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Floorp

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以下は 2025年2月9日時点 のアーカイブです。

Floorp

▲Floorpのロゴ

Floorp(フロープ)は、 Mozilla Firefox をベースとした、Windows / macOS / Linux に対応するオープンソースのウェブブラウザ。


▲Floorp 11.0.0のスクリーンショット
開発者 Ryosuke Asano(すらーぷの妖精), Ablaze ,Other contributors
サポート状況 開発中( Firefox ベース)
初版 2021年8月22日(Chromiumベース)
2021年11月7日?(Firefoxベース)
最新版 11.23.0(ESR 128.8.0ベース) - 2025年2月5日
最新評価版 Daylight
11.22.0(ESR 128.7.0ベース) - 2025年1月9日以降、不定期更新
Portable
11.23.0(ESR 128.8.0ベース) - 2025年2月5日
Floorp 12
Alpha Release(135.0ベース) - 2025年2月7日
Noraneko
Alpha v0.1.19(134.0.2ベース) - 2025年1月11日
Lightning(開発終了)
11.5.1(ESR 115.4.0ベース) - 2023年10月25日
リポジトリ https://github.com/Floorp-Projects/Floorp
https://github.com/Floorp-Projects/Floorp-Portable (ポータブル版)
プログラミング言語 C++,C言語,Rust,JavaScript,HTML,CSS
使用エンジン HTMLレンダリング: Gecko
JavaScript: SpiderMonkey
対応OS Windows,macOS, Linux
プラットフォーム x86_64,AArch64(Linuxのみ)
対応言語 28言語
種別 ウェブブラウザ
ライセンス Mozilla Public License, version 2.0 ほか
ウェブサイト https://floorp.app/


+ 目次
目次



概要

Floorpは日本の学生コミュニティである Ablaze によって開発・メンテナンスされている、 Mozilla Firefox のESR(Extended Support Release、延長サポート版)をベースとする多機能なウェブブラウザである。

FloorpはMicrosoft EdgeやVivaldiに類似した、垂直タブやブラウザーマネージャーサイドバー、ワークスペースなどの機能を備えている。Firefoxとの互換性が高く、拡張機能やテーマ、プラグインなどはFirefoxと同様のものが利用できる。また、Firefox Syncで他の環境のFloorpやFirefoxと同期することができる。

Firefox ESRのセキュリティアップデートを迅速に配信し、またコードサイニング証明書によってデジタル署名を行うなど、セキュリティ面にも力が入れられている(詳細は#セキュリティを参照)。

開発の進捗状況がTwitterなどで定期的に更新されており、またTwitterやMisskey、Discordなどでも積極的にサポートを行うなど、ユーザーと開発陣の距離が近い。 毎日開発が行われているので開発ペースが速く、メジャーアップデートの前に配信される開発版、Floorp Daylightでは毎日ビルドが行われ、1日に複数回更新されることすらある。

Astian, Incによって管理されている元WebKit系の軽量ブラウザ Midori は、バージョン11以降でFloorpをベースとしている。

歴史

開発中

当初、FloorpはBraveベースのブラウザの予定だったが、Braveの機能をFloorpに搭載すること自体が難しくなったため、純粋なChromiumベースに移行した。

Chromiumベース

Floorp 1では開発終了したKinzaブラウザの意思を受け継ぐ高速かつ超軽量なブラウザを目指して開発が行われ、その後Floorp 7でKinzaパッチを取り込んだ多機能ブラウザとなった。

しかし、Kinzaパッチを統合したままのChromiumの更新は少人数の開発陣では難しく、またGoogleの方針転換によりChromiumの派生ブラウザ開発に必要なリソースが増大したことなどもあって、Firefoxベースに移行することとなった。

Firefoxベース

Floorp 8・10
Floorpは、バージョン8ではChromiumベースのブラウザからの乗り換えを企図し、ChromiumにUIデザインを近づけたFirefox派生ブラウザとしての色が強いブラウザであった。 しかし、2022年2月リリースの8.4.7でマウスジェスチャーが、8.5.9で垂直タブが搭載されるなど、徐々に多機能化していくこととなる。

2022年6月にはUIデザインの切り替えや多段タブなどを搭載したFloorp 10の最初のバージョン、10.0.0がリリースされた。Floorp 10のベースはFirefox ESR 102である。
Floorp 10でFirefoxからの乗り換えなども想定した多機能ブラウザとしての方針が明確化された。これは利用者から好感を持って迎えられ、フリーソフト100や窓の杜などのメディアにも掲載されるようになった。

2022年11月14日にはWindowsとLinuxでPGO(Profile Guided Optimization)ビルドが有効化された10.7.0がリリースされた。これ以降のバージョンではビルドにPGOが適用されることでパフォーマンスが向上しており、Floorp 11.2.0ではベースとなっているFirefox ESR 115.2.0より高速に動作している。

2023年7月4日、開発者はFloorpのアクティブユーザーがWindows版だけで3,000人に達したこと、海外ユーザーが大幅に増えており半数近くが海外ユーザーであることを明かした。

Floorp 11
2023年7月30日にはネイティブ実装の垂直タブやワークスペース、メモ機能「Floorp Notes」など多数の新機能を搭載したFloorp 11.0.0がリリースされた。Floorp 11ではmacOSでもPGOビルドが有効化され、有効化前と比較して全ての環境でパフォーマンスが上がった。また、ベースとなるFirefoxのバージョンがESR 115になった。

なお、11.0.0でWindows 7、8、8.1のサポートは終了しており、なるべく早く10以降のWindowsに移行することを推奨している。

アクティブユーザー数は2023年9月26日時点でポータブル版を含むWindows環境で5,000人を超え、7月末の約3,000人から2ヶ月で2,000人近く増加した。10月16日にはWindows環境の通常版のアクティブユーザーが5,000人に達し、ポータブル版を含めると6,000人、macOS環境やLinux環境を含むと7,000人以上と推定された。

2023年12月19日にリリースされた11.7.0でWindows版にプログレッシブウェブアプリ(PWA)が実装され、FloorpはFirefox派生ブラウザで唯一PWAをサポートするブラウザとなった。

その後、全環境の合計アクティブユーザー数は2024年1月11日時点では11,000人、同年2月17日時点では25,000人となった。

2024年3月17日に「自身がFloorpフォークであることを隠したいフォーク、Floorpにまったく貢献したくないフォーク、コードをそのまま使用してFloorpの名前を変更しただけのフォークなど」が増えたことを理由として一時的に一部のソースコードがクローズドに変更され、同25日に非公開だった部分のライセンスをCC BY-NC-SA 4.0に変更して再公開された。その後、同30日には若干条件を緩めたFloorp Shared Source Licenseに変更された。

2024年5月に、Floorp 12でベースとなるFirefoxをESRからラピッドリリースに移行できるようにコードベースの整理を進めていることが発表され、6月11日にリリースされた11.14.0からSolidJSフレームワークとTypeScriptを使用した一部コンポーネントの再構築が始まっている。

Floorp 12はラピッドリリースベースへの移行によって、最新のウェブ技術にスピーディーに対応できるようになる予定である。また、2024年6月のFirefoxが今後数ヶ月の内にAIチャット機能のサイドバー統合をNightlyに実験的に実装するというニュースに対し、Floorp独自のサイドバーにもAIチャット機能を統合できないか調べている旨がコメントされている。

Floorp 12では問題が多かったユーザーエージェントスイッチャー、userChrome.jsローダー、Windows版32bitビルド、Floorp Fluerial UI(レガシー)、Microsoft Fluent UI、Gnome UIの廃止も予定されていたが、これについてはベースがESR 128.1.0となった11.17の時点で、前倒しで行われることとなった。

2024年6月17日にPrivate Componetsが廃止され全体にMPL 2.0が適用されたことで、3ヶ月ぶりにオープンソースソフトウェアに復帰した。

2024年8月16日にリリースされたFloorp 11.17.0から、ベースがFirefox ESR 128となった。

2024年10月10日時点で、開発者はアクティブユーザー数が5万人ほどになったことを公表している。

特徴

Firefoxをベースに、パワーユーザー向けの機能やカスタマイズ性を重視した機能が搭載されている。

Firefoxとの主な相違点としては、以下が挙げられる。

デザイン

Firefoxはバージョン89以降、Proton UIというデザインを採用しているが、FloorpはこのFirefox Proton デザインを使用できるほか、Floorpのデフォルトのデザインとなっている Lepton デザイン 、2017年から2021年までのFirefoxのUIデザインに似た Photon デザイン 、Proton デザインにメニューアイコンの追加や余白の調整などを施した Proton fix デザイン Google Chrome風のFloorp Fluerial デザインといった、様々なUIデザインを選択することができる。

上からLepton デザイン、Photon デザイン、Proton fix デザイン、Firefox Proton デザイン、Floorp Fluerial
デザイン。

また、選択肢としてChrome風のダウンロードバーを実装する予定になっている。

これにより、使いやすいと感じる、または使い慣れたUIデザインでFloorpを利用することができる。

新しいタブの背景もカスタマイズ可能であり、任意の画像や複数の画像の入ったフォルダを指定できる他、Unsplashの写真がランダムに表示される機能もある。

その他に、ダウンロードマネージャーのアイコンを赤く見やすくする設定やシンプルに簡素化する設定、複数のテーマを組み合わせられるデュアルテーマといった機能もある。

新しいタブの背景には美しい写真がランダムに
表示される

かつて選択できたFloorp Fluerial UI(レガシー)、Microsoft Fluent UI、Gnome UIは不具合が多く、Floorp 11.17.0で廃止された。また、11.17.0ではChromeの新しいデザインを踏襲した新しいFloorp Fluerial デザインが追加されている。

タブの強化

タブが横幅を使い切った場合に自動的に2段目・3段目と展開する多段タブや、サイドに垂直にタブを並べる垂直タブ、一定期間使用していないタブをスリープさせメモリ消費量を削減するタブスリープ機能など、大量のタブを同時に開くようなユーザー向けの機能が搭載されている。

多段タブ

垂直タブはFloorp 11.5.0で再実装され、ツールバーのカスタマイズでタブバーに配置したアイテムを反映するようになった。また、これまでのFirefoxのサイドバーを利用する方式ではなく独自のサイドバーになったことで、Firefoxのサイドバーとの併用も可能となった。

垂直タブ(Floorp 11.5.0)

また、マウスホイールでタブを切り替える、ダブルクリックでタブを閉じるなどちょっとした便利機能も追加されている。

ワークスペース

Floorp 11.0.0から、タブをカテゴリ毎に異なるワークスペースにグループ化することができる、ワークスペース機能が搭載されている。クリックするだけで、ウィンドウ内のビューをすぐに切り替えることができる。

タブをさまざまなカテゴリに整理することができ、表示するワークスペースを選択すると、ウィンドウにそのカテゴリのタブのみが表示される。

ワークスペース

Floorp 11.1.0からは、ブラウザーマネージャーサイドバー(BMS)に並べられたアイコンをクリックすることで、タブを切り替えるようにワークスペースを切り替えられる機能や、ワークスペースごとにアイコンを選択して設定できる機能、デフォルトのワークスペース名を変更できる機能が追加された。

BMSに並べられた
ワークスペースの
アイコン

また、デフォルトではワークスペースを選択した後もワークスペースを選択するメニューは開いたままだが、11.1.0からはワークスペースを選択すると自動でメニューを閉じる設定(Windowsの普通のメニューと同様の動作になる)も用意されている。11.1.1では設定からワークスペースの名称をタブバーに表示するかどうかを変更できるようになった他、ワークスペースの属性読み取りをFirefox側で行うようコードが変更されたため、安定性が向上した。

11.4.0でワークスペースコンテナーという機能が追加された。この機能はワークスペースに対して予め使用するコンテナーを指定することで、そのワークスペース内で新しく開かれるタブを指定したコンテナーで開く機能である。

ワークスペースの管理でコンテナーを指定できる

Floorp 11.8.0ではワークスペースが再実装され、安定性が著しく高まり、これまで不可能だった複数ウィンドウでの動作に対応したほか、ツールバーのワークスペースのボタンが移動可能となった。

他にも、ワークスペース名に使用できる文字の制限を撤廃、タブのコンテキストメニューの「他のワークスペースに移動」でアイコンが表示されるなどUIが改善され、新規ワークスペース作成時に「新しいワークスペース」などデフォルトの名称があらかじめ用意される仕様となるなど、フィードバックをもとに細かい変更が加えられている。

タブのコンテキストメニューの「他のワークスペースに
移動」

また、実装方法に起因する不具合のため、11.1.1以降ワークスペースはデフォルトで無効化されていたが、再実装によって11.8.0では再びデフォルトで有効となった。

11.13.0でポップアップのコンテキストメニューからワークスペースの順序を入れ替えられるようになった。

ブラウザーマネージャーサイドバー

Firefoxにも履歴とブックマークのサイドバーは存在するが、Floorpの独自機能であるブラウザーマネージャーサイドバー(BMS)はウェブサイトを表示することができ、また、ブラウザーマネージャーツールやダウンロードの管理ができる。

現在開いているウェブページとは別にBMSでページを閲覧できるため、作業中にサイドバーでChatGPTを使用する、SNSを閲覧する、翻訳サービスを追加して原文と翻訳を見比べるなど、様々な用途に利用できる。

ブラウザーマネージャーサイドバーで
Google 翻訳を展開している様子

BMSはFirefoxのサイドバーと併用できるため、2つのサイドバーを両サイドに配置したり、並べて使用するといった使い方もできる。

ブラウザーマネージャーサイドバーとFirefoxのサイドバーを併用している
様子

11.10.0でピクチャーインピクチャーやウェブ開発者ツール、多くの拡張機能がウェブパネルで動作可能となる設定が実験的に追加され、11.11.0で完全にサポートされた。また、11.11.2でウェブパネル内のコンテンツの拡大/縮小に対応した。

プログレッシブウェブアプリ(PWA)

Floorp 11.7.0でWindows版において、ウェブサイトをネイティブアプリのように扱うことができる技術である、プログレッシブウェブアプリ(PWA)が実装された。Linux版でも11.12.0以降、PWAをサポートしている。

ウェブアプリはタイトルバーを表示した専用のウインドウで表示される。ウェブアプリで拡張機能を使用することも可能である。

Floorp 11.7.0でPWAを使用している様子

PWAとしてインストールできるサイトではアドレスバーの右端にアイコンが表示され、クリックするとインストール用のポップアップが表示される。インストールしたウェブアプリはメニューの「ウェブアプリ」からアンインストールできる。

PWAインストール用のポップアップ

インストールしたウェブアプリはWindowsのアプリケーションとして認識され、スタートメニューなどに表示されるほか、タスクバーにピン留めすることもできる。

インストールしたウェブアプリはスタート
メニューに表示される

11.9.0でウェブアプリの設定ページが追加された。また、ウェブアプリのウィンドウには再読み込み・戻るボタンが追加され、ツールバーを非表示にすることも可能となった。

ウェブアプリの設定ページ

SSB(サイトをアプリとしてインストール)
Floorp 11.7.0はPWAと同時にSSB(site-specific browser)をサポートしており、メニューの「ウェブアプリ」から「このサイトをアプリとしてインストール」でインストールすることができる。

ウェブアプリのメニュー

インストールしたウェブサイトはPWAと同様に表示され、アンインストールなども同じように行うことができる。

分割ビュー

Floorp 11.6.0から、2つのタブで開いたウェブページを左右に並べて同時に閲覧できる、分割ビュー機能が追加された。その後、11.17.0で行われた再実装時に機能が拡張されたことで、左右だけでなく上下にも分割できるようになった他、順番も入れ替えられるようになった。

分割ビューを使用している様子

分割ビューは同時に表示したいウェブページの片方を現在のタブで開き、もう片方のタブを右クリックして、コンテキストメニューから分割ビューで開くことで使用でき、分割ビューをしている間はアドレスバー左側のボタンから位置や並べ方を変更することができる。

表示中でないタブを右クリックして、
コンテキストメニューから分割ビューで開く

アドレスバー左側のボタンから位置や並べ方を変更
できる

11.18.0では、どのタブを開いた時も表示しておきたいウェブページのタブを右クリックし、コンテキストメニューから「分割ビューを持たないタブでこのタブを固定表示」することで、分割ビューがまだセットされていない全てのタブで特定のウェブページとそのタブのウェブページとの分割ビューを実行するという方法も追加された。

分割ビューはサイドバーやブラウザーマネージャーサイドバーと併用することも可能である。11.13.3で分割ビューを使用中に表示中のサイトのサイズを変更できるようになった。

メモ機能

Floorp 11からブラウザーマネージャーサイドバーのパネルには「Floorp Notes」というメモ機能が搭載されている。

Floorp Notesを用いてFloorpのみで簡単にメモを取ることができ、Firefox Syncによる同期で他の端末のFloorpでも扱うことができる。また、Firefox Syncによる同期の前やメモを書き終えた後の再起動時に、自動でバックアップが行われる。

ブラウザーマネージャーサイドバー
からFloorp Notesを開いた様子

このメモに書き込んだ内容はFloorpやAblazeが知ることはできず、同期の際もFirefox Syncによって暗号化されるが、ローカルには平文として保存されるため、機密情報などを記載する用途には向かない。

プロファイルマネージャー

Floorp 11.4.0で複数のプロファイルをマウス操作で切り替えられる、プロファイルマネージャーが追加された。また、プロファイルマネージャーではMozilla アカウントの管理もできる。

このような機能はChromiumベースのブラウザでは一般的だが、Firefox派生ブラウザでは珍しい。

プロファイルマネージャー

多くのカスタマイズ項目

Floorpではタブバーやブックマークバー、アドレスバーの位置やステータスバーの表示 / 非表示など、多くの設定項目が存在する。

タブバー上部の隙間の有無やブックマークのラベルの表示/非表示の切り替え、タブの名前表示の中央揃え、タブバーとURLバーを同じ行に表示するなど、非常に細かいカスタマイズも可能である。

カスタマイズ例。タブバーをツールバーの下に、
ブックマークバーをウインドウの下部に移動
している。

また、ブックマークバーをフォーカスされた場合に表示する、外部ソフトのMica for Everyoneに対応するなど個性的な機能も存在する。

カスタムショートカットキー
Floorp 11.2.0から、ブラウザの様々な操作(80以上)に対して割り当てられたショートカットキーを、自由に編集することができる。

この機能はFirefox系ブラウザでは初のものであり、拡張機能などでは代替することができないため、Floorpの強力な独自機能であると言える。

設定画面から様々なアクションに割り当てられたショートカットキーを
カスタマイズできる

プライバシー

Firefoxにも搭載されている強力なトラッキング防止機能を持ち、フィンガープリントへの対策やプライバシーの保護のため、ウェブサイトにデフォルトでFirefoxのユーザーエージェントを送信、WebRTCに対してローカルIPを可能な限り秘匿、一部のAPIを遮断、WebGLが送信するデバイス情報を一部書き換えるなどしている。

FloorpではFirefoxと異なり、プライベートウィンドウとそうでないウィンドウで検索エンジンを切り替えることができる。かつてデフォルトでプライベートウィンドウの検索エンジンに設定されていたFreaSearchは、信頼性の高い検索結果のみを表示することを目指した検索エンジンであり、Floorpの開発元であるAblazeが提供していた。現在はDuckDuckGoがデフォルトでプライベートウィンドウの検索エンジンに設定されている。

プライベートウィンドウとそうでないウィンドウで違う検索エン
ジンを指定できる

Floorpはユーザーの情報を集める機能を備えておらず、Firefox自体に含まれる不要なテレメトリオプションも無効化されており、全ユーザーの総ダウンロード数とアップデート回数以外のデータは収集していない。

Floorpは更に多くの広告とトラッカーをブロックしたい場合の選択肢として、コンテンツブロッカーである uBlock Origin のインストールを推奨している。

共有モード
Floorp 11では、画面の共有を行う時などに便利な共有モードが追加された。

アプリケーションメニューに表示されるメールアドレスやMozilla アカウントのポップアップ、ブックマークバー、サイドバー、アクティブでないタブなど多くの項目を非表示にし、またMozilla アカウントのアイコンを変更することで、個人情報や他人に知られたくない情報を秘匿しながらFloorpの画面を共有することができる。

上:通常時 下:共有モード使用時

プライベートコンテナー
Floorp 11.4.0では、プライベートコンテナーが追加された。

プライベートコンテナーで開かれたタブの履歴やCookie、タブの状態などはプライベートコンテナーで開かれたタブを完全に閉じることで削除される。

プライベートコンテナーでこの記事を開いた時のタブ周り

つまり、プライベートウィンドウとほぼ同等の機能をタブ単位で実現した機能であり、わざわざ別のウィンドウを開くという煩雑な作業が必要でなくなる。

プライベートコンテナーは一般的なコンテナーを選択する時と同じように選択して使用することができる他、タブやリンクを右クリックして表示されるコンテキストメニューからも使用できる。

QRコードでのURLシェア

表示ページのURLをQRコードで生成し、他のデバイスで読み取ることでそのページに行くことができる。同期している他のデバイスのFloorpやFirefoxとタブを共有することも可能としているが、QRコードでは同期していないデバイスにも共有できるのが利点。

Floorp 11.5.0でQRコードを生成している様子

Floorp 11.5.0でネイティブ実装に変更され、一貫したデザインとなり多言語化された。また、中央にロゴが表示されるようになった。

動画ポップアウト機能

FloorpはFirefoxをベースとしているため、動画をスクリーンの任意の場所で再生し続けられる、ピクチャーインピクチャー機能が利用できる。

Firefox(およびその派生のFloorp)のピクチャーインピクチャーはChromiumベースのブラウザのものより多くのウェブサイトに対応しており、再生 / 一時停止のような基本的な機能のほか、全画面表示、5秒単位のスキップや巻き戻し、字幕やキャプションの表示など、様々な機能が利用できる高機能なものとなっている。

また、Floorp 11では2023年7月9日のDaylightビルドから、ピクチャーインピクチャーでボリュームコントロールスクロールバーが利用可能になっている。 これは同年8月1日にリリースされたFirefox 116で利用可能になった新機能であり、Floorp 11(Firefox ESR 115ベース)で利用できるようにバックポートされたものである。

Floorp Daylight 11のピクチャーインピクチャーのミニ
プレーヤー。右下にボリュームコントロールスクロール
バーがある。

user.jsファイルのカスタマイズ

Floorp 11では登録されているuser.jsをインターネット上からダウンロードして、Floorpの設定を置き換える機能がサポート対象外ではあるが実装されている。2023年7月9日現在、Floorpのデフォルト設定の他に、Yokoffing Securefox、Yokoffing Default、Yokoffing Fastfox、Yokoffing Peskyfox、Yokoffing Smoothfoxが登録されている。

user.jsを使ったデフォルト設定の上書きやサードパーティーのuser.jsを使用することについて、Floorpの開発者は脆弱性などのリスクがあるとして反対している。

JPEG XLのサポート

Floorpは次世代の画像フォーマットとされるJPEG規格、JPEG XLをサポートしている。

JPEG XLを利用すれば、従来のJPEGと比較して同画質でファイルサイズを半分程度に削減できる。また、JPEG XLは従来のJPEGファイルを約20%小さくでき、従来のJPEGファイルに戻すこともできる。
さらに、オリジナルデータに戻せる可逆圧縮を採用しているため、従来のJPEGのように圧縮によるノイズも発生しない。対立規格であるAVIFよりも画質、ファイルサイズともに優れているとも言われている。

JPEG XLの対立規格であるAVIFを支持するGoogleはChromium、Google ChromeからJPEG XLの実験的サポートを削除しており、またFirefoxでもNightlyでのみ「about:config」から有効化できるという実験的なサポートに留まっているため、2023年7月現在、正式にJPEG XLをサポートするブラウザはかなり少なく、JPEG XLはウェブの標準的な規格とはなっていない。
ただし、2023年9月にリリースされたSafari 17はJPEG XLをサポートする唯一のメジャーブラウザとなっている。

ポータブル版

10.9.0からWindows x86_64環境で使えるポータブル版の提供が行われており、11.0.0からはLinux x86_64環境向けのポータブル版も公開されている。

ポータブル版は GitHubのリポジトリ からダウンロードできる。

その他

Firefoxにマウスジェスチャーを追加する拡張機能、Gesturefyを使えば、Floorp限定のジェスチャーコマンドが追加され、また、マウスジェスチャーでFloorpの様々な機能を呼び出すことができるようになっている。

ダウンロードの開始・終了を検知すると通知する設定が使えたり、メニューパネルから再起動を行うこともでき、Firefox Syncを通じて一部の設定も同期するようになっている。

Floorp 11.17.4の
メニュー

Floorpのメモリ消費量が多いと感じた場合などは、設定のパフォーマンスからメモリとパフォーマンスの設定を変更できる。

パフォーマンスの設定

11.12.0以降、スムーススクロールがデフォルトで有効になっている。

リリース

全てのバージョンが記載されているとは限りません。また、誤りを含む場合があります。

Floorpは不具合修正を除き、基本的にFirefox ESRのリリースに合わせてリリースされる。Firefox ESRのリリース予定は Firefox Release Calendar (What Firefox trains are we in?) で確認できる。

Chromiumベース

Floorp 1
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バージョン リリース日 備考
1.0.1 2021年8月22日 開発者専用のプレビュービルド。
1.2.3 2021年?月?日
1.2.4 2021年?月?日

Floorp 7
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バージョン リリース日 備考
7.0.0 2021年9月18日 Kinzaパッチを取り込んだ唯一のメジャーバージョン。

Firefoxベース

Floorp 8
このバージョンからFirefoxベースとなっている。Floorp 8は安定版に追従。

安定版
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バージョン リリース日 備考
8.0.0 2021年12月1日 Firefoxベースになって最初のリリース。
8.1.1 2021年12月16日 Linux版の実験的サポート。
8.1.2 2021年12月22日
8.2.3 2022年1月2日
8.2.4 2022年1月8日
8.3.5 2022年?月?日
8.3.6 2022年2月8日 プライバシー・ローカライズアップデート
8.4.7 2022年2月11日 Gesturefy追加+エクスペリエンス強化アップデート
8.4.8 2022年2月20日 スーパードラッグ削除・デザイン強化アップデート
8.5.9 2022年?月?日 Dinoゲーム追加・垂直タブ仕様変更アップデート
8.6.0 2022年3月?日 通知機能・アップデート機能強化アップデート
8.6.1 2022年?月?日 アドオンのポリシー変更、期間限定テーマ追加。
8.6.2 2022年4月6日? バグ修正、Google セーフブラウジングの有効化。Linux版が安定版に。
8.7.2 2022年?月?日 Floorpレガシーブラウザー最後の機能アップデート。
8.7.3 2022年5月23日? 重大なセキュリティの修正。
8.9.9 2022年5月30日 Floorp 10の新機能の実験的な搭載。

BETA(開発版)
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バージョン リリース日 備考
8.6.1 BETA 2022年3月10日? ベータ版。
8.7.2 BETA 2022年4月10日?

Floorp 10
このバージョンからFirefoxの安定版に追従するのではなく、ESR版に追従するようになっている。Floorp 10のベースは Firefox ESR 102

安定版
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バージョン リリース日 備考
10.0.0 2022年6月17日? Firefox ESR 102ベースに。
10.0.1 2022年6月20日?
10.0.2 2022年6月22日?
10.0.3 2022年6月26日?
10.0.4 2022年6月27日?
10.1.0 2022年6月29日? macOS向けのビルドが利用できるように。
10.2.0 2022年7月23日
10.3.0 2022年8月4日?
10.4.0 2022年8月20日
10.5.0 2022年9月17日
10.6.0 2022年10月2日
10.6.1 2022年10月?日
10.6.2 2022年10月17日
10.7.0 2022年11月13日?
10.8.0 2022年12月20日?
10.9.0 2023年1月21日?
10.10.0 2023年2月12日?
10.10.1 2023年2月15日?
10.11.0 2023年3月12日?
10.11.1 2023年3月25日?
10.12.0 2023年4月11日?
10.13.0 2023年5月9日?
10.14.0 2023年6月4日
10.15.0 2023年7月1日
10.16.0 2023年7月27日

開発版
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バージョン リリース日 備考
10.0.0 BETA 2022年5月8日? ベータ版。
10.7.0 リリース候補 2022年10月21日? リリース候補版(RC)。

Floorp 11
11.0~11.16のベースは Firefox ESR 115 、11.17以降のベースは Firefox ESR 128 である。

Floorp 11及びMidori 11のタイムライン

安定版
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バージョン リリース日 備考
11.0.0 2023年7月30日 Firefox ESR 115ベースに。多数の新機能あり。
11.1.0 2023年8月4日 BMSでのワークスペース切り替え機能の追加。
11.1.1 2023年8月14日 ワークスペース機能のデフォルト無効化。
11.1.2 2023年8月14日 バグ修正のみ。
11.2.0 2023年8月29日 カスタムショートカットキー機能の追加。
11.3.0 2023年9月7日 拡張機能の動作可能なウェブパネルの実験的な追加。
11.3.1 2023年9月9日 Daylightでのリリースがないバージョン。バグ修正のみ。
11.3.2 2023年9月9日 バグ修正のみ。
11.3.3 2023年9月14日 WebPに関する重大な脆弱性の修正、バグ修正。Firefox ESR 115.2.1ベース。
11.4.0 2023年9月24日 プロファイルマネージャー・プライベートコンテナー・ワークスペースコンテナー機能の追加、ワークスペースのアイコンの追加、BMSのパネルを非表示にするときにパネルをアンロードする設定の追加。
11.4.1 2023年9月29日 VP8に関する重大な脆弱性の修正。Firefox ESR 115.3.1ベース。
11.5.0 2023年10月22日 垂直タブの再実装、統合拡張機能ボタンの表示/非表示の切り替え機能の追加、ネイティブ実装のQRコード生成機能、Windows版32bitビルドの提供、macOS版が正式版に。
11.5.1 2023年10月28日 ローカライズの更新、スポンサーショートカット、垂直タブのデザイン変更、「垂直タブをフォーカス時に展開」する設定の再実装、不具合修正。
11.6.0 2023年11月21日 分割ビュー、垂直タブの改善、一部キーボードショートカットをカスタムショートカットキーに移行、Floorp Fluerial デザインとMicrosoft Fluent デザインを非推奨化、垂直タブの不具合修正。
11.6.1 2023年11月22日 Firefox ESR 115.6.0ベース。垂直タブにスクロールバーを表示させる設定の追加、不具合修正。
11.7.0 2023年12月19日 Windows版にPWA(プログレッシブウェブアプリ)とSSB(サイトをアプリとしてインストール)の追加、新しいドキュメントアイコン、全画面モード時に左右どちらかに境界線が表示される問題を修正。
11.7.1 2023年12月20日 設定の「ホーム」タブが開けない不具合の修正。
11.8.0 2024年1月17日 ワークスペースの再実装とそれに伴う仕様変更・機能追加、ワークスペースのアイコンのデザインの調整および追加、PWA・分割ビューのパフォーマンス向上、PWAの検出動作の正確性向上、垂直タブがスクロールできないもしくはカクつく不具合の修正。
11.8.1 2024年1月18日 ワークスペースのいくつかのバグ修正、垂直タブのデザインの問題の修正、垂直タブのリファクタリングと一部機能の削除。
11.8.2 2024年1月22日 セキュリティに関する複数の修正、複数の問題(特定条件下でまれにワークスペースが増殖する、折りたたむ設定で垂直タブをスクロールできなくなる、コンテキストメニューの分割線が残る、Fluerial UIでワークスペースボタンが膨張する、ワークスペースの切り替えポップアップが不安定、Windows版のデジタル署名の欠落)を修正、ウェブサイトの互換性を維持するために一部サイトに対してJavaScriptによる干渉を追加。
11.9.0 2024年2月3日 ウェブアプリの設定ページの追加、ウェブアプリのウィンドウに再読み込み・戻るボタンを追加、ウェブアプリのウィンドウでツールバーを非表示にする設定の追加、ワークスペースの仕様変更、「垂直タブを折りたたむ」有効で垂直タブを展開すると背景が消失する問題の修正、垂直タブでタブをドラッグアウトして新しくウインドウを作成する時にドラッグする範囲が大きくなる問題を修正。
11.10.0 2024年2月19日 BMSで多くの拡張機能を動作可能とする機能の追加、分割ビューのアクションをカスタムショートカットキーに追加、ワークスペースの復元メカニズムの改善によりワークスペースの起動速度を改善、Floorp Homeの右下のリンク集を削除可能とする機能の追加、ウェブサイトの互換性を維持するためにX(旧Twitter)に対してJavaScriptによる干渉を追加、複数のバグ修正。
11.10.1 2024年2月19日 Daylightでのリリースがないバージョン。一部環境で既存のワークスペースにアクセスできなくなる問題の修正。
11.10.2 2024年2月20日 カスタム背景画像を設定しているとFloorp Homeを開けなくなる問題の修正。
11.10.3 2024年2月25日 Floorp for Windows 32bit版のインストールに必要な最低要件を引き下げSSE4.1命令を不要に、ワークスペースのポップアップの表示の重複問題の修正、BMSで拡張機能を有効にした場合にタブの追加などでウェブパネル内でリンクが開かれる問題の修正、GesturefyとuBlock Originをプライベートウィンドウで無効にできない問題の修正、一部の環境でPWA ウィンドウが正しく表示されない問題の修正、ローカルに一部検索エンジンを追加できない問題の修正。
11.10.4 2024年2月26日 BMSの不具合修正。
11.10.5 2024年2月27日 拡張機能をサイドバーで動作させた場合に2つ目以降のウィンドウで開かれたタブが最初に開いたウィンドウに転送される不具合の修正、垂直タブ使用時にドラッグ領域をタイトルバーに作成しウィンドウの操作性を改善。
11.11.0 2024年3月20日 拡張機能をウェブパネルで動作させる機能を完全にサポート、署名がないLinux版の真偽性をハッシュで確認可能に、YouTubeでFirefoxでの再生に不具合があるVP9コーデックをブロックしH.264で再生するように強制、垂直タブのコンテキストメニューの表示を修正、ワークスペースにプライベートコンテナーを割り当てると再起動後にコンテナーの設定が保持されない問題の修正。
11.11.1 2024年3月20日 無効になっていても起動時にステータスバーが表示される問題を修正、PPAからFloorpをダウンロードできない問題の修正、タブバーの設定を保持できない問題を修正、ワークスペースの切り替えがうまくいかない問題の若干の改善。
11.11.2 2024年3月25日 Firefox ESR 115.10.0ベース。ウェブパネル内のコンテンツの拡大/縮小に対応、複数のデスクトップ環境でリンクを開けない問題の修正、ウェブパネルを使用している場合にリンクのプレビューが表示されない問題の修正。
11.12.0 2024年4月14日 Firefox ESR 115.11.0ベース。Linux上でPWAおよびSSBをサポート、スムーススクロールを有効化、ウェブパネルをアンロードするとステータスバーが表示されなくなる問題の修正、垂直タブバーのサイズを拡張とウェブサイトのサイズに影響が出る問題の修正、一部のテキストが翻訳されていない問題の修正、ウェブパネルに追加されたサイトにパラメータがあってもウェブパネルで削除されてしまう問題の修正。
11.12.1 2024年4月20日 問題のあったいくつかの修正をもとに戻した。
11.12.2 2024年4月21日 カスタムショートカットキーが破損しいくつかのタブバーのカスタマイズが適用されなくなった問題の修正。
11.13.0 2024年5月17日 ポップアップのコンテキストメニューからワークスペースの順序を入れ替えられるようになった、コンテンツスクリプトがすべてESMに書き直された、多くのコードのリファクタリングが行われよりコードベースがきれいになった、不具合修正。
11.13.1 2024年5月19日 x.comが開けない問題の修正、デフォルト設定に戻すとステータスバーが使えない問題の修正、SSBが有効である場合に読み込み速度が遅延する問題の修正。
11.13.2 2024年5月19日 垂直タブがスクロールできなくなる問題の修正、PWAウインドウでツールバーが使えない問題の修正。
11.13.3 2024年5月25日 外部ブラウザで開くが使用できなくなる問題の修正、ウェブパネルによってメモリリークが発生する問題の修正、垂直タブの最後に新しいタブのボタンが設置できない問題の修正、ブックマークのホバー機能によってウェブパネルが破損する問題の修正、その他いくつかの問題の修正。
11.14.0 2024年6月11日 Firefox ESR 115.13.0ベース。SolidJSフレームワークとTypeScriptを使用した一部コンポーネントの再構築。
11.14.1 2024年6月13日 ワークスペースコンテナーが機能しない問題の修正、新しいタブのURLをオーバーライドできない問題の修正、一切Floorpが動作しなくなる場合がある問題の修正、ワークスペースアイコンが選択できない問題の修正。
11.15.0 2024年7月10日 設定済みのショートカットキーを削除できない問題の修正、「フォーカス時にブックマークバーを展開する」機能が正常に動作しない問題の修正、ツールバーのサイドバーボタンが削除できない問題の修正。
11.16.0 2024年8月8日 Daylightでのリリースがないバージョン。Firefox ESR 115.15.0ベース。セキュリティの修正。11.17.0はESR 128ベースを予定しているため、ESR 115ベースの最後のバージョンとなる。
11.17.0 2024年8月16日 ベースがESR 128.1.0に更新された。分割ビューの再実装と改善、不具合が多かった機能(ユーザーエージェントスイッチャー、userChrome.jsローダー、Floorp Fluerial UI(レガシー)、Microsoft Fluent UI、Gnome UI)の削除、新しいFloorp Fluerial デザインの追加、Windows版32bitビルドの削除。Linuxでアップデートが適用されない不具合がある。
11.17.1 2024年8月17日 Daylightでのリリースがないバージョン。Linuxでアップデートが適用されない不具合の修正。
11.17.3 2024年8月17日 複数の不具合(Mac版の署名が正しく適用できていない、垂直タブのホバー機能で背景が表示されない、ウェブパネルでユーザーエージェントが変わらない、ウェブパネルのコンテナタブでウェブサイトが読み込まれない、拡張機能のアイコンが表示されない、Gesturefyが新しいタブで動作しない、GesturefyにFloorp専用のジェスチャーが読み込まれない、その他複数の小さな不具合)の修正。
11.17.4 2024年8月18日 Daylightでのリリースがないバージョン。Mica For Everyoneのサポートを削除、ワークスペースコンテナーが動作しない問題の修正、垂直タブがスクロールできない問題の修正、設定のテキストが一部表示されない問題の修正、設定項目が一部重複する問題の修正、表示に関する複数の問題の修正。
11.17.5 2024年8月21日 ウェブパネルにモバイル版のユーザーエージェントを適用できない問題の修正、ウェブパネルにコンテナーを適用できない問題の修正、プロファイルマネージャーのポップアップが表示されない問題の修正、ブックマークツールバーが垂直タブと重なる問題の修正、垂直タブバーのスクロールバーが常に表示される問題の修正と太さを細く変更、レガシーダウンロードバーの再実装と不具合修正、その他デザインの細かい修正と調整。
11.17.6 2024年8月23日 リフレッシュ機能が使用可能に、ワークスペースの安定性向上、ベースがFirefox ESR 128.2.0に。
11.17.7 2024年8月24日 ワークスペースの改善、テーマの修正。
11.17.8 2024年8月28日 起動時にウェブパネルのウインドウが誤って復元される問題を修正、faviconの色を使用してツールバーに色を付けられない問題を修正、macOSでタブバーのレイアウトがOSのものに準拠しない問題の修正、垂直タブの不具合修正、デュアルテーマの不具合修正、アドレスバーのデザイン修正。
11.18.0 2024年9月3日 Firefox ESR 128.3.0ベース。Floorp HomeでFloorpのスポンサーが表示されずFirefoxのスポンサーが表示される問題の修正、デュアルテーマが無効になっていてもデュアルテーマと競合する一部の拡張機能が使用できない問題の修正、ピン留めされたタブが正しく表示されない問題の修正。
11.18.1 2024年9月9日 分割ビューで分割したタブを削除した後にFloorpが正しくウェブページをレンダリングしなくなる問題の修正、「Floorp について」のダイアログの一部内容がFirefoxのものからFloorpのものに変更されていなかった問題の修正、「media.block-autoplay-until-in-foreground」が機能しない問題の修正、「Floorpをカスタマイズ」で統合拡張機能ボタンの表示/非表示の切り替えが機能しない問題の修正、「セキュリティとプライバシー」の「フィンガープリント保護」機能のチェックボックスの位置がおかしい問題の修正。
11.19.0 2024年10月1日 カスタムショートカットキーの設定時に入力した組み合わせが無効な場合はエラーを表示するように、既存のキーボードショートカットの設定を無効にする機能を改善・修正、いくつかのバグ修正。
11.19.1 2024年10月10日 Firefox ESR 128.4.0ベース。 CVE-2024-9680 のセキュリティ修正。
11.20.0 2024年10月29日 Firefox ESR 128.5.0ベース。セキュリティ修正のみ。
11.21.0 2024年11月25日 セキュリティ修正のみ。
11.22.0 2025年1月8日 Firefox ESR 128.7.0ベース。セキュリティ修正のみ。
11.23.0 2025年2月5日 Firefox ESR 128.8.0ベース。セキュリティ修正のみ。

Daylight(開発版)
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バージョン リリース日 備考
11.0.0 2023年6月26日 以降 毎日更新 Firefox ESR 115.0ベース。
11.1.0 2023年8月2日 以降 不定期更新 Firefox ESR 115.1.0ベース。
11.1.1 2023年8月7日 以降 不定期更新
11.1.2 2023年8月14日
11.2.0 2023年8月17日 以降 不定期更新 Firefox ESR 115.2.0ベース。
11.2.1 2023年9月5日 安定版のリリースなし。
11.3.0 2023年9月6日 以降 不定期更新
11.3.2 2023年9月10日 安定版が先にリリース。
11.4.0 2023年9月8日,
2023年9月11日 以降 不定期更新
Firefox ESR 115.3.0ベース。
11.4.1 2023年10月1日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
2023年10月9日からmacOSでもDaylightチャネルが有効になり、安定版と別にインストールできるようになった。
11.5.0 2023年10月13日 以降 不定期更新 Firefox ESR 115.4.0ベース。
11.5.1 2023年10月25日 以降 不定期更新
11.6.0 2023年11月8日 以降 不定期更新 2023年11月16日以降、Firefox ESR 115.5.0ベース。
11.6.1 2023年11月22日 安定版が先にリリース。
11.7.0 2023年11月21日 以降 不定期更新
11.7.1 2023年12月20日 以降 不定期更新
11.8.0 2024年1月16日 以降 不定期更新 Firefox ESR 115.7.0ベース。
11.8.1 2024年1月19日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。FirefoxのWebCompatを最新版に更新。
11.8.2 2024年1月22日 以降 不定期更新
11.8.3 2024年1月30日 Daylightのみリリース。
11.9.0 2024年2月1日 以降 不定期更新
11.10.0 2024年2月13日 以降 不定期更新 Firefox ESR 115.8.0ベース。
11.10.2 2024年2月20日 安定版が先にリリース。
11.10.3 2024年2月21日 以降 不定期更新
11.10.4 2024年2月26日 安定版が先にリリース。
11.10.5 2024年2月27日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.11.0 2024年3月18日 以降 不定期更新 Firefox ESR 115.9.0ベース。
11.11.1 2024年3月21日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.11.2 2024年3月26日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.12.0 2024年4月15日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.12.1 2024年4月18日 以降 不定期更新
11.12.2 2024年4月21日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.13.0 2024年4月28日 以降 不定期更新 2024年5月17日以降、Firefox ESR 115.12.0ベース。
11.13.1 2024年5月19日 安定版が先にリリース。
11.13.2 2024年5月20日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.13.3 2024年5月24日 以降 不定期更新
11.14.0 2024年5月26日 以降 不定期更新
11.14.1 2024年6月14日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.15.0 2024年7月9日 以降 不定期更新
11.17.0 2024年8月5日 以降 不定期更新 ベースのFirefox ESRのバージョンが128(128.1.0)に更新された。
11.17.3 2024年8月17日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.17.5 2024年8月21日
11.17.6 2024年8月22日 以降 不定期更新 Firefox ESR 128.2.0ベース。
11.17.7 2024年8月24日 以降 不定期更新
11.17.8 2024年8月27日 以降 不定期更新
11.18.0 2024年9月3日 安定版が先にリリース。
11.18.1 2024年9月4日 以降 不定期更新
11.19.0 2024年9月30日 以降 不定期更新
11.19.1 2024年10月11日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.20.0 2024年10月30日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.21.0 2024年11月25日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。
11.22.0 2025年1月9日 以降 不定期更新 安定版が先にリリース。

開発版(Lightning)
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バージョン リリース日 備考
11.5.0 2023年10月14日 Floorpから大半の機能を削除し一部の需要が大きい機能のみを残した軽量バージョン。
11.5.1 2023年10月25日

セキュリティ

FloorpはFirefox ESRのセキュリティアップデートを速やかにリリースしており、Firefox ESRの正式な配信よりも先にアップデートを配信することもある。そのため、Floorpはセキュリティ面において、Firefoxのアップデートが配信された後にアップデートが配信される他の多くのFirefox派生ブラウザより堅牢である。

署名

Floorpはコードサイニング証明書発行元大手のCertumの公式に承認されたコードサイニング証明書により署名されている。これにより、Floorpが第三者によって改竄された場合にユーザーでも気付くことができ、またブラウザやセキュリティソフトの誤検出が大幅に低下した。

正常に署名されたFloorpのWindows版Stubインストーラー

署名が破損している場合は非公式な改変がなされているため、安全のために使用は控えるべきである。正常に署名されていてもMicrosoft Defender SmartScreenの警告画面は表示されるが、署名により発行元の記載が行われている。

FloorpのWindows版Stubインストーラーを起動しようとした時に表示される
Microsoft Defender SmartScreenの警告画面。右側は左側の画面で詳細情報
を押した後で、署名によって発行元が表示されている。

Floorp 11のmacOS版は2023年7月8日のDaylightビルド以降、Developer ID証明書による署名が行われている。これにより、Gatekeeperでソフトウェアの提供元、ソフトウェアに既知の悪質なコンテンツがないこと、ソフトウェアが改変されていないことを確認できるようになった。また、Gatekeeperによるブロックが起こらなくなり、macOSでも自動更新機能の提供が開始された。

アドレスバーの表示

FloorpはデフォルトでURLの「http」スキーム名を表示する。

Floorp 11.0.0のアドレスバー。URLの「http」スキーム名が表示されている。

FloorpのベースであるFirefoxでは、URLの「http」スキーム名をデフォルトでは表示しない他、Microsoft Edgeも同様の動作であり、Google Chromeは「http」だけでなく「https」スキーム名やホスト名(サブドメイン)の「www」すらも省略するため、正しいURLを表示するという動作でありながら、比較的珍しい動作であると言える。

Firefox 115.0.3のアドレスバー。URLの「http」スキーム名が省略されている。

GoogleはURLについて、複雑で重要な部分がわかりにくく判別が容易でないことから、ドメインの偽装などセキュリティにおけるリスクとなっていると考えており、表示の省略や重要な部分の強調などを進めている。

Google Chrome Beta 116.0.5845.49のアドレスバー。URLの「https」スキーム
名やホスト名(サブドメイン)の「www」が省略されている。

しかし、Googleが重要でないと見なしたサブドメインの省略によって、かえって正しいサイトにアクセスしているかどうかわからなくなってしまうという指摘も多く、アドレスバーにおけるURLの省略表示がセキュリティ的にプラスであるかマイナスであるかは意見が分かれている。

ユーザーエージェントの偽装

Floorpは現在、Floorp独自のユーザーエージェントが送信されているごく一部のサイトを除き、デフォルトではベースとなっているFirefoxのユーザーエージェントを送信している。

これについて開発者は、Floorpのユーザー数が少なく、Floorp独自のユーザーエージェントがフィンガープリントの原因となってしまうためとしている。

ユーザ―エージェントでブラウザを識別し、マイナーなブラウザからのアクセスを拒むウェブサイトが非常に多く存在することなどもあり、Floorpのような新鋭ブラウザはユーザーエージェントを偽装するのが通例となっている。

DRM

Floorpは、W3Cの仕様であるEncrypted Media Extensions(EME)に従って暗号化されたメディアの再生を有効にするために、Firefoxと同様、GoogleのWidevine CDMを使用している。

しかし、Floorpの提供元であるAblazeはGoogleからWidevine認定を取得できていないため、WidevineのセキュリティレベルはL3となっており、多くのコンテンツが再生できない、もしくは低い品質のものしか再生できない状態となっている。

セキュリティレベルを上げるにはGoogleの認証か多額のライセンス料が必要になるため、AblazeはFloorpのこの問題には対処できないとしている。また、開発者はFloorpの問題の約半分はDRM関連のものであると語っている。

なお、DRM関連の問題はDRMによって厳しい制限が課されるWindowsとmacOSでよく発生し、DRMの制限が緩いLinuxではあまり発生しない。

派生ブラウザ

FireDragon

Garuda Linuxのコミュニティによって開発されているFireDragonは、バージョン119までLibreWolfをベースとしていたが、2024年1月1日に新バージョンをFloorpに基づいて構築することを発表した。

FloorpベースのFireDragonはFloorpのブランディングと設定の一部を変更したものであり、FireDragonのメンテナは、Floorpに基づくことで従来と比較して5%~10%の処理性能の向上、ほとんどの機能が一覧表示され簡単にアクセスできる優れたUI、多数の新機能などがもたらされたとしている。FireDragonでは同期にGarudaのサーバーを使用しており、Mozilla アカウントは使用しない。

この新しいFireDragonは2月4日に正式に提供が開始された。

FireDragon 11.9.0のスクリーンショット

Midori

Astian, Incによって管理されている元WebKit系の軽量ブラウザMidoriは、2023年8月1日にエンジンをGeckoに変更すると発表し、8月31日には新たなベースがFloorpであることが発覚した。

その後、9月18日にAstianの公式TwitterアカウントでFloorpをベースとしていることが公表され、9月19日にパブリックベータを、10月28日に正式に11.0をリリースした。

なお、Floorpの開発陣はMidoriの開発には一切関わっていない。

2024年1月14日、Floorpの開発者のTwitterの投稿で、Midoriでは一部の著作権表記を無断で書き換えており著作権侵害にあたる状態であることが明らかになった。

2024年3月17日にFloorpが一時的に一部のソースコードをクローズドにした理由として、「自身がFloorpフォークであることを隠したいフォーク、Floorpにまったく貢献したくないフォーク、コードをそのまま使用してFloorpの名前を変更しただけのフォークなど」が増えたことが原因になっていると発表されており、明言はされていないもののMidoriのことではないかと推測されている。なお、Floorpの非公開だった部分のソースコードはライセンスを変更され、同25日に再公開されている。

Midori v11.0のスクリーンショット

Zen Browser

プライバシーとカスタマイズに重点を置いた、Firefoxベースのブラウザとして開発されているZen Browserは、ウェブパネルや分割ビューなど多くの機能でFloorpのソースコードを使用、もしくは参考にしている。なお、Floorpも11.17.0の分割ビューの再実装でZen Browserを参考にしている。

Zen BrowserはFloorpの成果物を利用しているものの可能な限りそのことを隠しており、またFloorpがZen Browserの成果物をライセンスに従って使用しようとした際に抗議した事例もあることから、開発者にオープンソースの精神が欠如していることが指摘されている。Floorpの開発者によると、抗議された事例については一応和解済みである。

Zen Browser 1.0.0-a.9のスクリーンショット

廃止済みの機能

以下は代表的な廃止済みの機能である。

ユーザーエージェントスイッチャー

Floorpはユーザーエージェントを変更する機能を有しており、ユーザー自身が設定からユーザーエージェントの偽装を行うことが可能であった。ユーザーエージェントを偽装することで、サイトにアクセスを拒否される可能性を減らすことができる。

なお、この機能は問題が多くFloorp 12で廃止予定となったのち、ベースがESR 128.1.0となった11.17の時点で前倒しで廃止された。何らかの理由でユーザーエージェントを偽装する必要がある場合は、 User-Agent Switcher and Manager などの拡張機能の使用が推奨されている。

設定画面からユーザーエージェントを自由に変更できた

userChrome.jsローダー(userChrome.js・レガシーアドオン対応)

FloorpはuserChrome.js用のスクリプトやレガシーアドオンに対応していた。

Floorp自体が不安定になる可能性があるため、デフォルトでは無効であり公式からのサポートも行われていなかった。また、Floorpが対応しているレガシーアドオンは、モダンなFirefoxに対応するもののみとなっていた。userChrome.jsやレガシーアドオンを使用する場合、Floorpの機能自体を書き換えることができてしまうため、セキュリティも大幅に損なわれることになる。

設定の「レガシーコンポーネントを有効にする」のトグルを切り替え、ブラウザーを再起動すれば有効化できた。

Floorp 10とFloorp 11ではuserChrome.cssやuserChrome.js、レガシーアドオンの互換性がほとんどないため、Floorp 11へのアップデートの前にuserChrome.js、レガシーアドオンとも無効にすることが推奨された

このuserChrome.jsローダーはFloorp 12で廃止予定となったのち、ベースがESR 128.1.0となった11.17の時点で前倒しで廃止された。なお、2023年8月には開発者がuserChrome.jsとレガシーアドオンは共にレガシーな技術であり、ベースとなるFirefox ESRのメジャーバージョンが上がる際などに対応が終了する可能性があることを明言していた。

また、開発者はカスタマイズなどの需要はレガシーな技術に依存し続けるのではなく、ブラウザ側がフレキシブルになることで解決すべきであるという考え方を示している。

外部リンク

公式関連


解説など


紹介動画


紹介記事


Wiki


その他


関連項目


脚注

注釈

Mirahezeのページ でご確認ください。

出典

Mirahezeのページ でご確認ください。

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