Puppy Linux

▲Puppy Linuxのロゴ
Puppy Linux(パピーリナックス)とは、軽量Linuxディストリビューションの1つである。
単に Puppy と略して呼ばれることもある。
単に Puppy と略して呼ばれることもある。

▲デスクトップ画面(Bionicpup 8.0)
各種データ
各種データ
開発者 | Barry Kauler / Puppy community |
系統 | Slackware系, Debian系 |
開発状況 | 開発中 |
初版 | 2003年6月18日 |
最新版 | 9.5(Fossapup64)/ 2020年9月17日 |
アップデート方式 | APT, RPM |
パッケージ管理 | PETget, slackpkg, dpkg |
カーネル | Linux |
デスクトップ環境 | Openbox, JWM |
ウェブサイト | https://forum.puppylinux.com/viewtopic.php?f=40&t=88&i=2 |
概要
Puppy Linuxは独自に開発されたLive CDのLinuxディストリビューションであり、3.0以前はSlackwareと高い互換性を持っていた。
現在はSlackware・ Ubuntu ・ Debian をベースにした各バージョンが開発・公開されており、それぞれのパッケージ利用が可能となっている。
現在はSlackware・ Ubuntu ・ Debian をベースにした各バージョンが開発・公開されており、それぞれのパッケージ利用が可能となっている。
リリース
バージョン4まで
一部バージョンを省略。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
0.1 | 2003年6月18日 | 初公開 |
1.0 | 2005年3月29日 | |
2.0 | 2005年3月29日 | |
2.16.1JP | 2007年7月17日 | 初の正式日本語版がリリースされた。 |
3.0 | 2007年10月14日 | |
4.0 | 2008年5月5日 | T2プロジェクトからアプリケーション及びライブラリのソース取り込み GTK2を使用するプログラムのみで構成しUIを統一。 |
4.3 | 2009年9月18日 | 4.12以前の簡素なデスクトップとなる。 |
バージョン5以降
バージョン 5以降の Puppy Linux はいくつかの系列に分かれている。これまでにもコミュニティ・エディションと呼ばれるもの(バージョン 4.2 など) があった。また、「公式」ではない派生も多く存在した。バージョン 5以降はむしろそれら派生の中から後付けで「公式」と宣言した経緯のものがある。 Lucid Puppy(Lupu)、Slacko この2つが「公式」と宣言された後に、本家Puppy LinuxでもWary、続いて Racy を開発したために、これらの系列が並列することとなった。その後本家Puppy Linuxは Precise Puppy の開発に着手。
Precise Puppy
本家Puppy Linuxによる開発。Ubuntu 12.04.1(Precise Pangolin) とバイナリ互換。Ubuntuの膨大なリポジトリにアクセスできる。Precise Pangolinは5年間のLTS(Long Term Support、長期サポート)であるため、Precise Puppyも同等に扱われる。PAEカーネルが通常となり、non-PAEは"retro"という扱いになった。
本家Puppy Linuxによる開発。Ubuntu 12.04.1(Precise Pangolin) とバイナリ互換。Ubuntuの膨大なリポジトリにアクセスできる。Precise Pangolinは5年間のLTS(Long Term Support、長期サポート)であるため、Precise Puppyも同等に扱われる。PAEカーネルが通常となり、non-PAEは"retro"という扱いになった。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
Precise Puppy 5.4 | 2012年10月23日 | |
Precise Puppy 5.5 | 2013年3月10日 | |
Precise Puppy 5.6 | 2013年5月21日 | |
Precise Puppy 5.7 | 2013年7月29日 | |
Precise Puppy 5.7.1 | 2013年8月3日 |
Slacko Puppy
非公認派生として開発がスタートしたが、後に本家Puppy Linuxから「公式」と宣言され、公式派生となった。Slackware ベース。カーネル、ライブラリに比較的新しいものを採用。32bitOSながら 4GB超えのRAMをサポートする PAEカーネルのものもリリースしている。
非公認派生として開発がスタートしたが、後に本家Puppy Linuxから「公式」と宣言され、公式派生となった。Slackware ベース。カーネル、ライブラリに比較的新しいものを採用。32bitOSながら 4GB超えのRAMをサポートする PAEカーネルのものもリリースしている。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
Slacko Puppy 5.4 | 2012年12月2日 | |
Slacko Puppy 5.5 | 2013年3月6日 | |
Slacko Puppy 5.6 | 2013年8月13日 | |
Slacko Puppy 5.7 | 2014年5月10日 | |
Slacko Puppy 6.0 | 2014年10月24日 | |
Slacko Puppy 6.3 | 2015年11月16日 | |
Slacko Puppy 6.3.2 | 2016年6月23日 |
Wary Puppy・Racy Puppy
本家puppy Linuxによる開発。T2ベース。Xサーバーは Puppy 4.x系と同じで、比較的古いハードウェア(グラフィック・カード)のサポートを意図している。RacyはWaryに比べ新しいカーネルや Xサーバーを採用し、最近のハードウェアへのサポートを意図している。カーネルと Xサーバー以外は基本的にWaryとRacyで同じ。
本家puppy Linuxによる開発。T2ベース。Xサーバーは Puppy 4.x系と同じで、比較的古いハードウェア(グラフィック・カード)のサポートを意図している。RacyはWaryに比べ新しいカーネルや Xサーバーを採用し、最近のハードウェアへのサポートを意図している。カーネルと Xサーバー以外は基本的にWaryとRacyで同じ。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
Wary 5.0 | 2010年12月29日 | 本家によるWary(慎重なパピー)最初の正式リリース |
Wary / Racy 5.5 | 2013年3月3日 | |
Wary / Racy 5.5.1 | 2013年5月13日 | サービスパックのみのリリース |
Lucid Puppy
Slacko Puppyと同じく非公認派生として開発がスタートしたが、後に本家Puppy Linuxから「公式」と宣言され、公式派生となった。Ubuntu 10(Lucid) とバイナリ互換。カーネル 2.6.33.2 や主要ライブラリを変更することなく改良、保守が続けられた。Lupu-5.2.8-005 を最後に更新対象から外されている。
Slacko Puppyと同じく非公認派生として開発がスタートしたが、後に本家Puppy Linuxから「公式」と宣言され、公式派生となった。Ubuntu 10(Lucid) とバイナリ互換。カーネル 2.6.33.2 や主要ライブラリを変更することなく改良、保守が続けられた。Lupu-5.2.8-005 を最後に更新対象から外されている。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
Lucid Puppy 5.0 | 2010年5月15日 | |
Lucid Puppy 5.1 | 2010年8月13日 |
Raring Puppy
本家puppy Linuxによる開発。Ubuntu 13.04(Raring Ringtail) とバイナリ互換。アルファ版のみが公開されている。
本家puppy Linuxによる開発。Ubuntu 13.04(Raring Ringtail) とバイナリ互換。アルファ版のみが公開されている。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
Raring Puppy 5.7alpha1 | 2010年5月15日 | |
5.6.94 (5.7alpha2) | 2010年8月13日 |
tahrpup CE
666philb が取りまとめ役を務めるプロジェクト。Ubuntu 14.04 (Trusty Tahr) とバイナリ互換。この系列の公式最新版は 6.0.5 で、カーネルは 32bit版が 3.14.56, 64bit版が 3.14.54 である。32bit版の iso は PAE カーネルのものと noPAE カーネルのものが用意されている。
666philb が取りまとめ役を務めるプロジェクト。Ubuntu 14.04 (Trusty Tahr) とバイナリ互換。この系列の公式最新版は 6.0.5 で、カーネルは 32bit版が 3.14.56, 64bit版が 3.14.54 である。32bit版の iso は PAE カーネルのものと noPAE カーネルのものが用意されている。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
Tahrpup 6.0.0 | 2014年3月9日 | |
Tahrpup 6.0.5 | 2015年12月20日 |
xenialpup CE
666philb が取りまとめ役を務めるプロジェクト。Ubuntu 16.04 (Xenial Xerus) とバイナリ互換。7.0.x として開発が進み、公式版は 7.5 と付番された。カーネルは 32bit版が 4.4.95 noPAE, 64bit版が 4.9.58 である。
666philb が取りまとめ役を務めるプロジェクト。Ubuntu 16.04 (Xenial Xerus) とバイナリ互換。7.0.x として開発が進み、公式版は 7.5 と付番された。カーネルは 32bit版が 4.4.95 noPAE, 64bit版が 4.9.58 である。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
Xenialpup 7.5 | 2014年3月9日 |
bionicpup32・bionicpup64 CE
Ubuntu 18.04 (Bionic Beaver) とバイナリ互換。32bit版は peebee を中心として UPupBB の名称で開発が進められたが、公式版リリースにあたり bionicpup32 8.0 と命名された。(カーネル 4.9.163 PAE) 一方、64bit版は当初から bionicpup64 として、666philb をリーダーとして開発が進められ、公式版は 8.0 と付番された。(カーネル 4.19.23) 開発の経緯から、32bit版と 64bit版で収録されているアプリケーションの一部が異なる。
Ubuntu 18.04 (Bionic Beaver) とバイナリ互換。32bit版は peebee を中心として UPupBB の名称で開発が進められたが、公式版リリースにあたり bionicpup32 8.0 と命名された。(カーネル 4.9.163 PAE) 一方、64bit版は当初から bionicpup64 として、666philb をリーダーとして開発が進められ、公式版は 8.0 と付番された。(カーネル 4.19.23) 開発の経緯から、32bit版と 64bit版で収録されているアプリケーションの一部が異なる。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
Bionicpup 8.0 | 2019年3月24日 |
Raspup
01micko によるプロジェクトであり、Raspberry Pi OSのバイナリパッケージと互換性がある(Raspup 8.2.1 のカーネルは 5.4.42)。 x86, x64 以外のアーキテクチャ (armhf 32bit) をサポートする最初の Puppy である。Pi Zero, Pi 1 〜 Pi 4 で動作する。
01micko によるプロジェクトであり、Raspberry Pi OSのバイナリパッケージと互換性がある(Raspup 8.2.1 のカーネルは 5.4.42)。 x86, x64 以外のアーキテクチャ (armhf 32bit) をサポートする最初の Puppy である。Pi Zero, Pi 1 〜 Pi 4 で動作する。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
Raspup 8.2.0 | 2020年1月1日 | |
Raspup 8.2.1 | 2020年7月5日 |
Fossapup64 CE
666philb が取りまとめ役を務めるプロジェクト。Ubuntu 20.04 (Focal Fossa) とバイナリ互換。9.0.x として開発が進み、公式版は 9.5 と付番された。カーネルは 5.4.53 である。従来は本体 sfs に収録されていたアプリケーション群が adrv sfs として分離された。adrv sfs を外すことによって、アプリをほとんど含まないミニマルシステムとして起動することができる。
666philb が取りまとめ役を務めるプロジェクト。Ubuntu 20.04 (Focal Fossa) とバイナリ互換。9.0.x として開発が進み、公式版は 9.5 と付番された。カーネルは 5.4.53 である。従来は本体 sfs に収録されていたアプリケーション群が adrv sfs として分離された。adrv sfs を外すことによって、アプリをほとんど含まないミニマルシステムとして起動することができる。
主なバージョン | リリース日 | 主な変更点 |
Fossapup64 9.5 | 2020年9月17日 |
外部リンク
- Fossapup64 9.5 (英語)
- Fossapup64 9.5 日本語化
- Puppy Linux (英語)
- Puppy Linux 日本語版
- Puppy Linux 日本語版 Wiki
- Puppy Linux 日本語フォーラム
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