道具」を併用することは不可能である。
      • 攻略に大きな影響が出るという訳ではないが、「弱点を補う」「強みを伸ばす」といった方法がかなり取りづらく、前述してある通り、弱いポケモンへの救済ができない状態になっている。
    • また、基本的に1ターン1回しか攻撃を受けない本家と違って、本作は最大で1ターンに6回も攻撃を受ける可能性がある。なのにもかかわらず、回復系の道具の回復量は本家と同じ。つまり回復量がこの作品に合っていない。
      • それに加えて前述した通り、道具での回復は1度しか行えない。もちろん回復系以外の物を持たせてる場合は1度も行えない。全く意味がないという訳ではないが、ここまで来ると「焼け石に水」という状態に近い。
      • 道具が勝敗を左右することは少ないものの、こうなると逆に存在意義に疑問が浮かぶ。

総評

子供をメインターゲットにした『ポケモン』と、ファンの年齢層が高めな歴史物の『信長の野望』という、一見水と油な異色のコラボレーションが話題となった本作だが、ゲームの出来は水準以上である。
『信長の野望』の実在の武将をモデルとしたキャラクター達のSLGという楽しさと、『ポケモン』のパーティ構成・育成・収集などの楽しさはどちらもきちんと盛り込まれており、システムがシンプルなのでSRPG初心者にもオススメである。
「ポケモン」「戦国無双」「SRPG」のどれかに興味があるなら安心して楽しめる。同時に、それまで興味がなかった他の要素の入り口にもなるという点を見れば、コラボレーションとしては十分に成功と言えるだろう。
やや不親切な点があるUIや、クリア後の「エピソードモード」の仕様などクセのある点も存在するが、それはとことんまでプレイし尽くそうと思ったときに気になる程度である。


余談

  • ニコニコ静画にて、『ポケモン+ノブナガの野望~ランセ彩絵巻~』(全6話)が配信されていた。
    • 本作の世界観がわかりやすく、ゲームのよい補完になっていて好評だったが、現在では残念ながら公開が終了している。
  • 本作が初めて公表された日は2011年12月17日。奇しくも、ソニーの携帯型ゲーム機『PlayStation VITA』の発売日でもある。
  • 期間限定で『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』に「ノブナガの黒いレックウザ」が配信されていた。(4Gamer.net
    なお、この配信の一ヶ月前にも『歴代ゲーム ポケモン総選挙!』で1位となったレックウザが配信されていたため、レックウザの配信が連続していた。(4Gamer.net
最終更新:2022年09月13日 18:45
添付ファイル

*1 もっとも、エピソードによっては制限付きではあるが不可能というわけではない。

*2 ギミックの演出のテンポが悪く飛ばせないことも不満点に上げられる。

*3 足利義輝(ヨシテル)、大友宗麟(ソウリン)など

*4 朝倉義景、三好長慶、最上義光など。ただし、朝倉義景は浅井長政(ナガマサ)と関係が深く、三好長慶は森長可と名前が同音(どちらも「ナガヨシ」)のために登場できなかった可能性が高い。