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Linuxディストリビューションを比較してみよう

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Linuxディストリビューションを比較してみよう

「Linuxを使ってみよう!」と思った時に、まず最初に選ばなければならない Linuxディストリビューション

しかし、Linuxディストリビューションにはとても多くの種類があり、どう選べばよいかわからないという場合も多いと思います。

そこで、このページでは私*1が色々なディストリビューションを比較する時に主に注目する点を解説していきます。

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目次



系統

Linuxディストリビューションは系統によって使い勝手が大きく異なります。
なので、自分の使用用途などに合わせた系統を選択することをおすすめします。

ここでは各系統の特徴を大雑把に解説します。
詳細は各系統のページで確認してください。

Debian系

▲Debian Projectのロゴ

コンピューターやLinuxに精通していないユーザーであっても使い易く、情報が多い系統です。
どちらかと言えばデスクトップ利用に適しています。
Ubuntu・Ubuntu派生
▲Ubuntuのロゴ

Ubuntu Debian系のディストリビューションの中でも、圧倒的に初心者にとって使いやすいディストリビューションです。
「Ubuntu系」と言われることもあるほど多くの派生ディストリビューションがあります。
デスクトップ利用に適しています。*2

Red Hat系

#ref error :画像を取得できませんでした。しばらく時間を置いてから再度お試しください。
▲Red Hatのロゴ

一般に安定した設計で、サーバーに適した系統です。
デスクトップ利用も可能なので、将来的にサーバー関連を、と思っている方に適しています。
ただし、Fedoraなどは実験的な性質が強くなっています。

Slackware系

▲Slackwareのロゴ

昔は非常に人気のあったディストリビューションですが、現在はDebian系やRed Hat系より難しいと言われています。
しかし、シンプルで安定しており、何にでも使うことが出来るディストリビューションです。
Puppy Linuxなどの軽量で使い易いディストリビューションも存在します。

独立系

「独立系」は1つの系統ではなく、前述した3系統以外を指します。
その為、各ディストリビューションで特徴が異なります。

現在このページに解説がある独立系のディストリビューションは、全てローリングリリースを採用しています。*3
Arch Linux ・Arch Linuxベース
▲Arch Linuxのロゴ

シンプルで無駄がなく、最新のパッケージを常に利用するディストリビューションです。
Arch Linux自体はSlackware程ではないものの難易度が高いディストリビューションですが、最近は Alter Linux Manjaro などの使い易い派生ディストリビューションが増えています。
デスクトップ利用に適しています。
Solus
▲Solusのロゴ

eopkgという独自のパッケージ管理システムを採用している、新しいディストリビューションです。
Budgieという独自のデスクトップ環境も開発していて、システムの中身を意識しなくていいように作られています。
デスクトップ利用を目的に開発されています。
openSUSE
▲openSUSEのロゴ

かつてはSlackwareをベースに開発されていた、汎用性が高く使い易いディストリビューションです。
デスクトップ利用に適しています。*4
Gentoo Linux
▲Larry the Cow

自分でソフトウェアをコンパイルして利用するという、Slackware以上に難易度の高いディストリビューションです。
無限に近い適応性を持ちます。

デスクトップ環境

デスクトップ環境によって、デスクトップの見た目や使い勝手は大きく変わります。
使用用途や好みに合ったデスクトップ環境を探してみるといいでしょう。

ここでは代表的なデスクトップ環境を紹介します。
ここに書かれていないデスクトップ環境も数多くあります。

KDE

▲KDE Plasma 5のスクリーンショット

豪華なアニメーションと、Windowsなどから影響を受けた初心者でも使い易い ユーザーインターフェース(UI) が特徴のデスクトップ環境です。
1998年から開発されており、GNOMEを含め多くのデスクトップ環境に影響を与えています。
非常に多くのディストリビューションで採用されています。
重量級のデスクトップ環境で、スペックの低いコンピューターにはあまり向きません。*5

GNOME

shell-overview2.png
▲GNOME Shell 40のスクリーンショット

GNUプロジェクトで開発されている、豪華なアニメーションを持つデスクトップ環境です。
初心者向けのUIを持つ一方で、UNIXの基本に従わない独自実装を含むことがあります。
非常に多くのディストリビューションで採用されています。
重量級のデスクトップ環境で、スペックの低いコンピューターにはあまり向きません。
Cinnamon
▲Cinnamon 4.2.3のスクリーンショット

CinnamonはGNOMEからフォークしたデスクトップ環境で、GNOME 3の欠点であるカスタマイズ性の悪さが改善されています。
Linux Mintの為に開発されましたが、多くの他のディストリビューションでも採用されています。
重量級のデスクトップ環境で、スペックの低いコンピューターにはあまり向きません。
MATE
▲Ubuntu MATEのスクリーンショット

GNOME 3による大きな変更やリソース消費の増加に反対したユーザーらによって、GNOME 2からフォークされ開発されているデスクトップ環境です。
GNOME 2に近い操作感を持ち、リソース消費もGNOME 3より低く抑えられています。
それでも比較的重いデスクトップ環境で、スペックの低いコンピューターにはあまり向きません。

Xfce

▲Xubuntuのスクリーンショット

KDE程ではないものの豪華なアニメーションと、軽量さや高速さを併せ持つデスクトップ環境です。
Xfce Panelは非常に自由度が高く、Xfce以外のデスクトップ環境を採用したディストリビューションでも使用されています。
初心者でも使い易いUIを持ち、多くのディストリビューションで採用されています。
軽量なデスクトップ環境であり、スペックの低いコンピューターでも快適に利用出来ます。

LXDE・LXQt

▲LXDEのスクリーンショット

▲LXQtのスクリーンショット

アニメーションが少ない代わりに、Xfceよりも軽量で高速なデスクトップ環境です。
LXDEはGTKツールキットを使って作られていましたが、Qtツールキットに移行しLXQtという名称になりました。
後継のLXQtがリリースされてからもLXDEの開発は続行されており、共存状態になっています。
軽量なデスクトップ環境であり、スペックの低いコンピューターでも快適に利用出来ます。

Deepin Desktop Environment(DDE)

▲Deepin 20 betaのスクリーンショット

豪華なアニメーションと、非常に美しく使い易いUIを持つデスクトップ環境です。
Deepinの為に開発されており、他のいくつかのディストリビューションでも採用されています。
重量級のデスクトップ環境で、スペックの低いコンピューターにはあまり向きません。

i3(ウィンドウマネージャー)

▲i3のスクリーンショット

viによく似た制御システムを使用した、タイル型のウィンドウマネージャーです。
便宜上「デスクトップ環境」と同じ様に扱っていますが、デスクトップ環境ではありません。
基本的な操作はショートカットキーで行います。
ウィンドウマネージャーのみであれば軽量で、スペックの低いコンピューターでも快適に利用出来ます。

日本語対応

▲fcitx-mozcを使って日本語入力

日本語を使う人にとっては、ディストリビューションが日本語に対応していることも重要な要素になります。
日本語に対応しているかどうかは系統などでは比較出来ないので、1つずつ調べる必要があります。

日本語表示には結構な数のディストリビューションがデフォルトで対応していますが、日本語入力にはデフォルトで対応していないことが多く、ディストリビューションによっては日本語入力環境を整えるだけでも相当な知識が要求されます。

例えば、 UbuntuやUbuntu派生 のディストリビューションでは、ほとんどが日本語表示にデフォルトで対応しており、日本語入力にも多くのディストリビューションがデフォルトで対応しています。
また、デフォルトでは日本語入力に対応していなかったとしても、簡単に日本語入力環境を整えることが出来ます。

一方、 Arch Linux などは日本語入力環境を整えるのが難しく、元から日本語入力環境が整っているのは Alter Linux やそれをベースとしたディストリビューションに限られています。
追記︰ Manjaro は20.0以降、日本語入力環境の導入が簡単になりました。

ディストリビューションの選択例

ここでは、今までに書いてきた点などから自分がディストリビューションを選ぶとこうなるかな、という例をいくつか紹介します。

例1
Kubuntu

例2
Xubuntu

例3
  • 将来サーバー関連の仕事をしたいと思っている → Red Hat系
  • 新しい技術をいち早く使いたい → Fedora
Fedora

例4
AlmaLinux

例5

あくまで一例であるということを前提に、参考にしてみてください。

まとめ

ここまで、私が色々なディストリビューションを比較する時に主に注目する点を解説してきました。

ぜひ、この記事を参考に自分に合ったLinuxディストリビューションを見つけてみてください。
そして、楽しいLinuxライフを!

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  • コメントログ作成 - 名無しさん (2020-07-24 01:51:03)
  • 独立系といえば組み込み向きのAlpine Linuxを忘れてもらっちゃ困りますぜ。Amazon Linuxの派生元らしいですね。 - 名無しさん (2023-12-12 20:50:07)

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注釈

*1 このWikiの管理者、kazu_selenのことです。

*2 サーバー向けのUbuntu Serverも存在します。

*3 openSUSEはローリングリリースを採用するTumbleweedとローリングリリースではないLeapがあります。

*4 サーバー向けのSUSE Linux Enterprise Server(商用)も存在します。

*5 最近は徐々に軽量になってきています。