三相奇談
【さんそうきだん】
ジャンル
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アドベンチャー
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対応機種
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Windows(Steam) Linux(Steam)
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発売元
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indienova
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開発元
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Everscape Games
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発売日
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2025年1月14日
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定価
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1,700円
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プレイ人数
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1人
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備考
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英題は"Threefold Recital"
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判定
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良作
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ポイント
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ケモノが織りなす群像劇と推理ADV
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概要
いわゆる「ケモノ」と呼ばれるキャラクターが主役の推理アドベンチャーゲーム。
多少アクション要素も含まれるが、移動とジャンプくらいなのでアクションが苦手でも深刻に捉えなくともよい。
あらすじ
『三相奇談』の舞台は、空想上の東方世界である。青龍城、それは数千年前から、ヒト、アヤカシ、龍族が生息する町である。だが今ではかつての繁栄を失い、道術、絡繰術、それから失われた古代技術が横行する混沌の時代に陥った。今、この町に闇が忍び寄り、未曾有の危機が訪れようとしている……
(Steamの販売ページより引用)
操作キャラ紹介
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浄飯(ジョウハン)
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狼の和尚。縁を見る、切る、ものを破壊する力を持っている。
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参宝(サンホウ)
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狐の道士。方術と調合に長けており、材料と炉があればなんでも必要な道具や薬を作れる。
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月羞(ユエシュウ)
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蛇の画家。化けの皮を自身に描いて変装できるほか、絵画の中に入れる能力がある。
評価点
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ストーリー
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小さな違和感が次第に増えていき、最後にあっと驚くどんでん返しが待っているという展開が見事。
ゲーム内のすべての情報を正確に覚えていない限り気付けない展開が待っており、違和感そのものに気付けなかったとしても選択肢で提示してくれるため推理パートに入りやすい。
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キャラクターのグラフィック
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表情が豊かなだけでなく、メインで操作する3人など重要キャラクターたちは差分毎にポーズが大きく変わる。ゲーム中のミニキャラの動きも滑らか。
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妖しのキャラも種族が豊か。鹿獣人などケモノの世界ではあまり見ない種族もいる。
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翻訳とローカライズが完璧
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キャラの個性が喋り方でわかるほどローカライズがしっかりしており、脱字や表記揺れはわずか。
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BGM
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フリーBGMと書き下ろし曲を使用しており、そのどれもが東洋ファンタジーにぴったりな楽曲となっている。ゲームを進めればサウンドテスト機能が開放され、いつでも聞けるようになる。
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効果音も足場によって足音が変わるなど芸が細かい。
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目標が常に表示されている
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ゲーム進行に必須の目標とそうでないサブ目標の両方が常に画面に表示されており、プレイの邪魔にならない位置であるためスムーズなゲーム進行が可能である。
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クリア後のおまけも充実しており、各章を最初からプレイできるチャプターセレクトはもちろんのこと、スタッフルームに入るとキャラの設定資料を閲覧したり、各キャラクターについての開発者からのコメントが読めたりする。
賛否両論点
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謎解きについて
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ゲームが進むにつれて謎解きも難しくなっていくが、どうしても自力でできないときはスキップできるようになっている。ゲームオーバーの概念もないため、緊張感がないと思う人と安心してプレイできると感じる人に分かれる。
問題点
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キャラの名前が覚えにくい
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中華系ファンタジーにありがちなことだが、漢字だらけで読みが説明されるのは主要な一部のキャラのみ。そのため、4話の誰が誰だったかを記憶しなければならないパートでは苦労する可能性がある。
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前述の通りゲームオーバーはないため、いくら間違えても問題ないのが救い。
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「世界の秘密」
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実績とは別に、各話には「世界の秘密」というコンプ要素がある。それらの条件をすべて達成すると隠しキャラに会えるほか、作中世界である青龍城について補足が入る。そのためコンプリートを目指したい要素だが、2つの実績の条件が相反しており1回のプレイでは同時に達成できないようになっていたり、ヒントが不親切だったりする。その上条件を満たしたかどうかは各話クリア後のリザルト画面でしかわからないため、コンプリートを目指すとなると一つでも取り逃しがある場合その章をまるまるやり直すことになってしまう。
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キャラの取り違え
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少数だが、誰が喋っているセリフであるかを明らかに取り違えて書かれているテキストが点在する。ローカライズが完璧であるがゆえにこれらのシーンが悪目立ちしている。
総評
プレイヤーをあっと言わせる謎とシナリオに満ちた傑作東洋ファンタジー。
ケモノに嫌悪感がなく、謎解きが好きであればぜひプレイしてほしい。
最終更新:2025年10月13日 17:36