ゾイド黙示録
【ぞいどもくしろく】
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ジャンル
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アクション・シミュレーション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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2MbitROMカートリッジ
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発売元
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トミー
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開発元
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ノバ
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発売日
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1990年12月21日
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定価
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6,700円(税別)
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2009年1月13日/500円
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プレイ人数
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1~2人
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判定
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クソゲー
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シリーズファンから不評
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バカゲー
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ポイント
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ゾイドのアクションバトルシミュレーション ぶつかり合うとワープする? マークII化したモン勝ち ソンナニ イジメナ イデヨ ママニ イイツケ テヤル
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ゾイドシリーズ
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概要
1990年12月にトミーから発売された『メカ生体ゾイド』のシミュレーションゲームで、戦闘をアクションで行うゲーム性。
つまりゲーム全体のイメージは『SDガンダムワールド ガチャポン戦士 スクランブルウォーズ』のゾイド版。
なおトミーとしては同年6月にゲームボーイソフト『ゾイド伝説』を発売しているが、それとも直接的なつながりはない。
よって実質まったく新しいゾイドのゲーム作品となる。
原作要素としては「暗黒軍」が初めて本格参戦するゲーム作品である。
ストーリー
ゾイド星暦2056年、共和国軍と暗黒軍の闘いは、その戦場を暗黒大陸に移し、かつてない激しい最終決戦の時を迎えようとしていた。共和国軍は新鋭ゾイドによる大舞台を編成し総力を挙げての大反撃を開始した。
次々と襲いかかってくる暗黒軍ゾイドの奇襲攻撃により多くの損害を出しながらも進撃は休むことなく続けられ、オルディオス、バトルクーガーら新鋭飛行ゾイドの支援を受け暗黒軍の首都にたどり着いた。
この共和国軍の大反撃作戦に対し暗黒軍は新型ゾイド、ガン・ギャラド戦線に出撃させオルディオスとの激しい空中戦を展開した。一進一退の攻防を繰り返すヘリック大統領は一歩も引かぬ覚悟でこの総力戦にあたっていた。
しかし、ギル・ベイダーの参戦により戦況は徐々に暗黒軍にとって有利な状況に傾いていった、その時である。山を砕き、大都を揺るがし超巨大ゾイドが出現。これこそがヘリック大統領が待ち望んでいた最終決戦用の切り札キングゴジュラスである。
その空前絶後の超破壊力の前に暗黒軍は次第に劣勢へと追い込まれていった。
だが、その両国存亡をかけた大決戦に決着がつこうとしていた頃、ゾイド星の運命を左右するほどの大異変が起きようとしていた。はるか宇宙のかなたからゾイド性を含む太陽系に向けて一つの巨大な彗星が大接近してきたのである。
彗星はゾイド星と三つの月の一つを直撃し、凄まじい衝撃とともに月は崩壊し砕け散った破片はゾイド星を襲った。破片は隕石と化し猛烈な速度でゾイド星の中央大陸の反対側に落下。
月の一つを失ったゾイド星は引力バランスを崩し地軸がずれ落下した隕石は爆発し数十キロもの大クレーターを作った。
その際の衝撃は地殻変動や大津波を引き起こし中央大陸は三つの大陸に引き裂かれ、暗黒大陸の一部は海の中に沈んでいった。共和国軍と暗黒軍の闘いの結末とともに………。
(説明書4頁より)
内容
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共和国軍と暗黒軍を選択して、与えらえた味方ゾイドを駆使して敵の旗艦ゾイド破壊を目的とする。
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1人でプレイする場合、難易度選択として敵軍リーダー(司令官)を3人から選択する。それぞれで思考パターンが異なる。
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旗艦ゾイドは表示ONにすれば、マップ上ではその機体シンボルに黄色い旗が表示され戦闘中は名前表示欄に旗マークが付く。
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マップは全部で16通りだが、16番目はラストステージのため、隠しマップ扱いとなる。
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このマップでは強制的にシステムはリアルタイム制になる。
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これをクリアーするとエンディングだが暗黒軍でクリアーしてもその内容は共和国軍のものとなる。
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1Pではマップをクリアーするとパスワードが発行され中断や再開はこれで行う。
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システムはリアルモードと交代モードがある。移動は常に上下左右1マスのみで直近作でいうなら同年3月にゲームボーイソフトで発売された『SDガンダム SD戦国伝 国盗り物語』(バンダイ)に近いゲーム性。
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リアルモード
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お互いが同時進行となるため、戦況を見ている間にも敵はどんどん行動してくるので、のんびりしてはいられずコントローラー裁きのテクニックも必要となる。
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このようなモードなのでマップ上でもポーズが可能。
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交代モード
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一般的なシミュレーションゲームと同じで、両者が2回ずつ行動したら相手に交代するターン性。「END」でコマンドパスも可能。
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プレイヤー同士で対戦を行う場合は強制的にこの「交代モード」になる。
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時間経過で地形が変わる。
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発生するタイミングでは地響きとともに地震が起こる。
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地形
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「平地」「砂漠」「森」………普通に移動可能。
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「山」………移動不可。
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「海」………飛行可能ゾイドのみ移動できるが少しダメージを受ける。
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「野生ゾイド」(灰色の恐竜頭)………いわゆる中立軍のようなもので、これの上に乗ると自軍ゾイドとして取り込める。
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「マークII」(ミサイル)………この上に乗るとマークII化する。
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「基地」………この上に載っているとHPが回復する。
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マークII化すると、そのユニットに「II」というマークが付く。
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射程距離3の関接攻撃ができるようになる。関接攻撃はお互いぶつかり合うことなく、区切られた空間で山なりの砲弾を発射する。
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これに狙われると同じマークIIならば同じ砲弾で攻撃できるが、マークII化していないと一方的にやられるのみで逃げることしかできない。
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直接ぶつかり合っての戦闘でも強力なBボタン武器が使用できるようになる。
戦闘
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上述の通り、マークIIは関接攻撃ができるので、その場合射程圏内に入っている敵を攻撃でき、相手がマークIIでないならば一方的に攻撃できる。
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直接での戦闘となった場合、パワー回復のアイテムが2つ置かれている。
おバカな要素
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前述通り、ストーリーは本格的でコミカル要素はまったくないのだがキャラクターが完全にSDになっている。
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そんなキャラがやられるとキャラをまるまる隠すように黒っぽい台詞ウィンドウが出て「コノヤロ オボエテ ロー!」「ナカマガ ダマッテ ナイゾ!」あたりも大概なものだが「オーマイ ガッ」(「ガ」だけが大きい)や果ては「ソンナニ イジメナ イデヨ」「ママニ イイツケテ ヤル」など完全にズッコケネタ。
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しかも、そんな台詞を「命知らずな戦闘狂で相手を徹底的に破壊する恐怖の軍団」という位置づけの暗黒軍の兵士が言っているとしたらシュールすぎる。
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ラストマップはでかい「Z」の形をした大陸で、しかも「ZOIDS」ロゴの「Z」の形そのまんま。
問題点
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ゾイドの機体ごとの個性はまったくない。
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HPの違いぐらいしかなく他には飛行ゾイドか否か程度。
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装備に至ってはRPG版で猛威を振るった「4連速射砲(ゴジュラス)」や格闘用の「マグネーザー(マッドサンダー)」など様々な武器を持っているはずなのに、ゲームでは均一な武器しかない。
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また飛行ゾイドも戦闘では障害物には邪魔されるので、その飛行能力を感じられるものすらない。
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もちろん旗艦ゾイドだからといって特別な強さが付与されているわけではない。
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そのHPに基づく強さ設定もいろいろ齟齬がある。
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例えばゴジュラスとアイアンコングはライバル関係として有名で、お互いまったく互角のはずなのに本作ではアイアンコングの方がHPが高い。
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デスザウラーはマッドサンダー登場までウルトラザウルスを含む共和国ゾイドを圧倒するほどの存在だったが本作ではウルトラザウルスと互角。
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初の暗黒ゾイドであるデッドボーダーはいきなり現れゼネバス帝国のデスザウラーを奇襲ながらあっさり破ったほどだったが、ゲーム中ではデスザウラーの方が4割ほどHPが高い。
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もっとも、これはデッドボーダーは中型なので抑えられた可能性もあるが。
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そもそもHP設定自体が、共和国軍と暗黒軍でまったく同じものを流用している。
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戦闘バランスがかなり大味でハッキリ言ってマークIIが強すぎる。
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特に関接攻撃は一発の威力こそ小さいながらリアルモードなら、これで連打して関接攻撃を撃ちまくっているだけで一方的に蹂躙できる。
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直接の戦闘でもBボタン兵器が強すぎるので、やっぱりこれがあるとないのでは大違いで下位ゾイドがこうなるだけで上位ゾイドはちょっとタフなだけのザコ同然になってしまう。これは「禁断のゾイド」として最強と名高いキングゴジュラスでさえ例外ではない。
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そのため、マークIIを取った者勝ちも同然。
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Bボタン武器もAボタン武器も、どっちも射撃系の武器なのでBボタン武器があるとAボタン武器はただの下位互換にしかならない。
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「どんなゾイドでもマークIIになれる」というのも原作を意識するとヘン。ゴルヘックスやマルダーなど下位ゾイドのマークIIなどシュールすぎる。
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地形「平地」「砂漠」の差がまったくない。
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見た目(背景)の違いだけでしかない。似た例である上記『スクランブルウォーズ』や『SDガンダム SD戦国伝 国盗り物語』などは、それぞれの地形(マップチップ)にちゃんと特色があった。
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しかもマップ上でも1マスずつの移動しかできないので、特色らしい特色はないに等しい。
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世界観に対してさすがにふざけすぎな台詞。
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上記の通りギャグ路線全振りになってしまっており世界観を考えれば完全にちぐはぐ。
「Zナイト」への転換期が近いことで軽視したのかも…
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中でも「相手を徹底的に破壊する恐怖の軍団」という位置づけの暗黒軍がこんなことを言っていては世界観ブチ壊し。
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戦闘システム都合でプレイアブルキャラのグラはSDっぽくなってしまっているが、これが「SD」など付いていたりと最初からギャグ狙いならばまだしも、そういった扱いではない。実際オープニングやストーリーは明らかにシリアスな戦争ドラマである。
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しかも、この台詞を表示している時間もムダに長い。折角バトルを20秒と短くしているのにテンポを悪くしている。
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直接の戦闘でぶつかり合うと、はじき合うだけでなくヘンな形で飛ばされてしまい相手と入れ替わってしまい見失うこともしばしば。
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気が付けば、相手に向かっていたつもりだったのにいつの間にか反対方向に逃げていたり、あさっての方向に連射していたりなんてことも。
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1990年にもなってシミュレーションゲームでパスワードコンティニュー。
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いうまでもなくこの当時はRPGやシミュレーションゲームなどは、まずバッテリーバックアップが標準なのにまさかのパスワード。
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しかも「ラ」と「タ」が似通った字体になっているなど書き写しミスもしやすい。
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戦闘ロジックこそ司令官毎の強弱があるがCPUの戦略ロジックは総じて弱い。
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特にリアルモードでは、こちらがマークII化して一方的に攻撃すればジワジワダメージを蓄積させることができ、まず楽勝できてしまう。
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先術の『SD戦国伝』同様交代モードは2手しか動かせず少々不便なゲーム性。
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しかも本作は関節攻撃の要素もあると考えると、たった2手しか動かすことができないため、戦略の組み立てがしにくい。
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しかもプレイヤー対戦はこのモードでしか行えない。
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リアルモードはもともとファミコン向けではない。
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先術の『SD戦国伝』ではゲームボーイだからこそリアルモードで対戦ができたのだが、それができない。
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そう考えると、このようなゲーム性はゲームボーイ向きだったと改めてよくわかる。
賛否両論点
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BGMの物悲しい雰囲気がなくなった。
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完全に戦意をかきたてるような重々しい力強さだけのBGMになったことで今までとは雰囲気が変わっている。
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発売・開発元が変わりながらもゲームボーイソフト『ゾイド伝説』では、そんな雰囲気が維持されていただけにここは好みが大きく分かれやすい。
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バトルにかかる所要時間がかなり短い。
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そのため1回のバトルではなかなか決着しない。
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『スクランブルウォーズ』のような60秒制は時間がかかりすぎるという難点があるので、ここは好みが分かれるだろう。
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また生産できるシステムがなくユニットの絶対数が少ないため、それを加味すれば1回の戦闘で決着しにくいバランスはあながち悪いとも言い切れない。
評価点
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時間経過で地形が変わるシステム。
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これは今までのシミュレーションではありえなかった新機能で、うっかり放置していたら水に埋もれていたりなど敵以外にも戦略性を生み出している。
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エンディングで流れるゾイドのグラフィックがリアル。
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サイズデータだけでなく武器までしっかりと名称がみられる。
総評
SF系ロボット戦記モノであるゾイドを戦略シミュレーションにするという発想自体は間違ってはいないもののゲームバランスは大味でお世辞にも良いとは言えない。
しかもアクションバトルはぶつかると見失いやすいなど操作性はお世辞にもよくない。地形による戦い方の変化も少ないなど『SDガンダムシリーズ』に比べると見劣りが顕著。
何よりもゾイドのゲームとして東芝EMIのRPG2作品以上に様々な機体の個性が感じられず、変なおふざけを盛り込むなど本家本元の発売にもかかわらずその魅力では劣ってしまっている。
ターン経過による地震で地形が変化したりなど意欲的な部分はあるものの、全体的なつくりはかなり雑と言わざるを得ない。
その後の展開
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後述のシリーズ終焉もあり『メカ生体ゾイド』シリーズのゲームも本作で一旦幕引きとなった。
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次のゾイドのゲーム化は10年を隔てた2000年になり両シリーズの中間的な位置づけとしての作品としてトミーがゲームボーイソフトとして『ゾイド 邪神復活! ~ジェノブレイカー編~』(2000年8月4日)、新シリーズをベースにした作品『ZOIDS ~白銀の獣機神ライガーゼロ~』(2001年6月19日)を発売しているが、どちらも評価は芳しくない。
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また後述の通り新シリーズ真っ盛りの時期にもかかわらず第1シリーズの『メカ生体ゾイド』をベースとしたゲーム作品が『ZOIDS 帝国VS共和国 メカ生体の遺伝子』(2000年11月22日発売)がプレイステーションソフトとして発売されている。
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2009年1月13日にWiiのバーチャルコンソールで配信された。
余談
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本作の直前にあたる11月にゾイドのキットは暗黒ゾイド「デスキャット」を発売したのを最後に一旦ゾイドはその歴史に幕を閉じる。
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『メカ生体ゾイド』が終焉した直後にトミーは新シリーズ『装甲巨神Zナイト』を展開するも、こちらは二番煎じのイメージが強くゾイドほどの地位は築けず2年も持たず短期間で終焉することとなる。
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元々人気の上で伸び悩んだこともありゲーム化には至っておらずメディアミックス展開も限りなくゼロに近いものとなったことで現在では幻の作品のような扱いを受けているがゾイドのネームバリューの高さの影響もあって、その後継シリーズの位置づけにあることから、源流であるプラモなどはプレミア化している。
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その後1990年代も末期になりゾイドは懐古的にブームが再燃しインターネットの登場によりトミーは過去のゾイドシリーズの情報配信なども行ったことで再びゾイドブームが本格化し『機獣新世紀ゾイド』として新シリーズがスタート。アニメもこれをベースとして制作された。
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暗黒軍にデスザウラーやアイアンコングなどゼネバス帝国お馴染みのゾイドたちの姿が見えるが、これはゼネバス帝国がヘリック共和国との戦争で敗色濃厚な情勢となり、それまで後方支援していた暗黒軍が裏切ってゼネバス帝国軍を半ば乗っ取るような形で、そのゾイドや将兵たちを奪い去ったため。
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なお、この当時の暗黒軍に国家的設定はなかったが後のゾイドとしての後継シリーズ『機獣新世紀ゾイド』では「ガイロス帝国」という国家であることが追加される。
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本作では共和国最強の禁断のゾイドである「キングゴジュラス」が登場するということもあってか、暗黒軍側ではこれに対抗するゾイドとして「デスバーン」という半オリジナル機が登場する。
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実はこのデスバーンは元々は1990年に模型誌に投稿された一般投稿者のギル・ベイダーの改造機が初出であり非公式の存在であったが、それが多数のファンに知れ渡り本作に公式に逆輸入されることとなった経緯を持つ。
最終更新:2025年12月22日 23:02