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CentOS

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CentOS

この項目では、従来のCentOSについて説明しています。CentOS Streamについては「CentOS Stream」をご覧ください。
▲CentOSのロゴ

CentOSは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)との機能的な互換性を目指したLinuxディストリビューション。

2020年12月8日に、現行の「CentOS 8」の開発を2021年末をもって終了し、今後はアップストリームである「CentOS Stream」の開発に注力する旨が発表された。*1

▲デスクトップ画面(CentOS 8.0-1905 GNOME)
各種データ
開発者 The CentOS Project
系統 Red Hat系
開発状況 開発中
初版 2004年5月14日
最新安定版 8: 8.3-2011 / 2020年12月7日
7: 7.9-2009 / 2020年11月12日
6: 6.10 / 2018年7月3日
アップデート方式 Yum , DNF
パッケージ管理 RPM
カーネル Linux
デスクトップ環境 GNOME , KDE
ライセンス GPLほか
ウェブサイト https://www.centos.org/

概要

Red Hat社はRHELに含まれているソフトウェアのソースコードをオープンソースライセンスに基づき無償公開している。
CentOSはこれをもとに、商標や商用パッケージ等を除去したものをリビルドしている。

CentOSやWhite Box Enterprise Linux、Scientific Linuxなどをまとめて、「RHELクローン」と呼ばれることがあるが、CentOSプロジェクトのFAQでは"CentOS Linux is NOT a clone of Red Hat® Enterprise Linux."と記載されており、RHELのクローンではないとしている。

CentOSでは、RHELに由来するソースコードは変更されないように意図されているが、CentOS独自の追加機能を提供するリポジトリを提供している。

歴史

RHELの一般公開されたソースコードに基づくディストリビューションとしては、CentOSより先にWhite Box Enterprise Linuxがリリースされていた。
これが人気を得たことを契機にCentOSプロジェクトは有志のボランティアにより立ち上げられた。

CentOSの名は「コミュニティベースで開発されたエンタープライズクラスのオペレーティングシステム (Community ENTerprise Operating System) 」に由来する。

開発当初、Red Hat社はCentOSの配布・開発に関与してこなかったが、2014年1月にCentOSプロジェクトを支援していくことを発表した。
また、CentOSプロジェクトの中心メンバーを同社員として迎え入れた。

2020年12月8日にThe CentOS Projectは、現行の「CentOS 8」の開発を2021年末をもって終了し、今後はアップストリームである「CentOS Stream」の開発に注力すると発表した。*2

CentOS公式ブログではCentOS 8終了後の移行先として最善の選択肢はCentOS Streamであるとしているが、CentOS StreamはRHELの開発ブランチでこれまでのCentOSとは異なり、2029年までを予定していたCentOS 8のサポート期間が大幅に短縮されたことなどから、コミュニティのメンバーからは不満の声が上がっている。*3

また、新しいRHELクローンとして、CentOSの共同創設者であるGreg Kurtzer氏が「 Rocky Linux 」を、CloudLinux社が「Project Lenix」を発表している。*4*5*6
Project Lenix改めAlmaLinuxは、8.3が2021年3月30日にリリースされた。

ターゲット

ターゲットはRHELと同様、企業のサーバやデスクトップ環境の構築としている。
デスクトップ利用も想定されていることから、高機能なGUI環境も標準で提供されている。

LibreOfficeやOracle VM VirtualBoxなどのパッケージや、後述のサードパーティーのリポジトリを用いてビジネスソフト、デスクトップ仮想化ソフト、GPUや周辺機器のデバイスドライバ、セキュリティソフト、デジタルコンテンツ制作ツール、メディアプレーヤー、ビデオコーデックなどをインストールすれば、本格的なデスクトップOSとして使用することが可能である。

CentOSプロジェクトは、サポートが必要な場合にはRed Hat社の製品を勧めるとしている。

ライセンス費用が無償であるにもかかわらずサポート期限が非常に長く、メンテナンス更新期限はRHELと同じく10年(CentOS 4以前は約7年)程度である。

数あるRHELベースのディストリビューションの中でも安定性に優れ、一部メーカーのLinux搭載パソコンやワークステーションでの採用も増加しつつある。

パッケージ管理

ツール

CentOSはパッケージ管理システムにYumおよびその後継のDNFを採用している。
RHELがRed Hat Networkサーバをデフォルトにしているのに対し、CentOSではCentOS Mirror Networkがデフォルトとして用意されている。

リポジトリ

CentOSにデフォルトで含まれるリポジトリ(Base, Updates, Addons, Extras, CentOS Plus)に加えて、Fedoraが提供するEPEL(Extra Packages for Enterprise Linux)、サードパーティーのNux Dextop リポジトリやRPM Fusion、ELRepo、Les RPM de Remi、RPMForge、JPackageなどがよく使われている。
なお、CentOS Plusはデフォルトでは無効化されている。

RPMForge及びRemiに関しても、オリジナルのパッケージを上書きしてしまう可能性があるとしてインストール後はOFFにして運用することが一般的である。

リリース

完全更新は新たな機能の追加とセキュリティパッチ配布を意味し、年2~4回が予定されている。
その後は必要不可欠なセキュリティパッチ配布のみを想定している。

番号の規則

CentOS 6以前はメジャーバージョンとマイナーバージョンの二つより構成される。
メジャーバージョンはベースとしたRHELに対応しており、マイナーバージョンはそのRHELのバージョンアップに対応する。
例えばCentOS 4.3はRHEL 4 update 3のソースコードよりビルドされており、これとの互換が目標となっている。

CentOS 7以降はメジャーバージョンとマイナーバージョンに加えて、タイムスタンプ(年、月)が追加された。
例えばCentOS 7.0-1406はRHEL7.0の2014年6月にリリースされたソースコードを基にしていることを示している。

サポート終了済み

+ ...
バージョン リリース日 ベースとなった
RHELのリリース日
遅延 完全更新期限 メンテナンス更新期限
2.1 2.1 2004年5月14日 2002年5月17日 728日 2005年5月31日 2009年5月31日
3 3.1 2004年3月19日 2003年10月23日 148日 2006年10月31日 2010年10月31日
3.9 2007年7月26日 2007年6月15日 41日
4 4.0 2005年3月9日 2005年2月14日 23日 2009年2月29日 2012年2月29日
4.9 2011年3月2日 2011年2月16日 14日
5 5.0 2007年4月12日 2007年3月14日 28日 2014年 Q1 2017年3月31日
5.1 2007年12月2日 2007年11月7日 25日
5.2 2008年6月24日 2008年5月21日 34日
5.3 2009年3月31日 2009年1月20日 69日
5.4 2009年10月21日 2009年9月2日 49日
5.5 2010年5月14日 2010年3月31日 44日
5.6 2011年4月8日 2011年1月13日 85日
5.7 2011年9月13日 2011年7月21日 54日
5.8 2012年3月7日 2012年2月21日 15日
5.9 2013年1月17日 2013年1月8日 10日
5.10 2013年10月19日 2013年9月30日 19日
5.11 2014年9月30日 2014年9月16日 14日

サポート期間中

- ...
バージョン リリース日 ベースとなった
RHELのリリース日
遅延 完全更新期限 メンテナンス更新期限
6 6.0 2011年7月9日 2010年11月10日 242日 2017年 Q2 2020年11月30日
6.1 2011年12月9日 2011年5月19日 204日
6.2 2011年12月20日 2011年12月6日 14日
6.3 2012年7月9日 2012年6月21日 18日
6.4 2013年3月9日 2013年2月21日 15日
6.5 2013年12月1日 2013年11月21日 10日
6.6 2014年10月28日 2014年10月14日 14日
6.7 2015年8月7日 2015年7月22日 16日
6.8 2016年5月25日 2016年5月10日 15日
6.9 2017年4月5日 2017年3月21日 15日
6.10 2018年7月3日 2018年6月19日 14日
7 7.0-1406 2014年7月7日 2014年6月10日 27日 2020年 Q4 2024年6月30日
7.1-1503 2015年3月31日 2015年3月5日 26日
7.2-1511 2015年12月14日 2015年11月19日 25日
7.3-1611 2016年12月12日 2016年11月3日 39日
7.4-1708 2017年9月14日 2017年8月1日 44日
7.5-1804 2018年5月10日 2018年4月10日 30日
7.6-1810 2018年12月3日 2018年10月30日 34日
7.7-1908 2019年9月17日 2019年8月6日 42日
7.8-2003 2020年4月27日 2020年3月30日 28日
7.9-2093 2020年11月12日 2020年9月29日 44日
8 8.0-1905 2019年9月24日 2019年5月7日 140日 2021年12月31日 *7 2021年12月31日
8.1-1911 2020年1月15日 2019年11月5日 71日
8.2-2004 2020年6月15日 2020年4月28日 48日
8.3-2011 2020年12月7日 2020年11月3日 34日

アドオン

アドオンは /opt ディレクトリに並行してインストールされて提供される。
scl ユーティリティによってはアプリケーションごとに選択できる。

これらはCentOSで標準的に提供されるパッケージを置き換えるものではなく、例えばPerlやMySQLの標準のバージョンはCentOSの基本的なインストールのままである。

Software Collections(SCL)はより新しいバージョンに含まれる、もしくはシステムに元来含まれていない動的プログラミング言語、データベースサーバ、それらに関連した様々なパッケージを提供するリポジトリである。

アドオン名 CentOSのバージョン CentOSのリリース日 RHELのリリース日 遅延
Software Collections(SCL)1.0 6.4 2014年2月19日 2013年9月12日 160日
Developer Toolset 2.0 6.4 - 2013年9月12日 -

派生ディストリビューション

  • CloudLinux OS
  • NuOnce Networks CentOS / BlueQuartz CD
  • BlueOnyx
  • Openfiler
  • Rocks Cluster Distribution - コンピュータクラスタ用のディストリビューション
  • SME Server
  • Trixbox - PBXソリューション
  • XenEnterprise
  • PBX in a Flash
  • FreePBX Distro

外部リンク


脚注に記載されているウェブサイトへのリンク


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  • コメントログ作成 - 名無しさん (2020-05-26 01:20:57)

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注釈

*1 出典:CentOS 8の提供は2021年で終了、今後はCentOS Stream開発に注力 | マイナビニュース

*2 出典:CentOS 8の提供は2021年で終了、今後はCentOS Stream開発に注力 | マイナビニュース

*3 出典:CentOS終了にコミュニティからは非難の嵐、CentOSの設立者が新プロジェクトの発足を発表する事態に - GIGAZINE

*4 出典:CentOSに代わる新しいRHELダウンストリーム「Rocky Linux」が正式に発足 - GIGAZINE

*5 出典:CloudLinuxが「CentOS」の代替目指すプロジェクト「Lenix」--年間100万ドル超投資へ - ZDNet Japan

*6 出典:CloudLinux、「CentOS」の代替OS「AlmaLinux」の一般提供を開始 - ZDNet Japan

*7 出典:About/Product - CentOS Wiki