CentOS Stream
CentOS Streamは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)の次期マイナーリリースを想定し、RHELの開発ブランチのSnapshotとして提供されているLinuxディストリビューション。
Fedoraのアップストリーム開発とRHELのダウンストリーム開発の中間に位置し、ローリングリリースを採用している。

▲デスクトップ画面(CentOS Stream 8)
各種データ
各種データ
開発者 | The CentOS Project |
系統 | Red Hat系 |
開発状況 | 開発中 |
初版 | 2019年9月25日 |
最新版 | 8 / ローリングリリース |
アップデート方式 | Yum , DNF |
パッケージ管理 | RPM |
カーネル | Linux |
デスクトップ環境 | GNOME |
ライセンス | GPLほか |
ウェブサイト | https://www.centos.org/ |
概要
CentOS Streamは開発ブランチではあるものの、将来のRHELに含まれる予定のソフトウェアが各種のテストを通過した場合のみパッケージが更新される、安定志向のディストリビューションとなっている。
CentOS Streamはローリングリリースを採用しており、RHELのようなマイナーリリース(8."2"や8."3"など)は存在せず、従ってリポジトリには最新のパッケージしか含まれない。
一方でメジャーバージョンは区別されており、例えばCentOS Stream 8で日々のパッケージの更新を続けても、CentOS Stream 9にアップグレードされることはない。
一方でメジャーバージョンは区別されており、例えばCentOS Stream 8で日々のパッケージの更新を続けても、CentOS Stream 9にアップグレードされることはない。
CentOS Streamはローリングリリースであるため、バージョンや機能セットを固定して維持したい場合には向かず、RHEL向けの開発を行うユーザーや新規のソフトウェアを積極的に利用したいユーザーに向いている。
パッケージの互換性維持の方針はRHELに準ずる。
パッケージの互換性維持の方針はRHELに準ずる。
CentOSとの違い
従来のCentOSはRHELのダウンストリームであったが、CentOS StreamはFedoraのアップストリーム開発とRHELのダウンストリーム開発の中間に位置する。
これにより、RHELのPublic Betaがリリースされるより先に、将来のマイナーリリースに対してコミュニティのユーザーや開発者がアクセスすることで、フィードバックによりRHELのマイナーリリースに貢献することができる。
これにより、RHELのPublic Betaがリリースされるより先に、将来のマイナーリリースに対してコミュニティのユーザーや開発者がアクセスすることで、フィードバックによりRHELのマイナーリリースに貢献することができる。
CentOS Streamでは従来のCentOSと違い、直接RHELに対して修正リクエストを投げることができる。
開発者・利用者からのフィードバックを受けつけ、素早く対応するための窓口としての役割が期待されている。
開発者・利用者からのフィードバックを受けつけ、素早く対応するための窓口としての役割が期待されている。
リリース
CentOS Streamではローリングリリースが採用されており、マイナーリリースは存在しない。
メジャーバージョンは現在8のみがリリースされており、今後もRHELに合わせてリリースされるものと推測される。
メジャーバージョンは現在8のみがリリースされており、今後もRHELに合わせてリリースされるものと推測される。
バージョン | リリース日 | サポート期限(EOM) | 主な変更点 |
8 | 2019年9月25日 | 2024年5月31日 |
CentOSの終了とCentOS Stream移行
2020年12月8日にThe CentOS Projectは、現行の「CentOS 8」の開発を2021年末をもって終了し、今後はアップストリームである「CentOS Stream」の開発に注力すると発表した。(*1)
CentOS公式ブログではCentOS 8終了後の移行先として最善の選択肢はCentOS Streamであるとしているが、CentOS StreamはRHELの開発ブランチでこれまでのCentOSとは異なり、2029年までを予定していたCentOS 8のサポート期間が大幅に短縮されたことなどから、コミュニティのメンバーからは不満の声が上がっている。(*2)
また、新しいRHELクローンとして、CentOSの共同創設者であるGreg Kurtzer氏が「
Rocky Linux
」を、CloudLinux社が「Project Lenix」を発表している。(*3)(*4)(*5)
Project Lenix改めAlmaLinuxは、8.3が2021年3月30日にリリースされた。
Project Lenix改めAlmaLinuxは、8.3が2021年3月30日にリリースされた。
外部リンク
脚注に記載されているウェブサイトへのリンク
- CentOS 8の提供は2021年で終了、今後はCentOS Stream開発に注力 | マイナビニュース
- CentOS終了にコミュニティからは非難の嵐、CentOSの設立者が新プロジェクトの発足を発表する事態に - GIGAZINE
- CentOSに代わる新しいRHELダウンストリーム「Rocky Linux」が正式に発足 - GIGAZINE
- CloudLinuxが「CentOS」の代替目指すプロジェクト「Lenix」--年間100万ドル超投資へ - ZDNet Japan
- CloudLinux、「CentOS」の代替OS「AlmaLinux」の一般提供を開始 - ZDNet Japan
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